「繰り下げる」は英語で?push back・move down・postponeの違いと使い分け

繰り下げるを英語で表す主要表現の使い分け

「繰り下げる」は、英語では対象と場面によって動詞が変わります。日程や締め切りを後ろへ動かすとき、いつも同じ一語を当てはめると、意味は通じても不自然になりがちです。

日程を後ろへ動かすなら push back が最も会話的です。順番・順位を下げるなら move down、実施そのものを延期するなら postpone を使います。

この記事では、日常会話・仕事・家庭で迷いやすい違いを、目的語、前置詞、語順、自然な例文と一緒に整理します。

「繰り下げる」の英語表現を先に整理

表現 中心イメージ 基本の形
push back 会議・締め切りを後ろへずらす push back the meeting until Friday
move down 順番・順位・一覧上の位置を下げる move the item down the list
postpone 予定していた実施を延期する postpone the launch until May

日本語の「繰り下げる」は結果をまとめて表せますが、英語は「何を」「どんな状態へ」動かすのかを具体的に言う傾向があります。まず目的語を決め、それから動詞を選ぶと迷いにくくなります。

しゅみすけ(大山俊輔)

日本語を一語ずつ英訳するのではなく、目の前で何が動き、どう変わるのかを短い英語にすると自然です。

場面別:自然な言い方

  • 会議を午後へ繰り下げる
    push the meeting back to the afternoon
  • 締め切りを金曜まで繰り下げる
    push the deadline back to Friday
  • 順位を一つ繰り下げる
    move it down one place
  • 発表を翌月へ繰り下げる
    postpone the announcement until next month
  • 予約時間を遅くする
    move the reservation to a later time
  • 開始を30分遅らせる
    start thirty minutes later

繰り下げるの英語表現の場面別比較

push back:最も基本になる表現

push back は「会議・締め切りを後ろへずらす」ときに使います。基本語順は push back the meeting until Friday。目的語を省けるのは、何を指すか会話ですでに明らかな場合です。

仕事では対象と変更後の状態を明示すると、誤解を防げます。日常会話では目的語を代名詞にして短く言うこともできます。前置詞や副詞は飾りではなく、移動先・範囲・方向を示す大切な情報です。

move down:別の焦点を表す

move down は「順番・順位・一覧上の位置を下げる」場面に合います。push back と似ていても、話し手が注目しているのは動作の方法ではなく、位置・順番・結果です。基本形は move the item down the list です。

メールでは主語・対象・時点を省かず、会話では Can you …? や I’ll … の形にすると自然です。命令形は便利ですが、相手への依頼なら please だけに頼らず Could you …? を使うと柔らかくなります。

postpone:意味を限定して使う

postpone は「予定していた実施を延期する」ときの表現です。基本形は postpone the launch until May。似た日本語訳でも、対象や結果が違えば置き換えられません。

フォーマルな文書では具体的な動詞を選び、日常会話では短い基本動詞に分けるのが安全です。英語では一つの難しい動詞より、動作と結果を二文で伝える方が明確なこともあります。

自動詞・他動詞と目的語の置き方

今回の主要表現は、多くの場合「人が何かを繰り下げる」という他動詞の形で使います。つまり動詞の直後に目的語が必要です。一方、対象が自然に変化したことを言う場合は、主語を対象に変えるか受け身にします。

能動態では “I + 動詞 + 目的語”、受け身では “目的語 + be + 過去分詞” が基本です。誰がしたかより結果が重要な業務連絡では受け身が役立ちます。ただし会話で受け身を重ねると硬くなるため、I / we を主語にして言い切る方が自然です。

日常会話と仕事での違い

日常会話では短さと分かりやすさが優先されます。Can you …?、I’ll …、Let’s … の後ろに基本表現を置けば十分です。仕事では、対象、変更量、期限、理由を加えます。たとえば「変更しました」だけでなく、何をいつへ動かしたかまで書くと実務的です。

カジュアルな表現が失礼というわけではありません。必要な情報がそろっているかが大切です。フォーマルにしようとして難しい語を選び、前置詞や目的語を落とす方が誤解につながります。

自然な例文

1. Push the meeting back to the afternoon.
会議を午後へ繰り下げる。

2. Push the deadline back to Friday.
締め切りを金曜まで繰り下げる。

3. Move it down one place.
順位を一つ繰り下げる。

4. Postpone the announcement until next month.
発表を翌月へ繰り下げる。

5. Move the reservation to a later time.
予約時間を遅くする。

6. Start thirty minutes later.
開始を30分遅らせる。

Could you push back the meeting until Friday?
push back the meeting until Fridayしていただけますか。

I’ll move the item down the list and let you know.
move the item down the listして、ご連絡します。

そのまま使える会話の型

家庭・暮らし

A: Could you help me with this?
これを手伝ってもらえる?
B: Sure. I’ll push back the meeting until Friday.
もちろん。繰り下げるね。

買い物・外出

A: Is it possible to move the item down the list?
繰り下げることはできますか。
B: Yes, let me check.
はい、確認します。

仕事の連絡

A: We need to postpone the launch until May.
繰り下げる必要があります。
B: I’ll update the details and share them with the team.
詳細を更新してチームに共有します。

会話では、最初から長い説明を作る必要はありません。依頼・返答・追加情報の三つに分けると、語順が安定します。相手が対象を分かっていれば it を使い、初めて出す対象なら具体的な名詞を置きます。旅行先や店頭では、指さしながら this / that を使っても十分です。

語順を身につける練習

まず「I / we + 動詞 + 目的語」の骨組みを作ります。次に、場所・時点・量を文末へ足してください。たとえば “I’ll push back the meeting until Friday” を言ってから、today、for ten minutes、to the next step など必要な情報だけを加えます。日本語の順番を保ったまま単語を置くより、短い骨組みから広げる方が自然です。

否定文は don’t / didn’t の後ろを原形にし、依頼は Could you + 原形、完了した結果は have + 過去分詞または受け身で表せます。同じ目的語を使い、現在形・過去形・依頼文の三種類を声に出すと、実際の会話で取り出しやすくなります。

迷ったときの選び方

最初に名詞を見ます。今回なら、例として 会議順位 のように、何を繰り下げるのかを一つ決めます。次に、単なる動作なのか、位置や順番の変化なのか、最終的な結果なのかを選びます。この二段階だけで、候補はかなり絞れます。

辞書で最初に出た英単語が、すべての目的語に使えるとは限りません。覚えるときは「繰り下げる=単語」ではなく、push back the meeting until Friday のような短いかたまりにします。自分の生活で使う名詞へ入れ替え、声に出して一文ずつ作ると定着しやすくなります。

日本人が間違えやすいポイント

  • × push back Friday
    ○ push it back to Friday / until Friday
  • × postpone to Friday
    ○ postpone it until Friday
  • × move down the meeting
    ○ 日程ならpush backの方が自然

前置詞は日本語の「に」「から」と一対一で決まりません。英語表現全体を一つの型として覚え、目的語だけを入れ替えて練習しましょう。また、re- が付く語は「もう一度」の意味を含むことが多いため、againとの重複にも注意します。

しゅみすけ式:難しい動詞が出てこないとき

専門的な動詞を思い出せなくても、動作の前後を説明すれば伝わります。

  • We changed it to a later time.
  • It will happen next week instead.

一文で完璧に言おうとせず、「今はこうです」「こう変えてください」と二つに分けるのも有効です。make、put、go、take、do などの基本動詞と、later、again、on top、in the middle のような短い語を組み合わせれば、会話を止めずに説明できます。

しゅみすけ(大山俊輔)

難しい単語が出てこないときは、まず結果を言ってください。そのあと理由や動作を足せば、十分伝わります。

関連表現

move up(日程を前倒しする)の使い方も合わせて読むと、反対方向の動作や近い場面との違いを整理できます。

よくある質問

一番無難な表現はどれですか?

対象を具体的にして、表の最初の表現を使うのが基本です。ただし、順番・位置・結果が焦点なら二つ目以降が自然です。

仕事のメールでも使えますか?

使えます。目的語、期限、変更後の状態を明示し、依頼では Could you …?、提案では We suggest … などを添えてください。

前置詞を間違えそうなときは?

前置詞を避けられる簡単な二文にします。We changed it to a later time. のように結果を先に言うと安全です。

まとめ

「繰り下げる」は、対象と結果によって push back、move down、postpone を使い分けます。まず「何をどう変えるか」を決め、動詞・目的語・前置詞を一つの型で覚えましょう。難しい語が出ないときは、基本動詞で結果を説明すれば会話は続けられます。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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