
have a soft spot for ~ は、「~に特別な愛着がある」「~にはつい甘くなる」という英語イディオムです。
単に like より強く好き、というだけではありません。思い出や親しみがあって、その人や物を見ると気持ちが柔らかくなる、少しくらい欠点があっても嫌いになれない、という温かいニュアンスがあります。
この記事では、soft spot から意味をつかむ考え方、自然な語順と例文、be fond of や the apple of one’s eye との違いまで解説します。
Contents
have a soft spot forの基本的な意味
have a soft spot for + 人・動物・物・場所など で、主に次の意味を表します。
- 特別な愛着や親しみを感じている
- その相手にはつい優しくなる、厳しくできない
- 欠点があっても、なぜか嫌いになれない
I have a soft spot for old bookstores.
私は古い本屋に特別な愛着があります。
My grandfather always had a soft spot for stray animals.
祖父はいつも野良の動物たちに弱く、放っておけませんでした。
日本語では、文脈に応じて「弱い」「思い入れがある」「目がない」「放っておけない」などと訳せます。ただし、食べ物に対する単純な「目がない」なら love や have a weakness for のほうが合うこともあります。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜsoft spotで「特別な愛着」になる?
soft は「柔らかい」、spot は「場所・部分」です。直訳すると「柔らかい部分」ですが、この表現では人の心の中にある、感情が動きやすい部分をイメージすると分かりやすくなります。
普段は厳しい人でも、孫のお願いには弱い。物をなかなか捨てられない人でも、特に昔のぬいぐるみには思い入れがある。そのように、ある相手や物だけが心の柔らかい部分に触れる感覚です。
ここでの for は、愛着や優しい気持ちが「誰・何に向いているか」を示します。
- a soft spot for children:子どもに向く特別な優しさ
- a soft spot for my hometown:故郷に向く特別な愛着
- a soft spot for this old song:昔の曲への思い入れ
ネイティブが感じるニュアンス
「好き」よりも個人的な理由が感じられる
I like this café. なら、味・雰囲気・便利さなど、普通の好みとして聞こえます。一方、I have a soft spot for this café. なら、「初めてのデートで来た」「学生時代によく通った」など、個人的な思い出が背景にありそうです。
少しだけ「甘くなる」感じがある
人に使うと、その人だけは大目に見たり、頼まれると断れなかったりするニュアンスが出ることがあります。
The coach has a soft spot for the youngest player.
そのコーチは最年少の選手には少し甘いところがあります。
ただし、必ず「えこひいき」という強い批判になるわけではありません。多くの場合は、愛情や親しみを温かく表す言い方です。
恋愛感情とは限らない
人に対して使っても、have a crush on のような恋愛感情を直接意味しません。家族、昔の先生、後輩、近所の子どもなどにも自然に使えます。
I still have a soft spot for my first English teacher.
私は今でも、初めての英語の先生に特別な親しみを感じています。
よく使う形と語順
1. have a soft spot for + 名詞
基本語順は、主語 + have/has + a soft spot for + 対象 です。
She has a soft spot for rescue dogs.
彼女は保護犬を見ると放っておけません。
We have a soft spot for small family-run restaurants.
私たちは家族経営の小さなレストランに特別な愛着があります。
2. have always had a soft spot for
昔から続く愛着なら、現在完了の have always had がよく使われます。
I’ve always had a soft spot for underdogs.
私は昔から、不利な立場の人をつい応援したくなります。
He’s always had a soft spot for his little sister.
彼は昔から妹には甘いところがあります。
3. develop a soft spot for
時間とともに愛着が生まれたなら、develop a soft spot for(~に愛着を持つようになる)も使えます。
I developed a soft spot for the neighborhood while I was living there.
そこに住んでいるうちに、その地域に愛着が湧きました。
日常会話で使える自然な例文
家族・人間関係
Dad pretends to be strict, but he has a soft spot for his grandchildren.
父は厳しいふりをしますが、孫には弱いんです。
I have a soft spot for Ken because he helped me when I first joined the company.
入社したばかりの頃に助けてもらったので、私はケンに特別な親しみがあります。
動物
My wife has a soft spot for cats with funny faces.
妻は愛嬌のある顔をした猫に目がありません。
I can’t adopt another dog, but I have a soft spot for this one.
もう犬は飼えないけれど、この子はどうしても放っておけません。
故郷・旅行
I have a soft spot for Kyoto in the winter.
私は冬の京都に特別な思い入れがあります。
We still have a soft spot for the hotel where we spent our honeymoon.
私たちは新婚旅行で泊まったホテルに、今でも特別な愛着があります。
物・食べ物・音楽
I know this movie is cheesy, but I have a soft spot for it.
この映画がベタなのは分かっていますが、なぜか好きなんです。
She has a soft spot for old jazz records.
彼女は古いジャズレコードに特別な思い入れがあります。
I have a soft spot for the cookies my mother used to make.
私は母が昔作ってくれたクッキーに特別な思いがあります。
仕事・学校
The manager has a soft spot for employees who keep trying.
そのマネージャーは、挑戦し続ける社員をつい応援したくなるタイプです。
Our teacher had a soft spot for students who asked lots of questions.
私たちの先生は、たくさん質問する生徒を特にかわいがっていました。
似た表現との違い

have a soft spot for:特別な愛着があり、つい甘くなる
個人的な思い出や情が感じられ、相手の欠点も含めて愛着を持っている表現です。人だけでなく、動物・場所・作品・食べ物にも使えます。
be fond of:好き・好意を持っている
be fond of は、ある人や物を好きである、親しみを持っているという比較的広い表現です。have a soft spot for ほど「その相手だけには弱い」「思い出がある」という含みは必要ありません。
I’m fond of my coworkers.
私は同僚たちに好感を持っています。
I have a soft spot for my first coworker, Anna.
最初の同僚だったアンナには、特別な親しみがあります。
the apple of one’s eye:かけがえのない大切な人
the apple of one’s eye は、非常に大切で、目に入れても痛くないほど愛しい人を表します。通常は人に使い、愛情の強さは have a soft spot for より深く聞こえます。詳しくは「The apple of my eyeの意味と使い方」で解説しています。
| 表現 | 中心の感覚 | 主な対象 |
|---|---|---|
| have a soft spot for | 特別な愛着・つい甘くなる | 人・動物・物・場所など |
| be fond of | 好き・親しみがある | 人・物・活動など |
| the apple of one’s eye | かけがえのない愛しい存在 | 主に人 |
しゅみすけ(大山俊輔)
have a weakness forとの違い
have a weakness for ~ も「~に弱い」と訳されますが、こちらは誘惑に負けやすい、好きすぎて我慢できないという意味でよく使われます。
I have a weakness for chocolate cake.
私はチョコレートケーキに目がなく、つい食べてしまいます。
I have a soft spot for the cake my grandmother used to bake.
祖母がよく焼いてくれたケーキには、特別な思い入れがあります。
食べたい欲求が中心なら weakness、思い出や温かい感情が中心なら soft spot が自然です。
日本人が間違えやすいポイント
forを忘れない
対象を続けるときは for が必要です。I have a soft spot cats. ではなく、I have a soft spot for cats. と言います。
soft pointにしない
日本語の「弱点」から soft point と言いたくなるかもしれませんが、このイディオムは soft spot という決まった組み合わせです。
「恋愛で好き」と決めつけない
I have a soft spot for him. は文脈によって恋愛的に聞こえる可能性もありますが、それだけでは恋愛感情を断定しません。「昔から知っていて放っておけない」「彼にはつい優しくなる」という場合にも使えます。
好物ならいつもsoft spotとは限らない
単にラーメンが大好きなら I love ramen. で十分です。子どもの頃の思い出など、個人的な愛着を伝えたいときに soft spot が生きます。
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
このイディオムを思い出せなくても、知っている英語で気持ちを説明できます。
- I really like him.
私は彼のことが本当に好きです。 - This place is special to me.
この場所は私にとって特別です。 - I can’t say no to my granddaughter.
私は孫娘の頼みを断れません。 - This song brings back good memories.
この曲を聴くと良い思い出がよみがえります。 - I always want to help animals like this.
私はこのような動物を見ると、いつも助けたくなります。
「好き」と言うだけで足りなければ、なぜ特別なのか、またはその相手にどうしてしまうのかを一文足すと、have a soft spot for に近い気持ちを十分に伝えられます。
まとめ
have a soft spot for ~ は、「~に特別な愛着がある」「~にはつい甘くなる」という温かい英語表現です。
- 語順は have a soft spot for + 対象
- 人・動物・物・場所・作品など幅広く使える
- 単なる好みより、個人的な思い出や情が感じられる
- 恋愛感情を直接表すとは限らない
- be fond of はより一般的な「好き・親しみがある」
- the apple of one’s eye は、かけがえのない大切な人
ほかの表現は、英熟語・定型表現のまとめから確認できます。









