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想像力と共感力 – ひょっとすると最も役立つスキル

社会人になっていろんなスキルを自分の中に取り込むようになりますが、
もし、一番大事なスキルはなんだろう?と聞かれたら、私はなんて答えるだろう?と思った時に出てきたのが、この「想像力」と「共感力」です。

ちょっと上品じゃないのですが、こちらの写真。
これ、恵比寿のトイレにあったメッセージです。(思わず写真撮っちゃいました(笑))
恵比寿駅トイレ

「いつもキレイにしようしてくださり、ありがとうございます」

普通、トイレに書かれてるメッセージって、

・ トイレをキレイに使いましょう

とか、

・ ガム・タバコポイ捨て禁止(最近はあまりない?)

みたいなメッセージが多いかと思います。

でも、これって多分、掃除する人の立場から見るともちろん利用者にお願いしたいことですが、読んでる人の多くはきっと「自分はちゃんと使ってるよ」と思ってるでしょう。普通に使うでしょうが、いつも以上にキレイに使うかはこのメッセージだと利用者にも共感されないかもしれませんね。

私だったら、もう一つ工夫して、

・ 皆様がいつもキレイにご利用いただくお陰で、掃除の負担も少なくてすみます。ありがとうございます^^(担当:◯◯)

ともうちょっと、パーソナルにするかも。絵文字と写真も入れて。
そうすれば、お手洗いを使う人の多くは、この担当◯◯さんのことを想像して、あまり汚く使おうとは思えなくなりますよね。

実は、このことを思い出したのは某有名店で先日自由ヶ丘用に購入したテーブルが今日、配送のために、前日確認なのでしょうが、私の携帯に配送担当の人から電話がありました。

こんな感じだったのですが、、、

大山:「はい、大山です」
担当の方:「◯◯◯です。明日9時に配送しますのでよろしくおねがいします」
大山:「(えっ、明日は12時位には行くけど9時にはいないし弱ったなぁ。少し遅いお時間に出来ないでしょうか?」
担当の方:「できません。」
大山:「そうですか・・。11時には頑張って向かいますが、配送の方の配送順番を少し送らせていただいたり出来ないでしょうか?」
担当の方:「出来ません」
大山:「そうですか・・・。早くお越しいただいても誰もいないのですがどうしましょうか?」
担当の方:「いなかったら、不在伝票入れておきますので、再配送依頼してください」
大山:「ええ、それは構わないのですが、いないのが分かってて配送の方にお越しいただくのは二度手間で悪いですから・・・」
担当の方:「そういうルールですのでいいですよ」
大山:「そうですか。事前にいないのがわかってるのでお日にちを後日にすることは出来ますか?」
担当の方:「出来ません」
大山:「そうですか。では、運転手さんには申し訳ございませんが・・・。」
大山:「ところで、今、お電話に出られているあなたのお名前、念の為に控えておいてよろしいでしょうか?」
担当の方:「はぁ?◯◯です」

多分、あそこまで大きな会社ですと、色々業務を変えるより運転手さんに二度手間になっても来させたほうが良いので、事情は分かるのですが、この電話担当の方に欠けているものってなんでしょう?

それは、運転手さんが汗をかきながら荷物を運んだり、あるいは、駐車する場所が少ない中、かろうじて駐車スペースを見つけて急いで運んでいる姿を想像するスキルですよね。(話し方のスキルももちろんですが・・・)

もし、そのスキルがあれば、ルールで仕方ないとしても、こんな感じで上手に言えたんじゃないかなと思います。

「そうですね。運転手さんには二度手間になってしまって悪いのですが、ルートを既に設定している関係で、この方が、運転手さんにも負担が少ないんですよ。私もいつも、悪いなーと思うんですけどね。」

同じことを伝えるにしても、相手を想像したり共感していれば聞き手にはかなり印象が変わってきますよね。

以前にも似たようなテーマで書いたことがありますが、そのコツは、自分が相手にやってほしいこと、やってほしくないことをそのままコトバにしないこと。逆に、まず、相手の頭のなかを想像してみて、その後、その相手のメリット(やってもらうことで得る)やデメリット(やらないことで済む)を想像して相手に伝えることです。そして、なるべく相手のことを具体的に想像すること。

MM話法はまさに、この方法をとった会話手法です。

もちろん、相手を動かすだけではなくこの想像力と共感力というのは様々な場面で役立ちます。特に、自分を「頑張ろう!」と奮い立たせる時にもとても使えるんです。

例えば、私だったら、

・ レッスン・パートナーが1回40分の1対1のレッスンを1日10回近く頑張ってる姿を想像する
・ コンシェルジュが、掃除をキレイにして、お客様対応をしている姿を想像する
・ アルバイトの人が、朝、早く起きてチラシなどを投函したり配ってくれている姿を想像する(だから設定率は大事)
・ 一緒に働くLPがレッスンに全力で頑張ってる姿を想像する
・ 道路や自分の住んでいるマンションがきれいなのは、誰かが自分の見ていないところで掃除をしてくれている姿を想像する
・ iPhoneやパソコンの機能を見た時に、それを徹夜で開発しているエンジニアの姿を想像する
・ おいしいご飯を食べる時には、その食材を作ったり獲っている人たちの姿を想像する

といった姿を想像すると、そこと関連しているいろんな業務について、感謝(共感)する気持ちが自然と出てきます。会社がちょっと厳しい時にはこういうことを想像すると、「よし、頑張るぞ!」と、自分自身を頑張ろうと奮い立たせる効果もあります。

昔、人が生きていくことがもっともっと大変だった時、こうしたことはすべて自分でする必要がありました。
自分で農作物を作ったり、家畜を飼って、そして、家を自分で建てたり・・・・。言わば、衣食住という最低限の事をするだけで
かなりの自分の時間を取られてしまうわけです。

そのため、如何に他人にこうした事を代行してもらったりすることが、如何にありがたいことかということを肌身を持って感じる機会があったのでしょう。ところが、私たち現代人は、社会が分業化されて生まれた時から多くのものを所与(すでに与えられたもの)として持っているため、こうしたことを想像するスキルが昔の人よりも、少し弱いのかもしれませんね。

でも、社会人としてこの「想像力」と「共感力」のパワーはとても大きいです。
英語力、パソコンスキル、会計スキルといったものは、努力すれば誰でも手に入れることができますが、この想像力や共感力は
手に入れるというよりは、日々の意識の鍛錬かもしれません。

このスキルが弱いと、変に他人に対して傲慢に当たっちゃったりする人や、
はたまた、とんちんかんな事をやっちゃう人がいます。これは、正直見ていて痛い部類になっちゃいますよね。

これは、社会的立場や国籍関係なくいますね。社長業をしている人でも結構います。普通、ゼロから会社を作った人は現場の苦労を知ってるので外に出てもあまり痛いことはしないですが、サラリーマンでごますり上手で、雇われ社長にしてもらった人や、パトロンに仕事もらって独立した人に結構傲慢な人が多いのも(もちろん中には立派な人もたくさんいますよ)この想像力の鍛錬不足じゃないかなと思います。

私自身、昔、外資系サラリーマンでなめてた頃は結構タクシーの運転手さんに嫌な対応したりしてました。でも、起業した後は、「もし、自分が会社を潰してタクシーの運転手になった時、どんなお客様にたくさん乗ってほしいだろう」、あるいは、「この運転手さんは夜中まで仕事されていて大変だなぁ」など、想像するようになりました。私のように鈍い人間には、会社でも作らないと強制的に自分が嫌な経験はする機会がないので、結果的に起業してホント良かったなぁと思うと同時に、もし、じゃなかったら今頃の自分はどんなに痛い人間だろう、と思ったりします(笑)。

あ、もちろん先ほどの◯◯◯さんは好きなので昨日の電話一つで理由でファンを辞めることはありません。
ちゃんと、いい商品を作ってる人の姿を想像したら、たまたま電話に当たった人が多分例外的にダメだったんだろうなと想像しちゃいますからね。