3月の英語・行事をまとめて確認
この記事は「3月は英語でMarch|スペル・発音・略称・由来と3月の行事」クラスターの関連記事です。

毎年3月になると、世界各地の街が緑色に染まり、シャムロックを身につけた人々がパレードを楽しみます。これはアイルランドの守護聖人をたたえるSt. Patrick’s Day(セント・パトリックス・デー)のお祝いです。
日本でも表参道をはじめ各地でパレードやアイルランド文化のイベントが開催されてきました。一方で、「なぜ3月17日?」「四つ葉ではなく三つ葉なの?」「アイルランドでも緑のビールを飲むの?」と聞かれると、意外と知らないことが多い行事です。
この記事では、セント・パトリックス・デーの由来と祝い方、英語・アイルランド語の挨拶、アイルランド出身Paulらが語った現地の様子、そしてgreenを使った英語イディオムまで分かりやすく紹介します。
Contents
セント・パトリックス・デーとは?
St. Patrick’s Dayは、アイルランドの守護聖人Saint Patrick(聖パトリック)を記念して、毎年3月17日に祝われる日です。アイルランドの祝日であると同時に、現在は世界中でアイルランドの文化・歴史・コミュニティを祝う国際的な行事になっています。
英語表記には次の形があります。
- St. Patrick’s Day:米国式でよく見られる表記
- St Patrick’s Day:ピリオドを省く英国・アイルランド式の表記
- Saint Patrick’s Day:Saintを省略しない形
日本語では「セント・パトリックス・デー」「セントパトリックデー」「聖パトリックの祝日」などと表記されます。
なぜ3月17日?聖パトリックとはどんな人物?
3月17日は、聖パトリックの命日と伝えられている日です。アイルランド政府の公式サイトIreland.ieによると、パトリックは5世紀ごろ、ローマ帝国支配下のブリテンで生まれました。
若い頃に海賊にさらわれ、奴隷としてアイルランドへ連れて行かれたと伝えられています。その後脱出して聖職者となり、再びアイルランドへ戻ってキリスト教を広めました。
当初は宗教的な祝日でしたが、移民によってアイルランド文化が世界へ広がると、パレード、音楽、ダンス、食事などを楽しむ祝祭へ発展しました。現在の大規模なパレード文化は、アイルランド系移民の多い米国で発達した側面もあります。
シャムロックは四つ葉ではなく三つ葉
セント・パトリックス・デーを象徴する植物はshamrock(シャムロック)です。特定の一品種だけを指すというより、アイルランドで見られる三つ葉のクローバー類を表す言葉として使われます。
伝承では、聖パトリックが三つの葉を使って、キリスト教のHoly Trinity(三位一体)を説明したといわれています。そのため、行事の中心的なシンボルは幸運の四つ葉ではなく、三つ葉のシャムロックです。
| 英語 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| shamrock | 三つ葉のクローバー類 | アイルランドと聖パトリックの象徴 |
| four-leaf clover | 四つ葉のクローバー | 一般に幸運の象徴 |
| clover | クローバーの総称 | 葉の数を限定しない |
なぜ緑色を身につけるの?
現在、緑はアイルランドの風景、シャムロック、国のイメージと強く結びついています。セント・パトリックス・デーには、緑の服や帽子を身につけたり、シャムロックの飾りをつけたり、建物を緑にライトアップしたりします。
wearing of the greenは、アイルランドへの帰属や聖パトリックの日に緑を身につけることを表す言い回しです。
Everyone was wearing green for St. Patrick’s Day.
みんなセント・パトリックス・デーのために緑色のものを身につけていました。
ただし、「緑なら何でも伝統的」というわけではありません。緑色に着色したビールや大げさなコスチュームなどには、米国をはじめ海外で広まった祝祭文化の要素もあります。
アイルランドではどう祝う?Paulに聞いた本場の様子
b わたしの英会話でレッスンを担当していたアイルランド出身のPaulは、現地のセント・パトリックス・デーについて次のように話していました。
Usually people watch a St. Patrick’s Day parade, which is held in each town across the country. Afterwards people might go drinking at a bar.
一般には、各地で行われるパレードを見ます。その後、バーへ飲みに行く人もいるかもしれません。
現在のダブリンでは、音楽、ダンス、山車、マーチングバンド、地域団体などが参加する大規模なパレードが開催されます。地方都市でも、それぞれの地域に根ざしたイベントが行われます。
アイルランド人は緑のビールを飲む?
Paulは、green beerは本場アイルランドの代表的な習慣ではないと説明していました。
While in some countries you’ll be able to buy green beer, you won’t usually find it in Ireland.
国によっては緑のビールを買えますが、アイルランドでは一般的ではありません。
アイルランドでは、かつて宗教的な意味からパブが閉まる「dry holiday」だった時期もあります。現在は教会へ行く、家族でパレードを見る、音楽を楽しむ、仲間と一杯飲むなど、さまざまな過ごし方があります。
全員が仮装してパレードを歩く?
参加者の中心は、運営団体、地域のスポーツ団体、慈善団体、学校、音楽隊、パフォーマーなどです。沿道で見る人全員が仮装して行進するわけではありません。一般の観客は、緑の服やシャムロックを身につけて応援することが多いでしょう。
米国ではどう祝う?Jacquelynのパレード体験
セント・パトリックス・デーは、アイルランド系移民が多い米国でも大きく祝われます。ニューヨーク、シカゴ、ボストンなどでは大規模なパレードが行われ、シカゴ川を緑色に染める行事も有名です。
米国出身のJacquelynは、2006年にニューオーリンズのパレードを訪れ、多くの人が衣装を着て、緑のビーズを身につけていたと紹介していました。
ただし、St. Patrick’s Dayは米国全体の連邦祝日ではありません。通常どおり開いている学校や会社も多く、「全米が休みになる日」ではない点に注意しましょう。
日本のセント・パトリックス・デー
日本初のSt. Patrick’s Dayパレードは1992年に東京で開催されました。アイルランド政府は、東京のパレードをアジアで最も歴史が長く、規模の大きいセント・パトリックス・デーのパレードとして紹介しています。
表参道のパレードをはじめ、各地で音楽、ダンス、スポーツ、食文化などに触れられるイベントが開催されてきました。開催日・場所は年によって変わるため、参加するときはアイルランド大使館や主催団体の最新情報を確認してください。地域の言葉に興味がある方は、北アイルランド英語のスラング・方言15選もあわせてどうぞ。
セント・パトリックス・デーの英語の挨拶
Happy St. Patrick’s Day!
最も簡単で使いやすい挨拶です。
Happy St. Patrick’s Day!
楽しいセント・パトリックス・デーを!
Wishing you a happy St. Patrick’s Day.
すてきなセント・パトリックス・デーになりますように。
Sláinte!|乾杯・健康を祝して
Sláinteはアイルランド語で「健康」を意味し、乾杯の言葉として使われます。発音の目安は「スローンチャ/スラーンチャ」に近い音です。
Sláinte! Happy St. Patrick’s Day!
乾杯!楽しいセント・パトリックス・デーを!
アイルランド語で「おめでとう」
アイルランド語では次のように言えます。
Lá fhéile Pádraig sona dhuit!
楽しい聖パトリックの日を!
発音は地域差がありますが、Ireland.ieでは英語話者向けに「Lah fay-luh Paw-drig sun-uh gwitch」に近い目安を紹介しています。英語学習者は、まず Happy St. Patrick’s Day! と Sláinte! の2つを覚えれば十分です。
The luck of the Irish to you.
The luck of the Irish to you. は「あなたにアイルランドの幸運がありますように」という祝福表現です。日常の定番挨拶というより、カード、装飾、イベントで見かける祝祭的な言い回しです。
The luck of the Irish to you in your new job!
新しい仕事で幸運に恵まれますように!
セント・パトリックス・デーで使える英単語
| 英語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| patron saint | 守護聖人 | St Patrick is the patron saint of Ireland. |
| parade | パレード | We watched the parade. |
| shamrock | シャムロック | She wore a shamrock badge. |
| Irish heritage | アイルランド系の文化的遺産 | They celebrate their Irish heritage. |
| marching band | マーチングバンド | A marching band led the parade. |
| float | パレードの山車 | The floats were colorful. |
| festivities | 祝賀行事 | The festivities continued all weekend. |
| go green | 緑色になる/環境に配慮する | The city went green for the festival. |
greenを使った英語イディオム8選
元記事を書いたChrisは、セント・パトリックス・デーにちなみ、greenを使う英語表現を紹介していました。行事と直接関係しない表現もありますが、色のイメージをまとめて覚えられます。イディオム全体の仕組みは「イディオムとは?」の解説記事も参考にしてください。
1. give someone the green light|許可を出す
信号の青に相当するgreen lightから、「計画を進める許可を与える」という意味になります。
My manager gave me the green light to start the project.
上司がプロジェクトを始める許可をくれました。
2. have a green thumb|園芸が得意
米国英語で「植物を上手に育てられる」ことを表します。英国英語では have green fingers がよく使われます。
My mother has a green thumb.
母は植物を育てるのが上手です。
3. green with envy|ひどくうらやむ
I was green with envy when I saw her new apartment.
彼女の新しい部屋を見て、うらやましくてたまりませんでした。
4. green around the gills|顔色が悪い
You look a little green around the gills. Are you okay?
少し顔色が悪いよ。大丈夫?
病気、船酔い、吐き気などで青ざめている様子を表す、くだけた表現です。
5. the green-eyed monster|嫉妬
嫉妬を怪物にたとえた表現で、Shakespeareの『Othello』によって広く知られるようになりました。
Don’t let the green-eyed monster ruin your friendship.
嫉妬で友情を壊さないで。
6. be green|未熟である
He’s still green, but he learns quickly.
彼はまだ経験不足ですが、覚えるのが速いです。
人に直接使うと批判的に聞こえる場合があるため、文脈に注意しましょう。
7. The grass is always greener on the other side.|隣の芝生は青い
自分にないもの、ほかの環境のほうがよく見える心理を表すことわざです。
I sometimes want a different job, but the grass is always greener on the other side.
別の仕事がしたくなることもありますが、隣の芝生は青いものです。
8. folding green|紙幣・現金
米国の紙幣の色からcashを表す古いスラングです。現在の日常会話で積極的に使う表現ではありませんが、古い映画や文章で見かけることがあります。
He paid in folding green.
彼は現金で支払いました。
初心者でも言える簡単な英語への言い換え
| 表現 | 簡単な英語 | 意味 |
|---|---|---|
| The luck of the Irish to you. | Good luck! | 幸運を祈ります。 |
| give it the green light | approve it | それを承認する。 |
| have a green thumb | be good at gardening | 園芸が得意。 |
| green with envy | very jealous | とてもうらやましい。 |
| green around the gills | look sick | 具合が悪そう。 |
| He’s still green. | He’s inexperienced. | 彼はまだ経験不足です。 |
よくある質問
セント・パトリックス・デーは毎年いつですか?
毎年3月17日です。パレードや関連イベントは、参加しやすい前後の週末に開催されることもあります。
アイルランドの独立記念日ですか?
独立記念日ではありません。アイルランドの守護聖人Saint Patrickを記念する宗教的祝日に始まり、現在はアイルランドの文化と歴史を祝う国民的・国際的な行事です。
なぜオレンジではなく緑なのですか?
緑はシャムロックやアイルランドの景観、歴史的な国のイメージと結びつき、現在の代表色として定着しています。アイルランド国旗には緑・白・オレンジの3色が使われていますが、祝祭では特に緑が強調されます。
緑の服を着ないといけませんか?
義務ではありません。緑の小物、シャムロックのバッジ、スカーフなどを取り入れるだけでも十分です。何も身につけずにパレードや音楽を楽しんでも問題ありません。
Happy St. Patrick’s Dayと言っても大丈夫ですか?
はい。相手の出身にかかわらず、イベントで交わす明るい挨拶として使えます。アイルランド語に挑戦したい場合は Sláinte! も覚えておくとよいでしょう。
まとめ
セント・パトリックス・デーは、アイルランドの守護聖人Saint Patrickを記念し、毎年3月17日に祝われる日です。宗教的な祝日に始まり、現在はパレード、音楽、ダンス、食文化などを通じて、世界中の人がアイルランド文化に触れる行事になりました。
まずは Happy St. Patrick’s Day! と Sláinte! を覚え、三つ葉のshamrockや緑の小物とともに楽しんでみましょう。英語学習では、give the green light、green with envy、The grass is always greener on the other side.などのイディオムも一緒に覚えると、3月の話題がそのまま語彙学習につながります。
参考:Ireland.ie: Everything you need to know about St Patrick’s Day、Ireland.ie: How Japan has embraced St Patrick’s Day、St. Patrick’s Festival Dublin










