
「あろうことか」は英語で何と言えば自然でしょうか。日本語一語に英単語一語を対応させると、場面の焦点や話し手の気持ちがずれることがあります。
結論から言うと、believe it or not、of all people、to my disbeliefを意味別に使い分けます。「あろうことか」は、予想外の事実に驚き、ときに呆れや非難を込める表現です。
しゅみすけ(大山俊輔)
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「あろうことか」の英語を比較
| 英語 | 中心の意味 | 短い例 |
|---|---|---|
| believe it or not | 聞き手が信じにくい意外な事実を紹介する前置きです | Believe it or not, he won the contest. あろうことか、彼はその大会で優勝しました。 |
| of all people | よりによってその人が、という人物への強い意外性や不満を示します | He, of all people, forgot the meeting. あろうことか、よりによって彼が会議を忘れました。 |
| to my disbelief | 自分が信じられなかったという驚き・呆れを、やや書き言葉的に表します | To my disbelief, they rejected the evidence. あろうことか、彼らは証拠を退けました。 |
どれも日本語では「あろうことか」になり得ますが、入れ替えれば意味や温度感が変わります。事実、評価、時間、相手への働きかけのどれを伝えるか確認します。
日本語の意味を場面別に分ける
「あろうことか」は、予想外の事実に驚き、ときに呆れや非難を込める表現です。 英語では、隠れた意味を副詞だけでなく動詞、時制、文型で表すこともあります。
1.believe it or not
聞き手が信じにくい意外な事実を紹介する前置きです。驚きはありますが、必ずしも非難を含みません。
- Believe it or not, he won the contest.
あろうことか、彼はその大会で優勝しました。 - Believe it or not, the key was in my pocket.
あろうことか、鍵は私のポケットにありました。 - She agreed, believe it or not.
あろうことか、彼女は同意しました。
2.of all people
よりによってその人が、という人物への強い意外性や不満を示します。文の一部として人名・代名詞を強調します。
- He, of all people, forgot the meeting.
あろうことか、よりによって彼が会議を忘れました。 - Of all people, she should have known better.
あろうことか、彼女なら分かるはずでした。 - I met my boss, of all people, at the beach.
あろうことか、海辺でよりによって上司に会いました。
3.to my disbelief
自分が信じられなかったという驚き・呆れを、やや書き言葉的に表します。
- To my disbelief, they rejected the evidence.
あろうことか、彼らは証拠を退けました。 - To my disbelief, the door was left unlocked.
あろうことか、ドアは施錠されていませんでした。 - To my disbelief, he blamed me.
あろうことか、彼は私を責めました。

語順と文法
believe it or notとto my disbeliefは文頭でコンマ。of all peopleは強調する人物の直後に挿入するか、文頭に置きます。物ならof all thingsも使えます。
文全体へのコメントは文頭、動作の様子は動詞の近く、長い句は文末が基本です。接続表現では前後の論理関係も確認します。
日常会話と仕事
日常会話
日常では短い返答や感情の見える語が自然です。状況を共有していても、誤解しそうならbecauseやbutで理由を足します。
仕事
仕事では対象、根拠、期限、結果を明示します。「あろうことか」という感覚だけでなく、読み手が同じ判断をできる情報を添えます。
フォーマル度とニュアンス
believe it or notは聞き手が信じにくい意外な事実を紹介する前置きです。驚きはありますが、必ずしも非難を含みません。 of all peopleはよりによってその人が、という人物への強い意外性や不満を示します。文の一部として人名・代名詞を強調します。 to my disbeliefは自分が信じられなかったという驚き・呆れを、やや書き言葉的に表します。
間違えやすい点
believe it or notは単なる驚きにも使えますが、「あろうことか」の強い非難までは自動的に出ません。非難対象が人物ならof all peopleが明確です。
日本語の副詞を英語でも副詞一語にする必要はありません。動詞や二文で状況を示すほうが自然な場合があります。
しゅみすけ式:簡単な英語で言い換える
①基本動詞で事実を言う、②原因や結果を足す、③一文を二文に分ける、の順で組み立てます。
- I could not believe what happened.
起きたことが信じられませんでした。 - I was surprised that he did it.
彼がそれをしたので驚きました。 - He was the last person I expected.
彼は最も予想していなかった人物でした。
しゅみすけ(大山俊輔)
場面別トレーニング
主語や目的語を自分の生活へ置き換え、どの情報を強調するか考えながら練習しましょう。
| 1 | Believe it or not, he won the contest. あろうことか、彼はその大会で優勝しました。 |
| 2 | Believe it or not, the key was in my pocket. あろうことか、鍵は私のポケットにありました。 |
| 3 | He, of all people, forgot the meeting. あろうことか、よりによって彼が会議を忘れました。 |
| 4 | Of all people, she should have known better. あろうことか、彼女なら分かるはずでした。 |
| 5 | To my disbelief, they rejected the evidence. あろうことか、彼らは証拠を退けました。 |
| 6 | To my disbelief, the door was left unlocked. あろうことか、ドアは施錠されていませんでした。 |
迷ったときの4段階
1.状況を別の日本語にする
「あろうことか」を、程度、継続、意外性、対比など具体的な意味へ言い直します。
2.文の骨組みを作る
誰が何をしたか、何がどういう状態かを基本語で作り、副詞や接続句を後から加えます。
3.関係と場面を確認する
友人との会話、顧客への返答、報告書では適切な強さが変わります。意味と丁寧さを合わせます。
4.二文に戻す
表現を二つの短い英文に分け、同じ状況が伝わるか確認します。
ミニ会話
A: What happened?
どうしたのですか。
B: I could not believe what happened.
起きたことが信じられませんでした。
A: I see. Thanks for explaining.
なるほど。説明ありがとう。
よくある質問
三つは入れ替えられますか?
完全には入れ替えられません。各表現が前面に出す意味で選びます。
簡単に言うには?
I could not believe what happened.のように基本語で説明します。
仕事でも使えますか?
使えますが、会話的な語は具体的な事実や根拠を示す文にすると安全です。
関連表現
日本語のニュアンス表現を英語で言う一覧も参考にしてください。
「あろうことか」を自分で選ぶ実践チェック
表現を覚えたら、和訳を見ずに場面から英語を選びます。次の三つは意味の境界を確認するためのチェックです。
| 伝えたい場面 | 選ぶ表現 |
|---|---|
| 信じにくい事実の紹介 | believe it or not |
| よりによってその人 | of all people |
| 自分の驚きや呆れ | to my disbelief |
正解の単語だけを暗記するのではなく、なぜ残りの二つではないのかを説明してみてください。たとえば、話し手の評価を述べているのか、客観的な関係を述べているのか、相手へ働きかけているのかを確認します。この理由まで言えれば、別の例文でも応用できます。
まとまりで覚えると語順を間違えにくい
Believe it or not, …/of all people/to my disbeliefのように、前後の語を含むひとかたまりで覚えましょう。単語だけを覚えると、実際に話すときに前置詞、時制、置き場所で迷います。自分の単語帳には、日本語訳の横へ短い英文を一つ書き、肯定文だけでなく疑問文や否定文でも声に出してください。
一語訳に頼らない発話練習
まず「あろうことか」を使った日本語を、簡単な二つの内容へ分けます。次に一文目で事実、二文目で理由・比較・気持ちを言います。最後に、この記事で紹介した専用表現を使って一文へまとめます。この順なら、難しい表現が出てこなくても会話を止めずに済みます。
練習するときは、主語をIからweやsheへ変え、現在・過去・未来でも言い直します。場所、期限、対象も自分の生活に置き換えると、例文が暗記用の文章ではなく実際に使える英語になります。発音に自信がない場合も、短い基本文から始めれば十分です。
聞き手に誤解させない補足の入れ方
「あろうことか」に相当する表現だけでは基準が曖昧なとき、because、but、compared with、for nowなどを使って補足します。仕事なら数字・日付・比較対象、日常会話なら起きた出来事や自分の感想を一つ足します。抽象的な副詞の後ろに具体的な情報があると、聞き手は状況を正確に理解できます。
強い表現は便利ですが、相手を責めたり「当然だ」と決めつけたりする響きが出る場合があります。依頼、訂正、反対意見では、I think、it seems、pleaseなどで必要な柔らかさを加えましょう。逆に、明確な同意や緊急性を示す場面では、曖昧な語を減らし結論を先に言うほうが自然です。
まとめ
「あろうことか」はbelieve it or not、of all people、to my disbeliefを場面別に選びます。迷ったら基本語で事実と結果を説明しましょう。









