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自助の精神~「外からの支配」と「内からの支配」

最近、横浜方面に行くことが多いので移動時間が増えて
本を読む機会が増えました。
その際、最近ハマっているKindleの勢い買いで購入したサミュエルズの
「自助論:Self-Help; with Illustrations of Character and Conduct」がとても
面白くて一気に読んでしまいましたがその中から。
ちなみにこの本、明治時代に日本に翻訳版がやってきて
当時、100万部以上売れたそうです。
当時の日本の人口は3000万人代ですから、今の感覚で言うと300~350万部
売れたということですね。まだ、西欧の国ですら多くの国で識字率が低かった時代ですから
それだけ読み書きを出来た人が多かったということ自体もすごいと思います。
それだけの人がこういう系の本を読んだというのも面白いですね。
(私は最近進撃の巨人ですが・・・)
さて、この本のポイントはタイトルにもある”Self Help”。
つまり、自分が一人の人間として独立することの大事さだと思います。
例えば当時だったら、江戸時代から明治に移行したばかりの日本。
周りはアジア、アフリカの国は日本を除いてみんな欧米列強の植民地でした。
日本はお侍さんが個別格闘技は・・・強かったかもしれないけど、戦争になったら
あっという間にやられてしまう。
だからこそ、時間がない中追いつけ追い越せをやったわけですが、
なんでそれが出来たか、というと、当時の明治政府が頑張ったから、というだけじゃなくて、
ひとりひとりの国民が精神的に独立していた、ということでしょうね。
「外からの支配」と「内からの支配」というセクションがありました。
そこでは、結局、どんなに良い理想、体制があっても独立した個人が
いなければ、ついてくることができないから、その社会は結局はそのレベルにまで下がる。
逆に、どれだけ政治や現実がひどくても、ひとりひとりのレベルが上がれば、いずれ、
社会はそのレベルまで押し上げられる、という趣旨でした。
一見、遠回りのようには見えるけれども私達の仕事も全てひとりひとりの
やっていることが、結果として出てきます。そこには、もちろん良い時も悪い時もあるけれども、
ひとりひとりが「結局は自分が」と思えるかどうかが、「全体」の結果にも反映されるということ
なのかもしれません。
残念ですが外的な要因というのはあります。
今だったら例えば、「まだ景気が悪いから」と経営者は言ったら楽でしょうし、
英語を勉強していてうまくいかない人は、「忙しいから」と言うのも楽でしょう。
もちろん、景気だったり忙しいという事自体を変えることはスグにはできません。
でも、自分自身の中にある考え方や行動の仕方は今スグにでもコントロールすることができます。
結局そういうことをひとりひとりがコツコツしていると、
いずれ、景気だって良くなっていくかもしれません(あるいは、そういう
経済政策を取れるようになるでしょう)。
あるいは、仕事がわっとあって瞬間忙しい時でも5分、10分という時間は誰だって
作ることができます。
まずは自分が他人や外的な要素にあまり頼らないようにすることが、
結局は、みんなのためにもなるということでしょう。