A bad workman always blames his toolsの意味は?使い方・ニュアンスと例文

A bad workman always blames his toolsの意味・使い方・ニュアンスを示すアイキャッチ

A bad workman always blames his tools. は、「腕の悪い職人ほど、自分の失敗を道具のせいにする」という英語のことわざです。

日本語では「弘法筆を選ばず」と一緒に紹介されることがありますが、焦点は少し違います。この英語のことわざが批判しているのは、道具の良し悪しそのものではなく、自分の準備不足や技量不足を認めず、外部のせいにする態度です。

仕事のミス、スポーツの敗戦、料理の失敗、勉強の結果などについて、誰かがパソコン・ルール・天気・教材などを言い訳にした場面で使えます。ただし、相手に直接言うと「あなたは下手なのに言い訳している」と聞こえるため、使い方には注意が必要です。

A bad workman always blames his tools の意味

直訳すると「悪い職人はいつも自分の道具を責める」です。自然な日本語では、次のように捉えると分かりやすいでしょう。

  • 下手な人ほど道具のせいにする
  • 失敗を環境のせいにしても上達しない
  • 腕や準備の不足を認めず、言い訳ばかりする人への戒め

ここでの bad は「性格が悪い」よりも、「仕事の腕がよくない」「技能が十分でない」という意味です。workman は昔ながらの「職人・働き手」を表す語で、ことわざ全体は定型句として残っています。

部分 基本の意味 ことわざでの役割
a bad workman 腕のよくない職人 自分の不足を認めたくない人
always いつも 繰り返し言い訳する傾向を強調
blames 責任を負わせる 失敗の原因を自分以外へ移す
his tools 自分の道具 環境・設備・条件など外的要因の象徴

しゅみすけ(大山俊輔)

このことわざの tools は、ハンマーやのこぎりだけではありません。パソコン、アプリ、教材、ルールなど「失敗の原因として持ち出す外部のもの」全般を表せます。

直訳からニュアンスを理解する

想像してみましょう。棚をまっすぐ作れなかった職人が、「このハンマーが悪い」「木材がよくなかった」と言い続けています。しかし、経験のある職人なら、測り方や切り方を振り返り、次の制作で改善するはずです。

この対比から、ことわざには次のような皮肉が生まれます。

  • 本当に上手な人は、道具だけを責めない
  • 言い訳を探すより、原因を振り返るほうが成長につながる
  • 失敗の責任を外へ押しつける姿勢そのものが問題である

道具のせいにする人と振り返って改善する人を比べた解説イラスト

ただし、道具や環境が本当に悪い場合まで無視することわざではありません。壊れた機械、安全性の低い設備、不十分な情報などが原因なら、改善を求めるのは当然です。この表現は、十分に振り返らないまま毎回外部だけを責める人に向けられる言葉です。

ネイティブが感じる語調と失礼度

A bad workman always blames his tools. は、軽い冗談として使われることもありますが、基本的には批判を含みます。相手に面と向かって言えば、「失敗したのは道具ではなく、あなたの能力不足だ」と評価しているように聞こえます。

そのため、次の使い分けが大切です。

  • 自分について言う:自戒やユーモアになりやすい
  • 親しい相手に冗談で言う:関係性と声の調子に注意する
  • 第三者について言う:陰口や強い批判に聞こえる可能性がある
  • 部下・同僚に直接言う:避けたほうが無難

職場で建設的に伝えたいなら、ことわざをぶつけるより、Let’s look at what we can improve.(改善できる点を見てみましょう)のように、次の行動へつながる言葉を選ぶほうが自然です。

よく使われる形と文法

もっとも一般的なのは、主語から文末までをそのまま使う形です。

A bad workman always blames his tools.

blame A for B という文型も覚えておくと応用できます。「BについてAを責める」「Bの原因をAのせいにする」という意味です。

  • He blamed the software for the delay.
    彼は遅れをソフトウェアのせいにしました。
  • Don’t blame the weather for everything.
    何でも天気のせいにしないで。
  • She blamed herself for the mistake.
    彼女はそのミスについて自分を責めました。

ことわざでは blame + his tools と目的語だけが置かれています。何について道具を責めるのかは、失敗したという状況から分かるためです。

なお、現代の会話で引用するときは原形を保つのが普通です。性別を中立にしたいからといって、ことわざの中だけを無理に their tools へ変える必要はありません。言い換えるなら、People who lack skill often blame their tools. のように文全体を現代的にすると自然です。

日常会話での自然な例文

仕事:パソコンのせいにする

A: Ken says the presentation failed because his laptop is old.
ケンは、プレゼンが失敗したのはノートパソコンが古いからだと言っています。

B: Maybe, but a bad workman always blames his tools. He didn’t test the slides beforehand.
そうかもしれないけれど、下手な人ほど道具のせいにするものです。彼は事前にスライドを確認していませんでした。

料理:自分への軽い冗談

I was about to blame the oven, but a bad workman always blames his tools. I probably used the wrong temperature.
オーブンのせいにしそうになりましたが、下手な人ほど道具のせいにするものですね。たぶん温度設定を間違えました。

スポーツ:負けた理由

He blamed the racket after every missed shot. You know what they say: a bad workman always blames his tools.
彼はミスショットのたびにラケットのせいにしました。よく言うでしょう、下手な人ほど道具のせいにするものです。

学校・学習:教材への不満

The textbook isn’t perfect, but we also need to study regularly. A bad workman always blames his tools.
その教科書は完璧ではありませんが、私たちも定期的に勉強する必要があります。道具のせいばかりにはできません。

写真:機材より準備

I blamed the camera at first, but then I realized I hadn’t checked the lighting. A bad workman always blames his tools.
最初はカメラのせいにしましたが、照明を確認していなかったと気づきました。下手な人ほど道具のせいにするものですね。

家庭:DIYの失敗

Before I complain about the drill, I should check the instructions again. A bad workman always blames his tools.
ドリルに文句を言う前に、もう一度説明書を確認したほうがよさそうです。道具のせいにしてはいけませんね。

会話では前置きを添えると自然

ことわざだけを突然言うより、前後に自分の考えを添えると会話になじみます。

  • I know the system is slow, but a bad workman always blames his tools.
    システムが遅いのは分かりますが、何でも道具のせいにはできません。
  • I hate to say it, but a bad workman always blames his tools.
    言いにくいのですが、下手な人ほど道具のせいにするものです。
  • As the saying goes, a bad workman always blames his tools.
    ことわざにもあるように、下手な人ほど道具のせいにします。
  • I should remember that a bad workman always blames his tools.
    道具のせいにする前に、自分を振り返るべきだと覚えておきたいです。

You know what they sayAs the saying goes を置くと、「これは決まり文句・ことわざですよ」という合図になります。

「弘法筆を選ばず」と同じ意味?

近い場面で使えますが、完全一致ではありません。

表現 中心となる考え 語調
A bad workman always blames his tools. 下手な人は失敗を道具のせいにする 批判・皮肉
弘法筆を選ばず 本当に上手な人は道具に左右されにくい 名人への評価・称賛

英語のほうは「言い訳する人」を見ています。日本語のほうは「どんな道具でも力を発揮する達人」を見ています。表裏の関係にはありますが、英訳として常に置き換えられるわけではありません。

「腕のよい人なら道具にかかわらず仕事ができる」と肯定的に言いたいなら、A skilled person can do good work with simple tools. のように直接説明するほうが誤解がありません。

類似表現との違い

make excuses

make excuses は「言い訳をする」という直接的で日常的な表現です。道具に限らず、時間、体調、他人など、どのような理由にも使えます。

He keeps making excuses instead of fixing the problem.
彼は問題を直さず、言い訳ばかりしています。

pass the buck

pass the buck は「責任をほかの人へ押しつける」というイディオムです。A bad workman… が道具や環境への責任転嫁も含むのに対し、pass the buck は人から人へ責任が移るイメージです。

Practice makes perfect.

Practice makes perfect. は「練習すれば上達する」という前向きなことわざです。言い訳を批判するのではなく、反復練習を勧めます。相手を励ましたい場面ではこちらのほうが使いやすいでしょう。

No pain, no gain.

No pain, no gain. の意味と使い方 は、「努力や苦労なしに成果は得られない」という表現です。A bad workman… が責任転嫁を戒めるのに対し、No pain, no gain. は必要な努力を受け入れることに焦点があります。

日本人が間違えやすいポイント

bad workman を「悪人」と訳さない

この bad は道徳的な「悪い人」ではなく、仕事や技能が十分ではないという意味です。「性格の悪い職人は道具を責める」と解釈すると中心がずれます。

blame の語順を逆にしない

blame his tools は「道具を責める」です。「道具のせいで失敗した」と具体的に言うなら、blame his tools for the failure とします。blame the failure for his tools とは言いません。

実際の設備問題を軽視しない

仕事の安全や品質に関わる設備不足に対して、このことわざで片づけるのは不適切です。事実を確認してから使いましょう。

目上の人や同僚へ直接ぶつけない

短いことわざは断定が強く響きます。職場では Could we check both the equipment and our process?(設備と手順の両方を確認しませんか)のように、共同で原因を探す言い方が安全です。

でてこない時の「しゅみすけ式」

この長いことわざを会話で思い出せなくても、言いたい内容を簡単な英語で直接伝えれば十分です。

  • Don’t blame the tools.
    道具のせいにしないで。
  • We need to look at our own mistakes.
    自分たちのミスを振り返る必要があります。
  • The tool may not be the real problem.
    本当の問題は道具ではないかもしれません。
  • Let’s see what we can improve.
    改善できることを見てみましょう。
  • He always makes excuses.
    彼はいつも言い訳をします。

しゅみすけ(大山俊輔)

ことわざをそのまま言うより、Let’s see what we can improve. のほうが職場では建設的です。覚える目的は「難しい一文を必ず使うこと」ではなく、同じ考えを自分の英語で伝えられるようにすることです。

よくある質問

A bad worker always blames his tools でも通じる?

意味は通じますが、定着していることわざは A bad workman always blames his tools. です。引用するなら定型の形を使いましょう。現代的に説明し直す文なら、An unskilled worker may blame the equipment. のように言えます。

always は省略できる?

説明文としては省略しても文法的に成立しますが、ことわざの一般的な形には always が入ります。「毎回同じように言い訳する」という皮肉も強めています。

イギリス英語だけの表現?

workman という語には伝統的な響きがありますが、ことわざとして英語圏で理解されます。日常会話で頻繁に口にするというより、状況に合うときに引用されるタイプの表現です。

自分について使ってもいい?

はい。I shouldn’t blame the camera—a bad workman always blames his tools. のように使うと、自分の言い訳を認める軽いユーモアになります。他人に言う場合より角が立ちにくく、自然に使いやすい方法です。

関連する英語表現

「責める」を場面別に言い分けたい方は、「責められる」は英語で?be blamed・criticized・accusedの違いも参考になります。

ほかの定番表現を探すなら、英熟語・定型表現の一覧もご覧ください。

まとめ

A bad workman always blames his tools. は、「腕の悪い職人ほど道具のせいにする」、つまり「自分の不足を振り返らず、失敗を環境のせいにする人」を皮肉ることわざです。

日本語の「弘法筆を選ばず」と表裏の関係にありますが、英語は名人を褒めるより、言い訳する人を批判する側に焦点があります。相手に直接言うと強いため、自戒や軽いユーモアとして使うか、Let’s see what we can improve. のような簡単で建設的な言い換えを選ぶとよいでしょう。

このことわざのテーマ別一覧

この表現と近い場面で使う英語のことわざは、仕事・お金・知恵を表す英語のことわざ一覧でまとめて確認できます。全テーマから探す場合は、英語のことわざ一覧|意味・場面別50選もご覧ください。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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