
rub salt in the wound は、「傷ついている人をさらに嫌な気持ちにさせる」「つらい状況に追い打ちをかける」という英語イディオムです。
直訳は「傷口に塩をこすり込む」。実際の傷ではなく、失敗、失恋、負け、恥ずかしい出来事などで心が痛んでいる人に、余計な一言や行動を重ねる場面で使います。
in の代わりに rub salt into the wound とも言います。この記事では、2つの前置詞の違い、自然な語順、rub it in や add insult to injury との使い分けまで例文で解説します。
Contents
rub salt in the woundの意味
中心となる意味は、すでにつらい思いをしている人を、言葉や行動でさらに傷つけることです。
Talking about your promotion only rubbed salt in the wound after I lost my job.
私が失業した直後に君の昇進の話をしたことで、余計につらい気持ちになった。
話し手がわざと相手を傷つける場合だけではありません。悪気のない発言でも、結果的に相手の痛みを強くしたなら使えます。
しゅみすけ(大山俊輔)
直訳からニュアンスを理解しよう
rub は「こする」、salt は「塩」、wound は「傷・傷口」です。傷口に塩が入ると痛みが増すイメージから、心の傷や悪い状況にさらに苦痛を加える比喩になっています。

日本語の「傷口に塩を塗る」とかなり近いため、イメージは覚えやすいでしょう。ただし、日本語の「追い打ちをかける」は状況がさらに悪化するだけでも使えますが、この英語表現は特に人の感情的な痛みを強くする場面によく合います。
inとintoはどちらを使う?
次の2つは、どちらも自然です。
- rub salt in the wound
- rub salt into the wound
in は塩が「傷の中にある・入った状態」、into は外から中へ「こすり込む動き」を少し強く感じさせます。ただし、イディオムとしての意味に大きな違いはなく、どちらも「追い打ちをかける」と理解して構いません。
Don’t rub salt in the wound.
傷口に塩を塗るようなことはやめて。/これ以上つらくさせないで。
His joke rubbed salt into the wound.
彼の冗談がさらに追い打ちをかけた。
woundとwounds、どちらが正しい?
定型表現としては単数の the wound がよく使われます。一方で、複数の苦痛や傷を意識して someone’s wounds とすることもあります。
Bringing up the divorce again just rubbed salt in her wounds.
離婚の話をまた持ち出したことで、彼女はさらに傷ついた。
まずは最も基本的な rub salt in the wound を一まとまりで覚えるのがおすすめです。
よく使われる文型と時制
人・発言 + rub(s) salt in the wound
That comment really rubbed salt in the wound.
その発言は本当に追い打ちになった。
Seeing their vacation photos rubs salt in the wound.
彼らの旅行写真を見ると、余計につらくなる。
Don’t rub salt in the wound.
相手に「これ以上言わないで」と止めてもらう定番の形です。
I know I made a mistake. Please don’t rub salt in the wound.
失敗したのは分かっているよ。これ以上追い打ちをかけないで。
to rub salt in the wound
to不定詞 を使って、「さらに悪いことに」「追い打ちをかけるように」と次の出来事を加えられます。
To rub salt in the wound, the store refused to refund the delivery fee.
さらに腹立たしいことに、その店は配送料の返金まで断った。
場面別の自然な例文
仕事
She missed the promotion, and the celebration next to her desk rubbed salt in the wound.
彼女は昇進を逃し、隣の席でのお祝いがさらに追い打ちになった。
The manager compared me with the successful candidate, which rubbed salt in the wound.
上司が私を合格者と比べたので、余計につらくなった。
恋愛・人間関係
Posting photos with his new girlfriend rubbed salt in his ex’s wounds.
新しい恋人との写真を投稿したことが、元恋人をさらに傷つけた。
I didn’t mean to rub salt in the wound by mentioning the wedding.
結婚式の話をして、さらに傷つけるつもりはなかった。
スポーツ・学校
We lost by one point, and their victory dance rubbed salt in the wound.
私たちは1点差で負け、相手の勝利のダンスが追い打ちになった。
Showing everyone my test score only rubbed salt in the wound.
みんなに私のテストの点を見せたことで、余計に恥ずかしい思いをした。
買い物・旅行
The flight was canceled, and the extra hotel charge rubbed salt in the wound.
便が欠航したうえ、追加のホテル代までかかって踏んだり蹴ったりだった。
この例のように、人の発言ではなく、追加の費用や悪い出来事が状況をさらに悪化させる場合にも使えます。
似た表現との違い
rub it in
rub it in は、相手の失敗や自分の勝利を何度も話題にして「これ見よがしに思い知らせる」という口語表現です。
Okay, you won. Don’t rub it in.
分かったよ、君の勝ちだ。もう自慢して追い打ちをかけないで。
rub salt in the wound は、相手の痛みをさらに強くするという比喩が中心です。rub it in は、嫌な事実を繰り返し強調する行為に焦点があります。詳しくはrub it inの意味・使い方で確認できます。
add insult to injury
add insult to injury は、すでに悪い状況に、別の不快なことまで加わる意味です。人の心を傷つける発言に限らず、料金、遅延、故障などにも広く使えます。
The train was late, and to add insult to injury, I had to stand all the way.
電車が遅れ、さらに悪いことに、ずっと立たなければならなかった。
rub salt in the wound は「痛みをもっと痛くする」という感情寄りの表現、add insult to injury は「悪いことに悪いことが重なる」という状況寄りの表現です。詳しくはadd insult to injuryの意味・使い方をご覧ください。
make things worse
make things worse は「状況を悪化させる」という直接的で広い表現です。感情的な比喩はなく、どんな悪化にも使えます。
Arguing now will only make things worse.
今言い争っても状況が悪くなるだけだよ。
日本人が間違えやすいポイント
実際に塩を塗る話ではない
通常は比喩です。料理で塩をすり込むなら rub salt into the meat のように、目的語は食材になります。
saltに冠詞aを付けない
salt はここでは数えない名詞なので、rub a salt とは言いません。
相手がまだ傷ついていない場面には合いにくい
この表現には「すでにある痛み」が必要です。最初から相手を侮辱するだけなら、insult someone や hurt someone’s feelings のほうが直接的です。
しゅみすけ(大山俊輔)
簡単な英語で言い換えるなら
- That made me feel even worse.
それでさらに嫌な気持ちになった。 - Don’t make her feel worse.
彼女をこれ以上つらくさせないで。 - He mentioned my mistake again.
彼は私の失敗をまた持ち出した。 - It made a bad situation worse.
それが悪い状況をさらに悪化させた。
まとめ
rub salt in/into the wound は、すでにつらい相手をさらに傷つける、悪い状況に追い打ちをかけるという表現です。
- 直訳は「傷口に塩をこすり込む」
- in と into はどちらも自然で、意味の差は小さい
- 基本形は単数の the wound
- rub it in は嫌な事実を繰り返し強調する行為に焦点
- add insult to injury は悪い出来事が重なる状況に広く使える
- 簡単に言うなら make someone feel worse
まずは、余計な一言を止めたいときの Don’t rub salt in the wound. から覚えてみましょう。ほかの表現は英熟語・定型表現のまとめから探せます。










