
日本語の「すり抜ける」は、一つの英単語だけでは表しきれません。物理的な姿勢を言うのか、反射的な動きなのか、気持ちや仕事上の態度まで含めるのかによって、自然な英語が変わります。
先に結論を整理すると、中心となる候補は slip through、squeeze past、weave through です。この記事では、3表現の語感、語順、前置詞、自動詞・他動詞、日常会話と仕事での違いを独自例文とともに確認します。
| 表現 | 中心となる意味 | 基本の形 |
|---|---|---|
| slip through | 小さな隙間や監視の目を、素早く目立たず通り抜ける | slip through + 隙間・入口 / slip through the net |
| squeeze past | 人や物との間が狭いところを、体を細くして横切る | squeeze past + 人・物 / squeeze through + 隙間 |
| weave through | 人や障害物の間を左右に進路を変えながら縫うように進む | weave through + 人混み・交通・障害物 |
Contents
slip through:小さな隙間や監視の目を、素早く目立たず通り抜ける
slip through は、小さな隙間や監視の目を、素早く目立たず通り抜ける。基本の形は slip through + 隙間・入口 / slip through the net です。日本語の「すり抜ける」だけで機械的に決めず、体の向き、動きの原因、移動の終点まで見て選びます。
- The cat slipped through the open gate.
猫は開いた門をすり抜けました。 - The error slipped through our checks.
そのミスは確認をすり抜けました。
まずはこの表現を基本候補にし、動きの特徴を細かく伝えたいときにほかの表現へ切り替えると、会話中にも選びやすくなります。
squeeze past:人や物との間が狭いところを、体を細くして横切る
squeeze past は、人や物との間が狭いところを、体を細くして横切る。基本の形は squeeze past + 人・物 / squeeze through + 隙間 です。日本語の「すり抜ける」だけで機械的に決めず、体の向き、動きの原因、移動の終点まで見て選びます。
- Excuse me, can I squeeze past you?
すみません、横をすり抜けてもいいですか。 - She squeezed through the narrow gap.
彼女は狭い隙間をすり抜けました。
一つ目の表現と似ていますが、こちらは動作の方法や姿勢をより具体的に描写します。短い例文を場面ごと覚えるのが効果的です。
weave through:人や障害物の間を左右に進路を変えながら縫うように進む
weave through は、人や障害物の間を左右に進路を変えながら縫うように進む。基本の形は weave through + 人混み・交通・障害物 です。日本語の「すり抜ける」だけで機械的に決めず、体の向き、動きの原因、移動の終点まで見て選びます。
- We weaved through the crowded market.
私たちは混雑した市場を縫うように進みました。 - The cyclist weaved through traffic.
自転車は車の間をすり抜けました。
三つ目は使える場面がやや限定されますが、その分、状況に合えば一語で鮮明な映像を伝えられます。
しゅみすけ(大山俊輔)

語順・前置詞・目的語の考え方
動作を表す英語では、動詞だけでなく、その後ろに置く方向語や前置詞が重要です。誰が+どう動いた+どの方向へ+何を避けて/何が原因での順に、小さな情報を足していきます。日本語の助詞をそのまま英語へ置き換えるのではなく、移動の経路と終点を見ます。
| 確認点 | 英語で示す内容 |
|---|---|
| 動作の主体 | I、she、the child、our teamなど |
| 動き方 | slip through / squeeze past / weave through |
| 方向・原因 | up、back、away、from、with、forなど |
| 結果 | 転ばなかった、通り抜けた、姿勢が変わったなど |
自動詞として使う動詞には場所や方向を前置詞で続け、他動詞として使う表現には目的語を直接置きます。どちらかを単語だけで暗記せず、slip through + 隙間・入口 / slip through the net のようなまとまりで覚えましょう。
日常会話と仕事での使い分け
日常会話では、目の前で起きた動きを短く伝える表現が自然です。一方、仕事では安全報告、接客、医療・運動の指示、比喩的な態度など、何を伝える必要があるかを先に考えます。曖昧な「すり抜ける」のままではなく、原因と結果を一文に足すと誤解を減らせます。
- A child slipped through the crowd and disappeared.
子どもが人混みをすり抜けて見えなくなりました。 - I squeezed past the cleaning cart in the hallway.
廊下で清掃カートの横をぎりぎりすり抜けました。 - She weaved through the tables carrying two plates.
彼女は皿を2枚持ってテーブルの間を縫うように進みました。 - One complaint slipped through the support queue.
1件の苦情がサポート対応から漏れました。
日本人が間違えやすいポイント
slip=滑るだけではない
slip throughでは、素早く・気づかれず通り抜ける意味になります。
pastとthroughを混同しない
pastは人や物の横を通過、throughは隙間や群衆の中を通過します。
危険運転を中立的に聞こえさせない
weave through trafficは危険さを伴うことがあるため、安全報告では具体的に描写します。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
難しい動詞を思い出せないときは、go、move、put、turn、make、useなどの基本動詞で、動作を二つに分けます。正確な一語を探して黙るより、見えた順番で説明する方が会話は続きます。
- I went through the small gap.
小さな隙間を通りました。 - I moved past the people one by one.
人の間を一人ずつ通り抜けました。 - There was little space, but I got through.
ほとんど隙間がありませんでしたが、通れました。 - The mistake was not found during the check.
確認中にそのミスは見つかりませんでした。
たとえば「すり抜ける」の専門的な動詞が出なくても、I moved my body. I did it because … のように「動いたこと」と「理由」を分ければ状況を共有できます。必要なら手、足、顔、体の向きも加えましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
関連する英語表現
人や物を「よける」英語表現もあわせて読むと、似た身体動作を場面から選ぶ感覚が身につきます。また、英語の移動表現と「様態・経路」の考え方では、英語が動き方と方向を分けて表す仕組みを詳しく解説しています。
FAQ
最初に覚えるならどの表現ですか?
日常で最も広く使えるのは slip through です。ただし、人や物との間が狭いところを、体を細くして横切る場合は squeeze past が合います。
複数の表現が使える場合はありますか?
あります。同じ動作でも、方向に注目するか、姿勢に注目するか、気持ちに注目するかで選択が変わります。話し手が伝えたい映像に最も近い表現を選びます。
会話中に迷ったらどうすればよいですか?
基本動詞で先に動作を伝え、次の文で理由や結果を説明してください。正確な専門語がなくても、状況は十分伝えられます。
場面を見て「すり抜ける」の英語を選ぶ実践練習
実際の会話では、日本語の見出しを頭に浮かべてから訳す時間はありません。そこで、狭い門、満員電車、人混み、確認漏れという具体的な場面を思い浮かべ、最初に「体がどう動いたか」を短く言う練習をします。次に原因や結果を足すと、単語を一つ忘れても会話を止めずに済みます。
現在・過去・依頼の形で練習する
今している動作なら現在進行形、起きた出来事なら過去形、相手への指示なら命令文やCould you …?を使います。動詞ごとに必要な目的語・前置詞・再帰代名詞を確認し、短い例文全体で音読し、主語だけをI、she、weへ入れ替えてください。
- What happened just before the movement?
その動作の直前に何が起きましたか。 - Which direction did the body move?
体はどの方向へ動きましたか。 - Was the movement intentional or automatic?
その動きは意図的でしたか、それとも反射的でしたか。 - What happened after that?
そのあと、どうなりましたか。
3表現を同じ場面に当てはめて比べる
slip through、squeeze past、weave through は日本語訳が重なる場合があります。しかし、話し手が注目する動きは同じではありません。最初の表現で基本の出来事を言い、二つ目・三つ目へ替えたときに、姿勢、方向、感情、結果のどれが変わるか確認してください。
最後に自分の経験を一つ選び、英語二文で説明します。第一文では動作、第二文では理由か結果を伝えます。I moved first. Then I explained why. のような簡単な骨格でも構いません。自分の生活に近い場面へ置き換えると、「すり抜ける」が知識ではなく会話で使える表現になります。
まとめ
- slip through:小さな隙間や監視の目を、素早く目立たず通り抜ける
- squeeze past:人や物との間が狭いところを、体を細くして横切る
- weave through:人や障害物の間を左右に進路を変えながら縫うように進む
「すり抜ける」は日本語の一語ではなく、場面を分解して英語を選びます。まず slip through を軸にし、squeeze past、weave throughを動きの特徴に合わせて使い分けましょう。










