
at all costsは「何としてでも」を表す英語表現です。単語を一つずつ訳すだけでは、会話でどこまで強く聞こえるのか、どんな語順で使うのかが見えにくい表現でもあります。この記事では、中心イメージから自然な例文、類似表現との違い、日本人が間違えやすい点、すぐに出てこないときの簡単な言い換えまで整理します。
Contents
at all costsの意味
中心となる意味は「どんな犠牲や困難があっても、必ず目的を達成する」です。日本語訳は文脈によって変わりますが、訳語を丸暗記するより、話し手が何を前提にこの表現を選んでいるかをつかむ方が応用できます。会話では前後の文が判断材料になります。肯定文・否定文・疑問文のどれか、主語が人か出来事かにも注目しましょう。
costは金額だけでなく「代償・犠牲」。all costsで、考えられるあらゆる代償を含みます。決意が非常に強いので、日常の小さな希望には大げさになることがあります。
しゅみすけ(大山俊輔)
語順と文法
基本の形は動詞+at all costs / at any costです。まとまり全体を一つの部品として覚え、後ろに何を置くかまで声に出して練習しましょう。英熟語は単語帳の日本語だけを覚えるより、「主語+表現+目的語」「表現+完全文」のような型で記憶する方が、実際の会話で取り出しやすくなります。
時制が変わる場合は中心となる動詞を変化させます。代名詞を含む表現では、主語に合わせてmyself、yourself、himself、herself、ourselves、themselvesを選びます。前置詞の後ろには原則として名詞または動名詞を置きます。この三点を確認すると、語順の事故をかなり減らせます。

自然な例文と使う場面
We must protect customer data at all costs.
私たちは何としてでも顧客データを守らなければなりません。
She wanted to avoid another argument at all costs.
彼女は何としてでも再び口論になるのを避けたかったのです。
Don’t try to win at all costs.
どんな犠牲を払っても勝とうとはしないでください。
例文を読むときは日本語訳だけでなく、誰が誰に、どんな目的で言っているかを想像してください。仕事では結論や方針をはっきり示すため、日常会話では気持ちや関係を短く伝えるために使われます。自分の生活に近い名詞へ一つだけ入れ替え、同じ型で言い直すと定着しやすくなります。
会話でのニュアンス
at all costsは、辞書の訳だけなら簡単に見えても、発言の強さや距離感が文脈で変わります。声の調子、直前の話題、続くbutやsoにも注意が必要です。短い決まり文句として単独で使える場合と、説明を続けた方が親切な場合があります。相手との関係が近くないときは、理由や具体例を一文添えると唐突に聞こえません。
ネイティブらしさは難しい表現を多用することではありません。必要な場面で、必要な強さを選ぶことです。この表現が大げさに響く場面では、後述する簡単な言い換えを選ぶ方が自然です。逆に、一定の決意・対比・関係性を短く印象づけたいときには熟語が役立ちます。
似た表現との違い
no matter whatは会話的で広く使えます。by all meansは「ぜひ」「もちろん」で、犠牲を強調しません。at all costsには危険な執着を批判する用法もあります。
類似表現を見分けるときは、日本語訳が同じかどうかだけで判断しません。「頻度を述べるのか」「原因と結果を示すのか」「相手への印象なのか」「権利や影響力なのか」といった、文の目的を比べます。迷ったら、最も直接的な基本語を選べば大きく外しません。
日本人が間違えやすいポイント
第一に、前置詞を日本語の助詞と一対一で置き換えないことです。第二に、似た熟語の語順を混ぜないこと。第三に、日本語訳だけを見て必要以上に強い場面で使わないことです。また、主語と目的語の関係が曖昧なまま使うと、誰の判断・感情・行動なのか伝わりにくくなります。
作文したら、①中心動詞の時制、②前置詞の後ろの形、③その強さが場面に合うか、④もっと短い言い方で誤解なく伝わるか、の順で確認しましょう。冠詞や単複より先に文の骨格を点検すると、修正しやすくなります。
でてこない時のしゅみすけ式
We have to do it, no matter what.
熟語が思い出せないときは、意味を一度「誰が・何を・どうする」に分解します。そのうえで、usually、do、make、say、think、want、becauseなどの基本語で直接説明します。英会話の目的は熟語を披露することではなく、相手に意図を届けることです。
しゅみすけ(大山俊輔)
自分の会話に入れる練習
まず例文を一つ選び、主語だけを自分に変えます。次に場所・相手・期限など一要素を変えます。最後に、肯定文を否定文または疑問文にします。一度に全部を変えるより、一か所ずつ変える方が型を保てます。録音して聞くと、語句の切れ目や不自然な間にも気づけます。
仕事の場面なら会議、締切、同僚、方針を、日常なら家族、買い物、旅行、予定を題材にしてください。「明日この一文を使う」と決めると、受け身の知識が発話できる表現へ変わります。返答まで作ると会話練習になります。
よくある疑問
書き言葉と会話のどちらで使えますか?
どちらでも使えますが、表現によって改まり度は異なります。メールでは前後を明確にし、会話では短い基本表現へ置き換える選択肢も持っておきましょう。
毎回この熟語を使う必要がありますか?
必要ありません。同じ内容を基本英語で言えることが最優先です。聞いて理解でき、必要な場面では使えれば十分です。
覚えるコツはありますか?
英語と日本語の一対一暗記ではなく、場面・語順・短い返答をセットにしてください。翌日、三日後、一週間後に自分の例文を言い直すと定着します。
関連する英熟語も確認しよう
完成した表現を体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現の親記事もご覧ください。似た日本語訳でも、動詞や前置詞が変わると焦点が変わります。記事同士を比べると、単語の暗記では見えにくい使い分けが整理できます。
at all costsを「読む英語」から「使える英語」に変える
ここまで理解したら、最後は実際の会話を想定して定着させましょう。最初の練習では、正しい長文を一度で作ろうとしなくてかまいません。まずat all costsを含む短い一文を言い、その後に理由や具体例を足します。例えば「結論→理由」「気持ち→背景」の二段階に分けると、語順を保ったまま自然に情報を増やせます。相手からWhy?、Really?、What happened?と聞かれた想定で二文目も用意すると、独り言の暗唱ではなく会話の練習になります。
聞き取りでは、すべての単語を日本語に訳そうとせず、表現の直後に何が置かれているかを確認します。人・物・出来事・動名詞・完全文のどれが続くか分かれば、文全体の役割を早く判断できます。映画や動画で見つけたときは一文だけを保存するのではなく、直前の発言と相手の返答も一緒にメモしてください。同じ表現でも、賛成、反対、決意、ためらい、説明などの場面によって声の強さが変わるためです。
仕事・旅行・人間関係で置き換える
仕事ならproject、deadline、manager、decision、旅行ならflight、hotel、route、schedule、人間関係ならfriend、family、opinion、problemを使って一文ずつ作ります。次に、現在形を過去形へ、肯定文を否定文へ、Iをweやsheへ変えます。この変換をすると、暗記した一例だけでなく複数の場面で使える型になります。誤りを恐れて黙るより、まず基本語で言い切り、後からat all costsへ言い換える順番がおすすめです。
使う前の最終チェック
- 表現の強さは今の場面に合っているか
- 後ろに置く形は名詞・動名詞・完全文のどれか
- 誰の行動や意見なのか主語が明確か
- 基本英語の言い換えもすぐ言えるか
四つとも確認できれば、知識として理解しただけでなく、実際に運用する準備ができています。熟語は一日に何十個も覚えるより、一つを三つの自分の場面で使えるようにする方が会話に残ります。
まとめ
at all costsの中心は「どんな犠牲や困難があっても、必ず目的を達成する」です。基本の形は動詞+at all costs / at any cost。まず短い例文を一つ自分用に変え、出てこないときはWe have to do it, no matter what.のような基本英語で伝えましょう。意味・語順・強さをセットで理解すれば、聞き取りにも発話にも使える知識になります。










