
「電車が遅れた。さらに悪いことに、雨まで降ってきた」のように、すでに悪い状況へもう一つ悪い情報を重ねるときに使えるのがworse stillです。
短い表現ですが、語順やカンマの置き方、worse yet・what’s worse・to make matters worseとの違いで迷いやすい表現でもあります。
Contents
worse stillの意味を最初に確認
worse stillは、次のような意味です。
- さらに悪いことに
- もっと悪いことには
- そのうえ困ったことに
先に述べた悪い事実よりも、さらに深刻・不都合な情報を付け加えるときに使います。
The train was delayed. Worse still, my phone was almost dead.
電車が遅れていました。さらに悪いことに、スマートフォンの充電もほとんどありませんでした。
ここでは「電車の遅延」という困った状況に、「充電切れになりそう」という別の悪材料を重ねています。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜworse stillで「さらに悪いことに」になるのか
それぞれの単語を分けると、意味の仕組みが見えてきます。
- worse:より悪い、さらに悪い
- still:なお、さらに、それにもまして
stillには「まだ」という意味だけでなく、比較級を強めて「さらに」という意味もあります。
- still better:さらに良い
- still more important:さらに重要な
- worse still:さらに悪いことに
worseだけでも「より悪い」ですが、stillを加えることで、悪さがもう一段増す感覚が生まれます。
worse stillの自然な語順とカンマ
独立した文の先頭に置く
最も分かりやすい形は、前の文をいったん終え、次の文頭にWorse still,を置く形です。
The hotel was expensive. Worse still, the room was dirty.
そのホテルは高額でした。さらに悪いことに、部屋も汚れていました。
文頭では、通常worse stillの後ろにカンマを置きます。
セミコロンやダッシュでつなぐ
関係の深い二つの内容を一文の流れで見せることもできます。
We missed the last bus; worse still, it had started to snow.
私たちは最終バスに乗り遅れました。さらに悪いことに、雪まで降り始めていました。
The file was missing—and worse still, there was no backup.
ファイルが見つからず、さらに悪いことに、バックアップもありませんでした。
文中で補足的に使う
He was tired and, worse still, beginning to feel sick.
彼は疲れており、さらに悪いことに、気分まで悪くなり始めていました。
この形では、worse stillをカンマで挟みます。
日常・仕事で使える自然な例文
日常生活
I lost my wallet. Worse still, my house key was inside it.
財布をなくしました。さらに悪いことに、家の鍵もその中に入っていました。
The restaurant was full. Worse still, every place nearby was closing.
そのレストランは満席でした。さらに悪いことに、近くの店はどこも閉店するところでした。
仕事
Sales fell again. Worse still, several major clients canceled their orders.
売上がまた落ちました。さらに悪いことに、大口顧客が数社、注文をキャンセルしました。
The deadline was moved forward. Worse still, two team members were absent.
締め切りが前倒しになりました。さらに悪いことに、チームの二人が欠勤していました。
旅行
Our flight was canceled. Worse still, there were no hotel rooms available.
便が欠航しました。さらに悪いことに、空いているホテルもありませんでした。
It started raining. Worse still, I had left my umbrella at the café.
雨が降り始めました。さらに悪いことに、傘をカフェへ置き忘れていました。
人間関係
He forgot our anniversary. Worse still, he blamed me for being upset.
彼は記念日を忘れました。さらに悪いことに、私が怒ったことを責めてきました。
worse stillと似た表現の違い

worse still:簡潔でやや文章的
worse stillは短く引き締まった表現で、会話でも使えますが、説明文や文章で特に自然です。
The plan was costly. Worse still, it was unlikely to work.
その計画は費用がかかりました。さらに悪いことに、成功する見込みも低いものでした。
worse yet:ほぼ同じ意味
worse yetも「さらに悪いことに」という意味で、worse stillとほぼ同じように使えます。worse yetは特にアメリカ英語でよく見られます。
The car broke down. Worse yet, we had no signal.
車が故障しました。さらに悪いことに、電波も入りませんでした。
what’s worse:会話で使いやすい
what’s worseは「さらに悪いのは」という形で、話し手が次の悪い情報を提示する響きがあります。日常会話でも自然です。
The food was cold, and what’s worse, it was overpriced.
料理は冷めており、さらに悪いことに、値段も高すぎました。
詳しい語順やwhat is worseとの関係は、what is worseの意味・使い方で解説しています。
to make matters worse:状況の悪化をはっきり示す
to make matters worseは、直訳すると「事態をさらに悪くすることに」です。前の問題に新しい要因が加わり、状況が悪化したことを明確に示します。
To make matters worse, the repair shop was closed.
さらに悪いことに、修理店は閉まっていました。
worse stillより少し長いぶん、悪化の流れをはっきり示せます。
to top it off:良いことにも悪いことにも使える
to top it offの意味・使い方は「そのうえ最後に」と、最後の追加情報を強調します。悪い出来事にも使えますが、良い出来事の締めくくりにも使える点がworse stillとの違いです。
still worseとの語順の違い
worse stillは、前の悪い情報へ「さらに悪いことに」とコメントを加える定型的な形です。
一方、still worseは、名詞を修飾したり、比較の中で「さらに悪い」と述べたりする形でも使われます。
We may face a still worse problem next month.
来月には、さらに悪い問題に直面するかもしれません。
- Worse still, …:さらに悪いことに、〜
- a still worse problem:さらに悪い問題
文全体をつなぐ合図として覚えるなら、Worse still, …の語順が基本です。
日本人が間違えやすいポイント
良い情報の追加には使わない
worse stillは、悪い情報を重ねる表現です。良いことを追加するなら、better stillやwhat’s moreなどを使います。
× The hotel was beautiful. Worse still, breakfast was free.
○ The hotel was beautiful. Better still, breakfast was free.
前に悪い状況が必要
worseは比較級なので、何と比べてさらに悪いのかが分かる文脈が必要です。前触れなくWorse still, …から始めると、比較対象が見えません。
worst stillとは言わない
この定型表現はworse stillです。
× worst still
○ worse still
「さらに悪い」という比較の流れを作るため、最上級のworstではなく比較級のworseを使います。
しゅみすけ(大山俊輔)
簡単な英語で言い換えるなら
すぐにworse stillが出てこないときは、次のように基本語で言い換えられます。
- Then another bad thing happened.
その後、もう一つ悪いことが起きました。 - The situation got even worse.
状況はさらに悪くなりました。 - And there was another problem.
そして、もう一つ問題がありました。 - On top of that, we had another problem.
そのうえ、別の問題もありました。
出来事を一文ずつ順番に言えば、難しい接続表現を使わなくても十分に状況を説明できます。
関連表現
- what is worseの意味・使い方
- to top it offの意味・使い方
- go from bad to worseの意味・使い方
- what’s moreの意味・使い方
- 英熟語・定型表現の一覧
まとめ
worse stillは、「さらに悪いことに」「もっと悪いことには」という意味です。すでに悪い状況があり、そこへもう一つ深刻・不都合な情報を重ねるときに使います。
文頭ではWorse still, …の形が基本です。worse yetはほぼ同じ意味、what’s worseは会話で使いやすく、to make matters worseは状況の悪化をより明確に示します。
表現が出てこないときは、Then another bad thing happened.やThe situation got even worse.と、基本語を使って短く伝えましょう。









