
「大雨」を英語にするとき、strong rain ではなく heavy rain と言います。「決断する」は do a decision ではなく make a decision。単語の意味や文法は間違っていないのに、英語として不自然に聞こえる原因の一つがコロケーション(collocation)です。
コロケーションとは、英語で自然によく使われる「単語どうしの組み合わせ」のこと。単語を一つずつ日本語訳で覚えるのではなく、相性のよい語とセットで覚えると、話すときに迷いにくくなります。この記事では、コロケーションの意味、種類、チャンクやイディオムとの違い、覚え方を具体的な例文で解説します。
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英語のコロケーションとは?
collocation は、2語以上の単語が慣習的によく一緒に使われる組み合わせを指します。日本語でも「薬を飲む」「写真を撮る」「深い眠り」のように、自然に選ばれる語の相棒があります。英語も同じです。
- take medicine:薬を飲む
- take a photo:写真を撮る
- deep sleep:深い眠り
- fast food:ファストフード
- make progress:進歩する
別の語を使っても文法的に成立する場合はありますが、英語話者が繰り返し選んできた組み合わせには偏りがあります。コロケーションを学ぶ目的は、ルールを丸暗記することではなく、実際によく選ばれる語のまとまりをそのまま使えるようにすることです。
しゅみすけ:単語は一人で仕事してへんねん。「どの単語と一緒に出てくるか」まで分かって、初めて会話で動かしやすくなるで。
なぜコロケーションを覚えると英語が自然になる?
日本語から1語ずつ翻訳しなくてよくなる
「決断=decision」「する=do」と別々に変換すると、do a decision と作りたくなります。しかし、make a decision を一つのまとまりとして覚えていれば、動詞選びで止まりません。頭の中で日本語を分解してから再構築する工程が減ります。
話す速度が上がる
会話では、単語を一語ずつ組み立てる時間がありません。I think、take a break、have a good time のような既製のまとまりを持っていると、骨格に差し込むだけで文を伸ばせます。
I think + we should take a break.
私は思う + 少し休んだほうがいい。
このように、英語学習は骨格+固まり(チャンク・コロケーション)+拡張で考えると整理しやすくなります。
リスニングでもまとまりが聞こえやすくなる
make sure や take care of をまとまりとして知っていると、音声を一語ずつ解読せずに意味を受け取れます。自分が使えるコロケーションは、聞いたときにも認識しやすくなります。
英語コロケーションの主な種類

1.動詞+名詞
| コロケーション | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| make a decision | 決断する | We need to make a decision today. |
| take a break | 休憩する | Let’s take a short break. |
| have a conversation | 会話する | We had a long conversation. |
| pay attention | 注意を払う | Please pay attention to the signs. |
| catch a cold | 風邪をひく | I caught a cold last week. |
日本語の「する」に引っ張られると do を使いたくなりますが、英語では名詞ごとに相性のよい基本動詞が変わります。特に make・do・take・have・get は、名詞との組み合わせで覚えるのが効果的です。
2.形容詞+名詞
| コロケーション | 意味 | 不自然になりやすい例 |
|---|---|---|
| heavy rain | 大雨・激しい雨 | strong rain |
| strong wind | 強風 | heavy wind |
| deep sleep | 深い眠り | heavy sleep |
| high price | 高い価格 | tall price |
| great opportunity | すばらしい機会 | big opportunity(使えるが意味合いが異なる) |
日本語では同じ「強い」「大きい」「高い」と訳せても、英語では後ろの名詞によって形容詞が変わります。訳語ではなく、heavy rain、strong wind と名詞まで含めて記憶しましょう。
3.副詞+形容詞
- deeply disappointed:ひどく失望して
- highly successful:非常に成功した
- fully aware:十分に承知して
- closely related:密接に関連した
- perfectly clear:完全に明らかな
very は便利ですが、いつも very だけに頼ると表現が平らになります。形容詞とよく結びつく副詞を知ると、程度やニュアンスを自然に伝えられます。
4.名詞+名詞
- traffic jam:交通渋滞
- language barrier:言葉の壁
- job interview:就職面接
- customer service:顧客対応
- coffee shop:コーヒーショップ
名詞+名詞は複合語と重なる領域です。二つの語が一つの名称として強く固まれば、ハイフンや一語表記になることもあります。詳しくは英語の複合語(compound words)も参考にしてください。
5.動詞+副詞/副詞+動詞
- apologize sincerely:心から謝る
- strongly recommend:強く勧める
- completely understand:完全に理解する
- increase significantly:大幅に増える
6.前置詞を含む組み合わせ
- interested in:〜に興味がある
- good at:〜が得意である
- responsible for:〜に責任がある
- depend on:〜に依存する、〜次第である
- reason for:〜の理由
前置詞は日本語訳から予測しにくいため、単語に付属する情報として覚えます。interested だけでなく be interested in + 名詞/動名詞 という型で保存するのがコツです。
コロケーション・チャンク・イディオムの違い
| 用語 | 中心となる考え方 | 例 |
|---|---|---|
| コロケーション | 自然によく一緒に使われる語の組み合わせ | heavy rain / make a decision |
| チャンク | 会話でひとまとまりとして処理・使用する表現 | I think / Would you like to …? |
| イディオム | 単語の直訳だけでは全体の意味を予測しにくい定型表現 | break the ice / hit the nail on the head |
| 句動詞 | 動詞+副詞・前置詞で一つの意味を作る表現 | give up / look after |
境界は完全に分かれるわけではありません。take care はよく使われる組み合わせなのでコロケーションとしても、まとまりで使うチャンクとしても扱えます。大切なのは分類名を当てることより、一語ずつ組み立てずに使えるまとまりを増やすことです。
日本人が間違えやすいコロケーション10選
| 自然な英語 | 意味 | 避けたい直訳 |
|---|---|---|
| make a mistake | 間違える | do a mistake |
| do homework | 宿題をする | make homework |
| take medicine | 薬を飲む | drink medicine |
| take a shower | シャワーを浴びる | enter a shower |
| have breakfast | 朝食を食べる | eat breakfast(使用可能だがhaveが定番) |
| catch a train | 電車に間に合って乗る | ride a train(乗車する意味では使用可能) |
| tell the truth | 本当のことを言う | say the truth |
| keep a promise | 約束を守る | protect a promise |
| spend time | 時間を過ごす | use time |
| save time | 時間を節約する | cut time |
「避けたい直訳」の中にも、別の文脈なら成立する表現があります。たとえば ride a train は電車に乗って移動することを表せますが、「予定の電車に間に合う」なら catch a train が自然です。コロケーションは○×だけでなく、文脈と一緒に確認しましょう。
コロケーションの調べ方
学習者向け辞書の例文を見る
英英辞典や学習者向け辞書では、見出し語の意味だけでなく、太字の用例や語法欄に典型的な組み合わせが載っています。名詞を調べたら「前に来る動詞・形容詞」、動詞を調べたら「後ろに来る名詞・前置詞」に注目します。
コーパスで実際の用例を比べる
heavy rain と strong rain の件数や文脈を比較すると、どちらが一般的かを確認できます。最初の一例だけで決めず、複数の実例を見て、会話・新聞・学術など目的に近いジャンルへ絞るのがポイントです。検索方法は英語コーパスとは?辞書との違い・使い方で詳しく解説しています。
検索エンジンは補助として使う
引用符で囲み、“make a decision” のように検索すれば実例を探せます。ただし、検索件数は厳密な言語頻度ではなく、重複ページや誤用も含みます。最終確認は辞書やコーパスを優先しましょう。
覚え方|単語帳を「相棒つき」に変える
1.新しい単語には最低3つの相棒をつける
decision を覚えるなら、意味を「決定」とだけ書かず、次のように記録します。
- make a decision
- an important decision
- a difficult decision
- change a decision
2.自分が使う一文にする
I made an important decision last year.
私は昨年、大切な決断をしました。
自分の仕事、趣味、旅行、家族などに結びつけた例文は記憶に残りやすく、会話でも再利用できます。
3.音でひとかたまりにする
例文を聞き、音読し、書き写します。make / a / decision と区切らず、make-a-decision のような一続きのリズムで練習すると、会話で取り出しやすくなります。
4.似た組み合わせを対比する
make a mistake と do homework、heavy rain と strong wind のように、間違えやすい組を並べます。「なぜ?」を完全に説明できなくても、対比した形は記憶に残ります。
5.一度に増やしすぎない
毎日一つの中心語を選び、相棒を3つ覚えるだけで十分です。1か月なら約90個の自然な組み合わせになります。単語数を競うより、実際に口から出せるまとまりを増やしましょう。
しゅみすけ:単語帳の右側に日本語訳だけやなく、「一緒に使う単語」を3つ足す。これだけで、暗記帳が会話の部品棚に変わるで。
初心者は基本動詞のコロケーションから始めよう
難しい単語を増やす前に、make・do・take・have・get・give・go などの基本動詞と名詞の組み合わせを優先するのがおすすめです。
- make:make a plan / make a change / make money
- do:do homework / do the dishes / do your best
- take:take a break / take a chance / take responsibility
- have:have lunch / have a problem / have fun
- get:get ready / get permission / get a job
これらは中学英語レベルの動詞ですが、相棒を変えるだけで多くの意味を作れます。知らない難語を一語で言おうとせず、基本動詞+名詞の組み合わせに分解する力は、初心者が会話を乗り切るうえでも強力です。
まとめ|単語ではなく「自然な組み合わせ」で覚えよう
コロケーションは、英語で自然によく使われる単語どうしの組み合わせです。heavy rain、make a decision、take a break のように、訳語だけでは予測しにくい相性があります。
新しい単語を覚えるときは、意味・発音・品詞に加えて「一緒に使う語」を3つ記録する。辞書で意味を確認し、コーパスで実例を見て、自分の一文を音読する。この流れを繰り返せば、単語知識が実際に使える英語へ変わっていきます。
英語の文字・単語・語源・語彙学習を全体から整理したい方は、「英語の文字・単語」総合ガイドもご覧ください。
参考資料
- Oxford Collocations Dictionary for Students of English.
- McCarthy, Michael & O’Dell, Felicity. English Collocations in Use.
- Sinclair, John. Corpus, Concordance, Collocation.
- Lewis, Michael. The Lexical Approach.
コロケーションをさらに会話で使える固まりへ広げる方法は、英語のチャンクとは?意味・効果・練習法をご覧ください。
コロケーションを単語学習へ組み込み、会話で取り出せる語彙へ変える手順は、英単語の効果的な覚え方で詳しく解説しています。









