
英語ニュースで見かけるChapter 11は、本の「第11章」という意味だけではありません。アメリカの企業について使われる場合は、一般に米国連邦破産法第11章に基づく再建手続きを指します。会社が直ちに営業をやめるという意味ではなく、裁判所の監督のもとで債務や契約を整理しながら、事業の再建を目指す制度です。
そのため、The company filed for Chapter 11. は「その会社は連邦破産法第11章の適用を申請した」、自然な日本語では「その会社は経営再建型の破産手続きを申請した」などと訳せます。この記事では、Chapter 11の意味、file forの使い方、bankruptcyやChapter 7との違い、ニュースでの読み取り方を例文とともに整理します。
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Chapter 11の意味を一言でいうと
Chapter 11=事業を続けながら再建を目指す、アメリカの破産手続きです。名称は米国連邦破産法の「第11章」に由来します。日常英語のchapterは本や物語の「章」ですが、法律名の中では条文体系の章を表しています。
日本語の記事では「米連邦破産法11条」と書かれることもありますが、制度の単純な一条文というより、破産法典のChapter 11という章全体を指す表現です。英語ニュースを読む際には、「倒産したから会社が消える」と即断せず、再建手続きへ入ったという点を押さえることが大切です。
しゅみすけ(大山俊輔)
動画でChapter 11の意味を確認
レッスン・パートナーのAaronが、英語ニュースで使われるChapter 11とfile for bankruptcyを約38秒で解説します。文字で意味を確認したあと、実際の発音とニュースらしい言い回しも聞いてみましょう。
file for Chapter 11の使い方
ニュースで最もよく使われる形はfile for Chapter 11です。ここでのfileは名詞の「ファイル」ではなく、動詞で「正式に申請する・届け出る」という意味です。file forの後ろには、申請する制度や保護などが続きます。
基本の語順
主語 + file / filed + for Chapter 11
- The company filed for Chapter 11.
その会社は連邦破産法第11章の適用を申請しました。 - The retailer may file for Chapter 11.
その小売企業はChapter 11を申請する可能性があります。 - It filed for Chapter 11 protection on Monday.
同社は月曜日にChapter 11による保護を申請しました。
filedはfileの過去形です。ニュースでは、申請という出来事を報告するため過去形がよく使われます。申請の可能性を伝える段階ではmay file、is expected to file、is considering filingなども登場します。
file for bankruptcyとの違い
file for bankruptcyは「破産手続きを申請する」という広い表現です。一方、file for Chapter 11は、アメリカの制度のうちChapter 11を選んだことまで具体的に示します。
- The company filed for bankruptcy.
その会社は破産手続きを申請しました。 - The company filed for Chapter 11 bankruptcy protection.
その会社はChapter 11に基づく破産保護を申請しました。
短いニュース見出しではfiles for bankruptcyとだけ書かれ、本文でChapter 11だと説明されることもあります。見出しだけで清算型か再建型かを決めつけず、本文の制度名を確認しましょう。
Chapter 11・Chapter 7・bankruptcyの違い

Chapter 11
主に企業などが、債務を整理しながら事業の継続と再建を目指す手続きです。経営陣が一定の範囲で事業運営を続け、再建計画を作成します。ニュースではreorganize、restructuring、continue operationsなどの語と一緒に現れやすい表現です。
Chapter 7
一般には資産を換価して債権者への配当に充てる清算型の手続きです。企業の場合は、事業終了や資産売却の文脈で語られることが多くなります。ただし制度の適用や実際の進み方には個別事情があるため、英語学習では「Chapter 11は再建型、Chapter 7は清算型」という大枠を押さえれば十分です。
bankruptcy
bankruptcyは「破産・倒産」や破産手続き全般を表す一般語です。Chapter 11もChapter 7もbankruptcy lawの仕組みに含まれます。つまり、bankruptcyが大きな箱で、その中にChapter 11やChapter 7という異なる手続きがあるイメージです。
| 表現 | 中心的な意味 | ニュースでの注目点 |
|---|---|---|
| Chapter 11 | 再建型の手続き | 事業を継続しながら立て直せるか |
| Chapter 7 | 清算型の手続き | 資産の売却や事業終了 |
| bankruptcy | 破産・倒産の一般語 | どの制度・手続きなのか本文で確認 |
ニュースでよく見る関連表現
bankruptcy protection
bankruptcy protectionは「破産法による保護」です。申請後、債権回収などに一定の制限がかかり、再建に必要な時間を確保する文脈で使われます。
The airline sought bankruptcy protection.
その航空会社は破産法による保護を求めました。
restructuring
restructuringは「再編・再構築」です。債務、組織、店舗網、契約などを見直すことを含みます。
The company announced a major restructuring plan.
その会社は大規模な再建計画を発表しました。
creditorとdebt
creditorは「債権者」、debtは「債務・借金」です。Chapter 11の記事では、会社がcreditorsと交渉し、debtを減らしたり返済条件を変更したりする説明がよく出てきます。
The company reached an agreement with its creditors.
その会社は債権者と合意に達しました。
emerge from Chapter 11
emerge from Chapter 11は「Chapter 11の手続きを終えて再建を果たす」という意味です。emergeには「中から出てくる」というイメージがあります。
The company emerged from Chapter 11 after ten months.
その会社は10か月後にChapter 11の手続きを終えました。
Chapter 11だから営業停止とは限らない
日本語の「破産」には、会社がすぐ消滅するような強い印象があります。しかしChapter 11では、店舗営業、顧客対応、給与支払いなどを続けながら再建を進めるケースがあります。もちろん、すべての会社が成功するわけではなく、店舗閉鎖や人員削減、事業売却を伴うこともあります。
英語ニュースでbusiness as usual、continue to operate、stores will remain openなどが続いていれば、「手続き中も事業は続く」と説明しています。
- Stores will remain open during the restructuring.
再建期間中も店舗は営業を続けます。 - The company expects to continue normal operations.
その会社は通常営業を継続する見込みです。 - Chapter 11 does not necessarily mean the end of the business.
Chapter 11は必ずしも事業の終わりを意味しません。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本人が間違えやすいポイント
「第11章」とだけ訳すと意味が伝わらない
小説や教科書ならChapter 11は「第11章」です。しかし企業ニュースでは制度名なので、文脈に応じて「米連邦破産法第11章」「経営再建型の破産手続き」と補う必要があります。
会社が自分で倒産したと言い切る表現ではない
The company bankrupted.という形は、学習者が作りやすい不自然な文です。申請を伝えるならThe company filed for bankruptcy.、状態を言うならThe company went bankrupt.が基本です。
Chapter 11を動詞として使わない
The company Chapter 11ed.のようには通常言いません。file for Chapter 11、enter Chapter 11、emerge from Chapter 11のように、適切な動詞や前置詞と組み合わせます。
難しい表現が出てこないときの「しゅみすけ式」
Chapter 11という制度名を忘れても、目的や状況を基本語で説明すれば伝えられます。
- The company has financial problems, but it is still doing business.
その会社は財務上の問題を抱えていますが、まだ事業を続けています。 - It asked the court for time to reorganize its business.
その会社は事業を立て直す時間を裁判所に求めました。 - The company is trying to reduce its debt and continue operating.
その会社は債務を減らし、営業を続けようとしています。
難しい法律用語を一語で言おうとせず、「お金の問題がある」「裁判所に申請した」「事業を続けながら立て直す」と短い文に分けるのがコツです。
会話とニュースの例文
Did the company go out of business?
その会社は廃業したの?
No. It filed for Chapter 11 and plans to keep operating.
いいえ。Chapter 11を申請して、営業を続ける予定です。
Why did the retailer file for Chapter 11?
なぜその小売企業はChapter 11を申請したのですか。
It had too much debt and needed time to restructure.
債務が多すぎて、再建する時間が必要だったからです。
The headline says the company emerged from bankruptcy.
見出しには、その会社が破産手続きを終えたと書いてあります。
That means its restructuring process has been completed.
それは再建手続きが完了したという意味です。
まとめ
Chapter 11は、企業ニュースでは米国連邦破産法第11章に基づく再建型の手続きを意味します。最重要表現はfile for Chapter 11で、「Chapter 11の適用を申請する」という意味です。
- Chapter 11:事業を続けながら再建を目指す
- Chapter 7:資産を清算し、事業終了へ向かうことが多い
- bankruptcy:破産・倒産や破産手続きの一般語
- file for:正式に申請する
- emerge from Chapter 11:再建手続きを終える
ニュースでは「破産」という一語だけに反応せず、どの制度を申請したのか、営業は続くのか、再建・清算のどちらなのかを確認しましょう。Chapter 11の意味を知っておくと、海外企業のニュースをより正確に読めるようになります。










