マリリン・モンローと聞くと、白いドレス、プラチナブロンド、赤い唇を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、映画の中で残した歌声もまた、彼女を世界的なアイコンにした大切な魅力です。
息を含んだ柔らかな発音、言葉を語りかけるようなテンポ、恋の喜びから失恋の寂しさまで伝える表現力。マリリンの歌には、英語初心者でも聞き取りやすく、気持ちごと覚えやすい表現がたくさんあります。
この記事では、マリリン・モンローの名曲5選を、歌詞の意味・和訳と英語学習のポイントから紹介します。
しゅみすけ(大山俊輔)
マリリン・モンローとは?
マリリン・モンロー(Marilyn Monroe、1926–1962)は、1950年代のハリウッドを代表する俳優・歌手です。華やかなスター像で知られる一方、コメディの間、繊細な演技、独特の歌唱表現によって、現在まで世界中の映画・音楽・ファッションに影響を与えています。
特に1953年の『紳士は金髪がお好き』、1954年の『帰らざる河』、1959年の『お熱いのがお好き』、1960年の『恋をしましょう』などでは、物語と結びついた印象的な歌を披露しました。
「Diamonds Are a Girl’s Best Friend」は、AFI(アメリカ映画協会)の映画音楽100選でも第12位に選ばれています。歌手単独のキャリアというより、俳優の表情、衣装、演技、歌声が一体となった映画スターならではの音楽が彼女の特徴です。
マリリン・モンローの歌が英語学習に向く理由
1.テンポが比較的ゆっくり
今回紹介する曲の多くは、ジャズ・スタンダードや映画のバラードです。現代の速いポップスと比べると、一語ずつの輪郭を追いやすくなっています。
2.タイトルだけでも実用表現になる
best friend、want to be loved、be through with、belong to、no return。5曲のタイトルから、会話や英文読解で役立つ表現を学べます。
3.感情と意味が結びつきやすい
「愛されたい」と甘える声、「恋はもう終わり」と強がる声、「心はあの人のもの」と微笑む声。英文法だけでなく、表情や声からニュアンスを理解できます。

マリリン・モンローの名曲5選と英語学習ポイント
| 曲 | 主な学習テーマ | 日本語のイメージ |
|---|---|---|
| Diamonds Are a Girl’s Best Friend | 所有格・best friend | ダイヤは女の子の親友 |
| I Wanna Be Loved by You | wanna・受動態 | あなたに愛されたい |
| I’m Through with Love | be through with | 恋はもう終わり |
| My Heart Belongs to Daddy | belong to / with | 心はあの人のもの |
| River of No Return | no return・戻る表現 | 帰らざる河 |
1.Diamonds Are a Girl’s Best Friend
マリリンの歌の中で最も象徴的な一曲です。1953年の映画『紳士は金髪がお好き』で、ピンクのドレスとダイヤモンドに囲まれて披露されました。
タイトルの意味は「ダイヤモンドは女の子の親友」。ここでの friend は文字どおりの友達というより、「裏切らず、頼りになる存在」というユーモラスな比喩です。
英語学習では、次のポイントを学べます。
- a girl’s:女の子の
- girls’:複数の女の子たちの
- best friend:親友・最も頼れる存在
- 単数の一般論に使う a girl
「Diamonds Are a Girl’s Best Friend」歌詞の意味・和訳を詳しく読む
2.I Wanna Be Loved by You
1959年の映画『お熱いのがお好き』で、マリリン演じるシュガー・ケインが歌った曲です。甘く軽やかな歌声と、短く覚えやすいタイトルで親しまれています。
タイトルは「あなたに愛されたい」。wanna は want to の会話的な発音・表記で、be loved by you は「あなたによって愛される」という受動態です。
- want to と wanna の違い
- want to be + 過去分詞:「〜されたい」
- by + 人:動作をする人
- カジュアルな発音と文章での使い分け
「I Wanna Be Loved by You」歌詞の意味・和訳を詳しく読む
3.I’m Through with Love
同じく『お熱いのがお好き』で歌われた、静かな失恋のバラードです。「愛されたい」と歌ったシュガーが、今度は恋との決別を自分に言い聞かせます。
I’m through with love. は「恋はもう終わり」「恋なんてもうこりごり」。be through with は、単なる完了だけでなく、「これ以上は続けない」という強い区切りにも使えます。
- be through with:〜を終える・〜とは手を切る
- be done with との違い
- finish との違い
- get over:「失恋などから立ち直る」
「I’m Through with Love」歌詞の意味・和訳を詳しく読む
4.My Heart Belongs to Daddy
コール・ポーター作詞・作曲のスタンダードを、マリリンが1960年の映画『恋をしましょう』で華やかに披露しました。
タイトルは「私の心はあの人のもの」。belong to は物の所有、グループへの所属、そして心が誰かへ向いているという比喩に使えます。
- belong to:〜のものである・〜に所属する
- belong with:〜と一緒にあるのが自然
- belong in:〜の場所にあるべき
- 状態動詞なので通常は進行形にしない
「My Heart Belongs to Daddy」歌詞の意味・和訳を詳しく読む
5.River of No Return
1954年の西部劇『帰らざる河』と結びついた一曲です。ロッキー山脈を流れる激しい川を、後戻りできない恋や人生に重ねています。
no return は「戻る道がないこと」。the point of no return なら「もう後戻りできない地点・段階」です。
- no + 名詞 の強い否定
- the point of no return
- There’s no turning back.
- return・go back・come back・get back の違い
「River of No Return」歌詞の意味・和訳を詳しく読む
初心者におすすめの聴く順番
- I Wanna Be Loved by You:短く、音と意味を結びつけやすい
- Diamonds Are a Girl’s Best Friend:有名な映像と一緒に覚えやすい
- My Heart Belongs to Daddy:前置詞の違いを学べる
- I’m Through with Love:ゆっくりした曲でニュアンスを味わえる
- River of No Return:比喩と戻る表現を広げられる
最初から全文を聞き取ろうとする必要はありません。まずタイトルの一文を声に出し、記事で意味を確認し、曲を聞いて同じ箇所を見つける。この繰り返しがおすすめです。
しゅみすけ(大山俊輔)
マリリンの歌でできる3つの練習
タイトルを感情を変えて読む
同じ英文でも、明るく、寂しく、強く読むと印象が変わります。マリリンの表情と声をまねるつもりで、感情を乗せてみましょう。
一語だけ入れ替える
love を this job に、heart を loyalty に変えるなど、型を残して自分の文を作ります。
映画の場面と一緒に覚える
歌が物語のどの場面で使われるのかを知ると、表現の温度が分かります。『お熱いのがお好き』については、b-cafe.netの映画で学ぶ英会話「お熱いのがお好き」もあわせてどうぞ。
歌と名言、両方からマリリンの英語を学ぶ
マリリンの英語には、歌で見せる甘さやユーモアだけでなく、本人が語った人生、自分らしさ、勇気に関する言葉もあります。
短い英語をさらに増やしたい方は、b-cafe.netのマリリン・モンローの英語の名言8選|自分らしさ・人生・勇気の言葉もおすすめです。
まとめ:マリリンの5曲で感情のある英語を学ぼう
- Diamonds Are a Girl’s Best Friend:所有格とbest friend
- I Wanna Be Loved by You:wannaと受動態
- I’m Through with Love:be through withと失恋表現
- My Heart Belongs to Daddy:belong to・with・in
- River of No Return:no returnと戻る表現
マリリン・モンローの歌は、難しい単語を並べた教材ではありません。短く、覚えやすく、感情がはっきり伝わる英語です。まず気になる一曲を選び、タイトルの一文から声に出してみてください。


