紛らわしい英語の前置詞「to / for」の違いと使い分けをイメージで徹底解説!

紛らわしい英語の前置詞「to / for」の違いと使い分けをイメージで徹底解説!

  • 「to」と「for」って意味が似ていて見分けがつかない。
  • 「to」は「~へ」、「for」は「~のために」じゃないの?
  • 前置詞は日本語訳がいっぱいあって混乱する。

英語を勉強していく上で、多くの人が苦手視している前置詞。

今回ご紹介するのは、そんな前置詞界の有名選手であるtoとforです。

中学生の頃、学校の先生に『toは「~へ」、forは「~のために」と覚えよう』と教わった人も多いのではないでしょうか。

しかし、たとえば日本語で「あなたへこの本をあげる」と言うか「あなたのためにこの本をあげる」と言うかは、たいして意味も変わらず、どちらも自然に使えてしまいますよね。

しかし、それを英訳した場合、

(?)I will give this book to you.
(?)I will give this book for you.

これらのうちのどちらかは自然な英文である一方、どちらかは不自然な英文です。
(正解は最後の「まとめ」で発表しますので、理由も含めて是非考えてみてくださいね)

ここから分かるのは「~へ」、「~のために」などという日本語訳は前置詞を学ぶ上ではあまり、というか全く役に立たないということなんです。

「これだから英語は・・・」

そう思ってページを閉じようとした人、ちょっと待ってください。

前置詞を学ぶ際は、日本語訳ではなく、そのイメージを掴むことが大切です。
このページでは、そんなイメージを基本からしっかり説明していきます。

これを読めば、今まで「to」と「for」の使い分けができなかった人も、スッキリ理解できるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

この記事でわかること
  • toの基本イメージ
  • 不定詞でもtoを使う理由
  • forの基本イメージ
  • toとforの違い

「toとfor以前に、前置詞自体が全然分からない…」

そんな人は、以下の記事で前置詞について基本の基本から解説していますので、まずはこちらから是非ご覧ください。

英語の前置詞の「in / at / on」の使い分けと違いをイメージで解説! 英語の前置詞の「in / at / on」の使い分けと違いをイメージで解説!

「to」の基本イメージ=「ピッタリ向き合い、到達する」

「to」の基本イメージ=「ピッタリ向き合い、到達する」

前置詞「to」の意味を辞書で引くと、

~へ/~に/~まで/~のために(!?)/~にとって/~に対して/~に合わせて

などなど、様々な意味が出てきます。
「for」の意味として教えられていた「~のために」まであるのは衝撃的ですね。

「こんなに覚えられない・・・」

そう思った人も安心してください。
先ほども言った通り、大切なのは日本語訳ではなく、前置詞のイメージです。

イメージさえ掴めれば、日本語訳は後からいくらでも着いてきます。

「to」の基本イメージは、「ピッタリ向き合い、到達する」こと。

一気に説明するとややこしくなるので、

①ピッタリ向き合うこと
②到達すること

に分割して見ていきましょう。

ピッタリ向き合う「to」

英語の表現に”face to face(面と向かって)”というものがありますが、これは顔と顔(faceとface)が向き合っている様を表現しています。

We sat face to face.
私たちは顔を合わせて座りました。

このように「何かと何かが向き合っている」というのが「to」の基本イメージです。

また顔と顔が向き合っているとき、彼らの視線はピッタリ合わさりますよね。
このことから「to」には「ピッタリ」というイメージも加わりました。

This is a key to the door.
これはその扉の鍵です。

上の例文では、鍵と扉が向き合っていて、それらがピッタリ一致しますよね。

以上のことから「to」の1つ目のイメージは「ピッタリ向き合うこと」とまとめられます。

toのイメージ①=「ピッタリ向き合うこと」

例文で確認してみましょう。

I listen to her very carefully.
私は彼女の話をとても注意深く聞きました。

listen toというと、学校では「(音楽などを)聴く」と説明されることが多いですが、より正確に言うなら「集中して聞く」といったイメージです。
話し手が彼女にしっかり向き合っている様子が想像できますね。

Giants beat Tigers 7 to 5.
ジャイアンツはタイガースに7対3で勝ちました。

野球の試合において、2つのチームはお互いに向き合っていますよね。
その関係が点数にも表れて”7 to 5”と表現されています。

I hope this dress is to your taste.
このドレスがあなたの好みに合うことを願っています。

あえて直訳するなら、「このドレスがあなたの好みとピッタリ向き合っていることを私は望む」といった感じです。

服の好みは人それぞれ。頑張って選んだドレスが、相手の好みにピッタリ当てはまっていたら嬉しいですよね。

I prefer physics to chemistry.
私は化学よりも物理の方が好きです。

「比べているのに、なんでto?」と思った人も多いかもしれません。

しかし、比べるというのは本来、2つのものをピッタリ合わせて、どちらが大きい、どちらが重いなどと調べることです。
そのため、前置詞「to」がイメージとしては「ピッタリ」なんですね。

到達する「to」

先ほどの鍵の例文をもう一度見てみましょう。

This is a key to the door.
これはその扉の鍵です。

ある鍵がある扉にピッタリ当てはまることがわかったとしたら、あなたならどうしますか?
それを扉に挿し込んでみたくなりませんか?

鍵が扉に挿し込まれるのと同様に、ピッタリ当てはまるものというのは、そこに到達するイメージが付与されやすいのです。

これが「to」の基本イメージ2つ目「到達」です。

toの基本イメージ②=「到達すること」

こちらも、例文で確認していきましょう。

I go to school on weekdays.
私は平日に学校へ行きます。

「to」を使った表現として、あまりにも有名な”go to school”ですが、ここにも「到達」のイメージが色濃く反映されています。

移動するイメージが強い「to」ですが、移動するかどうかよりも、そこに到達するか否か、それがポイントとなります。

I wrote a letter to my parents.
私は両親に手紙を書きました。

両親に向けて書いた手紙。
「to」があることから、書くときに気持ちが両親にピッタリ向き合っていることはもちろん、その手紙が両親のもとへ到達する様子もイメージされますね。

You must count from 1 to 10 before getting out of the bath.
お風呂から出る前に1から10まで数えなければいけません。

子どもの頃、こんなことを親御さんから言われた人も多いのではないでしょうか。
1から始まり、10に到達する。

「to」は物理的なモノの到達に限らず、このような概念上の到達も表すことができます。

I want to study abroad.
私は留学したいです。

この文で使われている「to」は前置詞ではなく、不定詞の「to」です。

とはいえ、そこにあるイメージは同じで、「海外で勉強することに到達したい」と言っているに過ぎません。

このように、単語のイメージを掴むことができれば、〇〇詞という垣根を越えてそのイメージを共有することができるようになり、英語理解がより豊かなものとなります。

不定詞については、別記事で詳しく解説していますので、是非そちらもご参照ください。

中学生でもわかる不定詞を分かりやすく解説!3つの用法を簡単にマスター! 【かんたん】英語の不定詞とは?3つの用法を英語のプロが分かりやすく解説

「for」の基本イメージ

「for」の基本イメージ

「for」も辞書で引くと、いろいろな意味が出てきます。

~のために/~にとって/~にちなんで/~あての/~へ向かって/~を求めて

こころなしか、「to」の意味とほとんど同じですね・・・。
しかし、やはりこちらも日本語訳を覚える必要はありません。大事なのは意味ではなくイメージです。

「for」の基本イメージは「目標を目指すこと」。

たとえば、以下の例文を見てください。

This train is bound for Shinjuku.
この電車は新宿行きです。

電車に乗った際によく目にする(耳にする)表現ですね。
ここで考えて欲しいのは、新宿行きなのに何故toではなくてforなのか、ということです。

確かに、電車自体は新宿へ「到達」します。
しかし、それに乗っている私たち乗客はどうでしょうか。

ある人は途中のA駅で降り、またある人はB駅、C駅、D駅・・・と、人それぞれに降りる駅は違いますよね。

ここからわかるのは、”This train is bound for Shinjuku.”というアナウンスは、「電車が新宿(方面)を目指して進んでいる」ということを伝えているに過ぎず、それが新宿に到達するかどうかは二の次だということなんです。

(ちなみに、”This train is bound to Shinjuku.”とすると、新宿直行の超特急電車のようなニュアンスになります)

「for」の基本イメージは、このアナウンスに凝縮されています。
「for」が表すのは、あくまで目標を目指すこと。その目標に到達するかどうかまでは表していないんです。

「for」の基本イメージ=目標を目指すこと(≠目標への到達)

それでは、例文で確認していきましょう。

He left Japan for Canada last week.
彼は先週、カナダへ向けて日本を出発しました。

「カナダへ行ったのなら、toを使うべきじゃないか」と思う人も多いかもしれません。
しかし、この文で使われている動詞「left(現在形leave)」の焦点は、あくまで「出発すること」に当てられていて、到着したかどうかは二の次です。

極端な話、カナダに辿り着かずに帰ってきたとしても、出発したのは間違いないので矛盾はしません。

Thank you for coming.
来てくれてありがとうございます。

”Thank you for ~”は「~してくれてありがとう」という決まり文句。

「ありがとう」という言葉の宛先が「coming」に向いていることがforによって表現されています。
相手に確実に届く「to」ではなく、届くかわからない「for」が使われている点が、なかなかに粋ですよね。

This is a present for you.
これは、あなたのためのプレゼントです。

「for」の例文としては最も有名な文ですね。
プレゼントを選ぶ際、相手のことを思って(相手を目標として)いるために「for」が使われています。

とはいえ「to」を使うこともでき、”This is a present to you.”と言った場合には、「to」の「到達点」のイメージから、相手に確実に受け取ってもらえる自信が感じられる表現となります。

このように、「こういうときは絶対〇〇を使う」などと杓子定規に考えるのではなく、それぞれのイメージを踏まえて臨機応変に考えてあげられると、英語表現の幅が広がりますよ。

This table is for sale.
このテーブルは売り物です。

あえて直訳するなら、「このテーブルは売れることを目標にしています」といった感じ。
売れることを目指して置かれているだけであって、実際に売れるかどうかはわからないですよね。ここでtoを使うと、売れることが確定しているのに置かれていることになり、かなり不自然な文になってしまいます。

また、こちらの動画「99%の日本人が「英語の前置詞」をニガテな理由」でも、英語の前置詞をマスターする秘密を解説していますので、チェックしてみてください。

まとめ

紛らわしい英語の前置詞「to / for」の違いと使い分けをイメージで徹底解説!

いかがでしたか。

前置詞「to」と「for」のイメージを改めてまとめると、以下のようになります。

to=「ピッタリ向き合い、到達すること」
for=「目標を目指すこと」

「to」と「for」の違いは、「to」が確実に到達するのに対し、「for」は到達するとは限らないという点にありました。

ちなみに、冒頭でご紹介した例文クイズの答えは以下のようになります。

〇I will give this book to you.
×I will give this book for you.

「give」は相手に渡す行為を表す動詞なので、相手に到達しないのは不自然ですよね。

正解だった人も不正解だった人も、これを機会に「to」と「for」のイメージの違いを、ぜひ覚えておいてくださいね。

今回ご紹介した「to」と「for」は前置詞の中のほんの一部です。
しかし「千里の道もまずは一歩から」。

これをきっかけに、ぜひ前置詞をマスターしてみてください。
それでは、今後も楽しんで英語学習を続けていきましょう!

また前置詞については、こちらの動画「【イラスト付き/教材級】一生忘れない – 英会話でよく使われる前置詞Top50を完全イメージ化【総集編】」がおすすめです。英会話教室の社長が、英語初心者のためにイラスト付きのコアイメージで前置詞について、分かりやすく解説しています。ぜひチェックしてみてください。

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