
「目標を達成したのに、今度は別の条件を出された」「話し合いの途中で合格ラインを変えられた」。このような不公平感を英語で表せるのが move the goalposts です。
直訳は「ゴールポストを動かす」。実際には、途中でルール・条件・成功基準を変え、相手が達成しにくくするという意味で使われます。仕事の評価、交渉、議論、家庭内の約束などでよく合う表現です。
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move the goalpostsの意味
move the goalposts は、「いったん決めた目標や判断基準を後から変える」「相手が条件を満たしかけた段階で、新しい条件を追加する」という英語イディオムです。
単なる計画変更ではなく、たいていは不公平・都合がよすぎる・話が違うという批判的なニュアンスを含みます。
- 売上目標を達成した後で、昇進条件を追加する
- 交渉がまとまりかけたところで、相手が要求を変える
- 議論で不利になるたび、正しさの基準を変える
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「ゴールポストを動かす」がこの意味になる?
サッカーで選手がゴールを狙っている最中に、誰かがゴールポストを別の場所へ動かしたらどうなるでしょう。選手は最初に決められた目標を達成できません。
goalposts は本来、ゴールの左右に立つ柱です。これを比喩として、評価・成功・合意の「基準」に見立てています。move は、その基準を途中で移動させることです。

よく使われる形と語順
主語+move the goalposts
条件を変えた人・組織を主語にします。
They moved the goalposts again.
彼らはまた後から条件を変えました。
You can’t keep moving the goalposts.
何度も基準を変えるのはやめてください。
受け身より能動文が自然
The goalposts were moved. も文法的には可能ですが、通常は誰が不公平な変更をしたのかが重要です。そのため They moved the goalposts. のような能動文がよく使われます。
moving the goalpostsを名詞的に使う
That feels like moving the goalposts.
それは後から条件を変えているように感じます。
相手を直接責めすぎず、行為について指摘できる便利な形です。
場面別の自然な例文
仕事・評価
I reached my sales target, but my boss moved the goalposts and added another requirement.
売上目標を達成したのに、上司は後から条件を変えて別の要件を追加しました。
Let’s agree on the success criteria now so we don’t move the goalposts later.
後から成功基準を変えないよう、今のうちに合意しておきましょう。
交渉・契約
Every time we get close to a deal, they move the goalposts.
合意に近づくたび、相手は条件を変えます。
Changing the delivery date is reasonable, but changing the price now would be moving the goalposts.
納期の変更は妥当ですが、今になって価格まで変えるのは後出しの条件変更です。
議論
First you asked for evidence, and now you want a video. You’re moving the goalposts.
最初は証拠を求めていたのに、今度は動画ですか。条件を後から変えていますよ。
家庭・人間関係
We agreed that I could go out after finishing my homework. Don’t move the goalposts now.
宿題が終わったら出かけていいと約束したよね。今になって条件を変えないで。
change the rulesとの違い
change the rules は文字どおり「ルールを変える」で、中立的にも使えます。全員の同意を得た公平な変更にも使える表現です。
move the goalposts は、相手が元の条件を満たしかけた後に基準を変えるイメージが強く、批判や不満を含みます。
- We changed the rules before the game.
試合前にルールを変更しました。 - They moved the goalposts after we met every requirement.
私たちが全条件を満たした後で、彼らは基準を変えました。
raise the barとの違い
raise the bar は「基準・水準を引き上げる」。品質向上のための前向きな変更にも使えます。
一方、move the goalposts は、決めた後で基準そのものを都合よく変更すること。高さを上げるとは限らず、種類の違う条件へすり替える場合も含みます。
back to the drawing boardとの違い
back to the drawing boardの意味・使い方は、計画がうまくいかず「最初から練り直す」ことです。自分たちで計画を見直す場面にも使えます。
move the goalposts は、計画の失敗ではなく、相手が判断基準を後から変えることに焦点があります。
日本人が間違えやすいポイント
goalpostではなくgoalpostsが定型
イディオムでは通常、左右の柱をまとめた複数形の the goalposts を使います。
move a goalではない
move the goal だけでは「目標を後から変える」という定型イディオムになりません。まとまりで move the goalposts と覚えましょう。
普通の予定変更には使わない
事情が変わり、全員で納期を相談し直すだけなら change the deadline や adjust the plan が自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
イディオムが出てこなくても、基本的な英語で意味を直接伝えられます。
- You changed the conditions after we agreed.
合意した後で条件を変えましたね。 - The rules keep changing.
ルールが何度も変わっています。 - That wasn’t the original requirement.
それは最初の条件ではありませんでした。 - Please don’t add new conditions now.
今になって新しい条件を加えないでください。
角を立てずに指摘する言い方
仕事では、相手の意図を決めつけず、変化した事実を確認すると会話を続けやすくなります。
It seems the success criteria have changed. Could we confirm what we agreed on?
成功基準が変わったように見えます。合意した内容を確認できますか。
Can we keep the original requirements for this project?
このプロジェクトでは当初の要件を維持できますか。
関連するイディオム
不公平な変更を指摘すると、その場に波風が立つこともあります。そんな「安定した状況を乱す」という意味は、rock the boatの意味・使い方で詳しく解説しています。
ほかの完成した表現は、英熟語・定型表現の親記事から確認できます。
まとめ
move the goalposts は、「相手が元の条件を満たしかけた段階で、ルール・条件・成功基準を後から変える」という批判的な表現です。
直訳どおり、シュート直前にゴールを別の場所へ動かされる場面を思い浮かべると、不公平さまで自然に理解できます。まずは They keep moving the goalposts. と一文で使ってみましょう。強く言いたくない場合は、It seems the criteria have changed. と簡単に伝えれば十分です。










