
「価格を高くする」「音量を低くする」「入口を広くする」「味を濃くする」のように、日本語ではどれも形容詞に「する」を付ければ表せます。しかし英語では、何の程度や範囲を変えるのかによって、raise・lower・turn up・turn down・widen・broaden・expandなどを選び分けます。さらに、単に増減させるのではなく上限や下限へ近づけるなら、maximize・minimizeが候補です。
この記事では、数値・位置・音量・温度・幅・対象範囲・色や味の濃さを横断して整理します。個別の表現を詳しく知りたい場合は、各セクションから専門記事へ進めます。大きな全体像は、親記事の「○○にする」は英語で?make・keep・turn・set・put一覧でも確認できます。
Contents
- 1 先に結論:「高く・低く」ではなく何を変えるかで決める
- 2 raise・increase・turn up:「高くする」の使い分け
- 3 lower・reduce・turn down:「低くする」の使い分け
- 4 widen・broaden・expand:「広くする」の使い分け
- 5 make shallower・reduce the depth:「浅くする」の使い分け
- 6 darken・make stronger・thicken:「濃くする」は対象で変わる
- 7 maximize・minimize:上限・下限へ近づける
- 8 語順とコロケーションで迷わないための型
- 9 この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
- 10 FAQ
- 11 まとめ
先に結論:「高く・低く」ではなく何を変えるかで決める
| 変えるもの | 中心表現 | よく使う組み合わせ |
|---|---|---|
| 価格・数値・基準 | raise / lower / increase / reduce | raise the price, lower the temperature |
| 音量・設定レベル | turn up / turn down | turn up the volume, turn down the heat |
| 物理的な幅・深さ | widen / make wider / make shallower | widen the entrance, make the pool shallower |
| 活動・市場・選択肢の範囲 | broaden / expand | broaden our search, expand the service |
| 色・味・液体の濃さ | darken / make stronger / thicken | darken the color, make the coffee stronger |
| 上限・下限へ近づける | maximize / minimize | maximize efficiency, minimize risk |
しゅみすけ(大山俊輔)
raise・increase・turn up:「高くする」の使い分け
raiseは人が何かを上げる他動詞です。価格・給与・基準・手・位置など、変える対象を直後に置きます。increaseは数量・割合・生産量などを増加させる、少し客観的な表現です。音量や暖房の設定を操作するなら、日常会話ではturn upが自然です。
- We raised the price by ten percent.
私たちは価格を10%高くしました。 - I increased the font size.
私は文字サイズを大きくしました。 - Could you turn up the volume?
音量を上げてもらえますか。
変化量にはby、到達点にはtoを使います。We raised the price by $5.は「5ドル分上げた」、We raised the price to $20.は「20ドルまで上げた」です。詳しくは「高くする」は英語で?raise・increase・turn upの違いをご覧ください。
lower・reduce・turn down:「低くする」の使い分け
lowerは高さ・価格・声・温度・リスクなどを今より低い水準へ動かします。reduceは量や程度を減らすことに焦点があり、費用・時間・排出量などとよく使います。機械のつまみや設定を下げるならturn downです。
- We lowered the price.
私たちは価格を下げました。 - I lowered my voice.
私は声を低くしました。 - Please turn down the heat.
暖房の設定を下げてください。
low the priceとは通常言いません。形容詞lowではなく動詞lowerが必要です。また、音量を下げる場面でreduce the volumeも文法的には正しいものの、操作を頼む会話ではturn the volume downのほうが自然です。詳しくは「低くする」は英語で?lower・reduce・turn downの違いで確認できます。

widen・broaden・expand:「広くする」の使い分け
道路・入口・画面など、左右の物理的な幅を広くするならwidenまたはmake … widerです。知識・視野・検索範囲のような抽象的な幅にはbroadenがよく合います。事業・市場・サービス・チームなど、規模や活動領域を外へ広げるならexpandが自然です。
- We widened the entrance.
私たちは入口を広くしました。 - I want to broaden my knowledge.
私は知識の幅を広げたいです。 - We expanded our service to three cities.
私たちはサービスを3都市へ広げました。
widen our businessよりexpand our businessが自然なのは、事業では物理的な横幅ではなく規模や活動領域が広がるからです。個別の対象別整理は「広くする」は英語で?make wider・broaden・expandの違いにまとめています。
make shallower・reduce the depth:「浅くする」の使い分け
水深・穴・容器など、物理的な深さを浅くするならmake … shallowerが分かりやすい表現です。設計値として深さを減らすならreduce the depthも使えます。一方、会話や関係を「浅くする」は、英語では直訳せず、話題を軽くするならkeep it light、関わりを減らすならhave less contactなど、実際の行動を説明します。
- We made the pool shallower.
私たちはプールを浅くしました。 - We reduced the depth to one meter.
私たちは深さを1メートルにしました。 - Let’s keep the conversation light.
会話は重くなりすぎないようにしましょう。
make our relationship shallowは、関係が中身のないものになったという否定的な響きになりやすいため注意が必要です。詳しくは「浅くする」は英語で?make shallower・reduce the depth・keep it lightの違いをご覧ください。
darken・make stronger・thicken:「濃くする」は対象で変わる
「濃い」は英語で一語に固定できません。色を暗く濃くするならdarken、コーヒーや味を強くするならmake … stronger、スープやソースの粘度を上げるならthickenです。人口や霧の密度ならincrease the densityのように対象を言います。
- I made the blue a little darker.
私は青色を少し濃くしました。 - Could you make my coffee stronger?
コーヒーをもっと濃くしてもらえますか。 - We thickened the sauce.
私たちはソースにとろみを付けました。
対象別の詳しい比較は「濃くする」は英語で?make it stronger・darken・thickenの違いで解説しています。
maximize・minimize:上限・下限へ近づける
maximizeは単に増やすのではなく、効果・利益・機会などを可能な限り大きくする語です。minimizeは損害・危険・遅れなどを可能な限り小さくします。数値を少し上げ下げするだけならraise・lower・increase・reduceで十分であり、最大・最小を目指さない場面でmaximize・minimizeを使うと大げさになることがあります。
- I’ll make the most of this opportunity.
私はこの機会を最大限に生かします。 - We need to minimize the risk.
私たちはリスクを最小限にする必要があります。 - Let’s keep costs to a minimum.
費用を最小限に抑えましょう。
機会や時間を「最大限に生かす」なら、機械的に数値を最大化するmaximizeよりmake the most ofが自然です。対になる記事として、「最大限にする」は英語で?maximize・make the most ofの違いと「最小限にする」は英語で?minimize・keep to a minimumの違いも確認してください。
しゅみすけ(大山俊輔)
語順とコロケーションで迷わないための型
raise・lower・widen・broaden・expand・maximize・minimizeは、基本的に動詞+変える対象の順です。raise the price、broaden our searchのように目的語を具体的にします。turn up / downは句動詞なので、名詞ならturn down the volumeとturn the volume downの両方が可能です。代名詞は間に入れ、turn it downと言います。turn down itにはしません。
- raise prices / standards / awareness:価格・基準・認知度を高める
- lower costs / risk / your voice:費用・リスク・声を低くする
- broaden your horizons / the discussion:視野・議論の範囲を広げる
- expand a business / service / market:事業・サービス・市場を拡大する
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
専用動詞が出てこなければ、make+対象+比較級を使うか、「今の状態」と「希望する状態」を二文に分けます。説明的にはなりますが、難しい一語を探して黙るより確実に伝わります。
- Can you make it higher?
もっと高くできますか。
位置・数値のどちらにも使えるため、対象が明らかな場面向きです。 - Can you make it lower?
もっと低くできますか。 - We need more space here.
ここにはもっと広いスペースが必要です。
widenが出なければ、必要な結果をmore spaceで説明できます。 - I want the coffee to have a stronger taste.
コーヒーの味をもっと強くしたいです。
make the coffee strongerより長いものの、「濃い」が味だと明示できます。 - We want as little risk as possible.
私たちはリスクをできるだけ少なくしたいです。
minimizeより説明的ですが、意味は十分伝わります。
この方法では、専門動詞が持つ簡潔さや仕事上の引き締まった響きは弱くなります。それでも、対象・方向・希望する結果が明確なら会話は成立します。まず基本語で伝え、後から自然な動詞へ置き換えるのが実践的です。
FAQ
raiseとriseの違いは?
raiseは「誰かが何かを上げる」他動詞で、目的語が必要です。We raised the price.と言います。riseは「何かが上がる」自動詞で、The price rose.です。「高くする」と「高くなる」を分けてください。
make it higher / lowerだけでも通じますか?
対象が会話の中で明らかなら通じます。ただし音量ならturn it up / down、価格ならraise / lower the priceのほうが自然で具体的です。itが何を指すか曖昧なら名詞を言い直しましょう。
broadenとexpandの違いは?
broadenは視野・知識・議論などの「幅」を広げる感覚、expandは事業・市場・サービスなどの規模や活動領域を広げる感覚が中心です。両方使える対象もありますが、よく結び付く名詞ごと覚えると自然です。
まとめ
程度・範囲を変える「〜にする」は、日本語の形容詞ではなく何を変えるかで英語を選びます。価格・基準にはraise / lower、数量にはincrease / reduce、設定操作にはturn up / down、物理的な幅にはwiden、抽象的な幅にはbroaden、規模や領域にはexpandが中心です。色・味・粘度の「濃さ」はdarken・make stronger・thickenに分かれます。限界へ近づけるときだけmaximize・minimizeを使いましょう。
表現が出なければmake it higher / lower / widerのような比較級や、more / lessを使った短い説明で十分です。対象と変化の方向を具体的に伝えることが、難しい単語を一語知っていることより大切です。









