英語のプロが「there is 構文」の文型を「桃太郎」で分かりやすく解説!

英語のプロが「there is 構文」の文型を「桃太郎」で分かりやすく解説!

皆さんこんにちは!
「b わたしの英会話」の日向と申します。

  • there is構文は結局何?
  • thereは、なぜ必要なの?
  • thereって名詞?何で主語になれるの?

中学生の頃に習ったものの、意外とそのままにされてしまいがちな、英文法の筆頭格「there is構文」です。

そもそも、構文などと呼んでいるわりに、それほど頻繁に出てくるわけでもなく、「本当に必要か?」とその存在価値を疑問に感じている人も多いのではないでしょうか?

そんなあなたへ向けて、今回の記事では以下のことについてご紹介していきます。

この記事でわかること
  • thereの必要性
  • there is構文の文型
  • there is構文の疑問文と否定文
  • there is, there areの使い分け
  • there is構文が使えない場面

この記事を読めば、今まであやふやなままだった「there is構文」を、自信をもって使いこなすことができるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

自己紹介
中学生時代は英語が大の苦手。
統一模試で偏差値30台を出すことも…。

高校時代に、英語が分からな過ぎて一念発起。独学で学び始めて1年後、模試の偏差値は80に乗ることも。
苦手を得意にしたその経験を活かし、大学在学中より学習塾での講師として、数多くの中学生や高校生を指導。

英語が嫌いな気持ちが誰よりもわかるからこそ、暗記に頼らない、何故がわかる英語学習をモットーに活動を続けています。

なぜ「there」が必要なのか?「there is 構文」の文型を分かりやすく解説

なぜ「there」が必要なのか?「there is 構文」の文型を分かりやすく解説

there is構文とは、一般的に以下のように説明されています。

一般的な there is 構文
There is [are] + 名詞 +場所を表す句 =「~(場所)に○○(名詞)がある[いる]」

中学生のときに初めて学校でこれを習った際、私の頭には下のような疑問が浮かびました。

「なんでthereが文頭にあるの?」

それもそのはず。
英語の文では、文の最初にまず主語、それに続いて動詞が来ると習います。

英語の文の基本形
主語+動詞+~

しかし、thereというのは「そこ」という意味ですよね。
品詞も調べてみると「副詞」となっています。

名詞しか主語になることができませんし、そもそも意味としても「そこは~」となってしまい、よくわかりません。

There is a pen ~.
⇒そこはペン?

また、後ろに来る名詞によって、be動詞がisになったりareになったり、もはや混乱が止まりません。

There is a book ~.
There are books ~.
⇒やっぱりthereは主語じゃない?

学校の先生に詳しく聞こうにも、「まあ、そういうものだから」とはぐらかされ、結局は「例外」として処理し、私の英語ギライを醸成する材料の1つとなってしまいました。

同じような理由でthere is構文が嫌いな方、結構いるのではないでしょうか。

「there is 構文」は、一種の「倒置」文

there is構文は、倒置の一種として説明することができます。

「倒置」というのは、「倒して置く」という字義の通り、文の順番を入れ替えることを意味します。
日本語の修辞法でも「倒置法」というのがありますよね。

私は朝ごはんを食べました。
⇒私は食べました、朝ごはんを。(倒置法)

英語においても、文の効果を出すために順番を入れ替えて倒置させることが結構あるんです。

The view from the hotel was beautiful.
そのホテルからの眺めは美しかった。

⇒Beautiful was the view from the hotel.
 美しかった、そのホテルからの眺めは。

これと同じように、文の主語を後回しにした表現がthere is構文なのです。
たとえば、「机の上に本がある」という文を例にとってみると、

A book is on the desk.
1冊の本が机の上にある。

⇒On the desk is a book.
 机の上にある、1冊の本が。

この”on the desk”という句は場所を表していますよね。

英語は頭でっかちな文を嫌う傾向にあるので、これを場所を表す副詞thereで置き換え、”on the desk“は仕方なく文末に付けます。
そうすると、以下のようにthere is構文が完成します。

On the desk is a book.
机の上にある、1冊の本が。

⇒There is a book on the desk.
 机の上に1冊の本がある。

これで、there is構文が出来上がる「流れ」についてはご理解いただけたかと思います。
しかし、その「なぜそんな倒置をするのか」という「理由」については、まだ謎ですよね。

それを説明するには、なんと皆さんご存じの昔話『ももたろう』が役立ちます。

なぜ「there」が文頭に来るの?

昔話『ももたろう』の語り出しを、皆さんはご存じですか?
是非一度、頭に思い浮かべてみてください。

むかーしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは…

多少の違いはあるでしょうが、皆さん概ねこのような語り出しで記憶しているかと思います。

しかし、よく考えてみると、この「むかーしむかし、あるところに」っていう部分、正直要らないですよね?
思い切って取ってみると、こんな感じになります。

おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは…

どうでしょう。なんだか唐突な感じがしませんか?
おそらく、こんな語り出しだとしたら、『ももたろう』がここまでヒットすることは無かったのではないでしょうか。

この「むかーしむかし、あるところに」という部分、特に「あるところに」の部分は、語り出しの唐突さを和らげる働きがあることがわかります。

これこそが、there is構文のthereの役割だったんです。

POINT
there = 語り出しの唐突さを和らげる

実際、”A book is ~”などと、知らないことについていきなり話し出されたらギョッとしますよね。
thereは、それを和らげるためのクッションの役割を担っているのです。

There is a book on the desk.
⇒あるところ(そこ)に本があります、そこっていうのは机の上のことです。

これが、there is構文にthereが使われる「理由」だったんです

「there is 構文」の否定文・疑問文の場合は?

「there is 構文」の否定文・疑問文の場合は?

以上のように、there is構文というのは、語り出しのクッションとしてthereを置くために文の順番を倒置したものでした。

そのため、文の最初にあるからといってthereが主語なわけではなく、動詞(is)の後ろにある名詞が主語にあたります。

POINT
There is [are] + 主語 +場所を表す句 =「~(場所)に○○(主語)がある[いる]」

そのため、通常の文と同様に、主語が単数形であればisが、主語が複数形であればareが使われます。

もちろん時制が過去になればwas, wereも、未来であればwill beも使用されます。

There is a library in our town.
私たちの町には1つの図書館がある。

There are five convenience stores in our town.
私たちの町には5つのコンビニがあります。

There was a large supermarket in our town.
私たちの町には大きなスーパーがありました。

There were some bookstores in our town.
私たちの町には何軒か本屋がありました。

There will be many kindergartens in our town in ten years.
10年後、私たちの町にはたくさんの幼稚園があるでしょう。

また、否定文・疑問文を作る場合も、通常のbe動詞の文同様、以下のルールに従います。

POINT
否定文:be動詞の後にnotを付ける
疑問文:主語とbe動詞の順番を入れ替える

ただし、there is構文の文では、既に主語とbe動詞が入れ替わってしまっており、これをまた入れ替えて元に戻すと、訳の分からない順番になってしまいます。

そのため、便宜的にthereを主語に見立て、”Is there ~?” のように語順を入れ替えて疑問文を作ります。

There is a pool in his house.
彼の家にはプールがあります。

There is not a pool in her house.
彼女の家にはプールがありません。

Is there a pool in your house?
あなたの家にはプールがありますか?

⬇︎

Yes, it is./No, it is not [isn’t] はい、あります/いいえ、ありません。

【発展】there is構文が使えない場合

【発展】there is構文が使えない場合

そんなthere is構文ですが、どんな時でも使えるわけではありません。
最後に、その理由について解説していきます。

先ほど、there is構文の役割は「話が唐突になるのを防ぐクッション」だとご説明しました。
この「話が唐突になる」か否かというのは、その対象(主語の名詞)を相手が知っているか否かにかかっています。

たとえば、『ももたろう』のお話を初めて聞く人にとって、登場人物である「おじいさんおばあさん」は未知の人物ですよね。
そのため、「あるところに」というクッションが必要でした。

その一方、「あなたのお母さん」などの知っている人物だった場合はどうでしょう。
「あるところに、あなたのお母さんが~」などと話し出されたら、逆に違和感が生まれますよね。

〇There were an old man and old woman….
△There is your mother….

つまり、there is構文は相手の知らない対象、つまり話に初めて出てきた「新情報」について話す場合には使える一方、相手が既に知っている対象を表す「旧情報」について話す場合には、使うことができないんです。

POINT
  • 文の主語が新情報(相手の知らない情報)⇒there is構文にできる
  • 文の主語が旧情報(相手の既に知っている情報)⇒there is構文にできない

新情報というのは、単数形の場合には不定冠詞a[an]が付きます。

その一方、旧情報の場合には定冠詞のtheが付くことが多いです。

aとtheの違いについては、別記事の「英語の冠詞「a/the/無冠詞」の違いと使い分けを5分でわかりやすく解説!」で詳しく解説していますので、是非ご参照ください。

英語の冠詞「a/the/無冠詞」の違いと使い分けを5分でわかりやすく解説! 英語の冠詞「a/the/無冠詞」の違いと使い分けを5分でわかりやすく解説!

そのため、「there is構文の主語には定冠詞theの付く名詞は使えない」とルール化することも、できなくはありません。
しかし、theが付いているからといって、確実に旧情報であるとは言い切れず、以下のような例外も考えられます。

There is the watch you are looking for in that store.
あのお店に、あなたが探している時計がありますよ。

この文では、「探しているまさにその」ということを強調するために、あえてtheが使われています。

機械的に「there isの後にtheはダメ」と考えてしまうと、このような表現に気づけなくなってしまうので、あまりルール化して考えず、その背景にある理由も含めて理解してあげるようにしましょう。

まとめ

英語のプロが「there is 構文」の文型を「桃太郎」で分かりやすく解説!

いかがでしたか?
なぜ必要なのかがわかりにくいthereにも、「話を唐突にしないためのクッション」という役割があることがおわかり頂けたかと思います。

there is構文は、「構文」などと名付けられているせいで堅苦しい印象がありますが、実際は聞き手を思いやった非常にジェントルな表現です。

使いこなすことができれば、会話のバリエーションが増し、あなたの英語表現にとってプラスになること間違いなしです。

この機会にマスターして、日々の会話でも、ぜひ積極的に使ってみてください。
それでは、今後も楽しんで英語学習を続けていきましょう!

英語を話せるようになりたい方へ

当ブログは「b わたしの英会話」が運営しています。

「b わたしの英会話」では、まずは独学をキッカケにスタートしてその後、しっかりと学びたい!ということで、通いはじめるお客様は多くいらっしゃいます。

特に、私たちのスクールでは毎回のレッスンで学んだ単語やフレーズを「レッスンレコード」というオンラインノートに毎回記帳します。クラスの中で、自分にあった単語やフレーズを使った文章を作ってもらって、それを自分の台本代わりにすれば、会話の上達速度も圧倒的に早くなるのでおすすめですよ。

もし、同じように独学に限界を感じ始めている方は体験レッスンで雰囲気を見てみるといいと思いますよ。初回は無料で受けられますので、まずは、雰囲気を見てみたい方にもオススメです。

また、今はまだ体験レッスンは早いかなぁ・・・・。
そんな方は、資料請求だけしておくと後で様々なキャンペーンの特典などありますのでおすすめです。

コース内容及び料金イメージはこちらからダウンロードが可能です
英会話超初心者脱出資料請求

 

私たち、b わたしの英会話では一緒に働くコンシェルジュ職(カウンセラー)ポジションの募集をしています。英語を使った仕事を通じて、自分のスキルを高めてみたい方、接客の好きな方にピッタリのポジションです。応募されたい方は、こちらのリンクをご参照ください。

 

また、当面はオンラインで英語学習をしてみたい。
そんな方のための「わたしのオンライン」コースもおすすめです!
初月わずか550円ではじめられるので、まずはお試し!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です