
日本語では「合法にする」「必須にする」「会員限定にする」「非公開にする」のように、どれも「○○にする」で表せます。しかし英語では、法律上の扱いを変えるのか、参加条件を決めるのか、対象範囲を絞るのか、閲覧できる人を変えるのかによって、自然な動詞が大きく変わります。
たとえば make it legal は「それを合法な状態にする」、require it は「それを要件として求める」、limit it to members は「対象を会員に絞る」、make it private は「閲覧範囲を非公開にする」です。日本語の「にする」だけを見て make を当てはめるのではなく、何のルールをどう変えるかを先に考えるのがポイントです。
この記事では、制度・規則・公開範囲に関する「○○にする」を横断して整理します。個々の表現を詳しく確認したい場合は、各専門記事もあわせてご覧ください。
Contents
- 1 先に結論:変える対象を4つに分ける
- 2 合法・違法にする:legalize・make legal・outlaw・ban
- 3 正式にする:make official・formalize・finalize
- 4 必須・任意にする:require・make mandatory・make optional
- 5 対象を限定する:limit A to B・restrict A to B
- 6 公開・非公開にする:make public/private・publish・unpublish
- 7 語順とコロケーションで注意すること
- 8 この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
- 9 よくある間違い
- 10 FAQ
- 11 関連記事
- 12 まとめ
先に結論:変える対象を4つに分ける
| 変えるもの | 中心となる英語 | 基本の意味 | 短い例 |
|---|---|---|---|
| 法律上の扱い | legalize / outlaw / ban | 合法化・違法化する | They legalized it. |
| 必須か任意か | require / make optional | 要件にする・選択制にする | We made it optional. |
| 対象・範囲 | limit / restrict | 対象を限定する | We limited it to members. |
| 公開・閲覧状態 | make public/private / unpublish | 見られる状態を変える | I made the file private. |
同じ「制度を変える」でも、英語は変化後の形だけでなく、変更という行為の種類まで動詞に含めます。法律なら legalize、要件なら require、範囲なら limit、設定なら make private というように、目的語と場面に合う組み合わせで覚えると自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
合法・違法にする:legalize・make legal・outlaw・ban
legalize は、法律や規則を変更して、以前は禁止・未承認だった行為を合法化する動詞です。目的語には行為、商品、制度などを直接置けます。
- The country legalized online betting.
その国はオンライン賭博を合法化しました。 - We need to make this process legal.
この手続きを合法なものにする必要があります。 - They brought the operation into compliance.
彼らはその事業を法令に適合させました。
make A legal は「Aを合法な状態にする」という説明的で分かりやすい形です。一方、bring A into compliance は、禁止されているものを合法化するというより、運用や書類を現行の規則に合わせる意味です。詳しくは「合法にする」の英語とlegalize・make legalの違いで確認できます。
反対方向では、outlaw が「法律で禁止する」、ban が「法律・規則・組織の判断で禁止する」、make A illegal が「Aを違法な状態にする」です。
- They outlawed the practice.
彼らはその慣行を法律で禁止しました。 - We banned smoking in the building.
建物内を禁煙にしました。 - The new rule made the sale illegal.
新しい規則によって、その販売は違法になりました。
ban は会社や学校の規則にも使えますが、outlaw は法律による禁止を強く示します。違いは「違法にする」は英語で?make illegal・ban・outlawの違いで詳しく解説しています。
正式にする:make official・formalize・finalize
案、関係、手続きなどを「正式にする」場合も、一語で共通にはできません。make it official は公に正式なものとして認める広い表現、formalize は合意や手順を文書・制度の形に整える表現、finalize は内容を最終確定する表現です。
- We decided to make the partnership official.
私たちは提携を正式なものにすることにしました。 - We formalized the agreement in writing.
私たちは合意を書面で正式な形にしました。 - We finalized the schedule today.
今日、日程を最終確定しました。
finalize は「公式にする」ではなく「未確定だった内容を確定する」です。発表、制度化、最終決定を混同しないよう、「正式にする」のmake official・formalize・finalizeも参照してください。
必須・任意にする:require・make mandatory・make optional
参加、入力、提出などを必須にするなら、最も使いやすいのは require A または make A required です。制度上の強い義務なら make A mandatory、法令や学校制度による義務を強調する場合には compulsory も使われます。
- We require ID at check-in.
受付時に本人確認書類を必須にしています。 - We made the field required.
その入力欄を必須にしました。 - The company made the training mandatory.
会社はその研修を必須にしました。
require は「必要とする・求める」という動作、required と mandatory は要件になった状態を示します。フォームの設定なら make the field required、会社の方針なら make the training mandatory が自然です。詳しくは「必須にする」の英語とrequired・mandatory・compulsoryの違いをご覧ください。
任意にする場合は make A optional が基本です。「判断をあなたに任せる」なら leave it up to you で、制度上の選択制とは意味が異なります。
- We made the second session optional.
2回目のセッションは任意参加にしました。 - I’ll leave the final choice up to you.
最終的な選択はあなたに任せます。 - We no longer require a printed copy.
印刷した書類は必須ではなくなりました。
「任意」は optional、「本人の判断に任せる」は leave it up to someone と区別します。詳しい使い分けは「任意にする」は英語で?make optional・leave up toの違いにまとめています。

対象を限定する:limit A to B・restrict A to B
人数、期間、場所、用途を限定するときは limit A to B が幅広く使えます。Aが限定される対象、Bが残す範囲です。restrict A to B は制限を設ける響きが強く、規則・権限・アクセス管理でよく使います。
- We limited attendance to 30 people.
参加者を30人に限定しました。 - We restricted access to staff members.
アクセスを職員だけに制限しました。 - The offer is limited to new customers.
その特典は新規顧客限定です。
make it limited は多くの場面で不自然です。「何を」「どこまで」に分けて limit attendance to 30 people のように言います。exclusive は「特定の人・店・媒体だけの」「特別感のある限定」という意味が強く、単なる人数制限とは同じではありません。詳しくは「限定にする」のlimit to・make exclusive・restrictをご覧ください。
公開・非公開にする:make public/private・publish・unpublish
資料やアカウントを誰でも見られる状態にするなら make A public、公開作業そのものなら publish A が使えます。ただし publish は記事・動画・文書などを世に出す動作で、アカウントの閲覧設定を切り替える場合は make the account public のほうが具体的です。
- We made the report public.
私たちは報告書を公開しました。 - I published the article this morning.
今朝、その記事を公開しました。 - We decided not to disclose the names.
氏名は公表しないことにしました。
非公開にするなら make A private が基本です。公開済みの記事を公開状態から外すなら unpublish A、掲載物を取り下げるなら take A down を使います。
- I made my account private.
アカウントを非公開にしました。 - We unpublished the draft by mistake.
誤ってその下書きを非公開にしました。 - We took the old page down.
古いページを取り下げました。
なお、最後の状態が「誰にも見せない」のか「一部の人だけに見せる」のかでも表現が変わります。詳細は「非公開にする」のmake private・unpublish・take downで確認してください。
しゅみすけ(大山俊輔)
語順とコロケーションで注意すること
make+目的語+形容詞
make the form optional、make the account private のように、「変える対象」を make の直後、「結果の状態」をその後ろに置きます。日本語につられて optional the form や private the account とはしません。
limit / restrict+対象+to+範囲
limit access to members は「アクセスを会員に限定する」です。to の後ろには残す人数・対象・用途を置きます。誰を締め出すかではなく、誰まで許可するかを示す形です。
専用動詞にmakeを重ねない
legalize、require、publish、restrict は、それ自体が変化や働きかけを表します。そのため make legalize や make publish のように make を前へ置きません。専門動詞が出てこないときだけ make A legal のような説明形へ戻りましょう。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
legalize や mandatory のような単語が出てこなくても、簡単な英語で「今はどうか」「どう変えたいか」を説明できます。
- We want the law to allow it.
法律でそれを認めるようにしたいです。 - Everyone has to do it.
全員がそれをしなければなりません。 - People can choose whether to do it.
するかどうかは各自で選べます。 - Only members can use it.
会員だけが利用できます。 - Not everyone can see it.
全員が見られるわけではありません。
これらは legalize、require、restrict のように制度変更を一語で示す表現より説明的です。また Not everyone can see it. は、非公開なのか一部限定なのかを厳密には示しません。それでも、難しい単語を思い出すまで会話を止めず、意味の中心を伝える言い換えとして役立ちます。
よくある間違い
- make it illegal と ban it を完全に同じだと思う。前者は違法な状態、後者は禁止する行為に焦点があります。
- required と necessary を混同する。required は規則上求められる、necessary は実際に必要という意味です。
- optional と up to you を混同する。前者は選択制、後者は判断を相手に任せる表現です。
- limit to のto以下に、除外する対象を置く。to以下には許可して残す範囲を置きます。
- 非公開化をすべて delete と言う。unpublish や make private は、削除せず公開状態だけを変えられます。
FAQ
Q. 「○○にする」は全部makeで通じますか?
make+目的語+形容詞で説明できる場合は多いですが、make it legalize のように専用動詞へmakeを重ねることはできません。まず make it legal や make it private で伝え、慣れたら legalize、restrict、unpublish に置き換えましょう。
Q. requiredとmandatoryはどちらが強いですか?
どちらも必須を表します。required はフォーム、書類、条件など幅広く中立的です。mandatory は組織や制度が義務として定めた響きが強くなります。日常的な案内では required が使いやすいでしょう。
Q. limitとrestrictの違いは?
limit は数・時間・対象を一定範囲に収める広い表現です。restrict は自由やアクセスに制限をかける感覚が強く、権限管理や規則でよく使います。
Q. 公開にするはpublishでよいですか?
記事や動画を掲載するなら publish が自然です。アカウント、フォルダ、設定を誰でも見られる状態に変えるなら make it public を使います。
関連記事
- 「○○にする」は英語で?make・keep・turn・set・put一覧
- 「合法にする」は英語で?
- 「違法にする」は英語で?
- 「正式にする」は英語で?
- 「必須にする」は英語で?
- 「任意にする」は英語で?
- 「限定にする」は英語で?
- 「非公開にする」は英語で?
まとめ
制度・公開条件に関する「○○にする」は、法律なら legalize / outlaw、要件なら require / make optional、対象範囲なら limit / restrict、閲覧状態なら make public / private・publish / unpublish が中心です。日本語の「にする」を一語ずつ訳すのではなく、「法律上の扱い」「必須性」「対象範囲」「公開状態」のどれを変えるのかを見極めれば、自然な動詞と語順を選べます。









