
「抽象的に考える」と英語で言いたいとき、日本語を一語ずつ置き換えるだけでは、意図と違う表現になりがちです。英語では、考えている段階、相手との関係、判断がどこまで進んでいるかによって言い方を選びます。
先に結論を言うと、基本になるのは think abstractly です。個別例を離れて概念や関係を考えるときに自然です。一方、抽象的な概念を使って考えるなら think in abstract terms、例から共通する原理を取り出すなら generalize from examples が合います。この記事では、日常会話と仕事の両方で使えるように、意味、語順、ニュアンス、例文を整理します。
Contents
「抽象的に考える」の英語を先に比較
| 英語表現 | 中心となる意味 | 基本の形 |
|---|---|---|
| think abstractly | 個別例を離れて概念や関係を考える | think + abstractly |
| think in abstract terms | 抽象的な概念を使って考える | think in + terms |
| generalize from examples | 例から共通する原理を取り出す | generalize from + 名詞 |
3つは似ていますが、焦点は同じではありません。最初に「いま説明したいのは考える過程か、判断の結果か、相手との認識合わせか」を決めると選びやすくなります。日本語では主語や目的語を省いても通じますが、英語では誰が何を考え、何を変えるのかを具体的に置くことが重要です。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本語の意味を場面別に分ける
think abstractly:最も基本になる表現
think abstractly は、個別例を離れて概念や関係を考えるときに使います。基本形は think + abstractly です。会話では抽象的な it を続けるより、plan、facts、options、decision のように対象を具体的にすると伝わりやすくなります。
think in abstract terms:焦点を少し変える表現
think in abstract terms は、抽象的な概念を使って考える場合に適します。形は think in + terms。相手へ提案するときは命令形に固定せず、Could we …? や It may help to … の形にすると、協力的で柔らかい響きになります。
generalize from examples:目的を具体的に示す表現
generalize from examples は、例から共通する原理を取り出すときの言い方です。基本形は generalize from + 名詞 です。仕事では、行動だけでなく、その結果どうしたいのかまで一文または二文で示すと、判断の責任範囲が明確になります。
3表現の違いを図で確認

迷ったら、まず最も広く使える think abstractly を基準にしてください。相手との理解や判断の焦点を変えるなら think in abstract terms、目的や結果を具体的に表すなら generalize from examples が候補です。格好のよい単語を選ぶより、聞き手が次の行動を理解できる表現を優先します。
自然な例文を場面別に確認
- Children gradually learn to think abstractly.
子どもは徐々に抽象的に考えることを学びます。 - It is difficult to discuss trust only in abstract terms.
信頼を抽象論だけで話すのは難しいです。 - We generalized the pattern from several examples.
いくつかの例から共通パターンを導きました。
例文を自分の会話に移すときは、名詞だけを入れ替えるのではなく、確定している情報と未確定の情報を分けてください。まだ判断途中なら may、might、not sure を使い、決定済みなら decided、agreed、confirmed などを使うと、英語の強さが実際の状況に合います。
日常会話と仕事でのフォーマル度
日常会話では、短い基本動詞と具体的な目的語が自然です。Let’s look at it again.、I need more time.、What matters most? のような形で十分伝わります。仕事では、判断の対象、基準、期限、次の担当を明示します。Could we …? や I suggest that … を使えば、相手の考えを否定せずに検討を提案できます。
フォーマルな文章では、主語を曖昧にせず、判断の根拠も示します。Based on the information available …、Before we proceed …、The purpose is to … などを加えると、考えた過程と結論の関係が分かりやすくなります。
語順・目的語・前置詞のポイント
英語では、動詞の直後に「何を」考える・比べる・決めるのかを置くのが基本です。日本語の「について」に引っ張られて不要な about を加えないようにしてください。一方、動詞によって about、on、from、with が必要になる場合は、表現全体を一つの型として覚えます。
また、that節や疑問詞節を使うと、難しい名詞を避けられます。We need to decide what matters most.、Let’s check whether this will work. のように、「何が重要か」「うまくいくか」をそのまま目的語にできます。
日本人が間違えやすいポイント
abstractly は「分かりにくく」という意味だけではありません。具体例から離れ、概念・原則・関係を扱う考え方です。話が曖昧という批判なら too vague や too abstract が自然です。
もう一つの注意点は、「考えている」と「決めた」を混同しないことです。consider、look at、think about は検討中、decide、choose、agree は結論に到達した段階です。まだ検討中なのに decided と言うと、相手は変更の余地がないと受け取る可能性があります。
しゅみすけ式:難しい表現が出ないときの言い換え
専用表現が出てこなくても、次の順に基本動詞で説明できます。
- いま分かっていることを言う
- 何を比べる・確認する必要があるか言う
- まだ分からない点を短く示す
- 次にする行動を付け足す
- Let’s look for what these examples have in common.
これらの例に共通するものを探しましょう。 - Think about the idea, not only one case.
一つの事例だけでなく考え方について考えてください。
check、look at、think、compare、choose、make、get のような基本動詞を使い、一文へ詰め込まないのがポイントです。First, let’s check the facts. Then we can decide. のように二文へ分ければ、語順の負担が減り、聞き手も考えの流れを追いやすくなります。
しゅみすけ(大山俊輔)
会議・メールで使える型
- Before we decide, could we look at …?
決める前に、〜を確認できますか。 - Based on what we know, …
現在分かっていることに基づくと、〜です。 - We may need to reconsider this if …
もし〜なら、これを再検討する必要があるかもしれません。 - What would be the most practical next step?
最も現実的な次の一歩は何でしょうか。
関連表現
考える・理解する・判断する表現全体は、思考・理解・判断を表す英語表現一覧で整理しています。今回の表現を単独で暗記するだけでなく、consider、decide、judge、assess など、判断の段階が異なる動詞と比べると使い分けやすくなります。
まとめ
「抽象的に考える」は、基本的には think abstractly、抽象的な概念を使って考えるなら think in abstract terms、例から共通する原理を取り出すなら generalize from examples を使います。日本語一語に英語一語を当てはめず、対象、判断の段階、相手との関係を先に整理してください。
言葉が出ないときは、事実を見る、比べる、選ぶ、次の行動を決める、という小さな動作へ分ければ、中学英語でも十分に意図を伝えられます。










