
計画を始める前、相手と合意する前、あるいは判断を下す前に「前提条件を確認しましょう」と言いたいことがあります。ただし、英語では日本語の「前提条件」をいつも一つの名詞に置き換えるわけではありません。何を確認するのかによって、assumptions、conditions、prerequisites などを使い分けます。
先に結論を言うと、自分たちが正しいと仮定していることを点検するなら check the assumptions、契約・計画・合意の条件を相手と確認するなら confirm the conditions、開始前に満たすべき必要条件を正式に確かめるなら verify the prerequisites が自然です。日常会話では、難しい名詞を使わず Let’s make sure we’re talking about the same thing. のように説明することもできます。
Contents
「前提条件を確認する」の英語を先に比較
| 表現 | 確認するもの | 自然な場面 |
|---|---|---|
| check the assumptions | 判断や予測の土台にしている仮定 | 企画、分析、予算、問題解決 |
| confirm the conditions | 合意・契約・実施に関する条件 | 仕事、予約、取引、交渉 |
| verify the prerequisites | 開始前に満たす必要がある要件 | 申請、研修、システム導入 |
| clarify the ground rules | 参加者が守る基本ルール | 会議、共同作業、話し合い |
日本語の「前提」は、英語では「仮定」「条件」「必要要件」「共通ルール」に分かれます。先にこの意味を決めると、動詞も名詞も選びやすくなります。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本語の「前提条件」を場面別に分ける
判断や予測の土台なら assumptions
assumption は、十分に確定していなくても、いったん正しいものとして考える「仮定」です。売上予測で「来客数は前年並み」、計画で「必要な人員を確保できる」と置くような場合に使います。事実そのものではないため、判断前に点検する価値があります。
- Let’s check the assumptions behind this forecast.
この予測の前提を確認しましょう。 - We need to review our assumptions before changing the plan.
計画を変える前に、私たちの前提を見直す必要があります。 - Are we assuming that everyone can attend on Friday?
全員が金曜日に参加できるという前提でしょうか。
check は広く「見て確かめる」、review は内容を改めて検討する響きです。単に有無を見るだけなら check、妥当性まで見直すなら review が合います。
相手と取り決めた内容なら conditions または terms
conditions は実施・成立に必要な条件、terms は契約や合意の具体的な取り決めを表します。ホテル予約のキャンセル条件、支払条件、提案を受け入れる条件などは、相手との認識を合わせるため confirm が自然です。
- Could we confirm the conditions before we proceed?
進める前に条件を確認できますか。 - I’d like to confirm the payment terms.
支払条件を確認したいです。 - Please check the cancellation conditions before booking.
予約前にキャンセル条件をご確認ください。
confirm は、すでに示された内容が正しいか、双方の理解が一致しているかを確定する動詞です。まだ条件が曖昧で説明を求めたいなら、Could you clarify the conditions?(条件を明確にしていただけますか)のほうが合います。
先に満たすべき要件なら prerequisites または requirements
prerequisite は、ある行動を始める前に必要となる条件です。受講前の履修科目、申請前の資格、ソフトウェア導入前の環境などに使います。requirement はより広い「要件」で、開始前に限りません。
- We verified that all prerequisites had been met.
すべての前提条件が満たされていることを確認しました。 - Please check the entry requirements before applying.
申し込む前に応募要件を確認してください。 - A basic knowledge of Excel is a prerequisite for this course.
Excelの基礎知識がこの講座の受講条件です。
verify は、証拠や記録に基づいて正しさを確かめる、ややフォーマルな動詞です。チェックリストを眺める程度なら check、書類やデータまで照合するなら verify が適しています。
check・confirm・verifyの違い

check:まず見て確かめる
check は最も広く、カジュアルにも仕事にも使えます。確認方法を限定せず、「間違いがないか見る」という入口の表現です。
- I’ll check what we agreed on.
何に合意したか確認します。 - Can you check whether the date works for everyone?
その日程で全員都合がつくか確認してもらえますか。
confirm:既知の内容を確定する
confirm は、候補や認識がすでにあり、それを確かなものにする動詞です。相手に確認を求めるメールでもよく使われます。
- Could you confirm that the budget includes tax?
その予算に税金が含まれているか確認していただけますか。 - We confirmed the deadline with the client.
クライアントと締切を確認しました。
verify:根拠を使って正しさを検証する
verify は、書類・データ・身元・技術要件などを根拠に照らして確認します。日常の軽い確認に使うと、必要以上に堅く聞こえることがあります。
- We need to verify the figures before the meeting.
会議前に数値を検証する必要があります。 - The system verifies that all requirements are met.
システムがすべての要件を満たしているか検証します。
語順・目的語・前置詞のポイント
3つの動詞はいずれも基本的に他動詞で、直後に目的語を置きます。check the assumptions、confirm the conditions、verify the requirements の形です。「〜かどうか」を確認するときは whether や if、「〜ということ」を確認するときは that 節を続けられます。
- Please confirm whether the schedule is final.
その日程が確定かどうか確認してください。 - Let’s check if we have enough time.
十分な時間があるか確認しましょう。 - We verified that the data was accurate.
データが正確であることを検証しました。
confirm about the conditions や verify about the requirements のように不要な about を入れないよう注意してください。一方、check with + 人 は「人に確認する」、check on + 状況 は「状況を確認する」という別の形です。
仕事と日常会話で使える自然な例文
会議・企画
- Before we make a decision, let’s check our assumptions.
決定する前に、前提を確認しましょう。 - We may be working from different assumptions.
私たちは異なる前提で考えているかもしれません。 - Can we clarify what success means for this project?
このプロジェクトで何を成功とするか明確にできますか。
契約・依頼
- I’d like to confirm the conditions in writing.
条件を書面で確認したいです。 - Could you confirm who is responsible for the additional cost?
追加費用を誰が負担するか確認していただけますか。 - These terms must be agreed on before we start.
開始前に、これらの条件への合意が必要です。
日常・旅行・学習
- Let’s make sure breakfast is included.
朝食が含まれているか確認しましょう。 - Check what you need before you apply.
申し込む前に必要なものを確認してください。 - Do I need any previous experience to join?
参加するのに事前経験は必要ですか。 - Are we meeting at the station or at the hotel?
待ち合わせは駅ですか、それともホテルですか。
日本人が間違えやすいポイント
premiseを何にでも使わない
premise も「前提」と訳されますが、主に議論・推論の土台となる命題です。映画や物語の基本設定を指すこともあります。予約条件やシステム要件を premise と呼ぶのは通常不自然です。論理の前提なら premise、計画上の仮定なら assumption と考えると整理しやすくなります。
「確認する」をconfirmだけで済ませない
日本語の「確認する」は範囲が広いため、英語では行動に合わせて選びます。見るだけなら check、相手との認識を確定するなら confirm、根拠と照合するなら verify、曖昧な内容を明らかにするなら clarify です。
assumptionを事実のように断定しない
前提が未確認なら、We know that … と断定せず、We’re assuming that … や Our current assumption is that … と言います。事実と仮定を区別することで、後から条件が変わったときも説明しやすくなります。
しゅみすけ式:難しい英語が出ないときの言い換え
assumption や prerequisite がすぐに出てこなくても、「始める前に、何が正しいか・何が必要かを確認する」と二つの短い文に分ければ伝わります。
- まず、行動の前であることを示す:Before we start …
- 次に、確認対象を簡単な疑問文にする:Do we have …? / Is … included?
- 必要なら、認識をそろえる目的を足す:I want to make sure we understand it the same way.
- Before we start, let’s check what we need.
始める前に、何が必要か確認しましょう。 - We think the price includes delivery. Let’s check.
料金には配送が含まれていると思っています。確認しましょう。 - I want to make sure we are talking about the same plan.
同じ計画について話しているか確認したいです。 - First, let’s agree on what must be done.
まず、何をしなければならないか合意しましょう。
難しい名詞を一つ思い出そうとするより、what we need(必要なもの)、what we agreed on(合意したこと)、what we think is true(正しいと思っていること)のように、目的語を節で説明するのが実用的です。
しゅみすけ(大山俊輔)
関連表現との違い
set the criteria は「判断基準を決める」、question the assumptions は「前提を疑う」、define the scope は「対象範囲を定める」です。「前提条件を確認する」は、それらを新しく決めたり疑ったりする前に、現在の土台を把握する段階に焦点があります。
思考・理解・判断を表す表現全体は、考える・理解する・判断する英語表現一覧で整理しています。前提を置いたあと筋道に沿って検討する表現は、「論理的に考える」の英語表現も参考にしてください。
まとめ
「前提条件を確認する」は、判断の土台となる仮定を点検するなら check the assumptions、相手と条件を確定するなら confirm the conditions、開始前の必要要件を根拠に照らして検証するなら verify the prerequisites を使います。
迷ったときは、まず check を使い、「何を必要としているか」「何に合意したか」「何を正しいと思っているか」を短い節で説明してください。英語表現を一語で探すだけでなく、前提の種類と確認方法を分けることが、日常会話でも仕事でも誤解を防ぐ近道です。










