
far from と聞くと、「〜から遠い」という場所の話を思い浮かべるかもしれません。ところが会話や仕事では、far from perfect(完璧には程遠い)、far from finished(完成には程遠い)のように、理想や予想との大きな隔たりを表す使い方も非常によく登場します。
この記事では、far fromの基本イメージから、形容詞・名詞・beingを続ける語順、返答の Far from it.、似た表現との違いまで、自然な例文で整理します。
Contents
far fromの意味は「基準から大きく離れている」
farは「遠く」、fromは「〜から」です。つまりfar fromの中心にあるのは、ある場所や基準から大きく離れているという感覚です。
- 場所から離れている:〜から遠い
- 理想・状態から離れている:〜には程遠い、決して〜ではない
The hotel is far from the station.
そのホテルは駅から遠いです。
The plan is far from perfect.
その計画は完璧には程遠いです。
2つ目も「perfectという基準から遠い」と考えれば、丸暗記せずに意味をつかめます。fromそのものの感覚は、be-rize.comのfromの意味とコアイメージ|of・offとの違いで詳しく確認できます。
しゅみすけ(大山俊輔)

far fromのよく使う形と語順
1. far from + 場所・人:「〜から遠い」
My office is far from home.
私の職場は自宅から遠いです。
Is the beach far from here?
そのビーチはここから遠いですか?
物理的な距離を言う場合、far fromの後ろには離れる基準となる場所や人を置きます。far away・far from・farawayの違いもあわせて読むと、語順の使い分けが明確になります。
2. far from + 形容詞:「〜には程遠い」
The report is far from complete.
その報告書は完成には程遠いです。
Our apartment is far from quiet.
私たちのアパートは静かとは程遠いです。
The instructions were far from clear.
その説明は決して分かりやすくありませんでした。
far from perfect / ready / easy / certain / clear / finished などが特によく使われます。単にnotで否定するより、「その状態との間にかなり大きな差がある」という話し手の評価が伝わります。
3. far from + 名詞:「〜どころではない・〜とは程遠い」
His story is far from the truth.
彼の話は真実とは程遠いです。
The event was far from a success.
そのイベントは成功とは程遠いものでした。
名詞の前に冠詞が必要かどうかにも注意しましょう。数えられる単数名詞なら、通常は a success のように冠詞を付けます。
4. far from + 動名詞:「決して〜していない」
前置詞fromの後ろに動詞を置くときは、to doではなく-ing形にします。
She is far from being selfish.
彼女は決して自分勝手ではありません。
We are far from solving the problem.
私たちはその問題を解決するには程遠い状態です。
He is far from giving up.
彼は諦めるどころではありません。
形容詞なら She is far from selfish. とbeingを省いても自然です。一方、「問題を解決する」のような動作を続けるなら solving の形が必要です。
Far from it.は「とんでもない・むしろ逆」
Far from it. は、相手の推測を強く否定する決まり文句です。直訳すれば「それからは程遠い」で、「とんでもない」「むしろ逆だよ」という意味になります。
A: Are you angry with me?
私に怒っているの?
B: Far from it. I was just worried about you.
とんでもない。君のことが心配だっただけだよ。
A: Was the presentation easy?
プレゼンは簡単だった?
B: Far from it. I practiced for weeks.
全然。何週間も練習したよ。
ここでのitは、直前に相手が述べた考えや状態を指します。単独の返答として使えるのがポイントです。
Far from being A, Bで「AどころかB」
文頭に Far from being A を置くと、「Aであるどころか」という対比を作れます。
Far from being disappointed, she was relieved.
彼女は失望するどころか、ほっとしていました。
Far from being a burden, his help saved us time.
彼の手助けは負担どころか、私たちの時間を節約してくれました。
Far from ignoring the problem, the team discussed it every day.
チームは問題を無視するどころか、毎日話し合っていました。
前半で予想を否定し、後半で実際はどうだったかを示す形です。文章でも会話でも、意外な対比をはっきり伝えられます。
far fromと似た表現の違い
far fromとnot at all
not at all は「まったく〜ない」という直接的な全否定です。far fromは、ある基準との大きな隔たりに焦点を当てます。
The answer is not clear at all.
その答えはまったく明確ではありません。
The answer is far from clear.
その答えは明確とは程遠いです。
後者には「明確であるべきなのに、実際はそこからかなり遠い」という評価がにじみます。詳しい使い方はnot at allの意味と使い方で確認できます。
far fromとanything but
anything but も「決して〜ではない」という強い否定です。far fromが基準との距離を感じさせるのに対し、anything butは「それ以外なら何でも」という発想で、反対の評価を強調します。
The meeting was far from productive.
会議は生産的とは程遠いものでした。
The meeting was anything but productive.
会議は決して生産的ではありませんでした。
nothing but・anything but・all butの違いも参考になります。
far fromとnowhere near
nowhere near は「〜には全然及ばない」という口語的な表現です。意味はfar fromに近いですが、会話ではよりくだけて響くことがあります。
We’re nowhere near ready.
私たちはまだ全然準備ができていません。
We’re far from ready.
私たちは準備完了には程遠いです。
日本人が間違えやすいポイント
far fromの後ろにto doを置かない
fromは前置詞なので、動詞を続けるなら-ing形です。
× We are far from to finish the project.
○ We are far from finishing the project.
私たちはそのプロジェクトを終えるには程遠いです。
far awayの後ろに名詞をそのまま置かない
× The hotel is far away the station.
○ The hotel is far from the station.
○ The hotel is far away.
基準となる場所を続けるならfromが必要です。
いつも「遠い」と直訳しない
The result is far from ideal. を「結果は理想から遠い」としても意味は取れますが、自然な日本語なら「結果は理想には程遠い」です。文脈に応じて「決して〜ではない」「〜どころではない」と訳しましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
far fromが出てこないときの簡単な言い換え
会話中にfar fromが思い出せなくても、基本的なnotやstillで十分伝えられます。
- It is not perfect at all.
まったく完璧ではありません。 - It still needs a lot of work.
まだたくさん手直しが必要です。 - We are not ready yet.
私たちはまだ準備ができていません。 - She is not selfish. In fact, she is very kind.
彼女は自分勝手ではありません。実際、とても親切です。
まず簡単な英語で意味を伝え、余裕があるときにfar fromを使えば大丈夫です。
まとめ
- far fromの核は「ある場所・基準から大きく離れている」
- 場所なら「〜から遠い」、状態なら「〜には程遠い・決して〜ではない」
- 形容詞・名詞を直接続けられ、動詞なら-ing形にする
- Far from it. は「とんでもない・むしろ逆」
- Far from being A, B で「AどころかB」という対比を作れる
far fromを「強い否定」とだけ覚えず、基準との距離として捉えると、初めて見る文でも意味を推測しやすくなります。ほかの表現も学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧もご覧ください。









