
料理の「油をひく」は、英語では場面によって言い方が変わります。フライパンへ油を入れるだけなら add oil、表面へ薄く広げる動作まで伝えるなら coat the pan with oil、ケーキ型や天板へ油脂を塗ってくっつきを防ぐなら grease the pan が自然です。日本語の「ひく」を直訳するのではなく、「油を加える」「表面を覆う」「型に塗る」のどこを伝えたいかで選びましょう。
Contents
「油をひく」は英語で?先に結論
| 英語 | 中心の意味 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| add oil | 油を加える | 普段の会話、簡単な料理手順 |
| put oil in the pan | フライパンに油を入れる | 初心者にも伝わる具体的な説明 |
| coat the pan with oil | 表面を油で薄く覆う | 油を全体へ広げることが重要なとき |
| grease the pan | 型や天板へ油脂を塗る | お菓子作り、オーブン料理、こびりつき防止 |
| oil the pan | フライパンに油を塗る | 短いレシピ文。意味は通じるがadd oilほど日常的ではない |
いちばん無難なのは Add a little oil to the pan.(フライパンに少量の油を入れてください)です。「薄く全体へ広げて」と明確に言いたい場合だけ、Coat the pan with a thin layer of oil. と具体化します。
しゅみすけ(大山俊輔)
add oil:油を加える基本表現
add は「加える」という意味です。油の量や広げ方より、「調理のこの段階で油を入れる」ことに焦点があります。家庭で料理の手順を話すときに最も使いやすい表現です。
- Add a little oil to the pan.
フライパンに少量の油を入れてください。 - Add the oil before the pan gets too hot.
フライパンが熱くなりすぎる前に油を入れてください。 - I added some olive oil and cooked the onions.
オリーブオイルを少し入れて、玉ねぎを炒めました。 - Do I need to add more oil?
油をもう少し足す必要がありますか。
add oilの語順
基本は add+油+to+調理器具 です。Add oil to the pan. のように、加える物を先に、加える先を to の後ろに置きます。油の種類を言うなら add vegetable oil、量を言うなら add a teaspoon of oil のように目的語を具体化できます。
put oil in the panとの違い
Put some oil in the pan. も自然です。addより説明的で、難しい料理動詞を使わずに動作をそのまま伝えられます。子どもや英語学習者へ手順を説明するとき、あるいは英単語がすぐに出てこないときにも便利です。
coat the pan with oil:薄く全体へ広げる
coat A with B は「Aの表面をBで覆う」という形です。単に油を入れるのではなく、フライパンの底や側面へ薄い膜を作ることに焦点があります。炒め物、クレープ、卵料理など、油の偏りを避けたい場面で役立ちます。
- Coat the pan with a thin layer of oil.
フライパン全体に油を薄くひいてください。 - Swirl the oil to coat the bottom of the pan.
油を回してフライパンの底全体に広げてください。 - Make sure the pan is evenly coated with oil.
フライパン全体に油が均一に行き渡っていることを確認してください。 - The pan was lightly coated with sesame oil.
フライパンにはごま油が薄くひかれていました。
swirl the oilも料理でよく使う
フライパンを傾けて油を回し広げるなら、swirl the oil around the pan が動きをよく表します。Swirl a tablespoon of oil around the pan.(大さじ1杯の油をフライパン全体に回してください)のように使います。swirlは「渦を巻くように回す」イメージで、油を注ぐこと自体より、行き渡らせる動作を表します。
grease the pan:焼き型や天板に油脂を塗る
grease は動詞で「油脂を塗る」という意味です。特に、ケーキやパンが型にくっつかないよう、バター・ショートニング・油などを塗る場面でよく使われます。フライパンにも使えますが、日常の炒め物で単に油を入れるならadd oilのほうが分かりやすいです。
- Grease the cake pan before pouring in the batter.
生地を流し入れる前にケーキ型へ油脂を塗ってください。 - Lightly grease the baking sheet.
天板に薄く油を塗ってください。 - Grease the dish with butter.
耐熱皿にバターを塗ってください。 - This nonstick pan does not need to be greased.
この焦げ付きにくい型には油を塗る必要がありません。
grease A with Bの形
何を塗るかまで言う場合は、grease+器具+with+油脂 の順です。Grease the pan with butter. のように使います。greased pan なら「油脂を塗った型・フライパン」という形容詞的な表現になります。
3表現の違いをイラストで整理

動作の開始だけならadd oil、表面全体を薄く覆うならcoat the pan with oil、こびりつき防止のため焼き型などへ塗るならgrease the panです。日本語ではすべて「油をひく」と言えても、英語では目的と結果を明確にすると選びやすくなります。
日常会話とレシピでの言い方
家庭で短く伝える
会話では、専門的な言い方より短く具体的な表現が自然です。
- Put a little oil in first.
最初に少し油を入れて。 - Can you add some oil to the pan?
フライパンに油を少し入れてくれる? - Spread the oil around the pan.
油をフライパン全体に広げて。
レシピや料理教室で正確に伝える
書かれたレシピでは命令文が標準です。量、温度、範囲を加えると再現しやすくなります。
- Heat the pan over medium heat, then add one tablespoon of oil.
フライパンを中火で熱し、大さじ1杯の油を加えます。 - Use a paper towel to spread the oil evenly.
キッチンペーパーを使って油を均一に広げます。 - Lightly grease the pan and preheat the oven.
型へ薄く油脂を塗り、オーブンを予熱します。
自動詞・他動詞と目的語の考え方
add、coat、greaseはいずれも、この意味では基本的に「何をどうするか」を示す目的語が必要です。ただし目的語の置き方は同じではありません。
- add oil to the pan:加える物が目的語
- coat the pan with oil:覆う対象が目的語
- grease the pan with butter:油脂を塗る対象が目的語
Add to the pan oil. のように語順を崩したり、coat oil to the pan と前置詞を混ぜたりしないよう注意しましょう。「加える物+to+場所」「対象+with+材料」というまとまりで覚えるのが近道です。
日本人が間違えやすいポイント
lay oilとは言わない
日本語の「ひく」から lay を選びたくなりますが、料理で油をひく意味には通常使いません。layは物を横たえる、敷物を敷くなどの動作です。油ならadd、coat、greaseを選びます。
fry the panではない
fry は食材を油で揚げたり焼いたりする動詞で、フライパンに油をひくことではありません。Fry the eggs in a little oil.(少量の油で卵を焼く)のように、調理する食材を目的語にします。
greaseは油の種類ではなく動作にもなる
greaseは名詞の「油脂」だけでなく、「油脂を塗る」という動詞にもなります。ただし、普段の炒め物で毎回greaseを使うと、こびりつき防止の下準備という響きが強くなることがあります。
難しい表現が出てこないときの「しゅみすけ式」
coatやgreaseが思い出せなくても、知っている基本語で「何をして、どんな状態にするか」を二段階に分ければ伝わります。
- Put a little oil in the pan. Spread it over the bottom.
フライパンに少し油を入れてください。底全体に広げてください。 - Use some butter inside the cake pan. This will stop the cake from sticking.
ケーキ型の内側にバターを使ってください。ケーキがくっつくのを防げます。 - Add some oil before you cook the vegetables.
野菜を調理する前に油を少し入れてください。
動詞を一語で当てようとせず、「油を入れる」「全体へ広げる」「くっつかないようにする」と目的を言葉にします。これなら料理専門語を忘れても、相手は必要な動作を再現できます。
しゅみすけ(大山俊輔)
短い会話例
A: Should I add the vegetables now?
もう野菜を入れたほうがいい?
B: Not yet. Add a little oil and let the pan heat up first.
まだ。まず少し油を入れて、フライパンを温めて。
A: The cake stuck to the pan last time.
前回、ケーキが型にくっついたんだ。
B: Grease the pan with butter before you add the batter.
生地を入れる前に、型へバターを塗って。
A: Is the oil spread evenly?
油は均一に広がっている?
B: Almost. Tilt the pan a little more.
ほぼね。もう少しフライパンを傾けて。
関連表現
料理動作をまとめて確認したい方は、料理の下ごしらえ・切り方の英語一覧も参考になります。油をひいた後の加熱表現については、「焼き目をつける」の英語表現でsear・brown・charの違いを確認できます。
よくある質問
「フライパンに油をひいて」は一番簡単にどう言いますか?
Put some oil in the pan. が簡単で自然です。料理手順らしく言うなら Add a little oil to the pan. もよく使います。
サラダ油は英語でsalad oilですか?
日本の「サラダ油」に近い一般的な料理油は、文脈に応じて vegetable oil や cooking oil と言うほうが分かりやすいです。
油を薄くひくときはlightlyを使えますか?
はい。Lightly grease the pan. や Lightly coat the pan with oil. のように言えます。量を明確にするなら a thin layer of oil も便利です。
まとめ
「油をひく」の基本は、油を加えるならadd oil、薄く全体へ広げるならcoat the pan with oil、焼き型などへ油脂を塗るならgrease the panです。日本語の「ひく」を一語で直訳せず、目的を分けて考えましょう。迷ったときは、Put a little oil in the pan. Spread it around. のように基本語を二文へ分ければ、必要な動作を自然に伝えられます。










