bわたしの英会話コンシェルジュ・デスクです!
「大好きな人ができたけれど、『愛してる(I love you)』と伝えるのはまだちょっと早いかも……。でも、ただの『好き(I like you)』じゃ、この胸のバタバタするようなときめきは全然伝わらない!」
そんな「恋のはじまりの、一番もどかしくて甘酸っぱい瞬間」を、これでもかとポップに、そして直球でハッピーに歌い上げたガールズ・アンセムをご存じですか?
今回ご紹介するのは、カナダ出身のポップ・プリンセス、カーリー・レイ・ジェプセン(Carly Rae Jepsen)が2015年にリリースし、日本中のお茶の間や夏フェスをピンク色に染め上げた大ヒット曲「I Really Like You(アイ・リアリー・ライク・ユー)」です!
「I really, really, really, really, really, really like you!」と「really」をこれでもかと連打するあのキャッチーなサビを、テレビのCMやお店のBGMで一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
一見、ただ明るくて弾けるようなお気楽ポップスに聞こえるこの曲ですが、歌詞を丁寧に紐解いていくと、実は「まだ付き合う前の、一番ドキドキして理性を失いそうな男女のギリギリの駆け引き」が、もの凄くリアルに、そしてお洒落に描かれているんです。
この曲に隠されたあざとかわいい乙女心のミステリー、大名優を巻き込んだ伝説のMVの裏話、日常英会話が劇的に輝き出す「大人の英語レッスン」まで、ボリュームたっぷりに解説していきます!
都会のネオンや夏の日のまばゆい光を思い浮かべながら、カーリーのあざとかわいいポップな魔法の世界へ一緒に飛び込みましょう!
🎤 アーティスト紹介:カーリー・レイ・ジェプセン(Carly Rae Jepsen)
カーリー・レイ・ジェプセンは、カナダ出身のシンガーソングライター。 2011年にリリースされた「Call Me Maybe」が、あのジャスティン・ビーバーの「この曲、最高!」という1通のツイートをきっかけにSNSで爆発的なバイラルヒットを記録し、ビルボードチャートで9週連続1位というメガヒットを記録。一躍トップスターの仲間入りを果たしました。

彼女の最大の魅力は、誰の心にもある「恋する乙女の等身大のドキドキ」を、圧倒的にキャッチーなメロディと親しみやすい等身大の言葉で表現するソングライティング能力。 「一発屋(One-Hit Wonder)で終わるのでは?」という世間の冷ややかな視線を、2015年の名盤3rdアルバム『Emotion』で見事に跳ね除け、世界中の批評家からも「ポップ・ミュージックの完成形」と大絶賛され、確固たる地位を築き上げました。
飾らないナチュラルな可愛らしさから、日本では「ナチュかわポップ・プリンセス」の愛称で親しまれ、今なお幅広い世代から愛され続けている、まさにポップ・シーンの妖精なのです。
💿なぜ「Love」ではなく「Really Like」なのか?
「I Really Like You」は、2015年にリリースされた3rdアルバム『Emotion』からのリードシングルです。
💘 好き以上、愛してる未満の「Really」の魔法
なぜカーリーはこの曲のタイトルを「I Love You(愛してる)」にせず、「I Really Like You」にしたのでしょうか? 実はカーリー本人が、インタビューでこのタイトルの秘密を明かしています。 「『I love you(愛してる)』と口にするのはまだ時期が早すぎるけれど、かといって普通の『I like you(好き)』じゃ物足りない。『I really, really, really, really, really, really like you(本当に、本当に、本当にあなたのことが好きなの!)』という、恋に落ちる真っ只中にある、ブレーキの利かない特別な段階を歌っているの」と語っているのです。
「これが愛じゃない(I know this isn’t love)ことは頭ではわかっている。でも、これまでの自分の常識をすべて吹き飛ばしてしまうくらい、信じられないスピードで彼に夢中になっていく。だからこそ、大人びた『Love』よりも、子供のように無邪気で直球な『Like』の連打の方が、圧倒的にリアルで強いインパクトを持って響くのよ」という、カーリーの計算され尽くした「言葉のセンス」がこの曲の核になっています。
🎬 トム・ハンクスとジャスティン・ビーバーが踊る!?伝説のMV
この曲を語る上で絶対に欠かせないのが、YouTubeで驚異の再生回数を誇る超豪華なミュージック・ビデオです!
なんと、映画『フォレスト・ガンプ』や『トイ・ストーリー』のウッディ役などで知られるハリウッドの超大名優トム・ハンクス(Tom Hanks)が、MVの主役として丸ごと出演しているのです! トム・ハンクスが朝起きて、街を歩き、タクシーに乗り、ピンポンダッシュをされ(笑)、スマホでカーリーの歌声に合わせて完全にリップシンク(口パク)をしながらお茶目に踊り狂うという、全人類の好感度を独占するような映像に仕上がっています。
撮影のきっかけは、カーリーのプロデューサーでもあるスクーター・ブラウンが、トム・ハンクスとディナーをしている際に「カーリーの新しいビデオに、誰か面白い男性が出演してくれたら最高なんだけどな」と何気なく話したところ、トムが「だったら僕がやろうか?」と快諾したことからスタートしました。 ビデオの終盤には、カーリーを世界に見出したジャスティン・ビーバーも登場し、トムやカーリーと一緒になって路上でラインダンスを披露するという、まさにポップスの歴史に残るハッピーな奇跡のコラボレーションが実現したのです! (ちなみに日本のモデルであるローラさんも、一部のパロディ動画や特別バージョンに出演しているのでは?と当時ファンの間で話題になりました!)
日本との特別な絆:サマソニでの神対応とCMでの大ヒット
カーリー・レイ・ジェプセンは、洋楽アーティストの中でも屈指の「親日家」として知られていますが、この「I Really Like You」は日本との間にとびきり甘くて温かい思い出をたくさん残しています。
🧴 お茶の間をハッピーに彩ったシャンプーのCMソング
日本では、ヘアケアブランド「モイストダイアン」のテレビCMソングとして起用され、お茶の間にこのハッピーなイントロが毎日響き渡りました。 CMの明るく爽やかなビジュアルと、カーリーの「好きが弾ける」歌声が完璧にシンクロし、普段洋楽を聴かない人々にとっても「耳に残りまくる最高のハッピー・ソング」としてお茶の間の定番となったのです。
☀️ 10年前の夏、サマソニでの「フレッシュジュース神対応」エピソード
2015年の夏、カーリーは日本最大級の都市型夏フェス「SUMMER SONIC」に出演しました。 アルバム『Emotion』をリリースした直後だったカーリーは、日本のオーディエンスがこの新曲「I Really Like You」を凄まじい大合唱で迎え入れたことに大興奮! バックステージでのインタビューで、彼女は目をキラキラさせながらこう語ってくれました。 「2年もかけて丁寧に作った大好きなアルバム『Emotion』の曲を、初めて日本のファンの前でライブで歌えたんだけど、本当にもう最高の気分だったわ!ロサンゼルスで2週間みっちりバンドとリハーサルをしているときから興奮していたけれど、日本のオーディエンスのリアクションは私の期待を遥かに超えて爆上がりだったの!」
日本の酷暑についても質問されると、彼女は抜群に愛らしい笑顔でこう答えました。 「日本の夏の暑さは確かにもの凄いけれど、お肌のデトックス(毒素排出)になるから実はとってもヘルシーで大好きなの!冷たくて美味しいフレッシュジュースをたくさん飲めば、この暑さだって余裕でハッピーに乗り越えられちゃうわ!」 過酷なフェスの現場でも、常にポジティブでスタッフや観客全員をメロメロにしてしまう、カーリーの圧倒的な「プリンセスとしての神対応」が日本でさらに愛されるきっかけとなりました。
🎥 YouTubeで動画を聴いてみよう!
大名優トム・ハンクスのお茶目すぎる表情とステップ、そしてカーリー&ジャスティンのハッピーなダンスを、ぜひ公式YouTubeビデオでチェックしてみてください!
(トム・ハンクスが朝起きて街を歩きながらリップシンクする姿と、ラストの総立ちダンスは何度見ても心がウキウキして笑顔になっちゃいます!)
✍️ 歌詞の日本語訳(対訳・部分引用)
1. 【葛藤と衝動】いけないと分かっていて、味をしめてしまうもどかしさ
付き合う前の「この人に流されてしまっていいの?でももう戻れない!」というギリギリの甘酸っぱい葛藤が描かれています。
I really wanna stop, but I just gotta taste for it (本当はやめなきゃって思ってる、だけど、その甘い味をもう覚えちゃったの)
I feel like I could fly with the boy on the moon (あの男の子と一緒なら、お月様までだってひとっ飛びで行けちゃいそうな気分)
So honey, hold my hand, you like making me wait for it (だからお願いね、私の手を握って。あなたは私をじらすのがお好みのようだけど)
I feel like I could die walking up to the room (あなたの部屋へと階段を上がっているときなんて、緊張で死んでしまいそうな気分になるのよ)
2. 【サビ:直球のLike】好き以上、愛してる未満の爆発!
「Really」をこれでもかと繰り返す、この曲の心臓部分です。
I really, really, really, really, really, really like you (私ね、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、本当にあなたのことが大好きなの!)
And I want you, do you want me, do you want me, too?(あなたを独り占めしたい。ねえ、あなたも私が欲しい? あなたも同じ気持ちよね?)
3. 【葛藤の中での本音】頭がいっぱいで、言い過ぎていないか心配になる乙女心
自分の気持ちがあまりにも急速に膨らんでしまい、一人でパニックになっている可愛らしいシーンです。
Oh, did I say too much? I’m so in my head(ああっ、私ちょっとしゃべりすぎちゃったかな? もう頭の中があなたのことでいっぱいなの)
When we’re out of touch, I really, really, really, really, really, really like you (あなたと連絡が取れない時間があると、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、本当にあなたが好きだって身に染みてわかっちゃうの)
✏️今日から使える生きた英語レッスン
この曲の歌詞には、日常英会話でお洒落に「自分の感情や状況」を表現できるお宝フレーズがこれでもかと詰め込まれています。さっそく使ってみましょう!
💡 英語学習ポイント①:gotta taste for...(味をしめる、〜が好みになる)
冒頭の I just gotta taste for it に出てくる表現です。 gotta は have got to(〜しなければならない)の省略ですが、ここでは have got a taste for...(〜の味を覚える、〜の魅力にハマる)という名詞の taste(味わい、好み)を意味しています。 お洒落なカフェのコーヒー、新しい趣味、あるいは気になるあの人との時間など、「一度試してみて、その魅力にすっかり味をしめて病みつきになってしまった状態」を表すのにぴったりです。
- 日常会話での応用例:
- “I’ve got a taste for specialty coffee lately.” (最近、スペシャリティコーヒーの美味しさに味をしめちゃったの。)
- “Once you travel solo, you’ll get a taste for freedom.” (一度一人旅をすると、その自由な楽しさに味をしめるよ。)
💡 英語学習ポイント②:be so in my head(考え込みすぎて頭がいっぱい)
I'm so in my head という表現。直訳すると「自分の頭の中にいる」ですが、これは「一人で深く考え込みすぎて、あれこれ心配したり、妄想が頭の中でグルグル回ってパニックになっている状態」を指します。 気になる相手へのアプローチ方法に悩んで悶々としているときや、仕事の面接前に不安で頭がパンクしそうなときにネイティブが本当によく使う表現です。
- 日常会話での応用例:
- “Stop being so in your head! Just text him.” (そんなに一人でグルグル考え込まないの! とりあえず彼にメールしちゃいなよ。)
- “I was so in my head during the interview that I can’t remember what I said.” (面接中、緊張で頭がいっぱいになってしまって、自分が何を喋ったか覚えてないよ。)
💡 英語学習ポイント③:out of touch(連絡が取れない、疎遠である)
When we're out of touch は、直訳すると「お互いに触れ合っていないとき」ですが、会話では「連絡を取り合っていないとき」や「疎遠になっているとき」を意味します。 メッセージの返信がなかなか返ってこなくて既読スルーされているときや、忙しくて友達と連絡がしばらく途絶えている状況に最適です。
- 日常会話での応用例:
- “We’ve been out of touch for a few months.” (私たち、ここ数ヶ月お互いに連絡を取ってないんだよね。)
- “I hate being out of touch with you even for a single day.” (あなたと一日でも連絡が取れない状況になるなんて、絶対に嫌よ。)
🗣️ カーリーのようにキュートにささやく「耳コピ発音レッスン(リンキング)」
カーリーの歌声は、一音一音をきっちり発音するのではなく、言葉の最後の子音と次の母音をくっつけて、滑らかに「流れるプール」のように発音するのが特徴です。 カタカナの表記を少し工夫するだけで、カラオケでもネイティブ級にキュートに歌えるようになります!
- wanna stop(やめたい)
- ❌ カタカナ:ワンナ ストップ
- 🎯 ネイティブ風:「ワナ・スタッ(プ)」
- ※最後の(プ)は、唇を閉じて息を止めるだけ! はっきりと「プ」と発音しないのが色気のコツです。
- gotta taste for it(その味を覚える)
- ❌ カタカナ:ゴッタ テイスト フォー イット
- 🎯 ネイティブ風:「ガラ・テイス・フォ・リッ(ト)」
- ※gotta の「tt」はフラップ現象により「ラ行」の音(ラ・リ・ル・レ・ロ)に変化します。最後の for it は「フォ・リッ」と連結します。
- fly with the boy(あの男の子と飛ぶ)
- ❌ カタカナ:フライ ウィズ ザ ボーイ
- 🎯 ネイティブ風:「フライ・ウィザ・ボーィ」
- ※with の最後の「th」と the の「th」が重なって消滅し、「ウィザ」と一息で発音します。
- out of touch(連絡が取れない)
- ❌ カタカナ:アウト オブ タッチ
- 🎯 ネイティブ風:「アウタ・タッ(チ)」
- ※out of は日常会話でも「アウタ」と完全に連結して発音されるのが基本です。
💖 おわりに
「愛してる」と大袈裟に誓うのはまだ照れくさいけれど、心の中はもう、あなたのことで一分一秒いっぱい。 この「I Really Like You」を聴いていると、恋をした瞬間のあの「理性がどこかへ吹き飛んで、世界が眩しく回り出す瞬間」のまばゆさが、そのまま心の中に流れ込んでくるような気がします。
大人になると、どうしても傷つくのが怖くて、いろいろな「言い訳」や「ブレーキ」を恋にかけてしまいがちですよね。 でも、たまにはカーリーのように、自分の頭の中のブレーキをそっと外して、子供のように素直に「あなたが本当に、本当に、本当に好きなの!」と、お腹の底から叫んでみるのも悪くないと思いませんか?
自分の心に素直になって一歩を踏み出すとき、退屈だった毎日の世界は、一瞬にしてハッピーなポップ・ミュージックのスクリーンへと生まれ変わるのです。
読者のみなさまの明日からの日々が、この曲のように弾ける笑顔とときめきでいっぱいに満たされますように。
最後にとびきりロマンチックで、恋するあなたの背中をそっと押してくれる一言フレーズを贈ります。
“True love doesn’t always start with a grand vow of ‘always’. Sometimes, it begins with the sweet panic of a heart that simply can’t stop shouting, ‘I really, really like you!’” (本物の愛は、必ずしも『永遠』という壮大な誓いから始まるわけではありません。時には、ただひたすらに『あなたが本当に大好きなの!』と叫ぶのをやめられない、心の中の愛おしい大パニックから始まるものなのです。)
また次回の洋楽解説でお会いしましょう!


