映画『アリスのままで(Still Alice)』は、若年性アルツハイマー病と診断された言語学者アリスと、その家族の変化を描くヒューマンドラマです。
記憶や言葉が少しずつ失われても、その人はその人ではなくなるのか。英語タイトルの短い2語には、作品の中心にある問いが込められています。
・Still Aliceという英語タイトルの意味
・ネタバレなしのあらすじと見どころ
・struggleとfightの違い
・相手を思いやる英語と初心者向けの簡単な言い換え
Contents
『アリスのままで』の作品情報
- 原題:Still Alice
- 日本公開:2015年
- 監督・脚本:リチャード・グラツァー、ウォッシュ・ウェストモアランド
- 原作:リサ・ジェノヴァ『Still Alice』
- 出演:ジュリアン・ムーア、アレック・ボールドウィン、クリステン・スチュワートほか
Still Aliceの意味|「今もアリスのまま」
stillには複数の意味がありますが、このタイトルでは「今もなお」「それでも変わらず」という意味で読むのが自然です。 Still Aliceを文章に補えば、She is still Alice.(彼女は今もアリスです)。記憶や能力が変化しても、アリスという一人の人間の価値や尊厳は変わらないという作品の主題につながります。I’m still learning English.
私は今も英語を学んでいます。
Are you still awake?
まだ起きていますか?
She is still herself.
彼女は今も彼女自身です。
あらすじ|言葉を研究してきた教授が言葉を失い始める
アリス・ハウランドは、大学で教える著名な言語学者です。夫と3人の子どもに囲まれ、仕事にも家庭にも恵まれた生活を送っていました。 しかし、講義中に単語が出てこなくなったり、慣れた場所で道が分からなくなったりすることが増えていきます。診断は若年性アルツハイマー病。言葉と記憶を専門にしてきたアリスにとって、それは自分の土台が揺らぐような出来事でした。 病気は本人だけでなく、夫婦の将来、子どもたちの選択、家族の距離にも影響します。本作は「病気を克服する物語」ではなく、変化の中でも自分らしく生き、家族が互いを理解し直そうとする過程を静かに描いています。若年性アルツハイマー病とは
Alzheimer’s Associationでは、65歳未満で発症するアルツハイマー病をyounger-onset Alzheimer’s diseaseまたはearly-onset Alzheimer’s diseaseと説明しています。 若い人の物忘れがすべてこの病気を意味するわけではありません。診断には病歴、認知機能検査、血液検査、脳画像などを含む総合的な医学的評価が必要です。映画は理解のきっかけになりますが、診断の代わりにはなりません。気になる症状がある場合は医療機関へ相談してください。 詳しくはAlzheimer’s Associationの若年性アルツハイマー病に関する解説を参照できます。『アリスのままで』から学ぶ英語表現
struggle to do|~するのに苦労する
struggle to doは、「しようとしているが、難しくてうまくいかない」「懸命に取り組んでいる」という意味です。I’m struggling to remember his name.
彼の名前を思い出すのに苦労しています。
I’m struggling to stay awake.
起きていようとしていますが、かなりつらいです。
She struggles with new technology.
彼女は新しい技術に苦労しています。
struggleとfightの違い
どちらも日本語では「闘う」と訳されますが、焦点が異なります。- struggle:困難の中でもがく、苦労する
- fight:相手・問題・不正などに対して積極的に闘う
We’re struggling with the problem.
私たちはその問題への対応に苦労しています。
We’re fighting discrimination.
私たちは差別と闘っています。
stay connected|つながり続ける
connectは機器を「接続する」だけでなく、人と「つながる」という意味でも使えます。stay connectedは、そのつながりを保つことです。Let’s stay connected.
これからも連絡を取り合いましょう。
Music helps her stay connected to her memories.
音楽は、彼女が記憶とのつながりを保つ助けになります。
lose track of|~が分からなくなる/見失う
trackは「跡・道筋」。lose track ofは、時間、話の流れ、人や物の所在などを追えなくなる表現です。I lost track of time.
時間を忘れていました。
Sorry, I lost track of what I was saying.
ごめんなさい、何を話していたか分からなくなりました。
take one day at a time|一日一日を大切にする
先のことを一度に考えすぎず、今日という一日に向き合う表現です。病気に限らず、変化の大きい時期や忙しい日にも使えます。I’m taking it one day at a time.
一日ずつ向き合っています。
「頑張って」を英語でどう伝える?
日本語の「ファイト!」を、そのままFight!とは通常言いません。試験や試合の前なら、次の表現が自然です。- You can do it!(あなたならできるよ)
- Good luck!(うまくいくよう願っています)
- I’ll do my best.(ベストを尽くします)
- I’m here for you.(あなたのそばにいるよ)
- Take your time.(ゆっくりで大丈夫です)
- How can I help?(私に何ができますか?)
- Would you like to talk?(話したいですか?)
初心者でも言える簡単な英語
難しい表現が出てこないときは、知っている単語で十分伝えられます。- I can’t remember the word.(その単語を思い出せません)
- Please give me a moment.(少し待ってください)
- I’m still me.(私は今も私です)
- I’m here with you.(ここで一緒にいるよ)
- We can take it slowly.(ゆっくり進めましょう)
映画を使った英語学習の進め方
- 最初は日本語字幕で物語を理解する
感情の流れを先に理解すると、英語の声色にも気づけます。 - 短い場面だけ英語字幕で見直す
still、remember、connectedなど、繰り返される語を探します。 - 相手への声かけを一文まねる
I’m here for you.のような短い表現から始めます。 - 自分の日常へ置き換える
I lost track of time.を、仕事や趣味の場面で使ってみます。
まとめ|変化しても「その人のまま」
『アリスのままで』のstillは、「まだ」「今もなお」を表します。記憶や言葉が変化しても、アリスはstill Alice。病名だけで人を定義せず、その人の声や選択、つながりを見ることの大切さを伝える作品です。 英語学習では、struggleのような語だけでなく、I’m here for you.やTake your time.のような相手を急かさない一言にも注目してみてください。映画のテーマを実際の家族・医療英語につなげたい方は、「認知症・物忘れを伝える英語」もご覧ください。forgetful・memory loss・dementiaの違いと、変化を具体的に伝える例文を紹介しています。




