
昔好きだった人を、何年たっても忘れられない。別れたあとも心のどこかで相手を思い続けている。そんな「消えずに残る恋心」を英語で表せるのが carry a torch for someone です。
直訳すると「誰かのためにたいまつを運ぶ」ですが、実際には火を持って歩くことではありません。心の中で相手への思いを燃やし続けるイメージから、「人をひそかに、長く思い続ける」という意味になります。本記事では、片思いにも元恋人への未練にも使えるニュアンス、自然な語順、場面別の例文、have a crush on や have a soft spot for との違いを解説します。
Contents
carry a torch for someoneの意味
carry a torch for someone は、「誰かを長い間ひそかに愛し続ける」「かなわない恋心や未練を持ち続ける」というイディオムです。相手がその気持ちに応えていない、あるいは二人の関係がすでに終わっている場面によく合います。
- carry:持ち運ぶ、抱え続ける
- a torch:たいまつ、消えない火の象徴
- for someone:誰かに対して、誰かを思って
恋心を火にたとえる表現は日本語にもありますが、ここでは一瞬燃え上がる炎より、手放さず運び続けるたいまつがポイントです。つまり、「好きになった」という瞬間よりも、時間がたっても気持ちが消えていない状態に焦点があります。
しゅみすけ(大山俊輔)
ネイティブが感じるニュアンス
この表現には、ロマンチックな響きと同時に、少し切ない感じがあります。気持ちが長く続いているのに、現実の関係は進んでいないことが多いからです。
He still carries a torch for his college girlfriend. と聞くと、大学時代の恋人を今も愛しているものの、二人は現在つき合っていない可能性が高いと感じられます。単に良い思い出があるだけでなく、恋愛感情がどこかに残っているという含みです。
本人が自分について言うこともできますが、やや告白めいた、照れのある言い方です。第三者が「あの人、まだ好きなんだよ」と推測して話す場面でもよく使われます。そのため、根拠なく他人へ使うと踏み込みすぎになることがあります。
また、現代の日常会話ではやや比喩的で、物語性のある響きがあります。堅すぎるわけではありませんが、単純な like より感情の長さと深さを強く伝えます。
よく使われる形と文法
carry a torch for 人
基本の形です。for の後ろに、恋心を抱いている相手を置きます。
Mia carries a torch for her childhood friend.
ミアは幼なじみに長年思いを寄せています。
still carry a torch for 人
still を加えると、「今でもなお」という時間の長さがはっきりします。非常によく使われる組み合わせです。
Do you still carry a torch for him?
あなたは今でも彼に思いを寄せているの?
have carried a torch for 人 for 時間
現在完了を使うと、過去から現在まで気持ちが続いていることを明確に表せます。
She has carried a torch for Daniel for years.
彼女は何年もダニエルを思い続けています。
ここでは最初の for が「ダニエルに対して」、二つ目の for years が「何年もの間」です。同じ前置詞が続いても役割が違います。
過去形 carried a torch
今はもう気持ちがないことを示したいなら、過去形と過去の期間を使えます。
I carried a torch for Ben in high school, but we’re just friends now.
高校時代はベンに片思いしていましたが、今はただの友人です。
場面別の自然な例文
昔からの片思い
Everyone knew that Alex carried a torch for his best friend.
アレックスが親友にずっと思いを寄せていることを、みんな知っていました。
She never told him, but she carried a torch for him throughout college.
彼女は本人には言いませんでしたが、大学時代ずっと彼に思いを寄せていました。
気持ちを告白していないという文脈とは特に相性がよく、「ひそかな思い」を自然に表せます。
元恋人への未練
I think he still carries a torch for his ex.
彼はまだ元恋人に未練があると思います。
She says she has moved on, but she may still carry a torch for him.
彼女はもう前へ進んだと言っていますが、まだ彼を思っているのかもしれません。
carry a torch 自体は「復縁したがっている」とまでは断定しません。残っている恋愛感情を表すだけで、実際に行動する意思があるかは別です。
友人との会話
A: Why do you keep every postcard Nina sent you?
どうしてニナが送った絵はがきを全部取ってあるの?
B: Maybe I still carry a little torch for her.
もしかすると、今でも少し彼女への思いが残っているのかも。
a little torch とすると、定型の中心は保ちながら「少しだけ」と控えめに、冗談っぽく言えます。
職場や学校での淡い恋
Ken has carried a torch for a former coworker since his first job.
ケンは最初の職場で出会った元同僚を、ずっと思い続けています。
She used to carry a torch for her English teacher.
彼女は以前、英語の先生に思いを寄せていました。
職場ではプライベートな感情に触れる表現なので、本人がいない場所で軽々しく使わない配慮も必要です。
carry a torch for・have a crush on・have a soft spot forの違い

carry a torch for
時間がたっても消えない、しばしば報われない恋愛感情です。元恋人、昔の友人、長年の片思いなど、過去から現在への継続が感じられます。
He’s carried a torch for Laura since they were teenagers.
彼は10代のころからローラを思い続けています。
have a crush on
「人に夢中になる」「片思いしている」という日常的な表現です。比較的新しいときめきや、強いけれどまだ関係が始まっていない恋心によく合います。時間の長さは必須ではありません。
I have a crush on someone in my cooking class.
料理教室に好きな人がいます。
have a soft spot for
「人や物に特別な愛着がある」「その人には弱い」です。恋愛感情の場合もありますが、家族、動物、町、食べ物などにも使えます。
My grandfather has a soft spot for stray cats.
祖父は野良猫を見ると放っておけません。
have a soft spot for の幅広い使い方は、have a soft spot forの意味と使い方でも詳しく紹介しています。
love・still have feelings forとの違い
love someone は現在の愛情を直接述べます。両思いか片思いか、交際中かどうかは文だけでは分かりません。
I love her.
私は彼女を愛しています。
still have feelings for someone は、「まだ気持ちがある」という分かりやすい言い方です。carry a torch for と近いものの、比喩がなく、中立的で現代的です。
I still have feelings for my ex.
私はまだ元恋人に気持ちがあります。
気持ちを誤解なく直接伝えるなら still have feelings for、長い間消えない思いを印象的に語るなら carry a torch for が向いています。
日本人が間違えやすいポイント
forをtoにしない
「人を好き」から to を選びたくなることがありますが、定型は carry a torch for someone です。
× carry a torch to her
○ carry a torch for her
torchを複数形にしない
通常は a torch と単数形です。また、アメリカ英語の torch は「たいまつ」、イギリス英語では「懐中電灯」の意味もありますが、このイディオムでは恋心の火を表す定型表現です。
すべての「好き」に使わない
今日知り合った人が気になるだけなら have a crush on が自然です。交際中のパートナーへの愛なら love が分かりやすいでしょう。carry a torch for は、続いてきた、届きにくい、過去が関係する気持ちに向きます。
本人の感情を勝手に断定しない
恋愛感情は個人的なものです。第三者について話すなら I think…、maybe、seem to などを添えると、推測であることを示せます。
しゅみすけ式:簡単な英語で言い換えるなら
このイディオムが出てこないときは、気持ちと時間を直接説明できます。
- I still love her.
私は今でも彼女を愛しています。 - He still has feelings for his ex.
彼はまだ元恋人に気持ちがあります。 - She has liked him for a long time.
彼女は長い間彼のことが好きです。 - He can’t forget her.
彼は彼女を忘れられません。 - I used to like him.
私は以前、彼のことが好きでした。
しゅみすけ(大山俊輔)
自然に使うための練習
最初は still とセットにした still carry a torch for… を覚えると、表現の特徴である「今も続く思い」を出しやすくなります。
Do you think Sam still carries a torch for Emma?
サムは今でもエマに思いを寄せていると思う?
No, I think he has finally moved on.
いや、ようやく気持ちを切り替えたと思うよ。
過去の淡い恋を話すなら used to carry a torch for…、長さを強調するなら have carried a torch for… for years と形を広げます。
I used to carry a torch for him, but that was a long time ago.
以前は彼に思いを寄せていましたが、ずっと昔のことです。
まとめ
carry a torch for someone は、「誰かへの恋心を長い間持ち続ける」「元恋人などへの思いが今も消えない」というイディオムです。たいまつの火を抱えて運び続けるイメージから、時間がたっても残る気持ちを表します。
新しいときめきなら have a crush on、恋愛に限らない特別な愛着なら have a soft spot for、今も気持ちがあることを直接言うなら still have feelings for が自然です。
まずは He still carries a torch for his ex. と、簡単な言い換え He still has feelings for his ex. をセットで覚えましょう。比喩と基本表現の両方を持っておけば、相手や場面に合わせて無理なく使い分けられます。










