
相談、退職、結婚、問題の指摘など、言いにくい話題を会話へ出すときに「話を切り出す」と言います。英語では話題を出す動作と、会話そのものを始めることを分けます。
先に結論を言うと、話題を持ち出すなら bring up、扱いにくい問題を慎重に切り出すなら broach、会話を始めるなら start the conversation が自然です。「ところで」に近い導入句も組み合わせると、実際の会話で使いやすくなります。
Contents
「話を切り出す」を英語にするときの考え方
すでに会話中で新しい話題を出す場合と、沈黙から最初の一言を発する場合があります。bring up と broach は他動詞で話題を目的語に取り、start a conversation は会話全体を目的語にします。誰に話すかより、何を話題にするかが中心です。
| 英語 | 中心の意味 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| bring up | 話題を持ち出す | 日常・会議・相談 |
| broach | 扱いにくい話題を慎重に出す | 退職・お金・健康・関係の問題 |
| start the conversation | 会話そのものを始める | 初対面・家族会議・重要な対話 |

bring up:話題を持ち出す
最も一般的で、良い話題にも悪い話題にも使えます。過去の失敗を蒸し返す場合にも使われるため、Don’t bring that up. は「その話を出さないで」という意味です。
形と語順
bring up+話題、または bring+話題+up。代名詞は bring it up と間に置きます。bring up about the problem のように about を重ねないのが基本です。
- I need to bring up something important.
大事な話を切り出す必要があります。 - She brought up the budget issue.
彼女は予算の問題を切り出しました。 - When should I bring it up with him?
いつ彼にその話を切り出すべきですか。 - Thanks for bringing this up.
この件を話題にしてくれてありがとう。
しゅみすけ(大山俊輔)
broach:扱いにくい話題を慎重に出す
相手がどう反応するか分からない繊細な話題を、初めて会話に載せるフォーマル寄りの語です。日常でも使えますが、bring up より書き言葉らしく慎重な響きです。
形と語順
broach+subject/topic/issue のように目的語を直接取ります。broach about は誤りです。発音は brooch「ブローチ」と同じです。
- He finally broached the subject of money.
彼はついにお金の話を切り出しました。 - I’m not sure how to broach this issue.
この問題をどう切り出せばよいか分かりません。 - She gently broached the topic of retirement.
彼女は退職の話をそっと切り出しました。 - Nobody wanted to broach the subject.
誰もその話を切り出したがりませんでした。
start the conversation:会話そのものを始める
特定の話題を出すというより、必要な対話を始めることに焦点があります。問題をすぐ解決できなくても「まず話し始める」という前向きな表現です。
形と語順
start a conversation with+人 about+話題。the conversation は双方が分かっている特定の対話、a conversation は一つの会話です。
- It’s time to start the conversation.
そろそろ話を切り出す時です。 - She started a conversation with her manager.
彼女は上司に話を切り出しました。 - How can we start a conversation about mental health?
心の健康についてどう話を始められますか。 - A simple question started the conversation.
簡単な質問が会話のきっかけになりました。
日常会話と仕事でどう変わる?
日常会話
日常では Can I talk to you about something? が柔らかく便利です。いきなり本題へ入らず、相手が話せる状況か確認できます。
- Can I talk to you about something personal?
少し個人的な話をしてもいい? - There’s something I’ve been meaning to tell you.
前から話そうと思っていたことがあります。
仕事・フォーマルな場面
仕事では I’d like to discuss …、Could we talk about … が丁寧です。悪い知らせなら I’m afraid I need to raise an issue. のように前置きを置けます。
- I’d like to discuss a concern about the schedule.
日程について懸念をお話ししたいです。 - May I raise one issue before we finish?
終わる前に一つ問題を提起してもよいですか。
日本人が間違えやすいポイント
cut out a story や cut the talk と直訳しても「話を切り出す」にはなりません。また speak out は公に勇気を出して発言する意味で、個人的な話題を始める一般表現ではありません。
- raise an issue は問題を提起する仕事向け表現で、楽しい話題には硬すぎます。
- mention は軽く触れることで、「慎重に切り出す」という過程は弱いです。
- tell は相手に内容を伝える他動詞で、話題を会話へ出す bring up とは構造が違います。
しゅみすけ(大山俊輔)
難しい表現が出ないときの「しゅみすけ式」
切り出す前の許可と、本題の概要を分けます。talk、tell、ask、want の基本語で自然な導入が作れます。
- Can we talk? で会話の時間を取る。
- I want to talk about … で話題を示す。
- 言いにくさは This is hard to say, but … で補う。
- Can we talk about our plans for next year?
来年の計画について話せますか。 - I need to tell you something important.
大切なことを話す必要があります。 - This is hard to say, but I may leave the company.
言いにくいのですが、会社を辞めるかもしれません。
会話を一気に完成させようとせず、「話せる?」「内容はこれです」と段階を分ければ、緊張する場面でも言いやすくなります。
短い会話で確認しよう
A: Can I bring up something a little awkward?
少し気まずい話を切り出してもいい?
B: Of course. What’s on your mind?
もちろん。何が気になっているの?
似た表現との違い
come up は話題が「出てくる」という自動詞句、bring up は誰かが話題を「出す」という他動詞句です。The issue came up in the meeting. と She brought up the issue. を区別しましょう。
よくある疑問
broach は会話で堅すぎる?
親しい会話では bring up の方が普通ですが、慎重さを強調したいときは broach も自然です。実際に口にする導入文は Can we talk about … の方が簡単です。
「話を振る」との違いは?
話を切り出すは新しい話題を始めること、話を振るは別の人へ発言の順番や話題を渡すことです。英語でも bring up と ask someone / turn to someone を分けます。
「本題を切り出す」はどう言う?
get to the main point、bring up the main issue が候補です。前置きから本題へ移るなら Let me get to the point. も自然です。
まとめ
一般的に話題を出す bring up、繊細な問題を慎重に出す broach、対話自体を始める start the conversation。実際の一言では Can I talk to you about …? が簡単で丁寧です。
会話や人間関係で使う表現を広く確認したい方は、人間関係を表す英語表現のまとめも参考にしてください。










