
It takes a thief to catch a thief. の意味を先に言うと、「悪い手口を見抜くには、その手口を内側から知る人が役立つ」です。日本語訳だけでは、励ましなのか警告なのか、また自分から会話で使ってよいのかが分かりにくい表現です。
この記事では、直訳と単語の働きから意味をほどき、ネイティブが感じる響き、自然な例文、似た表現との違い、日本人が気をつけたい点まで整理します。最後には、ことわざが出てこないときに基本英語で伝える「しゅみすけ式」も紹介します。
Contents
It takes a thief to catch a thief. の基本的な意味
悪い手口を見抜くには、その手口を内側から知る人が役立つ、という意味です。中心にある考えは、同じ発想・経験・手口を持つ者だからこそ、相手の行動を予測できるという考えことです。
ことわざは状況全体を短く評価する言葉です。辞書の一語へ置き換えるより、「話し手は相手にどんな見方を促しているか」をつかむと、実際の会話で理解しやすくなります。
直訳と「なぜその意味になるのか」
直訳は「泥棒を捕まえるには泥棒が必要だ」です。It takes A to do B は「BするにはAが必要」。a thief と another thief が鏡のように対応し、経験者の洞察を強調します。。具体的な景色や構文が、人生や人間関係についての一般的な教訓へ広がっています。
まず直訳の場面を頭に描き、次に「この場面は人の行動や判断の何を表しているのか」と考えましょう。丸暗記よりも、初めて見る例文へ意味を応用しやすくなります。

ネイティブが感じるニュアンス
犯罪捜査だけでなく、詐欺対策、サイバーセキュリティ、交渉、ゲームなどへ比喩的に使えます。やや冗談めいた、または皮肉な響きがあります。
同じ言葉でも、笑顔で短く言う場合、落ち着いて助言する場合、強い口調で批判する場合では印象が変わります。ことわざの前に具体的な事情を一文置くと、上から目線になりにくくなります。
しゅみすけ(大山俊輔)
よく使われる形・語順・文法
基本形は It takes a thief to catch a thief. です。定型表現なので、まずは語順を変えず一文として覚えます。引用するときは As the saying goes, …(ことわざにもあるように)や You know what they say: …(よく言うでしょう)を前に置けます。
- As the saying goes, It takes a thief to catch a thief.
- You know what they say: It takes a thief to catch a thief.
- This is a case of “It takes a thief to catch a thief.”
会話ではことわざを言った後に、That’s why … や So I think … で自分の判断を補うと、何を提案しているかが明確になります。
自然な例文6選
| # | 英語例文 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 1 | The former scam investigator spotted the fake invoice immediately. | 元詐欺捜査員は偽の請求書をすぐ見抜きました。 |
| 2 | It takes a thief to catch a thief, as the saying goes. | ことわざで言うように、手口を知る人だから見抜けます。 |
| 3 | Our security team studies how attackers think. | セキュリティチームは攻撃者の考え方を研究しています。 |
| 4 | An experienced negotiator noticed the bluff. | 経験豊富な交渉人がはったりに気づきました。 |
| 5 | Knowing the trick helps you recognise the warning signs. | 手口を知れば、警告の兆候を見つけやすくなります。 |
| 6 | We need an ethical expert who understands this method. | この手法を理解する倫理的な専門家が必要です。 |
短い会話で使ってみよう
A: The former scam investigator spotted the fake invoice immediately.
B: I see what you mean. What should we do next?
A:元詐欺捜査員は偽の請求書をすぐ見抜きました。
B:言いたいことは分かります。次に何をしましょうか。
相手が同意するなら That makes sense.、慎重に考えたいなら Maybe, but let’s look at the details. と返せます。ことわざの後に具体的な行動へ進めば、会話が教訓だけで止まりません。
日常会話・仕事での使い分け
日常会話では、自分の経験や身近な出来事をまとめる短いコメントとして使えます。少し格言らしい響きがあるため、深刻すぎない場面ならユーモアも生まれます。
仕事では、根拠と次の行動を添えることが重要です。ことわざだけで議論を終わらせず、データ、条件、担当、期限などを具体的に示しましょう。
人間関係では、相手がまず共感を求めている可能性があります。「こう考えるべきだ」と言う前に、気持ちや事情を聞くほうが親切です。
本当に犯罪者を雇う、という意味ではない
相手を本当に thief と呼ぶと侮辱になります。専門家の過去を決めつけず、合法的な知識や経験を評価する文脈で使います。
固定表現を知っていることと、いつ使ってもよいことは別です。相手との関係、出来事の深刻さ、場のフォーマルさを見て、必要なら次に紹介する簡単な言い換えを選びましょう。
似た表現との違い
Set a thief to catch a thief は同じ発想の別形。Think like the attacker はセキュリティ分野の中立的な言い方。Fight fire with fire は相手と同じ手段で対抗する点が中心です。
日本語訳が似ていても、中心となる場面と話し手の意図は違います。例文の状況を比べ、「励ます」「警告する」「違いを認める」「皮肉を言う」のどれに近いかを判断してください。
日本人が間違えやすいポイント
第一に、単語を一つずつ日本語へ置き換えただけで使わないことです。第二に、ことわざを事実や専門的判断の代わりにしないことです。第三に、相手への助言では共感を省略しないことです。
正式な契約、安全、医療、法律、重大な人事判断などでは、格言ではなく条件と根拠を明示します。ことわざは考え方を短く示す補助線です。
でてこない時の「しゅみすけ式」
この表現がすぐ出てこなければ、意味を直接伝えれば大丈夫です。
Someone who knows the trick can often spot it more easily.
「その手口を知る人は、見抜きやすいことがあります。」
難しい定型表現を思い出そうとして会話が止まるより、主語・基本動詞・短い理由で伝えるほうが明確です。ことわざは理解できれば十分で、自分で話すときは簡単な英語を選べます。
しゅみすけ(大山俊輔)
自分の例文を作る3ステップ
- 具体的な出来事を決める:仕事、学習、家族、旅行など一つの場面を選びます。
- 観察を一文で言う:I noticed … や This happened because … で事実を示します。
- ことわざか簡単な言い換えを添える:相手に合わせて格言らしい形と直接的な英語を選びます。
英語で意味を説明するなら
This proverb means: Someone who knows the trick can often spot it more easily. と言えば簡潔です。続けて People use it to comment on a situation or give practical advice.(状況への感想や実用的な助言に使います)と説明できます。
ノンネイティブ同士の会話では、相手がことわざを知らない可能性もあります。短い言い換えと具体例を添えることが、表現を暗唱することより役立ちます。
よくある質問
Q. 自分から使っても自然ですか?
はい。具体的な状況を一文で述べた後に添えると自然です。ただし相手を評価する場面では、上から目線にならないよう声の調子に注意します。
Q. 仕事でも使えますか?
社内会話やプレゼンのまとめには使えます。正式な規則・契約・安全説明では、ことわざだけでなく条件を明示してください。
Q. 相手が知らなかったら?
Someone who knows the trick can often spot it more easily. と言い換えれば、意味を直接伝えられます。
セキュリティ分野での健全な応用
サイバーセキュリティでは、攻撃者の視点を理解して弱点を発見する ethical hacking(倫理的ハッキング)があります。許可とルールの範囲で検証する専門活動であり、犯罪行為とは明確に区別されます。
We need someone who understands how the scam works.(詐欺の仕組みを理解する人が必要です)なら、ことわざを使わず正確に言えます。経験者の洞察を評価するときも、過去を勝手に犯罪と結びつけない配慮が必要です。
関連表現と内部リンク
英熟語・定型表現をまとめて探したい方は、英熟語・定型表現の親記事をご覧ください。似た日本語訳でも使う場面は異なるため、関連表現は例文と話し手の意図を比べて覚えるのがおすすめです。
まとめ
It takes a thief to catch a thief. は「悪い手口を見抜くには、その手口を内側から知る人が役立つ」という意味です。直訳の「泥棒を捕まえるには泥棒が必要だ」から、話し手が伝えたい教訓までつなげて理解しましょう。
まず例文を一つ自分の生活に合わせて言い換えてみてください。表現が出なければ Someone who knows the trick can often spot it more easily. と簡単に伝えれば十分です。
このことわざのテーマ別一覧
この表現と近い場面で使う英語のことわざは、失敗・注意・教訓を表す英語のことわざ一覧でまとめて確認できます。全テーマから探す場合は、英語のことわざ一覧|意味・場面別50選もご覧ください。










