
人にぶつかってよろけた、電車が揺れて体がふらついた、立ち上がった瞬間にバランスを崩した――日本語ではどれも「よろける」と言えますが、英語では何が原因で、体がどう動いたかによって表現を選びます。
先に結論を言うと、足取りが大きく乱れてよろめくなら stagger、体が左右・前後に揺れるなら sway、原因を細かく言わず「バランスを崩す」と伝えるなら lose your balance が自然です。何かに足を引っかけた場合は trip、足元が乱れて数歩よろめく場合は stumble も使えます。
| 英語表現 | 中心イメージ | よくある場面 |
|---|---|---|
| stagger | 足取りが不安定になり、倒れそうによろめく | 衝撃、疲労、重い荷物 |
| sway | 体や物がゆっくり左右・前後に揺れる | 電車、強風、音楽 |
| lose your balance | 姿勢を保てなくなる | 段差、立ち上がる瞬間、滑りやすい床 |
| stumble | 足取りが乱れ、つまずくようによろめく | 暗い道、疲労、段差 |
Contents
「よろける」の基本表現は stagger
stagger は、足取りが大きく乱れ、倒れそうになりながら数歩動く様子を表す自動詞です。強い衝撃を受けたとき、疲れ切っているとき、重い物を持っているときなど、まっすぐ立ったり歩いたりできない場面に合います。
- He staggered backward after someone bumped into him.
誰かにぶつかられ、彼は後ろによろけました。 - I staggered under the weight of the suitcase.
スーツケースの重さで私はよろけました。 - She staggered to her feet after the fall.
彼女は転んだあと、よろよろと立ち上がりました。 - He staggered across the room.
彼は部屋をよろよろと横切りました。
stagger は基本的に目的語を直接取らず、stagger backward(後ろへよろける)、stagger across the room(部屋をよろよろ横切る)、stagger to one’s feet(よろよろ立ち上がる)のように、方向や到達点を後ろへ続けます。
staggerには「衝撃を与える」という他動詞もある
stagger は他動詞になると「人を動揺させる」「衝撃を与える」という抽象的な意味にもなります。身体動作の「よろける」とは文型が違います。
- The news staggered everyone in the office.
その知らせはオフィスの全員に衝撃を与えました。
身体の動きなら She staggered.、人に衝撃を与えたなら The news staggered her. です。主語と目的語を見ると区別できます。
swayは体が「揺れる」とき
sway は、体や物が一方向へ倒れ込むのではなく、左右または前後にゆっくり揺れる動きを表します。走行中の電車、強い風、音楽に合わせた動きなど、揺れが続く場面に向いています。
- I swayed when the train suddenly moved.
電車が急に動き、私はよろけるように揺れました。 - She swayed from side to side but stayed on her feet.
彼女は左右によろけましたが、倒れませんでした。 - The crowd swayed to the music.
観客は音楽に合わせて体を揺らしました。 - The trees were swaying in the wind.
木々が風に揺れていました。
sway from side to side は「左右に揺れる」、sway in the wind は「風に揺れる」、sway to the music は「音楽に合わせて揺れる」です。sway は必ずしも危険な動きを意味しません。踊るような穏やかな揺れにも使えます。
lose your balanceは原因を問わない万能表現
lose your balance は直訳すると「自分のバランスを失う」で、よろけた理由や足の動きを細かく説明しない、最も使いやすい表現です。転びそうになったが転ばなかった、という場面にもよく合います。
- I lost my balance when I stood up.
立ち上がったときに、私はよろけました。 - She lost her balance on the wet floor.
彼女はぬれた床でバランスを崩しました。 - He almost lost his balance getting off the bus.
彼はバスを降りるとき、危うくよろけるところでした。 - I grabbed the rail so I wouldn’t lose my balance.
よろけないよう、私は手すりにつかまりました。
主語に合わせて my / your / his / her / our / their を変えます。「私はよろけた」なら I lost my balance. であり、I lost the balance. とは通常言いません。balance の前には、その人に対応する所有格を置くのがポイントです。
しゅみすけ(大山俊輔)

stumble・trip・fallとの違い
「よろける」に近い身体動作には stumble、trip、fall もあります。ただし、それぞれ焦点が違います。
stumble:足取りが乱れてよろめく
stumble は、足元が乱れて前方へよろめいたり、何歩か不安定に進んだりする動きです。障害物に足を引っかける場合もありますが、疲れや暗さで足取りが乱れる場面にも使えます。
- She stumbled as she stepped off the curb.
彼女は縁石から降りるときによろめきました。 - He stumbled forward and caught the table.
彼は前によろけ、テーブルにつかまりました。
trip:何かに足を引っかける
trip は、段差、コード、石などに足を引っかけてバランスを崩す動作です。原因となる物を示すなら trip over+物 を使います。
- I tripped over a bag and nearly fell.
バッグにつまずき、危うく転ぶところでした。
詳しい違いは、「つまずく」は英語で?trip・stumble・trip overの違いでも整理しています。
fall:実際に転ぶ・倒れる
stagger、sway、lose your balance は、バランスを崩しても持ち直した場面で使えます。一方、fall は実際に地面や床へ倒れた結果まで表します。
- I lost my balance, but I didn’t fall.
私はよろけましたが、転びませんでした。 - She staggered and fell against the wall.
彼女はよろけ、壁にもたれかかるように倒れました。
原因別に「よろける」を選ぶ
人にぶつかられてよろける
一度の衝撃で足取りが乱れたことを強調するなら stagger が自然です。
- Someone pushed past me, and I staggered backward.
誰かが私を押しのけて通り、私は後ろによろけました。 - I lost my balance when he bumped into me.
彼にぶつかられて、私はバランスを崩しました。
電車や船でよろける
乗り物の継続的な揺れなら sway、急発進などで一度バランスを崩したなら lose your balance が使いやすいです。
- We swayed as the train went around the curve.
電車がカーブを曲がるとき、私たちは体が揺れました。 - I almost lost my balance when the bus stopped suddenly.
バスが急停車し、私は危うくよろけるところでした。
疲れや体調不良でよろける
疲労でよろよろ歩くなら stagger が合います。めまいを感じたことが中心なら、動作だけでなく feel dizzy や feel lightheaded で原因を伝えると自然です。
- I was so tired that I staggered down the hallway.
とても疲れていて、廊下をよろよろ歩きました。 - I felt dizzy and had to hold on to the wall.
めまいがして、壁につかまらなければなりませんでした。
体調を説明したい場合は、「めまい」は英語で?dizzy・lightheaded・vertigoの違いも参考になります。
方向・前置詞・よく使う語順
| 形 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| stagger+方向 | ある方向へよろめく | stagger backward / forward |
| stagger+場所表現 | よろよろ移動する | stagger across the room |
| sway from side to side | 左右に揺れる | sway from side to side |
| sway in / with | 風などの中で揺れる | sway in the wind |
| lose one’s balance+when / on | 時・場所・原因を続ける | lose my balance on the stairs |
「後ろによろける」は stagger backward、「前によろける」は stagger forward が明快です。lose your balance は方向を含まないため、必要なら and fell backward や and took a step back と結果を足します。
日常・仕事・旅行で使える自然な例文
- I nearly lost my balance in these heels.
このヒールで危うくよろけるところでした。 - She staggered when the box shifted in her arms.
腕の中で箱がずれ、彼女はよろけました。 - The sudden gust made me sway.
突然の突風で私は体が揺れました。 - Please hold the handrail so you don’t lose your balance.
よろけないよう、手すりを持ってください。 - Are you okay? You looked unsteady for a moment.
大丈夫ですか?一瞬ふらついて見えました。 - I caught her arm before she fell.
彼女が転ぶ前に腕を支えました。 - He staggered back from the impact.
彼は衝撃で後ろによろけました。 - The boat rocked, and we all lost our balance.
船が揺れ、私たちは全員バランスを崩しました。
接客や介助では、相手の動きを断定するより Are you okay?、Would you like to sit down?、Please hold the handrail. のように安全確認と提案を組み合わせると丁寧です。
日本人が間違えやすいポイント
「よろける」をすべて stumble にしない
stumble は便利ですが、電車で体が左右に揺れるだけなら sway、単に姿勢を崩したなら lose your balance のほうが場面に合います。足取りの乱れがないのに stumble を使うと、つまずいた印象が強くなることがあります。
lose balanceではなく所有格を入れる
会話では lose my balance / lose your balance / lose her balance のように、誰のバランスかを示します。
- × I lost balance.
- ○ I lost my balance.
私はバランスを崩しました。
「よろけた」だけでは「転んだ」にならない
よろけたあとに倒れたなら staggered and fell、lost my balance and fell と結果を加えます。逆に転ばなかったことを言いたければ but didn’t fall を続けます。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
stagger や sway が出てこなくても、会話を止める必要はありません。「まっすぐ立てなかった」「後ろへ一歩動いた」「壁につかまった」「転びそうになった」のように、見えた出来事を基本語で順に説明します。
- I couldn’t stand straight for a moment.
一瞬、まっすぐ立てませんでした。 - I took a step back because someone hit me.
誰かにぶつかられて、一歩後ろへ下がりました。 - The train moved, and I almost fell.
電車が動き、私は転びそうになりました。 - I had to hold the wall to stay up.
立っているために壁につかまらなければなりませんでした。 - My body moved from side to side.
体が左右に動きました。
難しい動詞を思い出そうとするより、couldn’t stand straight、took a step back、almost fell のように、知っている英語で原因と結果を二文に分けるほうが伝わりやすいこともあります。
しゅみすけ(大山俊輔)
短い会話で確認
A: Are you okay? You almost fell.
大丈夫?転びそうだったよ。
B: I’m okay. I just lost my balance when the train moved.
大丈夫。電車が動いたときにちょっとよろけただけ。
A: Hold on to the rail.
手すりにつかまってね。
B: I will. Thanks.
そうする。ありがとう。
「よろける」の英語についてのFAQ
一番覚えやすい表現はどれですか?
まずは lose your balance がおすすめです。原因や動きがはっきりしない場面でも使いやすく、「転びそうになったが持ち直した」という状況を自然に伝えられます。
staggerとstumbleの違いは何ですか?
stagger は衝撃・疲労・重さなどで足取り全体が大きく乱れる動き、stumble は足元が乱れたり何かにつまずいたりして前方へよろめく動きが中心です。場面によって重なることもありますが、話し手がどの動きに注目しているかが違います。
swayは「よろける」以外にも使えますか?
はい。木が風に揺れる、観客が音楽に合わせて体を揺らす、カーテンが揺れるなど、穏やかな往復運動にも使います。必ずしも転倒の危険を含みません。
よろけて転んだ場合はどう言いますか?
I lost my balance and fell. または I staggered and fell. と言えます。fall を加えることで、実際に転倒した結果まで明確になります。
まとめ
- stagger:衝撃・疲労・重さなどで足取りが大きく乱れ、よろめく
- sway:体や物が左右・前後に揺れる
- lose your balance:理由を問わず、姿勢やバランスを崩す
- stumble:足取りが乱れ、つまずくようによろめく
- fall:よろけたあと、実際に転ぶ・倒れる
「よろける」を英語にするときは、日本語に一対一で単語を当てるのではなく、原因と体の動きを見ます。迷ったら lose your balance、足取りが大きく乱れるなら stagger、揺れが続くなら sway と整理しましょう。表現が出てこないときも、almost fell や couldn’t stand straight のような基本英語で十分に伝えられます。










