
相手の話をもう少し詳しく聞く、会議のテーマを深く検討する、説明に具体例を加える。このような場面で日本語では「話を掘り下げる」「もう少し深掘りする」と言います。ただし英語では、考えを深める人と、詳しく説明する人と、質問する人を分けて表します。
先に結論を言うと、テーマをさらに深く考えるなら dig deeper、内容を詳しく説明するなら go into more detail、幅広く検討するなら explore the topic、相手の話を追加質問で掘り下げるなら ask follow-up questions が自然です。日本語の「掘る」をそのまま訳すのではなく、誰が何をする場面かで選びましょう。
Contents
「話を掘り下げる」の英語を場面別に整理
| 英語 | 中心の意味 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| dig deeper | 表面で止めず、原因や意味をさらに考える | 議論、調査、問題分析 |
| go into more detail | 説明をより詳しくする | 説明、報告、プレゼン |
| explore the topic | 複数の面からテーマを検討する | 会議、授業、記事、研究 |
| ask follow-up questions | 直前の答えを受けて追加で質問する | 日常会話、面接、取材、接客 |
「私たちはその問題を掘り下げた」なら We dug deeper into the issue.、「彼女にもっと詳しく話してもらった」なら I asked her some follow-up questions. のように、主語の行動が変わります。

dig deeper:原因や意味をさらに深く考える
dig deeper は、表面的な答えで終わらず、背景、理由、問題の根本へ進むイメージです。会話にも仕事にも使えますが、単に説明の文章を長くすることではありません。「なぜ?」「本当の原因は?」と考察を一段深めます。
前置詞と語順
対象を示すときは dig deeper into+テーマ が基本です。dig the topic deeper のように目的語を直接置くより、into を使う方が自然です。
- Let’s dig deeper into why customers are leaving.
顧客が離れている理由を、もう少し掘り下げましょう。 - We need to dig deeper before making a decision.
決める前に、もっと深く検討する必要があります。 - Her question made me dig deeper into my feelings.
彼女の質問をきっかけに、自分の気持ちを掘り下げて考えました。 - The report digs deeper into the causes of the problem.
その報告書は問題の原因をさらに掘り下げています。
dig into にも「詳しく調べる」という意味があります。dig deeper は今より一段深く進む比較の感覚があり、すでに話しているテーマをさらに考える場面に特に向いています。
go into more detail:内容をもっと詳しく説明する
話し手に説明を増やしてほしい、または自分が詳細を説明するなら go into more detail が自然です。ここでの detail は通常、不可算的に more detail とします。details と複数形を使うなら give more details も可能です。
よく使う形
- go into more detail about+話題
- go into detail on/about+話題
- give more details about+話題
- Could you go into more detail about what happened?
何が起きたのか、もう少し詳しく話してもらえますか。 - I’ll go into more detail in the next section.
次のセクションで、さらに詳しく説明します。 - She didn’t want to go into detail.
彼女は詳しい話には入りたくありませんでした。 - Can you give us more details about the schedule?
日程について、もう少し詳しく教えてもらえますか。
相手が個人的な話をしているとき、Why? を繰り返すと詰問のように聞こえることがあります。Could you go into more detail? に if you’re comfortable を添えれば、無理に答えなくてもよい余地を残せます。
しゅみすけ(大山俊輔)
explore the topic:複数の面から幅広く検討する
explore は、テーマの一つの原因だけでなく、可能性、背景、影響、別の見方などを広く検討する語です。授業、会議、研究、記事の案内でよく使われます。dig deeper が縦に深く進む感覚なら、explore は周辺も含めて見て回る感覚です。
- Let’s explore this topic from a different angle.
この話題を別の角度から掘り下げてみましょう。 - The group explored several possible solutions.
グループはいくつかの解決策を掘り下げて検討しました。 - I’d like to explore what trust means in a team.
チームにおける信頼の意味を掘り下げたいと思います。 - We don’t have time to explore the issue fully today.
今日はその問題を十分に掘り下げる時間がありません。
explore about the topic とは通常言いません。explore は他動詞なので explore the topic と目的語を直接置きます。
ask follow-up questions:追加質問で相手の話を掘り下げる
日常会話や面接で相手の答えを受け、「それはいつ?」「どうしてそう思ったの?」「具体例は?」と尋ねるなら ask follow-up questions です。follow-up question は直前の答えにつながる追加質問で、話題を突然変える新しい質問とは異なります。
自然な追加質問
- What happened next?
そのあと、どうなったのですか。 - What made you feel that way?
なぜそう感じたのですか。 - Could you give me an example?
例を挙げてもらえますか。 - What do you mean by “difficult”?
「難しい」とは、どのような意味ですか。 - How did you deal with it?
それにどう対処したのですか。
- The interviewer asked several follow-up questions.
面接官は話を掘り下げる質問をいくつかしました。 - I followed up by asking how she solved the problem.
私は彼女がどう問題を解決したか追加で尋ねました。
follow up on+話題 は「その件をさらに確認する」、follow up with+人 は「その人に後から連絡する」です。会話中の質問なら ask a follow-up question が最も分かりやすい表現です。
日常会話では「教えて」を使うと自然
友人との会話で dig deeper と言うと、分析的に響く場合があります。実際には Tell me more. や What was that like? の方が温かく自然です。
- That sounds interesting. Tell me more.
面白そうですね。もっと聞かせてください。 - How did you get interested in it?
どうしてそれに興味を持ったのですか。 - What was the best part?
一番よかったのはどんなところですか。 - How did that make you feel?
それでどんな気持ちになりましたか。
質問ばかり続けると尋問のようになるため、That happened to me too. のように自分の反応も短く返すと、会話の往復になります。
仕事・会議で話を掘り下げる表現
仕事では、何を深く確認したいかを具体的に示します。「もっと詳しく」だけでなく、原因、影響、数字、例、次の行動など焦点を添えると答えやすくなります。
- Could you elaborate on the main risk?
主なリスクについて、もう少し詳しく説明していただけますか。 - Let’s dig deeper into the customer feedback.
顧客の反応をさらに掘り下げましょう。 - Can we explore the long-term impact?
長期的な影響を掘り下げて検討できますか。 - Could you walk us through a specific example?
具体例を一つ、順を追って説明していただけますか。 - I have one follow-up question about the budget.
予算について追加で一つ質問があります。
elaborate は「説明を詳しくする」というややフォーマルな語です。elaborate about より elaborate on+話題 が一般的です。初心者は Can you tell me more about …? で十分丁寧に言えます。
似た表現との違い
look into:調査する
look into は問題や依頼を調べることです。会話そのものを深めるというより、事実を確認して後で答える場面に向きます。
- I’ll look into the issue and get back to you.
その問題を調べて、改めてご連絡します。
probe:慎重に追及する
probe は原因や情報を詳しく探る語ですが、質問の仕方によっては踏み込んで追及する響きがあります。警察、医療、調査、報道などで使われやすく、友人との軽い会話では硬めです。
go into:詳しく扱う
go into は「中へ入る」から、話題の詳細へ入る意味になります。英語起点で構造を確認したい方はgo intoの意味と使い方も参考になります。
日本人が間違えやすいポイント
- dig the story deeply と直訳しない。通常は dig deeper into the story とします。
- explore about the topic としない。explore the topic と直接目的語を置きます。
- explain me more としない。explain more to me または tell me more とします。
- detail の形に注意する。go into more detail または give more details が自然です。
- 個人的な話を無理に掘り下げない。If you don’t mind me asking や if you’re comfortable で配慮を示せます。
しゅみすけ(大山俊輔)
難しい表現が出ないときの「しゅみすけ式」
「掘り下げる」に対応する動詞を思い出そうとせず、知りたいことを短い質問に分解します。
- Tell me more. で続きを促す
- When / Why / How で焦点を一つ選ぶ
- example や reason などの基本名詞で具体化する
- Can you tell me more about that?
それについて、もう少し教えてもらえますか。 - Why do you think so?
どうしてそう思うのですか。 - What happened after that?
そのあと何が起きたのですか。 - Can you give me one example?
例を一つ挙げてもらえますか。 - I want to understand the reason. Can you explain it?
理由を理解したいです。説明してもらえますか。
最後のように「理解したい」「説明してもらえる?」と二文にすれば、dig deeper や elaborate を使わず、目的と依頼を明確に伝えられます。
短い会話で確認しよう
A: Customer satisfaction dropped last month.
先月、顧客満足度が下がりました。
B: Let’s dig deeper. Do we know which customers were affected?
掘り下げてみましょう。どの顧客に影響があったか分かりますか。
A: Mostly new customers.
主に新規顧客です。
B: Could you go into more detail about their feedback?
その方々の意見について、もう少し詳しく説明してもらえますか。
よくある疑問
dig deeperは日常会話でも使える?
使えます。ただし、原因や気持ちを真剣に考える響きがあります。旅行や趣味の話をもっと聞きたいだけなら Tell me more. の方が自然です。
「詳しく教えて」はPlease explain in detail.でよい?
文法的には可能ですが、命令に近く硬めです。Could you tell me a little more about …? の方が会話では柔らかく聞こえます。
follow-upはハイフンが必要?
名詞を前から修飾する形容詞としては a follow-up question とハイフンを入れるのが一般的です。動詞なら I’ll follow up tomorrow. のように二語で書きます。
まとめ
「話を掘り下げる」は、原因や意味を深く考える dig deeper、説明を詳しくする go into more detail、幅広く検討する explore the topic、追加質問をする ask follow-up questions に分けると自然です。
日常会話なら Tell me more.、What happened next?、Can you give me an example? のような短い質問で十分です。誰が、何を、どの方向へ深めるのかを考えれば、場面に合う英語を選びやすくなります。会話で相手から詳しい内容を引き出す表現は、「話を聞き出す」の英語表現、関連する会話表現全体は人間関係で使う英語表現一覧も参考にしてください。










