
「あの人を敵に回さないほうがいい」「不用意な発言でチーム全体を敵に回した」。日本語の「敵に回す」は、実際に争いを始めるというより、こちらを支持していた人や中立だった人から反感を買い、反対側へ向かわせることを表します。
英語では、敵を作るなら make an enemy of someone、人を自分に反対するよう仕向ける・させるなら turn someone against you、態度や言動で人の心を遠ざけるなら alienate someone が自然です。
Contents
先に結論:「敵に回す」の基本表現
| 英語 | 中心の意味 | よく使う場面 |
|---|---|---|
| make an enemy of someone | その人を自分の敵にしてしまう | 忠告、対立、人間関係 |
| turn someone against you | 相手を自分への反対側へ向かわせる | 言動の結果、第三者の働きかけ |
| alienate someone | 反感を招き、人の心を遠ざける | 職場、顧客、友人、支持者 |
| get on someone’s bad side | 人の機嫌を損ね、嫌われる | 口語的な忠告、日常会話 |
Don’t make an enemy of her.
彼女を敵に回さないほうがいいです。
His comments turned the team against him.
彼の発言はチームを敵に回しました。
The new policy alienated many customers.
新しい方針は多くの顧客の反感を買いました。
しゅみすけ(大山俊輔)
make an enemy of someone:その人を敵にしてしまう
make an enemy of someone は、「人を敵という立場にする」が見える表現です。特に Don’t make an enemy of … の形で「あの人を敵に回さないほうがいい」という忠告によく使われます。
You don’t want to make an enemy of your manager.
上司を敵に回さないほうがいいですよ。
She made an enemy of a powerful competitor.
彼女は影響力のある競争相手を敵に回しました。
By blaming everyone else, he made enemies of his coworkers.
他人ばかり責めたため、彼は同僚たちを敵に回しました。
複数の人を敵にした場合は make enemies of people のようにenemyを複数形にできます。
語順
- make an enemy of+人
- make an enemy of him(彼を敵に回す)
- make enemies of your colleagues(同僚たちを敵に回す)
make someone an enemy も文法的には作れますが、一般的な忠告では make an enemy of someone が安定して自然です。
turn someone against you:相手を反対側へ向かわせる
turn someone against you は、相手の態度が好意・中立・支持から反対へ変わることに焦点があります。自分の言動が原因の場合にも、第三者が誰かをこちらに反対させた場合にも使えます。
His attitude turned everyone against him.
彼の態度は全員を敵に回しました。
Don’t let one mistake turn the client against us.
一つのミスで顧客を敵に回さないようにしましょう。
Someone is trying to turn her against me.
誰かが彼女を私に反対するよう仕向けています。
重要な語順は turn+人+against+対象 です。
- turn him against me(彼を私に反対させる)
- turn the public against the plan(世間をその計画への反対に向かわせる)
- turn our partners against us(提携先を私たちの敵に回す)
一方、He turned against me. は「彼が私を敵視するようになった/彼が私に反対する側へ回った」という自動詞的な使い方です。「彼を敵に回した」と「彼が敵に回った」では主語が違うので注意しましょう。
alienate someone:反感を招き、心を遠ざける
alienate は、人への扱い・発言・方針などが原因で、その人の好意や支持を失い、心理的に遠ざけることです。日本語では「反感を買う」「離反させる」「敵に回す」と訳せます。
We don’t want to alienate our loyal customers.
長年のお客様を敵に回したくありません。
Her harsh tone alienated the rest of the team.
彼女のきつい口調は、ほかのチームメンバーの反感を買いました。
The decision may alienate younger voters.
その決定は若い有権者を敵に回すかもしれません。
alienateは「誰かが明確な敵になる」とは限りません。「もう協力したくない」「距離を置きたい」と感じさせるところまで含むため、顧客・社員・友人・支持者などに幅広く使えます。

get on someone’s bad side:人の機嫌を損ねる
get on someone’s bad side は、「人の悪い側に入る」というイメージから、相手の機嫌を損ねる・嫌われるという口語表現です。深刻な「敵」まで行かない場面でも使えます。
Try not to get on her bad side.
彼女を敵に回さないようにしてね。
I got on my boss’s bad side by missing the deadline.
締め切りに遅れて上司の機嫌を損ねました。
You really don’t want to get on his bad side.
彼には本当に嫌われないほうがいいですよ。
「敵に回す」が少し大げさに聞こえる日常場面では、この表現が合います。
「敵に回る」「敵に回される」との違い
| 日本語 | 英語 | 主語 |
|---|---|---|
| 彼を敵に回す | make an enemy of him | 自分が関係を悪化させる |
| 彼が敵に回る | he turns against us | 彼の態度が変わる |
| 彼女を私の敵にする | turn her against me | 誰か・何かが彼女を反対へ向かわせる |
| 皆から反感を買う | alienate everyone | 自分の言動が皆の心を遠ざける |
日本語の助詞と英語の主語を対応させると、混乱しにくくなります。
仕事で使う「敵に回す」
We shouldn’t make an enemy of the legal team.
法務チームを敵に回すべきではありません。
This proposal could turn local residents against us.
この提案は地域住民を敵に回す可能性があります。
A sudden price increase may alienate existing customers.
突然の値上げは既存顧客の反感を買うかもしれません。
We need to disagree without making enemies.
敵を作らずに反対意見を伝える必要があります。
Don’t get on the client’s bad side before the negotiation.
交渉前に顧客の機嫌を損ねないでください。
日常・恋愛・人間関係での例文
I don’t want to make an enemy of her over something so small.
こんな小さなことで彼女を敵に回したくありません。
His lies turned his friends against him.
彼の嘘は友人たちを敵に回しました。
Taking sides may alienate both of them.
どちらか一方の味方をすると、二人とも遠ざけてしまうかもしれません。
Be honest, but don’t get on her bad side.
正直に話して。でも彼女を怒らせないようにね。
短い会話例
A: Should I challenge his decision in the meeting?
会議で彼の決定に異議を唱えるべきでしょうか?
B: You can disagree, but don’t make an enemy of him.
反対意見は言っていいですが、彼を敵に回さないように。
A: Why is everyone against the new rule?
なぜ皆が新しい規則に反対しているのですか?
B: The announcement alienated the whole team.
発表の仕方がチーム全体の反感を買ったんです。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本人が間違えやすい言い方
make him enemy は不自然
enemyは数えられる名詞なので、単数なら冠詞が必要です。ただし、make him an enemy より make an enemy of him のほうが、この意味では自然です。
- × make him enemy
- △ make him an enemy
- ○ make an enemy of him
turn against him は「彼を敵に回す」ではない
I turned against him. は「私が彼に反対する側へ回った」です。「彼を私の敵に回した」なら I turned him against me. ですが、通常は原因を主語にして My behavior turned him against me. のように言うほうが自然です。
fight with は「けんかする」
fight with someone は、その人とけんか・争いをすることです。「敵に回した」という関係の変化そのものを表すわけではありません。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
make an enemy ofやalienateが出てこなくても、何が起きたかを簡単な英語で説明すれば大丈夫です。
I don’t want her to be against us.
彼女に私たちの反対側へ回ってほしくありません。
I don’t want to lose his support.
彼の支持を失いたくありません。
My words made everyone angry.
私の言葉で皆を怒らせてしまいました。
Now they don’t want to help us.
今、彼らは私たちを助けたくないと思っています。
We should keep a good relationship with them.
彼らとは良い関係を保つべきです。
これらは「敵に回す」の直訳ではありませんが、相手が反対したのか、支持をやめたのか、怒ったのかが明確です。会話では、難しい一語より伝わりやすい場合もあります。
FAQ
「彼を敵に回さないほうがいい」は英語で?
You don’t want to make an enemy of him. または Don’t make an enemy of him. が自然です。
「全員を敵に回した」は英語で?
言動で反対させたなら He turned everyone against him.、反感を買ったなら He alienated everyone. と言えます。
「会社を敵に回す」はどう言いますか?
make an enemy of the company と言えます。ただし「会社から反感を買う」なら alienate the company、「会社を自分に反対させる」なら turn the company against you が文脈に合います。
「敵に回したくない人」は英語で?
someone you don’t want to make an enemy of と言えます。例:She’s someone you don’t want to make an enemy of.(彼女は敵に回したくない人です)
alienateは強すぎますか?
日常会話ではやや硬めですが、顧客・社員・支持者から反感を買う場面では自然です。軽く「機嫌を損ねる」なら get on someone’s bad side が合います。
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まとめ
「敵に回す」は、その人を敵にしてしまうなら make an enemy of someone、相手を反対側へ向かわせるなら turn someone against you、言動で反感を招き心を遠ざけるなら alienate someone、口語的に「機嫌を損ねる」なら get on someone’s bad side と言い分けます。
難しい表現が出てこなければ、I don’t want to lose her support. のように「支持を失いたくない」と言い換えれば、意図は十分に伝わります。










