
hush-hush(ハッシュ・ハッシュ)は、「内々の」「極秘の」「秘密めいた」という意味の、ややくだけた英語表現です。単に誰にも知られていないだけでなく、「関係者が意図的に口を閉ざしている」「なぜか詳しく話してもらえない」という空気を含みます。
たとえば、まだ発表できない新企画、家族だけで進めている計画、周囲には伏せている交際などについて、It’s all very hush-hush. と言えます。本記事では、hush-hushの意味がなぜ「秘密の」になるのか、自然な語順、日常・仕事での使い方、secret・confidential・under wrapsとの違いまで、独自例文で分かりやすく解説します。
Contents
hush-hushの意味を最初に確認
hush-hushの中心的な意味は、次の3つです。
- 内々の、秘密の
- 周囲に知られないようにしている
- 詳しい事情が意図的に伏せられている
品詞としては主に形容詞として働き、a hush-hush meeting(内密の会議)のように名詞の前へ置いたり、The project is hush-hush.(その企画は極秘です)のようにbe動詞の後ろへ置いたりします。
例:
The talks are still hush-hush.
その協議はまだ内密に進められています。
例:
They had a hush-hush wedding overseas.
二人は海外で人知れず結婚式を挙げました。
「国家機密」のような非常に堅い言葉とは限りません。友人同士の恋愛話から、会社の未発表案件まで使えます。ただし、話し手が「みんな口をつぐんでいる」「何か秘密めいている」と感じているため、少し詮索するような響きや、面白がるような響きが加わる場合があります。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜhushを2回重ねると「秘密の」になる?
Hush! は、人に静かにするよう求める「しっ」「静かに」という呼びかけです。動詞のhushには「静かにさせる」「黙らせる」という意味もあります。そこからhush-hushは、いわば「しっ、しっ。これは話さないで」という状態を音のイメージで表した言葉です。
同じ語を繰り返すことで、内密さや口止めの雰囲気が強調されています。直訳をそのまま日本語にする必要はありませんが、「静かに、誰にも言わないで」という場面を思い浮かべると意味を覚えやすくなります。
なお、通常はハイフンを入れてhush-hushと書きます。発音は日本語の「ハッシュ・ハッシュ」に近く、両方のhushを短く区切って言います。
hush-hushの自然な語順と文型
1.be動詞+hush-hush
会話で特に使いやすいのが、be hush-hushの形です。
The whole thing is hush-hush.
その件はすべて内密になっています。
Why is everyone being so hush-hush about the announcement?
どうしてみんな、その発表についてそんなに口を閉ざしているの?
be being hush-hushと進行形にすると、「今、秘密主義的な態度を取っている」という一時的な振る舞いを表せます。人を主語にする場合は、その人が情報を隠しているというニュアンスになります。
2.hush-hush+名詞
名詞の前では「内密の〜」「極秘の〜」という意味になります。
We had a hush-hush meeting after work.
私たちは仕事の後、内密の打ち合わせをしました。
She is involved in a hush-hush project.
彼女は極秘プロジェクトに関わっています。
It started as a hush-hush relationship.
二人の関係は、最初は周囲に秘密の交際として始まりました。
meeting、project、deal、plan、relationship、operationなど、情報を伏せて進める可能性のある名詞と相性のよい表現です。
3.keep something hush-hush
keep+目的語+hush-hushで「〜を内密にしておく」と言えます。
Let’s keep this hush-hush until Friday.
金曜日までは、このことを内密にしておきましょう。
They tried to keep the deal hush-hush.
彼らはその取引を秘密にしておこうとしました。
この形では「何を秘密にするか」が明確です。命令・提案のKeep it hush-hush.は「これは誰にも言わないで」という、くだけた口止めとして使えます。
日常会話でのhush-hushの例文
恋愛・人間関係
A: Are Mia and Ben dating?
ミアとベンは付き合っているの?
B: Maybe. They’ve been very hush-hush about it.
たぶんね。二人ともそのことをずっと秘密にしているんだ。
「事実を知らないが、当人たちが口を閉ざしている」という場面にぴったりです。確証がないうわさ話では、断定しすぎないようmaybeやseemと組み合わせると自然です。
We kept our engagement hush-hush for a few weeks.
私たちは数週間、婚約を内緒にしていました。
Her birthday plan is hush-hush, so don’t mention the restaurant.
彼女の誕生日計画は秘密だから、レストランのことは口にしないでね。
家庭・暮らし
The children are being hush-hush about something in the garage.
子どもたちはガレージの何かについて、妙に秘密めいた態度を取っています。
Dad’s retirement party is still hush-hush.
父の退職祝いのパーティーは、まだ本人には秘密です。
サプライズのような明るい秘密にも使えます。ただし、何か怪しいことを隠していると感じる文脈では、疑いのニュアンスにもなります。
海外旅行・買い物
The hotel staff were hush-hush about the celebrity guest.
ホテルのスタッフは、その有名人の宿泊について口を閉ざしていました。
The designer is planning a hush-hush pop-up event in Paris.
そのデザイナーはパリで秘密のポップアップイベントを計画しています。
仕事で使うときのニュアンスと注意点
職場では、未発表の製品、買収、人事、提携などについて使われます。
The new product has been kept hush-hush for months.
新製品は何か月も極秘にされてきました。
There’s a hush-hush discussion about moving the office.
オフィス移転について内々の話し合いがあります。
I heard there’s a hush-hush deal with a major retailer.
大手小売企業との秘密の取引があると聞きました。
ただし、hush-hushは口語的で、少しゴシップめいた響きを持つ場合があります。契約書、社内規程、正式な注意書きで「機密情報」と言うなら、confidential informationのほうが適切です。
上司や取引先へ正式に「この情報は機密です」と伝える場面では、次のように言えます。
This information is confidential.
この情報は機密扱いです。
Please do not share this outside the team.
この情報はチーム外に共有しないでください。
It’s hush-hush.は自然ですが、情報管理上の明確な指示にはなりません。誰に、いつまで、どこまで共有してよいかを示す必要がある仕事では、直接的な文を選びましょう。

secret・confidential・under wrapsとの違い
hush-hush:内々で秘密めいている
hush-hushは、周囲が意図的に話さない様子や、内密に進んでいる雰囲気に焦点があります。日常会話やくだけた仕事の会話に向いています。
Everything about the launch is hush-hush.
発売に関することは何もかも秘密めいています。
secret:最も広く使える「秘密」
secretは人に知られていない情報・計画・場所などを広く表せます。hush-hushより中立的です。
We’re planning a secret party for June.
私たちはジューンのために秘密のパーティーを計画しています。
a secretなら名詞として「秘密」そのものも指せます。一方、hush-hushは通常、名詞ではなく形容詞的に使います。
confidential:正式な「機密の」
confidentialは、仕事・法律・医療などで、閲覧や共有が制限された情報を表す正式な語です。
Your medical records are confidential.
あなたの医療記録は機密情報です。
「みんながこそこそ隠している」という空気ではなく、取り扱い上のルールや信頼関係を示します。
under wraps:発表せず隠しておく
under wrapsは、計画や製品などを「未公表のままにする」という結果・管理状態に焦点があります。詳しくはunder wrapsの意味・使い方の記事で解説しています。
The company kept the design under wraps until the event.
会社はイベントまでそのデザインを公表しませんでした。
hush-hushは秘密主義的な雰囲気、under wrapsは情報が外に出ないよう管理された状態を表しやすい、という違いがあります。
日本人が間違えやすいポイント
hush-hushを名詞として使わない
「これは秘密です」を直訳して、This is a hush-hush.とは通常言いません。次のように言います。
○ This is hush-hush.
これは内密です。
○ This is a secret.
これは秘密です。
× This is a hush-hush.
何でも「重大な極秘事項」と受け取らない
辞書では「極秘の」と訳されることがありますが、実際には誕生日会や交際など、身近な秘密にも使われます。深刻さはhush-hush自体ではなく、文脈で決まります。
正式な機密表示には使わない
書類に「社外秘」と表示するなら、CONFIDENTIALやINTERNAL USE ONLYなどが一般的です。hush-hushは会話的な表現なので、正式な分類ラベルには向きません。
相手を責める響きに注意する
Why are you being so hush-hush?は「どうしてそんなに隠すの?」という詮索・疑いに聞こえることがあります。柔らかく尋ねたいなら、次のように前置きを加えます。
If you can share, what is the project about?
話せる範囲で、そのプロジェクトはどのようなものですか。
でてこない時の「しゅみすけ式」簡単英語
hush-hushがすぐに出てこなくても、言いたい内容を直接伝えれば大丈夫です。
- It’s a secret.
それは秘密です。 - Please don’t tell anyone.
誰にも言わないでください。 - We can’t talk about it yet.
それについてはまだ話せません。 - They are keeping it private.
彼らはそれを公にしないでいます。 - It hasn’t been announced yet.
それはまだ発表されていません。
大切なのは、難しいイディオムを思い出すことではなく、「秘密なのか」「まだ話せないのか」「未発表なのか」を短い英語で分けることです。
しゅみすけ(大山俊輔)
hush-hushを使った短い会話
A: What’s the meeting about?
その会議は何についてなの?
B: I’m not sure. It’s all very hush-hush.
よく分からないんだ。何もかも内密にされているよ。
A: Can I tell Emma about the surprise?
サプライズのことをエマに話してもいい?
B: Not yet. Let’s keep it hush-hush until Saturday.
まだだめ。土曜日までは秘密にしておこう。
A: Is the company opening a new office?
会社は新しいオフィスを開くの?
B: That’s the rumor, but management is being hush-hush.
そういううわさだけど、経営陣は口を閉ざしているよ。
まとめ
hush-hushは「内々の・秘密の・秘密めいた」という意味の口語的な形容詞です。Hush!(しっ、静かに)を繰り返した形から、「関係者が口を閉ざし、詳しいことを表に出さない」という空気を伝えます。
- The project is hush-hush.:その企画は極秘です
- a hush-hush meeting:内密の会議
- keep it hush-hush:それを秘密にしておく
- secretより秘密めいた態度・雰囲気が出やすい
- confidentialほど正式な情報管理用語ではない
- under wrapsは未公表に保つ状態を強調する
まずは使いやすいLet’s keep it hush-hush.を一文で覚えてみましょう。hush-hushが出てこないときは、Please don’t tell anyone.と言えば、同じ目的を簡単な英語で達成できます。
ほかの表現もまとめて学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧もご覧ください。










