
Two wrongs don’t make a right. は「相手に悪いことをされても、仕返しが正当になるわけではない」という意味の英語のことわざです。短い一文ですが、直訳だけでは、どこまで強く言うのか、誰に向けて自然なのかが分かりにくい表現でもあります。
この記事では、言葉の組み立て、ネイティブが感じるニュアンス、日常・仕事・人間関係で使える例文、似た表現との違い、日本人が注意したい点、簡単な英語での言い換えまで丁寧に解説します。
Contents
Two wrongs don’t make a right. の意味
相手に悪いことをされても、仕返しが正当になるわけではない、というのが基本です。
wrong は名詞で「悪い行為」、right は名詞で「正しいこと」。悪い行為をもう一つ足しても、正しさには変わらないという、算数の式のような比喩です。
しゅみすけ(大山俊輔)
ネイティブが感じるニュアンス
復讐や報復の連鎖を止める道徳的な助言です。ただし、被害を受けた人に我慢を強いる言葉ではありません。安全確保、相談、正当な手続きまで否定しないよう注意します。
ことわざは説明を一文に圧縮できる便利な道具ですが、相手との関係や直前の会話で印象が変わります。助言として使うときは、相手の事情を決めつけず、理由や具体的な提案を一文添えると自然です。自分について I guess … や It reminds me that … と言えば、押しつけを弱められます。
単語・文法・語順から理解する
two wrongs が複数主語なので don’t。make A B は「AをBにする」ですが、ここでは make a right で「正しい結果を生む」の意味です。
ことわざは語順を変えず、一つのまとまりとして覚えるのが基本です。ただし会話では、最初に状況を説明してから全文を置くと唐突になりません。「事実→ことわざ→次の行動」の順にすると、格好よさだけでなく実用性のある発言になります。

日常会話・仕事で使える例文
He insulted you, but insulting him back won’t help. Two wrongs don’t make a right.
彼に侮辱されても、言い返して侮辱しても解決しません。
I know she shared your secret, but don’t post hers online. Two wrongs don’t make a right.
彼女が秘密を漏らしたとしても、彼女の秘密を投稿してはいけません。
The company treated us unfairly, but falsifying the report isn’t the answer.
会社の扱いが不公平でも、報告書の改ざんは解決策ではありません。
Let’s report the problem properly. Two wrongs don’t make a right.
正式に問題を報告しましょう。仕返しでは正しくなりません。
短い会話例
A: What do you think we should do?
A:どうすればよいと思う?
B: Two wrongs don’t make a right. Let’s look at the situation calmly and decide on the next step.
B:相手に悪いことをされても、仕返しが正当になるわけではない。状況を落ち着いて見て、次の一歩を決めましょう。
ことわざだけで会話を終えると、説教や皮肉に聞こえることがあります。上のように Let’s … を続けると、一緒に考える姿勢を示せます。
使う場面を具体的に考えよう
仕事
会議では、ことわざを結論として投げるより、観察した事実を先に述べます。I’ve noticed that this issue keeps coming up.(この問題が繰り返し起きていることに気づきました)のように始めると、相手も背景を理解できます。
家族・友人
親しい関係では短く使えますが、感情が強い場面ほど共感が先です。I understand why you feel that way.(そう感じる理由は分かります)と受け止めてから使えば、冷たい決まり文句になりにくくなります。
英語学習
自分の経験を一つ選び、This reminds me of … でつなげてみましょう。買い物、旅行、勉強、仕事の失敗など、実体験と結びつけると定着します。
似た表現との違い
An eye for an eye は「目には目を」という報復原理を示し、方向性が反対です。Take the high road は相手より成熟した行動を選ぶことに焦点があります。
似た表現は日本語訳が重なっても、焦点が違います。「過去の事実」「相手への助言」「これからの行動」のどこを強調したいかで選びましょう。迷ったら、ことわざを無理に使わず、意味を直接説明する方が安全です。
日本人が間違えやすいポイント
どんな状況にも当てはめない
ことわざは一般化された知恵であり、例外のない規則ではありません。深刻な病気、差別、暴力、大きな喪失などでは、簡単な教訓で相手の経験を片づけない配慮が必要です。
相手を評価する言葉にしすぎない
You should … と断定すると強く響く場合があります。Maybe、I think、It might help to … を使うと、提案として伝えやすくなります。
一語ずつ直訳して語順を崩さない
決まり文句は冠詞、単数・複数、前置詞まで含めて一つの音のまとまりとして練習しましょう。まずゆっくり読み、その後、意味の区切りごとに声に出すと覚えやすくなります。
しゅみすけ(大山俊輔)
しゅみすけ式:簡単な英語で言い換える
この表現が思い出せないときは、次の短い文で同じ中心メッセージを伝えられます。
- Don’t do the same bad thing back.
- Revenge won’t fix the problem.
- Let’s solve this in the right way.
言い換えでは、難しい名詞より do、help、change、keep、tell のような基本動詞を選びます。自分の意見なら I think …、提案なら Let’s … を前につけるだけでも、会話に合わせて調整できます。
覚えるためのミニ練習
- このことわざが合う自分の経験を日本語で一つ思い出す。
- 誰が、何をしたかを中学英語で一文にする。
- Two wrongs don’t make a right. を続ける。
- 最後に、今できる行動を Let’s … で加える。
例:We had a problem yesterday. Two wrongs don’t make a right. Let’s make a better plan today. のように、過去・ことわざ・未来の三段階にすれば、会話の流れを作れます。
まとめ
Two wrongs don’t make a right. の中心的な意味は「相手に悪いことをされても、仕返しが正当になるわけではない」です。直訳の絵を思い浮かべ、場面と語調を選べば、日常会話にも仕事にも使えます。
相手への教訓として一方的に言うのではなく、背景への共感や次の提案を添えることが大切です。表現が出てこないときは、紹介した基本語の言い換えでまず意味を伝えましょう。
ほかの表現もまとめて確認したい方は、英熟語・定型表現の親記事もご覧ください。










