
「リスクを洗い出す」を英語にしたいとき、場面によって自然な表現は変わります。先に結論を言うと、中心候補は identify potential risks、map out the risks、list potential risks です。ただし、3つは同じ意味ではありません。この記事では、何をどこまで行うのか、日常会話か仕事か、どんな目的語・語順を使うかまで整理します。
| 英語表現 | 中心の意味 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| identify potential risks | 起こり得るリスクを特定する | 標準・実務 |
| map out the risks | リスクの全体像や関係を整理する | 計画・可視化 |
| list potential risks | 候補を列挙する | 初期整理・簡潔 |
Contents
「リスクを洗い出す」は英語でどう言う?まず意味を分けよう
日本語の「リスクを洗い出す」には、考えを整理する、状況を確かめる、候補を比べる、次の行動につなげるなど、文脈ごとの目的があります。英語では、その目的を動詞や目的語にはっきり出すのが自然です。直訳語を一つ暗記するより、「誰が・何を・何のためにするか」を分けると選びやすくなります。
判断の場面では、行為の途中と結果も区別します。「考えている」「確認している」「決めた」では英語が変わります。また、日常の軽い相談と、会議・報告書の正式な説明では好まれる語も変わります。
しゅみすけ(大山俊輔)
基本の3表現を例文で使い分ける
1.identify potential risks:起こり得るリスクを特定する
identify potential risks は「起こり得るリスクを特定する」というときに使います。特に標準・実務の場面で自然です。日本語の「リスクを洗い出す」が指す範囲を全部この表現だけで済ませず、何をするのかに注目して選びましょう。
First, identify the potential risks.
まず起こり得るリスクを特定してください。
The review identified three major risks.
見直しで3つの大きなリスクが特定されました。
2.map out the risks:リスクの全体像や関係を整理する
map out the risks は「リスクの全体像や関係を整理する」というときに使います。特に計画・可視化の場面で自然です。日本語の「リスクを洗い出す」が指す範囲を全部この表現だけで済ませず、何をするのかに注目して選びましょう。
Let’s map out the risks before we commit.
決定する前にリスクを整理しましょう。
They mapped out the risks across each project phase.
各工程のリスクを整理しました。
3.list potential risks:候補を列挙する
list potential risks は「候補を列挙する」というときに使います。特に初期整理・簡潔の場面で自然です。日本語の「リスクを洗い出す」が指す範囲を全部この表現だけで済ませず、何をするのかに注目して選びましょう。
Please list all potential risks you can think of.
思いつく潜在リスクをすべて挙げてください。
We listed the risks in order of impact.
影響度の順にリスクを並べました。

3表現の違いを仕事でどう使い分ける?
リスク登録簿を作る前段なら identify potential risks、会議で漏れなく列挙するなら list、発生箇所・影響・対策の関係まで描くなら map out が適切です。その後に確率と影響を評価します。
依頼するときは目的と期限を添える
英語の依頼では、動詞だけでなく対象と目的を示すと実務的です。たとえば Could you identify potential risks before Friday? のように期限を足したり、so that we can decide(判断できるように)のように目的を続けたりできます。相手を責めずに提案するなら、Let’s … や Could we …? が便利です。
報告では「したこと」と「わかったこと」を分ける
報告文では、最初に行為、次に結果を述べます。たとえば「確認しました。そこで二つの問題がわかりました」のように二文に分けると、難しい表現に頼らなくても論理が伝わります。主語を we にすれば協働的に、I にすれば自分の担当を明確にできます。
日常会話ではどう言えば自然?
旅行計画なら think about what could go wrong で十分です。深刻に響かせたくないときは possible problems と言い換えると、日常的でわかりやすくなります。
家族や友人との会話では、専門的な名詞を避けて短い動詞を使う方が自然なこともあります。相手と一緒に考える場面なら Let’s …、意見を柔らかく出すなら Maybe we can …、可能性を尋ねるなら Could we …? を使いましょう。
文法・目的語・語順のポイント
risk は可算名詞として a risk / risks が一般的です。risk doing は「〜する危険を冒す」という別構造。potential は形容詞で potential risks、potentially は副詞です。map out は代名詞なら map them out とします。
名詞を具体的にすると意味が伝わる
英語では「それを」のままにせず、the plan、the risks、the facts、our options のように対象を示すと誤解が減ります。代名詞を使うときは、句動詞の語順にも注意してください。また、抽象名詞が続いて重くなったら、that節や疑問文にほどくと会話的になります。
時制で検討の段階を示す
現在進行形は作業中、過去形は完了した行為、現在完了は今に関係する結果を表せます。We’re working on it. は進行中、We checked it. は確認済み、We’ve found a problem. は見つかった問題が今も重要だという含みです。
日本人が間違えやすいポイント
wash out risks のように日本語の「洗い出す」を直訳しません。リスクを見つけるなら identify、書き出すなら list、相互関係まで整理するなら map out と目的で選びます。
辞書の最初の語だけで決めない
日本語の見出し語が同じでも、目的語と結果が違えば英語も変わります。例文を覚えるときは単語だけを抜き出さず、動詞+目的語、必要なら前置詞まで一まとまりにしましょう。強すぎる語や堅すぎる語を避けるには、誰に話すかも確認します。
難しい表現が出てこないときの「しゅみすけ式」
ぴったりの単語を思い出せなくても、基本動詞で「目的」「手順」「結果」を説明すれば会話は止まりません。一文を二文に分け、まず状況、次にしたいことを述べるのがコツです。
- Let’s write down what could go wrong.
何がうまくいかない可能性があるか書き出しましょう。 - What problems may happen?
どんな問題が起こる可能性がありますか。 - We checked each step for possible trouble.
各手順に問題の可能性がないか確認しました。
この言い換えは単なる簡略化ではありません。専門語の意味が相手と共有できていないときにも役立ちます。最初に簡単な英語で説明し、必要なら後から専門表現を足しましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
関連する思考・判断の英語表現
「リスクを洗い出す」の前後で使う表現も一緒に押さえると、会議や日常会話を流れで説明できます。
「リスクを洗い出す」を英語で伝える実践ステップ
実際の会話では、最初から完璧な単語を選ぶ必要はありません。まず現在の状況を短く共有し、次に行動、最後に期待する結果を伝えます。この三段階に分けると、相手は「なぜその作業が必要なのか」まで理解できます。
ステップ1:対象と目的を具体的にする
「何についてリスクを洗い出すのか」を明確にしましょう。the plan、the schedule、the data、our approach など、具体的な名詞を置きます。次に、意思決定のためなのか、失敗を防ぐためなのか、合意を作るためなのかを so that … で加えると、依頼が唐突に聞こえません。
ステップ2:行為の深さに合う表現を選ぶ
- identify potential risks:起こり得る危険を特定するとき
- map out the risks:発生箇所や影響の関係まで整理するとき
- list potential risks:会議の最初に候補を列挙するとき
一つ目は万能訳ではありません。軽い相談なのか、正式な評価なのか、すでに結果が出たのかを確認してください。同じ会議の中でも、作業の段階が進めば使う表現が変わることがあります。
ステップ3:確認の一文で認識をそろえる
説明の後に Does that make sense?(ここまでで意味は通じますか)、Are we looking at the same thing?(同じ点を見ていますか)、What should we do next?(次に何をすべきですか)のような一文を添えると、独りよがりな判断を防げます。
よくある質問
一番無難な言い方はどれですか?
相手や場面がわからないときは、専門語を無理に使わず、この記事のしゅみすけ式で目的を説明するのが安全です。仕事では対象を具体化し、日常会話では短い基本動詞を選びます。
メールと会話で表現を変えるべきですか?
意味は同じでも、メールでは理由・期限・次の行動まで明記します。会話では一文を短くし、相手の反応を見ながら補足します。丁寧さは難しい単語より、could、would、please や協力的な we / let’s で調整できます。
まとめ:「リスクを洗い出す」は目的に合わせて英語を選ぼう
「リスクを洗い出す」の中心候補は identify potential risks、map out the risks、list potential risks です。大切なのは日本語に一対一で当てはめることではなく、対象・目的・段階を明確にすることです。迷ったら、この記事の「しゅみすけ式」のように基本動詞で状況を分けて説明しましょう。短い英語でも、考えの流れはきちんと伝えられます。










