静かなピアノから始まり、歌声が少しずつ大きなうねりへ変わっていく。アレサ・フランクリンの「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」は、愛する人との出会いによって、本来の自分を取り戻していく喜びを歌ったソウルの名曲です。
a natural woman をそのまま「自然な女性」と訳すと、何を言いたいのか分かりにくいですよね。この曲での意味は、自然の中で暮らす女性でも、飾らない外見の女性でもありません。相手の愛によって、「自分らしい女性でいられる」「心から満たされた自分になれる」という感覚を表しています。
この記事のポイント
- タイトル「A Natural Woman」の自然な意味
- make + 人 + feel + 形容詞 の使い方
- feel like + 名詞/動名詞 の違い
- used to で過去と現在を対比する方法
「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」はどんな曲?
この曲は、キャロル・キングとジェリー・ゴフィンが書き、アトランティック・レコードのプロデューサー、ジェリー・ウェクスラーも着想に関わった作品です。アレサ・フランクリン版は1967年にシングルとして発表され、米Billboard Hot 100で8位を記録。1968年の名盤『Lady Soul』にも収録されました。
キャロル・キング自身も、1971年のアルバム『Tapestry』でこの曲を歌っています。キング版の親密で内省的な響きに対し、アレサ版はゴスペルを思わせる力強さが特徴です。同じ曲でも、アレサが歌うと「誰かに救われた喜び」が、個人の告白から大きな賛歌へ広がっていきます。
しゅみすけ(大山俊輔)
タイトルの意味・和訳:「自然な女性」ではない
タイトル全体の構造は、次のように見ると分かりやすくなります。
You make me feel like a natural woman.
あなたは、私を本来の自分らしい女性だと感じさせてくれる。
ここでの natural は「自然界の」という意味ではなく、「無理をしていない」「本来の自分のままの」というニュアンスです。主人公は以前、毎日を生きる意味や自信を失っていました。しかし、相手の愛によって、自分の価値や女性としての実感を取り戻します。
したがって、文脈に合う日本語なら、次のような言い換えができます。
- あなたといると、自分らしい女性でいられる
- あなたは、私に本来の自分を取り戻させてくれる
- あなたの愛で、心から満たされた自分になれる
「女性らしさ」の固定観念を押しつける歌というより、誰かに大切にされることで、自分自身とのつながりを取り戻す歌として読むと、現代の私たちにも自然に響きます。

歌の物語を3段階で読む
- 以前は心が疲れ、希望を失っていた
主人公は、毎日を迎えることさえ重く感じる状態にいました。 - 相手との出会いが内面を変えた
自分の心に何が足りなかったのかを相手が気づかせ、前を向く力を与えます。 - 愛されることで本来の自分を取り戻した
相手といると、自分を偽ったり無理に強く見せたりせず、心から自分らしくいられる。その感謝と喜びがタイトルに集約されています。
英語学習ポイント1:make + 人 + feel + 形容詞
make + 人 + 動詞の原形 は、「人を〜させる」という使役の形です。動詞に feel を置けば、「人を〜な気持ちにさせる」になります。
- You make me feel happy.
あなたは私を幸せな気持ちにしてくれます。 - This music makes me feel calm.
この音楽を聴くと落ち着きます。 - Her words made me feel better.
彼女の言葉で気持ちが楽になりました。
make me to feel とはしません。能動態では make + 人 + 動詞の原形 と覚えましょう。
英語学習ポイント2:feel like + 名詞
feel like + 名詞 は、「〜のように感じる」「自分が〜になったような気がする」という形です。
- I feel like a beginner again.
また初心者に戻ったような気がします。 - She felt like a different person.
彼女は別人になったように感じました。 - I feel like myself again.
また自分らしさを取り戻した気がします。
この最後の I feel like myself again. は、「A Natural Woman」の内容を簡単な英語で言い換えるのにぴったりです。
feel like + -ingなら「〜したい気分」
feel like の後ろに動詞の -ing形 を置くと、「〜したい気分」という別の使い方になります。
- I feel like dancing.
踊りたい気分です。 - Do you feel like going out?
出かけたい気分? - I don’t feel like talking.
話す気分ではありません。
feel like a different person は「別人のように感じる」、feel like changing は「変えたい気分」。後ろが名詞か動名詞かで意味を見分けましょう。
英語学習ポイント3:naturalの意味は「自然」だけではない
natural には、文脈によっていくつもの意味があります。
- natural beauty:自然の美しさ/ありのままの美しさ
- a natural smile:自然な笑顔
- It feels natural.:それは無理がなく自然に感じます
- She’s a natural.:彼女には生まれつきの才能があります
タイトルの natural は、主に「ありのまま」「本来の状態」という意味です。日本語の「ナチュラル」と同じ感覚で外見だけに限定しないことがポイントです。
英語学習ポイント4:used toで昔と今を対比する
この歌は、以前の自分と、愛を知ったあとの自分を対比させています。過去の状態や習慣を表す便利な形が used to + 動詞の原形 です。
- I used to feel lonely.
以前は孤独を感じていました。 - She used to doubt herself.
彼女は以前、自分を疑っていました。 - We used to live in Osaka.
私たちは以前、大阪に住んでいました。
used to には、「昔はそうだったが、今は違う」という対比が含まれます。そのため、変化や再生を語るこの曲と相性のよい表現です。
英語学習ポイント5:lifeを「命」だけで訳さない
life は「命」だけでなく、「暮らし」「人生」「生きる活力」まで表します。
- My life has changed.
私の人生は変わりました。 - Music brought me back to life.
音楽が私に生きる力を取り戻させてくれました。 - She is full of life.
彼女は生き生きとしています。
歌を和訳するときも、英単語と日本語を一対一で固定せず、その場面で何を表しているかを見ることが大切です。
知っている英語で、歌の核心を伝えてみよう
a natural woman のニュアンスをうまく説明できなくても、基本語だけで内容を伝えられます。
I was sad and tired before. His love helped me become myself again.
私は以前、悲しく疲れていました。彼の愛が、本来の自分を取り戻す助けになりました。
さらに短くするなら、次の一文でも十分です。
With him, I can be myself.
彼といると、自分らしくいられます。
難しい単語を探すより、before、help、be myself のような知っている英語で物語を組み直す。この力は、実際の英会話でも役立ちます。
しゅみすけ(大山俊輔)
「A Natural Woman」で英語を学ぶ3ステップ
- 感情の変化を聴く
静かな冒頭から力強い終盤へ、声がどう変わるかを感じます。 - タイトルの文型を分ける
make me feel と feel like を別々に確認します。 - 自分の経験に置き換える
This makes me feel happy. や I can be myself. を使って一文作ります。
まとめ
「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」は、愛する人との出会いによって、疲れ切っていた主人公が本来の自分を取り戻す歌です。a natural woman は、直訳の「自然な女性」ではなく、「ありのままの自分でいられる女性」「心から満たされた自分」という意味で捉えると自然です。
英語学習では、make + 人 + feel + 形容詞、feel like + 名詞/-ing、used to が重要なポイント。まずは With you, I can be myself. と声に出して、この名曲の核心を自分の英語にしてみましょう。
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