「仮説を棄却する」は英語で?reject・rule out・fail to support a hypothesisの違い

仮説を棄却する英語表現のアイキャッチ

「仮説を棄却する」は、英語では何をどこまで否定できたかによって言い方が変わります。統計検定の正式な結果、一般的な問題解決で候補を外す場面、研究結果が仮説を支持しなかった場面を同じ表現にすると、断定が強すぎたり弱すぎたりします。

統計の文脈では reject the hypothesis、説明の候補を除外するなら rule out a hypothesis、証拠が支持しなかったと慎重に述べるなら the evidence failed to support the hypothesis が自然です。

「仮説を棄却する」の英語を先に比較

表現 中心となる意味 基本の形
reject the hypothesis 検定結果や明確な判断に基づき仮説を退ける reject + the/null hypothesis
rule out a hypothesis 証拠や条件によって説明の候補から外す rule + a hypothesis + out / rule out + 名詞
fail to support the hypothesis 証拠が仮説を支持するには不十分だったと慎重に報告する evidence/results + fail to support + 名詞

しゅみすけ(大山俊輔)

「証明できなかった」と「誤りだと証明した」は同じではありません。英語では、この差を主語と動詞で見せましょう。

日本語の意味を3つに分ける

統計検定で帰無仮説を棄却する

統計では reject the null hypothesis が定型です。得られたデータが、設定した有意水準のもとで帰無仮説と両立しにくいと判断する場面で使います。ただし、棄却できなかった場合に帰無仮説が正しいと証明されたわけではありません。

原因候補や説明を除外する

仕事の調査や日常の問題解決では rule out が便利です。検査、記録、条件などから「この説明は候補から外せる」と言います。代名詞を使うときは rule it out の語順です。

結果が仮説を支持しなかったと報告する

研究・分析では、誤りを直接証明していない場合があります。そのときは The results did not support our hypothesis.The evidence was not strong enough to support it. と言えば、証拠の範囲を超えて断定せずに済みます。

reject the hypothesis の使い方

reject は他動詞なので、前置詞を挟まず目的語を直接置きます。reject + the hypothesis が基本です。統計では特定の帰無仮説を指すため the null hypothesis とするのが一般的です。

  • The data allowed us to reject the null hypothesis.
    そのデータにより、帰無仮説を棄却できました。
  • We rejected the hypothesis at the five-percent significance level.
    5パーセントの有意水準で仮説を棄却しました。
  • The test does not justify rejecting the hypothesis.
    その検定結果は、仮説の棄却を正当化するものではありません。

reject と disprove の強さ

disprove は、主張が誤りであることを反証する強い語です。一方、統計上の reject は、設定したモデルとデータに基づく判断を述べます。すべての場面で「完全に誤りだと証明した」という意味にはなりません。

rule out a hypothesis の使い方

rule out は、可能性・原因・選択肢を除外する句動詞です。名詞なら rule out that explanationrule that explanation out の両方が可能ですが、代名詞は rule it out と間に置きます。

  • We cannot rule out that hypothesis yet.
    その仮説はまだ除外できません。
  • The second experiment ruled out a simple measurement error.
    2回目の実験で、単純な測定ミスの可能性は除外されました。
  • Before we rule it out, let’s check the raw data.
    除外する前に、生データを確認しましょう。

cannot rule out は「可能性がある」と慎重に述べる表現です。「有力である」とまでは言っていない点に注意してください。

fail to support the hypothesis の使い方

この形では、主語を the evidencethe datathe results にします。何が支持しなかったかを客観的に示せるため、分析報告で使いやすい表現です。

  • The results failed to support our original hypothesis.
    結果は当初の仮説を支持しませんでした。
  • The available evidence is not sufficient to support the claim.
    現在の証拠は、その主張を支持するには不十分です。
  • This finding challenges, but does not disprove, the theory.
    この発見は理論に疑問を投げかけますが、反証したわけではありません。

3表現の違いを図で確認

仮説を棄却する3つの英語表現の違いを示す解説図

検定上の判断なら reject、候補から除くなら rule out、証拠不足を慎重に述べるなら fail to support です。重要なのは、仮説そのものを主語にするだけでなく、data、evidence、results を主語にして「証拠が何を示したか」を明確にすることです。

日常会話と仕事での使い分け

仕事の原因調査

システム障害や売上低下の原因を調べる場面では、正式な統計検定でなければ rule out が自然です。

  • We ruled out a network problem.
    ネットワークの問題は原因候補から外しました。
  • The timing suggests another cause.
    時期から考えると、別の原因がありそうです。

会議で慎重に報告する

断定を避けるなら Our findings do not support that explanation. と言います。相手の考えを直接「間違い」と評さず、発見や証拠を主語にできます。

日常の推測

日常では hypothesis より ideaexplanationpossibility が自然です。

  • That explanation doesn’t fit the facts.
    その説明は事実と合いません。
  • I don’t think that idea works anymore.
    その考えはもう成り立たないと思います。

日本人が間違えやすいポイント

reject about the hypothesis とは言わず、reject the hypothesis と目的語を直接置きます。また「棄却できない」を accept the null hypothesis と自動的に言い換えないことが大切です。多くの場面では fail to reject the null hypothesis と言い、棄却に十分な証拠がなかったことを表します。

provesupport も区別します。データが仮説と一致しても、それだけで唯一の説明だと証明したことにはなりません。support は「支持する」、be consistent with は「矛盾しない」という控えめな表現です。

しゅみすけ式:難しい英語が出ないときの言い換え

reject、counterevidence、significance などが出てこなくても、次の順番なら基本動詞で説明できます。

  1. 最初の考えを言う
  2. 確認した事実を言う
  3. 事実が考えと合わなかったことを言う
  4. 候補から外した、またはまだ決められないと結ぶ
  • We thought A was the cause, but the facts did not match.
    Aが原因だと思いましたが、事実と合いませんでした。
  • We tested the idea. The result showed that it was probably wrong.
    その考えを試しました。結果から、おそらく誤りだと分かりました。
  • We do not have enough evidence to say it is true.
    正しいと言えるだけの証拠がありません。
  • For now, we can remove this idea from the list.
    今のところ、この考えは候補から外せます。

test、check、match、show、remove のような基本語を使い、一文を二つに分けるのがポイントです。何を試し、何が合わず、次にどうするかが伝われば、専門語がなくても十分です。

しゅみすけ(大山俊輔)

「仮説を捨てた」とだけ言わず、「どの事実が合わなかったか」を一文足すと、やさしい英語でも説得力が出ます。

関連表現

  • test a hypothesis:仮説を検証する
  • support a hypothesis:仮説を支持する
  • revise a hypothesis:仮説を修正する
  • find evidence against a claim:主張に反する証拠を見つける
  • be inconsistent with the data:データと矛盾する

思考・判断の基本表現は、考える・理解する・判断する英語表現一覧でも整理しています。仮説を作る段階については、同じ工房の「仮説を立てる」の英語表現も参考になります。

まとめ

「仮説を棄却する」は、統計上の判断なら reject the hypothesis、説明候補を外すなら rule out a hypothesis、結果が支持しなかったと慎重に述べるなら the evidence failed to support the hypothesis を使います。

言葉が出ないときは、「考えを試した」「事実が合わなかった」「候補から外した」を短い文で順に言いましょう。断定の強さと証拠の範囲をそろえることが、自然で正確な英語への近道です。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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