
皆さん、こんにちは!
しゅみすけです。
このコーナーでは、
「英語が話せない理由は“あなたの努力”ではなく、“OS”かもしれない」
という視点から、英語学習を全く新しい角度で掘り下げていきたいと思います。
今回のテーマは、まさにこの番組の核となるメッセージ。
題してー**「覚えるな、くっつけろ!」**
「なんのこっちゃ?」と思われた方もいるかもしれませんね。
でも、この記事を読み終える頃には、あなたの英会話学習にきっと大きな変化が訪れるはずです。
- 英語が頭にはあるのに、なぜか口から出てこない。
- 単語や文法を一生懸命覚えたのに、いざ会話となると、途端に言葉が止まってしまう。
もし、あなたがこんな悩みを抱えているなら、それはあなたが悪いわけではありません。
実は、それ、「英語OS」がまだインストールされていない状態なんですよ。
今日は、この「英語OS」について深く掘り下げ、「なぜ“コア単語+基本文型”だけで、英語OSが立ち上がり、スラスラ話せるようになるのか?」という本質に迫っていきます。
英語学習を「勉強」ではなく、「OSとして再インストールする」
それではさっそく――Let’s get into it!
Contents
英語は「情報」じゃなく「構造」でできている
多くの人は、英語を「知識の塊」として捉えがちです。
単語を覚え、文法を理解し、そして話す時にそれを「思い出そうとする」。
ですが、はっきり言って、このやり方ではうまくいきません。
これって、パソコンに例えるなら、ただフォルダを作ってその中に「英単語」「英文法」って情報を入れているだけなんですよね。
でも、話し言葉ってのは、話し手も聞き手も、ものごとを瞬時に処理する必要があります。
考えてみてください。
パソコンやスマホでアプリを立ち上げたり、LINEのメッセージを送ったりする時、どうですか?
クリックやタップひとつで、すぐに何かが起こりますよね。あれは、OSの中にその動作が同時処理として組み込まれているから。
いちいち考えなくても、勝手に動いてくれる状態なんです。
ところが、普段使わないファイルを探したり、使い慣れてないアプリを立ち上げようとすると、
「あれ?どこやったっけ?」
と探したり、
「このボタンってどんな意味だったっけ?」
なんてなったりしますよね。
<一般的な日本人の英語学習って、まさにこの状態なんです。
単語や文法をフォルダの中には入れているけれど、使うたびにわざわざ「母国語である日本語を介して」処理しないと使えない。この状態のままでは、自然な会話は難しいんです。知識はすごくあるのに、いつまでたっても自然なアウトプットができなかったり、リスニングがぎこちなかったりする学校の英語の先生が良い例かもしれません。
じゃあ、どうやって英語OSをインストールするのか?
そう、あなたの日本語OSの横に、もう一つ「英語OS」をインストールするんです。パソコンで言えば、MacとWindowsのデュアルブートみたいなイメージですね。
ただし、今までの英語学習とはちょっと違うことをする必要があります。
それは何か?
✅ まず、文語レベルで求められる単語や文法は、一旦脇に置く。
✅ 口語、つまり話し言葉でOSに該当するものを、体に定着させるレベルで学習する。つまり、英語OSをインストールする。
これだけなんです。
でも、これができていないと、どれだけ知識があっても、英会話は一生壁にぶつかったままになります。
なぜこんなことが起きるのか?それは、
日本語と英語が、OSの特性が全く異なる言語だからなんですね。
日本語と英語は「設計思想」が違うOS
ズバリ、英語は「骨格の言語」です。
そして日本語は、いわゆる「てにをは」を使う膠着語(こうちゃくご)。
日本語の特徴
ここがOSの中でも特に仕様が違う部分なんです。
日本語は「は」「が」「を」といった格助詞のおかげで、語順が入れ替わっても意味が通じますよね。
例えば、
• 私は、iPhoneを、買いました。
• 買いました、iPhoneを、私は。
• iPhoneを、私は、買いました。
どうですか?
どれでも意味は一緒です。
これって、相手に自分の意図を伝えたり、相手の意図を理解したりする際に、ストーリーの中の「主人公が何かをする」とか「特定の状態にある」ということを伝えているんです。
どんな言語でも、ここを伝えることを私たちは「コミュニケーション」と呼んでいます。
では、日本語のOSが会話を組み立てる時、ストーリーを作る鍵は何でしょう?
それは、ズバリ「てにをは」の部分です。逆に言えば、「てにをは」を間違えると、意味が大きく変わったり、意味不明になったりしますよね。
どうです?
へんてこりんでしょ?
英語の特徴
そしてここからが鍵です。英語は何が鍵になるでしょう?
そう、順番が命なんです。
例えば、「I bought an iPhone.」という文。
主語と目的語を入れ替えてみましょう。
これだと、「iPhoneが私を買う」になっちゃって、意味不明ですよね(そもそもIじゃだめですが)。
さっきの日本語では順番が入れ替わっても意味は変わりませんでしたが、英語では、「は」とか「を」という助詞が存在しない代わりに、順番が入れ替わると意味不明になるんです。
詰め込み型の学習では、いつか“詰み”が来る
こんなシンプルなこと、ほとんどの英語学習者は無視しがちです。
そして、詰め込み学習をしたり、時期尚早なのにネイティブとのオンライン英会話をひたすら受けまくったりする。
でも、それは確実に「詰みます」。なぜなら、知ってる量が増えるというのは、パソコンで言えばフォルダの中のファイル量が増えるだけで、PC自体が重くなるんです。
しかも、詰め込んでいるものの多くは、会話などの口語用ではなく、読み書き用の文語がほとんどだったりする。
結局、みんな言いたいことがあると、日本語で考えて英語に変換作業をする、というお決まりのパターンにハマってしまう。これは、はっきり言ってアウトなんです。
英語OSを「立ち上げる」ためのシンプルな設計図
じゃあ、どうすればいいのか?
まず、大前提として、この3つを頭に入れておきましょう。
- 日本語と英語はOS仕様が全く違う、相性最悪の言語である。
- だから、知識を詰め込むのではなく、OSとして必要な最低限のものを最初にしっかりとインストールする。
- 「インストール」とは、知って終わりの知識ではなく、体が勝手に動く「体に組み込まれた知識」である。
この前提で見ていくと、ほとんどの日本人英語学習者にとって、まず英語OSとしてインストールすべき部分は、実はめっちゃシンプルです。
それは、
✅️ コア動詞
(have, get, take, go, make, put…など)
✅️ 基本文型
(第1文型、第2文型、第3文型)
この2つを最初にしっかりインストールすることなんです。
難しい構文や関係代名詞、仮定法、過去完了?そんなものは後で十分。
いや、日常会話や旅行時の英会話だけでいい人なら、ひょっとしたら一生いりません。
コア動詞についてはまた別の機会に詳しく話すとして、
まずは、
この基本中の基本を徹底的に体に染み込ませることが重要です。
なぜなら、この3つの基本文型だけで、日常英語の8割以上をカバーできるからなんです。具体的に言うと、単語を並べる言語である英語の軸になるのは、たった3つの文のパターンです。
英語の基本文型(骨格)3つ
✅️ 第1文型(主語+動詞)
I go. / You run. / She cries.
→ わずか2単語ーこれだけで十分にコミュニケーションが成立します。
✅️ 第2文型(主語+動詞+補語)
I am tired. / You are amazing. / That sounds weird.
→ いわゆる状態を表す文章ですね。
✅️ 第3文型(主語+動詞+目的語)
I have a pen. / You get coffee. / He makes some noise.
→ どの言語でも一番使われるパターン。
僕は「文型」という言葉の代わりに「骨格」って言葉を使うことが多いのですが、どちらでも構いません。
この3つの「骨格」こそが、英語という言語の基本中の基本なんです。
文章とは「主人公(主語)の物語(述語)」であり、文の最も大事な情報(主語と述語=結論)は、必ずこの骨格部分に入っています。
つまり、ここを瞬時に作れるか、あるいは、相手の会話から瞬時に骨格部分を拾って理解できるか。これが鍵になるってことです。
「骨格」を広げていく:くっつける練習
ここからは、さっき紹介した「骨格」の文に、 少しずつ自分の“思考”や“気持ち”をくっつけて、表現を広げていく練習です。
英語は、パーツを組み合わせることで、どんどん“あなたの言葉”になっていきます。 まずはこの感覚をつかんでみてください。
「I go」(第1文型(主語+動詞))から広げる
- I go. → I think I go too fast sometimes.
- You run. → I feel you run when things get tough.
- She cries. → I believe she cries because she’s tired.
「I am tired」(第2文型(主語+動詞+補語))から広げる
- I am tired. → I’m not sure if I am tired or just lazy.
- You are amazing. → I feel you are amazing at solving problems.
- That sounds weird. → I have a feeling that it sounds weird to most people.
「I have a pen」(第3文型(主語+動詞+目的語))から広げる
- I have a pen. → I think I have a pen in my bag.
- You get coffee. → I feel you get coffee every morning.
- He makes some noise. → I got the impression that he makes some noise on purpose.
どうですか?
さっきより、少しずつ“あなたらしさ”が入ってきた感覚がしませんか?
英語は構造がシンプルな分、感情や思考を**あとから自然にくっつける**ことができるんです。
英語は確かに、OSの企画が違うから難しい。
でも、良いこともあって、こうして段階的にできることを増やすことがしやすいんです。
多くの日本人は、こうして段階的に慣れずに、いきなり日本語で難しい下書きを考えて、それを英作文しちゃいます。
そうすると、その時点でその人のスペックを超えたアウトプットをしようとするから、
結局「詰んじゃう」
んです。
でも、英語を正しい順番で慣れていく人は、まず、骨格部分だけでなんとかする。
それができるようになったら、次に、さっきみたいに肉付けしていって、少し複雑なことに慣れる。
このやり方だからこそ、今の自分のできる範囲で最大限のアウトプットが、しかも自然にできるようになるんです。これが、勉強できなかったのに英会話ができる人の秘密なんですね。
「覚える」から「くっつける」へ。英語習得のパラダイムシフト
そして、ここが今日のテーマの肝です。
この感覚に慣れるために、自分に戒めておくキーワード。
それは、**覚えるな、くっつけろ!**です。
英語は、「文章を作る」というより、「文章が勝手に組み上がる」ように作られているんです。
「I」「have」「a dog」みたいに、
「部品(パーツ)をつなげるだけ」
まるで子供の頃に遊んだレゴブロックのようにね。
つまりこういうこと。
「文を作ろう」と単語を1個ずつバラバラに引っ張ってきて並べるのではなく、レゴブロックを組み立てるように、「I + have + a dog」とポン、ポン、ポンって感じでくっつける、並べる感覚なんです。
これを繰り返すことで、
「あ、英語って言語は、日本語と違って、こういう風に“組み立てる”もんなんだ」
と脳が再認識するようになります。
この「くっつける」感覚が身につくと、難しい単語や構文が「OSと連携していないアプリ」のように動作不安定になったり、エラーが出たり(=通じない、思い出せない)する危険を避けることができます。
だからこそ、
最初から難しいことをするのではなく、一番シンプルな第1?第3文型の、しかもベーシックな日常会話レベルの文から練習していく必要があるんです。
そうすることで、会話は0.5秒で作れて、0.5秒で聞いて理解できるようになる必要があります。
いや、本当はもっとはるかに早いんですけどね。そして、そのためには、この骨組みのパターンに「慣れる」ことが必須だってことです。
「くっつける練習」は、リスニングも劇的に変える
僕が英語コーチングをする時、
基本的にはこのあたりのことを最初に徹底的に皆さんの脳にインストールするところから始めます。
英語を聞きたい、話したい。その焦る気持ちはすごくよく分かります。
あるいは、めちゃくちゃ英文法や単語を覚えてきた人は、こういうこと、嫌がる方もいらっしゃいます。
でも、これがなかったらいつまでも変わりません。
なぜなら、日本語OSを土台に、変換作業をしているだけだからです。
ちなみに、この「くっつける練習」は本当に変わります。
英語が**“思い出すもの”から、“勝手に出てくるOS動作”に変わってくる**んです。
私たちも似たことやってますよ。例えば、子供の頃に覚えた掛け算の九九。考えなくても9×8が72と口から出てきますよね。
これと同じように、英語も自然に出てくるようになるんです。
この「骨格」と「活用」の組み立てをマスターすることは、スピーキングだけでなく、リスニング力の劇的な改善にもつながります。これは、多くの人が見落としている事実なんです。
なぜなら、「言葉を聞いて理解する」という行為は、単に音を聞くだけでなされているわけではないから。
リスニングとは、音を通じて、文の構造(=骨格)を瞬時に把握し、意味を理解する行為なんです。
骨格に慣れている人は、英語という言語のパターンに慣れているため、聞き取りもパターンが予測でき、音だけに頼らず「先読みしながら聞く」ことができるようになるんです。これ、第二言語習得論では「予測文法」なんて言われたりします。要は「体と一体化した文法」ってことですね。
分かりやすく言えば、
リスニングって、実は“予測”のスポーツなんです。
英語の骨格を知っていれば、
相手が「I’m gonna…」って言った瞬間に、「次は動詞やな」と準備できる。
音を全部聞いてから処理してたら遅いんですよ。
骨格が体に染み込むと、“聞く前に、聞けてる”状態になるんです。
リスニングができない理由を単語力や文法、リエゾン(音の連結)のせいにする人が多いですが、そのもっと手前に「骨格の理解」という大きな要素があるんです。
断片的な単語を拾って文全体を推測しようとすることは「自爆行為」だと僕は言っています。なぜなら、文のストーリー、つまり一番大事な情報は、簡単な骨格部分、簡単な単語で組み立てられているからです。
まとめ:英語は「自分自身」と再会する旅
はい!というわけで今回は、**「覚えるな、くっつけろ!」**というシンプルなメッセージでお送りしました。
英語は知識を詰め込むものではなく、コアとなるパーツを「くっつけて」、OSをインストールする感覚で身につけていくものです。この「組み立てる」感覚と、「意識の言語フィールドの再構築」というZPF的な視点が、あなたの英語学習を根本から変えるはずです。
英語学習って、「脳内で知識を蓄積する作業」って思われがちだけど、本質は、「今ここで話す自分」を再構築する“OSアップデート”なんですよね。
つまり、**英語OSをインストールすることは、“自分の意識の在り方”を変えること。
だから、英語を学ぶって、
“自分自身と再会する旅”**
なんですよ。
次回は、具体的に「どの動詞からインストールすればいいのか?」僕が実際に使っている【基本動詞TOP10】から、一つずつ紹介していこうと思っています。
それでは、また次回をお楽しみに!
Bye Guys
しゅみすけ