シンディ・ローパーの「All Through the Night」は、今この瞬間を大切にしながら、夜が明けるまで二人でつながっていたいと歌う静かなラブソングです。題名のall through the nightは「一晩中」「夜通し」という意味。時間を表すthroughを感覚的に学べます。

この記事では著作権に配慮して歌詞全文を掲載せず、題名の意味、歌詞全体の物語、throughとduringの違い、命令文や未来表現、発音・リスニングのポイントを解説します。
「All Through the Night」はどんな曲?
「All Through the Night」はJules Shearが作詞・作曲し、シンディ・ローパーが1983年のデビュー・アルバム『She’s So Unusual』で取り上げた曲です。Jules Shear自身もシンガーソングライターで、この曲を先に発表しています。
米国議会図書館は、ローパーがこの曲へ輝くようなシンセサイザーと大きく伸びる歌声を加えたことを、彼女のカバー曲を自分の作品へ変える創造性の例として紹介しています。
| 曲名 | All Through the Night |
|---|---|
| アーティスト | Cyndi Lauper(シンディ・ローパー) |
| 発表年 | 1983年(アルバム収録) |
| 収録アルバム | She’s So Unusual |
| 作詞・作曲 | Jules Shear |
| 主なテーマ | 今を生きること、夜を越える愛、つながり |
| 英語の難易度 | 初級〜中級 |
この曲は『She’s So Unusual』からの4枚目のヒットシングルになりました。同アルバムは2018年、文化的・歴史的価値が認められ、全米録音資料登録簿へ選ばれています。
題名「All Through the Night」の意味・和訳
all through the nightは「夜の最初から最後までずっと」という意味です。自然な和訳には次のようなものがあります。
- 一晩中
- 夜通し
- 夜が明けるまでずっと
- この夜の間ずっと
throughの基本イメージは、空間や時間の「入口から出口まで通り抜ける」ことです。夜という時間の中を最初から最後まで進むため、「一晩中」になります。
It rained all through the night.
一晩中、雨が降りました。
She stayed awake through the night.
彼女は夜通し起きていました。
all nightとの違い
all nightも「一晩中」で、日常会話では非常によく使います。意味はほぼ同じですが、all through the nightには夜という時間を通り抜けていく感覚があり、少し詩的です。
| 表現 | 意味・響き | 例 |
|---|---|---|
| all night | 一晩中。短く日常的 | We talked all night. |
| through the night | 夜を通して。継続を意識 | The baby slept through the night. |
| all through the night | 夜の間ずっと。強調・詩的 | The lights stayed on all through the night. |
歌詞全体の意味を日本語で要約
歌の語り手は、過去や未来を心配するのではなく、二人が一緒にいる現在をそのまま受け入れようとします。過去を持ち込まず、未来を急いで決めようともせず、この夜を静かに過ごします。
外の世界では時間が流れ、夜もいつか終わります。それでも二人が互いの声や気配を感じている間は、そのつながりが途切れません。語り手は、今ここにあるものを失うことを恐れて固く握るのではなく、自然な流れに任せようとしています。
曲の中では、時間が一本の糸のように描かれます。二人はその糸をたどりながら、夜の中を進んでいきます。夜明けが来れば、関係が変わるかもしれません。しかし未来を先取りして不安になるのではなく、今の声を聴き、今の時間を生きることが大切だと伝えます。
別れを予感させる切なさはありますが、絶望の歌ではありません。過去の後悔や未来の約束よりも、現在のつながりに集中する、静かで成熟したラブソングです。
英語学習で覚えたい表現
1.through+期間:〜の間ずっと
throughは場所だけでなく、時間にも使えます。
We worked through the afternoon.
私たちは午後の間ずっと働きました。
He slept through the movie.
彼は映画の間ずっと眠っていました。
「その時間の中を通過した」というイメージを持つと、丸暗記せず理解できます。
2.duringとの違い
duringは「〜の間に」という時間的位置を示しますが、最初から最後まで継続したとは限りません。throughは期間全体にわたる継続を強く感じさせます。
| 表現 | 中心イメージ | 例 |
|---|---|---|
| during the night | 夜のある時点・時間帯に | I woke up during the night. |
| through the night | 夜を通して継続 | I worked through the night. |
3.hold on:つかまる、待つ、持ちこたえる
hold onは文脈によって意味が変わる句動詞です。
- 物につかまる
- 電話などで少し待つ
- 困難の中で持ちこたえる
- 大切なものを手放さない
Hold on. I’ll be back in a minute.
ちょっと待って。すぐ戻ります。
Hold on to the railing.
手すりにつかまってください。
hold on to+名詞なら「〜を離さない」という形になります。
4.let go:手放す
let goは、握っている物を離す意味と、執着や心配を手放す比喩的な意味があります。
It’s time to let go of the past.
過去を手放す時です。
Don’t let go of my hand.
私の手を離さないでください。
hold onとlet goを対で覚えると、身体感覚と感情の両方を表現できます。
5.until+時点:〜まで
untilは、ある行動や状態が特定の時点まで続くことを示します。
I’ll wait until morning.
朝まで待ちます。
Stay here until I come back.
私が戻るまで、ここにいてください。
throughが期間全体を通過するイメージなのに対し、untilは終点に注目します。
命令文がやさしく響く理由
英語の命令文は、必ずしも強い命令ではありません。主語のyouを省き、動詞から始める形は、助言、誘い、励ましにも使われます。
Stay with me.
私と一緒にいて。
Listen to the music.
音楽を聴いて。
Take your time.
ゆっくりでいいですよ。
声の調子と文脈によって、同じ文法が命令にも、親密な呼びかけにもなります。この曲では短い命令文が、相手を支配する言葉ではなく、今を一緒に過ごそうという誘いとして響きます。
発音・リスニングのポイント
all throughを一つのリズムにする
allの最後の/l/からthroughへ、舌を大きく戻さず滑らかにつなげます。「オール・スルー」と完全に分けるより、一息で発音しましょう。
throughのthは舌先を軽く出す
throughの最初は無声音/θ/です。舌先を上下の歯の間へ軽く出し、声を振動させずに空気を通します。日本語の「ス」より摩擦が前で起こります。
nightの最後を母音で終えない
nightの最後は/t/です。「ナイト」のように強い「オ」を加えず、舌先を歯茎につけて音を止めます。歌では/t/が弱くても、母音を足さない意識が大切です。
高音は無理に原曲へ合わせない
ローパーの歌唱は高く大きく伸びます。英語学習では同じ音域を再現する必要はありません。自分が話しやすい高さで、まず母音とリズムを正確に音読しましょう。
「All Through the Night」を使った5ステップ学習法
- 目を閉じて一度聴き、夜のどのような場面かを想像する
- throughを「時間の入口から出口まで」と理解する
- 短い命令文と未来表現を見つけ、意味のまとまりに分ける
- 原曲より低い声で、ささやくように一文ずつ音読する
- 最後にall through…を使った自分の例文を3つ作る
たとえば、I studied all through the morning.(午前中ずっと勉強しました)のように、自分の一日へ置き換えると表現が定着します。
シンディ・ローパー4曲の中での位置づけ
| 曲 | テーマ | 学習難易度 |
|---|---|---|
| Time After Time | 変わらない支え | 初級〜中級 |
| True Colors | 自己受容 | 初級〜中級 |
| Girls Just Want to Have Fun | 自由と楽しむ権利 | 中級 |
| All Through the Night | 今を生きる二人 | 初級〜中級 |
聞き取りやすさを優先するなら、「True Colors」の次にこの曲を学び、その後「Time After Time」へ進む順番がおすすめです。
よくある質問
all through the nightとall nightは同じですか?
基本的な意味はどちらも「一晩中」です。all nightは日常的で簡潔、all through the nightは時間全体を通り抜ける感覚があり、やや詩的です。
throughとduringはどう違いますか?
duringは期間中のある時点を表せますが、throughは期間を通して続くことを表します。「夜中に目が覚めた」ならduring、「一晩中働いた」ならthroughが自然です。
シンディ・ローパー本人が作った曲ですか?
作詞・作曲はJules Shearです。ローパーはシンセサイザーと特徴的な歌唱によって、原曲とは異なる輝きを持つポップバラードに仕上げました。
英語初心者でも歌えますか?
単語と文法は比較的やさしく、テンポも穏やかです。ただし音域は高いため、英語練習ではキーを下げるか、歌わずにリズム音読から始めてください。
まとめ|夜という時間を通り抜けるthroughを学ぶ
「All Through the Night」は、過去や未来を急いで決めず、二人が共有している今を夜明けまで大切にする歌です。題名のall through the nightは「一晩中」「夜通し」を意味します。
英語学習では、時間を通過するthrough、期間内の位置を表すduring、終点を示すuntilの違いを整理しましょう。さらにhold onとlet goを対で覚えると、日常会話にも感情表現にも使える語彙が増えます。
関連リンク
- シンディ・ローパーの代表曲・名曲5選|英語学習におすすめ
- シンディ・ローパー「I Drove All Night」歌詞の意味・和訳
- シンディ・ローパー「Time After Time」歌詞の意味・和訳
- シンディ・ローパー「True Colors」歌詞の意味・和訳
- シンディ・ローパー「Girls Just Want to Have Fun」歌詞の意味・和訳
- 洋楽で英語学習する方法|初心者向けの選び方・おすすめ曲
- Library of Congress:Women on the Recording Registry



