
「気の毒」は、相手のつらさに共感する、本人へ短く声をかける、状況を客観的に不運だと評価する、という使い方があります。共感なら feel sorry for、親しい相手への反応なら poor thing、状況評価なら unfortunate が候補です。
この記事では、日本語の意味を場面ごとに分け、ポジティブ・ネガティブの響き、人・物・状況への使い分け、語順、自然な例文、簡単な言い換えまで整理します。
Contents
「気の毒」の英語表現を先に比較
| 表現 | 中心の意味 | 代表例 |
|---|---|---|
| feel sorry for | 相手の不幸・苦労を気の毒に思う | I feel sorry for her. 彼女が気の毒です。 |
| poor thing | かわいそうに、と親しく声をかける | You poor thing. You must be exhausted. かわいそうに。とても疲れたでしょう。 |
| unfortunate | 出来事・状況が不運で残念 | It was an unfortunate accident. 気の毒な事故でした。 |
日本語では同じ「気の毒」でも、英語では何を説明しているかによって表現が変わります。単語を一対一で覚えず、話し手の意図と対象を確認しましょう。

場面別:「気の毒」の自然な使い分け
feel sorry for:相手の不幸・苦労を気の毒に思う
I feel sorry for her.
彼女が気の毒です。
I felt sorry for the people waiting outside.
外で待っていた人たちを気の毒に思いました。
poor thing:かわいそうに、と親しく声をかける
You poor thing. You must be exhausted.
かわいそうに。とても疲れたでしょう。
The poor thing was shaking.
その子は気の毒に震えていました。
unfortunate:出来事・状況が不運で残念
It was an unfortunate accident.
気の毒な事故でした。
It’s unfortunate that they had to cancel.
中止しなければならなかったのは気の毒です。
しゅみすけ(大山俊輔)
形容詞・副詞・動詞の使い分け
人や物の状態を説明する形容詞は be動詞の後、名詞を説明するときは 名詞の前に置きます。動作の仕方を説明する副詞は、一般に動詞の近くに置きます。英語では、同じ語の形をそのまま使えるとは限りません。
- 状態:It is … / I feel …
- 人の性格:She is … / He tends to …
- 行動:She spoke … / He handled it …
- 一時的な印象:It seemed … / I found it …
性格を断定すると強くなる場合は sometimes、a little、can be、seem を添えます。一度の行動なら過去形で具体的に説明すると、人格全体への批判を避けられます。
よく使う語順と会話の組み立て方
まず短い結論を言い、その後に because で理由を一つ足すと伝わりやすくなります。I think、to me、a little を使えば、評価を自分の感想として和らげられます。
- To me, it seemed a little …
私には少し…に思えました。 - I felt that way because …
…なので、そう感じました。 - It wasn’t exactly what I meant.
私が言いたかったこととは少し違いました。 - What I mean is …
私が言いたいのは…です。
日本人が間違えやすいポイント
I’m sorry. は謝罪だけでなく、悪い知らせへの共感にも使えます。I’m sorry to hear that. は『それはお気の毒です』です。一方、pity は同情が上から目線に聞こえる場合があり、What a pity! は人への深い共感より『残念』に近いことがあります。
辞書の最初の訳だけでは、丁寧さや感情の強さまでは分かりません。英語例文の主語、対象、前後の言葉まで確認し、自分が使う場面を想像して覚えましょう。
難しい単語が出ないときの「しゅみすけ式」
ぴったりの語が思い出せないときは、基本単語を使った短い文で状況を説明すれば十分です。
- I’m sorry to hear that.
それはお気の毒です。 - That must be really hard for you.
それは本当に大変でしょうね。
難しい形容詞を一語だけ言うより、何が起きて自分がどう感じたかを二文で話すほうが、誤解なく伝わることがあります。
しゅみすけ(大山俊輔)
場面で判断する実践トレーニング
日常会話、仕事、人間関係では、同じ日本語でも相手との距離や目的が変わります。次の順番で選ぶと自然です。
- 人・物・行動・状況のどれを説明するか決める
- 褒める、共感する、批判する、事実を述べるのどれか確認する
- 一時的な出来事か、普段の傾向かを分ける
- 必要なら a little、really、sometimes で強さを調整する
A: How did it go?
B: It was different from what I expected.
A:どうだった?
B:思っていたものとは違いました。
A: What do you mean?
B: I mean that the situation needs more explanation.
A:どういう意味?
B:その状況にはもう少し説明が必要という意味です。
自分の表現として定着させる練習
記事内の例文から一つ選び、主語を I、my friend、my manager に替えて声に出しましょう。次に現在形を過去形へ変え、because で理由を一つ付けます。単語と日本語訳の対応ではなく、場面ごと記憶するのがポイントです。
メールで使うときは、評価だけで終えず理由や次の行動を添えます。会話では表情や声の調子も意味の一部です。強い単語を覚えたときほど、柔らかい言い換えもセットにしておくと安心です。
日常・仕事・人間関係での使い分け
日常会話で使うとき
日常会話では、辞書的に正しいことだけでなく、相手との距離と声の調子が重要です。「気の毒」という日本語を言いたくなったら、まず自分の感想なのか、相手への評価なのかを確認します。自分の感想なら I think …、It felt … to me. を添えると、断定を避けられます。
I’m not saying it was bad. I just felt it could be better.
悪かったと言っているのではなく、もう少し良くできたと感じただけです。
仕事で使うとき
仕事では feel sorry for、poor thing、unfortunate のどれを選ぶ場合も、評価だけで終わらせず、理由と次の行動を続けると建設的です。たとえば The result was …, so I’d like to check the process again. のように、so で対応へつなげます。
Could you clarify what you expected?
期待していた内容をもう少し具体的に教えていただけますか。
Let’s make sure we understand the situation in the same way.
状況について同じ認識を持っているか確認しましょう。
人間関係で使うとき
人について話すときは、He is … / She is … と性格全体を決めつけるより、He seemed … in that situation. のように場面を限定します。特に否定的な表現は、本人の人格ではなく言葉や行動を主語にすると穏やかです。
- What she said sounded …
彼女の言ったことは…に聞こえました。 - His response seemed a little …
彼の反応は少し…に見えました。 - I may have misunderstood him.
私が彼を誤解したのかもしれません。
強さを調整する副詞
really や completely は意味を強め、a little、a bit、somewhat は柔らかくします。ただし a little pathetic のように、元の語自体が強い場合は十分に柔らかくなりません。そのときは単語を変え、具体的な文で説明しましょう。
反対に、肯定的な気持ちをはっきり伝えたい場面では、really、very、absolutely を使えます。副詞は飾りではなく、話し手がどの程度そう感じているかを示す大切な情報です。
よくある質問
poor you は使える?
親しい間柄では使えますが、言い方によっては皮肉にもなります。You poor thing. も距離感に注意します。
仕事でのお悔やみには?
I’m very sorry to hear about your loss. のような丁寧な表現を使います。
まとめ
「気の毒」は一つの英語に固定できません。feel sorry for は「相手の不幸・苦労を気の毒に思う」、poor thing は「かわいそうに、と親しく声をかける」、unfortunate は「出来事・状況が不運で残念」を中心に表します。場面・対象・感情の強さを確認して選びましょう。










