
「どうしても」は英語で何と言えば自然でしょうか。日本語一語に英単語一語を対応させると、場面の焦点や話し手の気持ちがずれることがあります。
結論から言うと、no matter what、really want to、just can’tを意味別に使い分けます。「どうしても」は、強い意志、強い願望、努力しても不可能という正反対の方向を表せます。
しゅみすけ(大山俊輔)
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「どうしても」の英語を比較
| 英語 | 中心の意味 | 短い例 |
|---|---|---|
| no matter what | 困難や反対があっても必ず行う、結果を変えない強い意志を示します | I’ll finish this no matter what. 何があっても、どうしてもこれを終えます。 |
| really want to | 何かを強く望む「どうしても〜したい」を、日常会話で素直に表します | I really want to see that movie. どうしてもその映画が見たいです。 |
| just can’t | 努力してもできない、気持ちの上で受け入れられない「どうしても〜できない」です | I just can’t remember his name. どうしても彼の名前を思い出せません。 |
どれも日本語では「どうしても」になり得ますが、入れ替えれば意味や温度感が変わります。まず、事実、評価、時間、相手への働きかけのどれを伝える文か確認します。
日本語の意味を場面別に分ける
「どうしても」は、強い意志、強い願望、努力しても不可能という正反対の方向を表せます。 英語では、隠れている意味を副詞だけでなく動詞、時制、文型によって表すこともあります。
1.no matter what
困難や反対があっても必ず行う、結果を変えない強い意志を示します。
- I’ll finish this no matter what.
何があっても、どうしてもこれを終えます。 - She wanted to go no matter what.
彼女はどうしても行きたがっていました。 - We must protect the data no matter what.
どうしてもデータを守らなければなりません。
2.really want to
何かを強く望む「どうしても〜したい」を、日常会話で素直に表します。
- I really want to see that movie.
どうしてもその映画が見たいです。 - She really wants to work abroad.
彼女はどうしても海外で働きたいそうです。 - We really want to make this plan work.
どうしてもこの計画を成功させたいです。
3.just can’t
努力してもできない、気持ちの上で受け入れられない「どうしても〜できない」です。
- I just can’t remember his name.
どうしても彼の名前を思い出せません。 - She just couldn’t say no.
彼女はどうしても断れませんでした。 - I just can’t get used to the noise.
どうしてもその騒音に慣れません。

語順と文法のポイント
no matter whatは文末または文頭の譲歩句。really want to+動詞原形。just can’t+動詞原形で不可能を強めます。過去ならcouldn’tに変えます。
文全体へのコメントなら文頭、動作の様子なら動詞の近く、長い句なら文末に置くと読みやすくなります。接続表現は前後が論理的につながっているかも確認しましょう。
日常会話と仕事でどう変わる?
日常会話
日常では短い返答や感情の見える表現が自然です。相手と状況を共有しているため、主語や理由を省略できる場合もあります。ただし誤解しそうならbecauseやbutで一文補います。
仕事
仕事では「どうしても」という感覚だけでなく、対象、根拠、期限、結果を明示します。メールでは結論を先に置き、続けて具体的な事実を示すと読み手が判断しやすくなります。
フォーマル度とニュアンス
no matter whatは困難や反対があっても必ず行う、結果を変えない強い意志を示します。 really want toは何かを強く望む「どうしても〜したい」を、日常会話で素直に表します。 just can’tは努力してもできない、気持ちの上で受け入れられない「どうしても〜できない」です。
日本人が間違えやすい点
どうしてもをalwaysと訳しません。またcan’t help -ingは「つい〜してしまう」で、単に「どうしてもできない」とは構造が違います。
辞書の先頭にある語が、すべての「どうしても」に使えるとは限りません。また日本語の副詞を英語でも副詞一語にする必要はなく、動詞や二文で状況を説明するほうが自然なこともあります。
しゅみすけ式:簡単な英語で言い換える
難しい表現が出ないときは、①基本動詞で事実を言う、②原因や結果を足す、③長い内容を二文に分ける、という順で組み立てます。
- I will do it even if it is hard.
難しくても、それをやります。 - I want this very much.
私はこれを強く望んでいます。 - I tried, but I cannot do it.
試しましたが、できません。
しゅみすけ(大山俊輔)
場面別トレーニング
次の英文は主語や目的語を自分の生活へ置き換えて練習できます。同じ日本語訳でも、どの情報を強調するか考えながら声に出しましょう。
| 1 | I’ll finish this no matter what. 何があっても、どうしてもこれを終えます。 |
| 2 | She wanted to go no matter what. 彼女はどうしても行きたがっていました。 |
| 3 | I really want to see that movie. どうしてもその映画が見たいです。 |
| 4 | She really wants to work abroad. 彼女はどうしても海外で働きたいそうです。 |
| 5 | I just can’t remember his name. どうしても彼の名前を思い出せません。 |
| 6 | She just couldn’t say no. 彼女はどうしても断れませんでした。 |
迷ったときの4段階
1.状況を別の日本語にする
「どうしても」を、程度、継続、意外性、対比など具体的な意味へ言い直します。曖昧なまま英単語を探さないことが第一歩です。
2.文の骨組みを先に作る
誰が何をしたか、何がどういう状態かを基本語で作ります。副詞や接続句はその後で加えると語順が安定します。
3.聞き手との関係を確認する
友人との会話か、顧客への返答か、報告書かで適切な強さは変わります。意味だけでなく丁寧さも合わせます。
4.簡単な二文へ戻す
選んだ表現を二つの短い英文に分け、同じ状況が伝わるか確認します。意味が変われば表現を選び直します。
ミニ会話
A: What happened?
どうしたのですか。
B: I will do it even if it is hard.
難しくても、それをやります。
A: I see. Thanks for explaining.
なるほど。説明してくれてありがとう。
よくある質問
三つは入れ替えられますか?
完全には入れ替えられません。日本語訳ではなく、各表現が前面に出す意味を基準に選びます。
一番簡単な言い方は?
I will do it even if it is hard.のように、基本語で状況を説明する方法です。
フォーマルな文章でも使えますか?
表現によります。会話的な語は、具体的な事実や根拠を示す文へ言い換えると安全です。
関連表現
日本語のニュアンス表現を英語で言う一覧も参考にしてください。
「どうしても」を自分で選ぶ実践チェック
表現を覚えたら、和訳を見ずに場面から英語を選びます。次の三つは意味の境界を確認するためのチェックです。
| 伝えたい場面 | 選ぶ表現 |
|---|---|
| 困難でも必ずする | no matter what |
| 強くしたい | really want to |
| 努力してもできない | just can’t |
正解の単語だけを暗記するのではなく、なぜ残りの二つではないのかを説明してみてください。たとえば、話し手の評価を述べているのか、客観的な関係を述べているのか、相手へ働きかけているのかを確認します。この理由まで言えれば、別の例文でも応用できます。
まとまりで覚えると語順を間違えにくい
no matter what/really want to/just can’tのように、前後の語を含むひとかたまりで覚えましょう。単語だけを覚えると、実際に話すときに前置詞、時制、置き場所で迷います。自分の単語帳には、日本語訳の横へ短い英文を一つ書き、肯定文だけでなく疑問文や否定文でも声に出してください。
一語訳に頼らない発話練習
まず「どうしても」を使った日本語を、簡単な二つの内容へ分けます。次に一文目で事実、二文目で理由・比較・気持ちを言います。最後に、この記事で紹介した専用表現を使って一文へまとめます。この順なら、難しい表現が出てこなくても会話を止めずに済みます。
練習するときは、主語をIからweやsheへ変え、現在・過去・未来でも言い直します。場所、期限、対象も自分の生活に置き換えると、例文が暗記用の文章ではなく実際に使える英語になります。発音に自信がない場合も、短い基本文から始めれば十分です。
聞き手に誤解させない補足の入れ方
「どうしても」に相当する表現だけでは基準が曖昧なとき、because、but、compared with、for nowなどを使って補足します。仕事なら数字・日付・比較対象、日常会話なら起きた出来事や自分の感想を一つ足します。抽象的な副詞の後ろに具体的な情報があると、聞き手は状況を正確に理解できます。
強い表現は便利ですが、相手を責めたり「当然だ」と決めつけたりする響きが出る場合があります。依頼、訂正、反対意見では、I think、it seems、pleaseなどで必要な柔らかさを加えましょう。逆に、明確な同意や緊急性を示す場面では、曖昧な語を減らし結論を先に言うほうが自然です。
まとめ
「どうしても」はno matter what、really want to、just can’tを場面別に選びます。迷ったら日本語を具体化し、基本語で事実と結果を説明しましょう。









