英文法でよく見る S・V・O・C。Sは主語、Vは動詞までは分かっても、Oの目的語とCの補語になると、「どちらも動詞の後ろにあるので見分けられない」と感じる人は少なくありません。
二つの違いを一言でまとめると、目的語Oは動作が向かう対象、補語Cは主語または目的語を説明する語です。She opened the door. の the door は開ける対象なのでO。She is kind. の kind はSheがどのような人かを説明するのでCです。
- 目的語Oと補語Cの基本的な違い
- 「S=C」「O=C」を使った見分け方
- SVO・SVC・SVOCでOとCが果たす役割
- 直接目的語と間接目的語の違い
- 名詞・形容詞・節がOやCになる仕組み
- 英文を前から理解するときの実践的な見方
Contents
目的語Oは動作・認識が向かう対象
目的語は英語で object といい、文型ではOと表します。動詞が表す動作・感情・認識などが「何に」「誰に」向かうのかを示します。
| 英文 | 動詞V | 目的語O | 関係 |
|---|---|---|---|
| She opened the door. | opened | the door | ドアを開けた |
| I like music. | like | music | 音楽を好む |
| We discussed the plan. | discussed | the plan | 計画を話し合った |
| He knows her. | knows | her | 彼女を知っている |
日本語では目的語に「を」が付くことが多いのですが、必ずしも一対一ではありません。enter the room は「部屋に入る」、answer the question は「質問に答える」ですが、英語ではどちらも動詞の直後に目的語を置きます。助詞ではなく、動詞がその名詞を直接要求しているかを見ることが大切です。
補語Cは主語または目的語の中身を説明する
補語は英語で complement といい、文型ではCと表します。主語や目的語だけでは足りない説明を補い、その人・物が「何であるか」「どのような状態か」を示します。
| 英文 | 説明される語 | 補語C | 成り立つ関係 |
|---|---|---|---|
| She is kind. | She | kind | She=kind |
| He became a doctor. | He | a doctor | He=a doctor |
| The soup smells good. | The soup | good | The soup=good |
| They made her happy. | her | happy | her=happy |
Cは単独で動作の対象になるのではなく、SまたはOに情報を戻します。これが目的語との最も重要な違いです。
OとCは「=」が成り立つかで見分ける
迷ったときの基本判定は、前の名詞と後ろの語をイコールで結べるかです。
- She opened the door.:She ≠ the door → the doorはO
- She is kind.:She=kind → kindはC
- They made her happy.:her=happy → happyはC
- They gave her a gift.:her ≠ a gift → herとa giftは二つのO
ただし「=」は数学的に完全に同一という意味ではなく、同じ人・物の属性や状態を説明しているということです。She became a doctor. ならSheとa doctorは同一人物、The sky turned dark. ならdarkはthe skyの状態です。
しゅみすけ(大山俊輔)
SVOとSVCの違い
SVOとSVCは、どちらも動詞の後ろに語が続きます。しかし、文が描く関係は異なります。
| 文型 | 基本関係 | 例文 | 意味 |
|---|---|---|---|
| SVO | SがOに働きかける | She loves music. | 彼女は音楽を愛している |
| SVC | S=C | She looks happy. | 彼女は幸せそうだ |
SVCで使われる代表的な動詞には、be、become、seem、look、sound、feel、smell、taste などがあります。これらは主語と補語をつなぐため、linking verb(連結動詞)とも呼ばれます。
SVOCではCがOの状態を説明する
第5文型SVOCでは、目的語Oの後ろに補語Cが続きます。中心となる関係はO=Cです。
| 英文 | O | C | 関係 |
|---|---|---|---|
| They made her happy. | her | happy | 彼女が幸せな状態になった |
| We call him Ken. | him | Ken | 彼をKenと呼ぶ |
| I found the room empty. | the room | empty | 部屋が空だと分かった |
| Keep the door open. | the door | open | ドアを開いた状態に保つ |
SVOCをさらに詳しく学ぶ場合は、be:RIZEの第5文型SVOCとは?O=Cの見分け方・動詞・例文につないで確認できます。
目的語には直接目的語と間接目的語がある
SVOOでは目的語が二つ並びます。一般に最初が「誰に」を示す間接目的語、次が「何を」を示す直接目的語です。
| 英文 | 間接目的語 | 直接目的語 |
|---|---|---|
| She gave me a key. | me(私に) | a key(鍵を) |
| He told us the truth. | us(私たちに) | the truth(真実を) |
| I sent her an email. | her(彼女に) | an email(メールを) |
me と a key は同じものではないため、どちらもCではありません。She gave a key to me. のように前置詞を使って言い換えられることも、SVOOを見分ける手がかりになります。
名詞だけでなく形容詞や節もO・Cになれる
OとCは「単語の種類」ではなく、文の中で果たす役割です。そのため、名詞だけでなく、まとまりのある句や節も入れます。
| 役割 | 例文 | 該当部分 |
|---|---|---|
| 名詞のO | I like coffee. | coffee |
| 代名詞のO | I know her. | her |
| that節のO | I think that she is right. | that she is right |
| 名詞のC | She is a teacher. | a teacher |
| 形容詞のC | She is kind. | kind |
| 句のC | The problem is under control. | under control |
品詞と文中の役割は別の層です。名詞・形容詞・副詞そのものの働きは、be:RIZEの英語の品詞とは?名詞・形容詞・副詞を「置き場所」で理解するも参考になります。
目的語と前置詞の後ろの名詞はどう考える?
I looked at her. の her は、動詞 looked の直接目的語ではなく、前置詞 at の目的語です。look at 全体では「〜を見る」というまとまりになりますが、構造上は前置詞が名詞との関係を作っています。
- I discussed the problem.:動詞discussの目的語
- I talked about the problem.:前置詞aboutの目的語
日本語訳が同じでも、英語では動詞が直接Oを取るのか、前置詞を介するのかが異なります。この違いが語順や自然なコロケーションにつながります。
OとCを会話・読解で見分ける3ステップ
- 最初に主語Sと動詞Vをつかむ
- 動詞の後ろが動作の対象ならOと考える
- SまたはOの説明ならCと考え、「=」で確認する
例えば The news made me happy. を前から読むと、The news(その知らせが)→made(〜にした)→me(私を)→happy(幸せな状態に)となります。最後に me=happy が成立するため、meがO、happyがCです。
よくある質問
目的語には必ず「を」と訳す語が入りますか?
いいえ。「〜に」「〜が」と訳す場合もあります。日本語の助詞ではなく、英語の動詞と名詞の構造で判断します。
補語はなくても文が成立しますか?
SVCやSVOCを要求する動詞では、補語を外すと意味が不足したり、別の意味になったりします。She became. だけでは通常「何になったのか」が不足します。
副詞は補語ですか?
通常、副詞は修飾語として扱います。ただし場所などを示す表現がbe動詞の後ろで不可欠になる場合は、文法体系によって補語として説明されることもあります。学習初期は、Cを「SまたはOの性質・身分・状態を説明する語」と捉えると整理しやすいでしょう。
まとめ:Oは対象、Cは説明
目的語Oは動詞の動作・感情・認識が向かう対象です。補語Cは主語Sまたは目的語Oの中身を説明します。迷ったら、S=CまたはO=Cが成り立つかを確認してください。
OとCの違いが分かると、5文型は記号の暗記ではなく、英語が「誰が・何をし・何に働きかけ・どんな状態にするか」を組み立てる設計図に変わります。全体像は英語の基本・構造とは?と、be:RIZEの英語の5文型とは?で確認できます。
参考資料
- Cambridge Dictionary Grammar: Objects
- Cambridge Dictionary Grammar: Subject complements
- Cambridge Dictionary Grammar: Verb patterns with and without objects
動詞の動きが主語で完結するか、目的語へ届くかという違いは、英語はなぜ自動詞・他動詞を分ける?目的語へ「動きが届く」仕組みで日本語の「が・を」と比較しながら解説しています。
give me a bookのように目的語を二つ並べる理由は、英語はなぜ目的語を2つ置ける?SVOOで「受け手→物」と並べる理由で、受け手と物の情報順序・日本語の「に・を」と比較して解説しています。
OとCの違いを押さえたうえで、なぜ英語がOの直後にCを置くのかを知りたい方は、英語はなぜ目的語の後ろに補語を置く?SVOCの語順の理由もご覧ください。
補語Cが形容詞や名詞ではなく、原形・分詞・to不定詞で「動き」を表す仕組みは、目的語の後ろに動詞を置ける理由もご覧ください。








