
Every man for himself. の意味は「緊急時や競争的な状況で、誰も他人を助ける余裕がなく、各自が自分自身を守らなければならない」です。検索者がまず知りたい答えを先に言えば、「自分のことは自分で」「各自で身を守れ」に近い表現です。ただし、普段から自立しようという穏やかな助言ではなく、協力が崩れた切迫した状況や、競争で助け合いが期待できない場面を表します。
この記事では、直訳と実際のニュアンス、man が使われる理由、使える場面と避けたい場面、自然な例文、似た表現との違い、表現が出てこないときの「しゅみすけ式」まで解説します。
Contents
Every man for himself. の意味
中心的な意味は「もう全員をまとめて助ける仕組みがないので、それぞれが自分を守らなければならない」です。船の事故や組織の混乱を描く物語で、責任者が統制を失った場面を想像すると分かりやすいでしょう。
日常では必ずしも本当の危険だけを指しません。人気商品の取り合い、席の確保、競争の激しい職場などを大げさに描写する冗談にも使われます。その場合も「協力ではなく各自で」という核は残ります。
しゅみすけ(大山俊輔)
直訳と man の意味
直訳は「すべての男は自分自身のために」です。しかし、古くから固定されたことわざの man は男性だけを限定する意図ではなく、人一般を指す古い用法です。現代の実際の意味は「全員が各自で自分を守る」です。
表現そのものは現在も定型句として残っています。ただし自分で普通の説明文を作るなら、Everyone must take care of themselves. のように everyone と単数の they/themselves を使うと、性別を限定せず自然です。

ネイティブが感じるニュアンス
深刻な文脈では、秩序や連帯が失われた冷たい状況を表します。「もう助けは来ない」という絶望感や、自己保存が最優先になる切迫感を伴います。リーダーが部下に普通の業務方針として言えば、無責任に聞こえる可能性があります。
一方、軽い冗談では、ビュッフェに最後のケーキが一つしかない、セール品を皆が狙っている、といった場面を「非常事態」のように誇張します。笑顔や声の調子があるから冗談だと分かるので、文章だけでは前後の説明が必要です。
文法・語順
Every man は「一人一人すべての人」、for himself は「自分自身のために」です。完全な説明文なら Every man must act for himself. などが考えられますが、このことわざでは動詞部分が省略された感嘆的な定型句として使われます。
引用するときは It was every man for himself.(その場は誰もが自分を守る状態だった)のように、be動詞の補語として使えます。When the doors opened, it was every man for himself. の形は、混乱した状況を後から描写するときに自然です。
自然な例文
When the company suddenly closed, it was every man for himself.
会社が突然閉鎖されると、誰もが自分のことで精いっぱいになった。
The alarm went off, and for a moment it felt like every man for himself.
警報が鳴り、一瞬、各自で身を守るしかないように感じた。
As soon as the sale started, it was every man for himself.
セールが始まるとすぐ、皆がわれ先にという状態になった。
There was one slice of cake left—every man for himself!
ケーキが一切れだけ残っていた。早い者勝ちだよ!
A good emergency plan should prevent an every-man-for-himself situation.
よい緊急計画は、各自が勝手に逃げる状況を防ぐべきだ。
The manager stayed and helped the team instead of saying, “Every man for himself.”
上司は「各自で何とかして」と言わずに残り、チームを助けた。
自然な会話例
A: Why is everyone running toward the counter?
B: They just announced that only five tickets are left. It’s every man for himself.
A: I’ll wait. I don’t want to push anyone.
A「どうしてみんなカウンターへ走っているの?」
B「チケットがあと五枚だけだと発表されたんだ。みんなわれ先に、という状態だよ」
A「私は待つよ。誰かを押したくないから」
この会話では本当の危険ではなく、競争の激しさを少し大げさに表しています。最後の発言で、安全や礼儀を優先する態度も示しているため、表現を無条件に肯定していません。
似た表現との違い
fend for yourself は「人の助けなしで自分の面倒を見る」という動作を表します。子どもが自立する、旅先で自分で生活するといった文脈にも使えます。Every man for himself. よりも必ずしも混乱や競争を含みません。
look out for yourself は「自分の利益や安全を守る」、save yourself は「自分の命を救え」です。Every man for himself. は個人の行動より、集団全体が助け合えない状態になったことを強調します。
失礼・危険になりやすい使い方
実際の緊急時にこの表現を叫ぶと、避難誘導や助け合いを否定する危険な指示になり得ます。現実の安全場面では Follow the evacuation instructions.(避難指示に従ってください)や Help anyone who needs assistance.(助けが必要な人を支援してください)のような具体的な英語を使いましょう。
また、職場で責任者が問題を放置するときに使えば、「自分は責任を負わない」という冷たい態度になります。冗談で使う場合も、弱い立場の人を置き去りにする笑いになっていないか考える必要があります。
出てこないときの「しゅみすけ式」
この表現が出てこなければ、Everyone must take care of themselves.(全員が自分自身を守らなければならない)と言えば要点を伝えられます。さらに簡単にするなら、No one can help us now.(今は誰も私たちを助けられない)と状況を直接説明できます。
作り方は、Everyone を主語にして、must と基本動詞 take care of を続けるだけです。イディオムの劇的な響きはなくなりますが、誰が何をしなければならないかが明確になります。
しゅみすけ(大山俊輔)
使えるようになる練習
まず「本当の緊急事態」と「冗談としての競争」を一つずつ想像します。それぞれについて It was every man for himself. と過去形の状況説明を作り、次に簡単な言い換えも続けてください。二つの場面を比べると、声の調子と文脈がどれほど重要か分かります。
最後に、その表現を使わないほうがよい場面も考えます。安全指示、責任者の説明、困っている人への声かけでは、具体的で協力的な英語を選ぶ。この判断までできれば、意味を知っているだけでなく、実際に適切に使える状態です。
関連する英熟語・定型表現
英熟語・定型表現の親記事では、人間関係、仕事、緊急時などの場面から関連表現を探せます。意味が似た表現を比べると、緊迫感の強さや相手への態度の違いが見えます。
もう一段深く理解するポイント
この表現の every man は古い総称用法で、現在の普通の説明文では everyone を使うほうが自然です。ことわざとして引用する場合は形を保てますが、職場の方針や避難案内では inclusive な語彙と具体的な指示を選びます。定型句を知ることと、自分が同じ言い方で指示を出すことは分けて考えましょう。
判断を言葉にする練習
次の練習では、ことわざを言う前の一文を自分で作ります。①何が起きたか、②自分はどう判断するか、③相手に何をしてほしいか、の三つを書き出してください。そのうえで、この表現が励まし、注意、批判、冗談のどれとして働くかを確認します。
次に、同じ内容をことわざを使わず、記事で紹介した簡単な英語だけで言います。最後に両方を声に出して比べましょう。難しい表現が出る日も出ない日も、同じ意図を伝えられるようにすることが、実際の英会話で使える力につながります。
冗談として使うなら、競争が軽く、誰も本当に傷つかない場面を選びます。最後の一切れのお菓子やゲームの順番なら笑いになりますが、雇用、安全、災害の問題では具体的で協力的な説明を優先しましょう。
まずは映画やニュースの場面を説明し、その状況をこの表現で一文にまとめる練習がおすすめです。深刻な用法と冗談の用法を分けて覚えましょう。
まとめ
Every man for himself. は「緊急時や競争的な状況で、誰も他人を助ける余裕がなく、各自が自分自身を守らなければならない」を表す、緊迫感のある定型表現です。現代的な簡単な言い換えは Everyone must take care of themselves. です。軽い競争を大げさに描く冗談にも使えますが、実際の緊急時や責任を負う立場では、協力的で具体的な指示を選びましょう。










