
as such は、前に出た役割や分類を受けて「そのようなものとして」「その立場として」と表す定型表現です。
一方、not … as such は「厳密には〜ではない」「いわゆる〜ではない」という意味になります。文頭の As such, … をいつでも「したがって」と訳す説明も見かけますが、本来は suchが何を指しているかを確認することが大切です。
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as suchの基本的な意味
such は「そのようなもの・そのような種類」を指します。as はここでは「〜として」。したがって、as suchの中心は「そのようなものとして」です。
Emma is the project leader and should be treated as such.
エマはプロジェクトリーダーなので、その立場にふさわしく扱われるべきです。
この文の such は the project leader を指しています。つまり、as such は「プロジェクトリーダーとして」です。
The document is confidential and must be handled as such.
その書類は機密文書なので、そのようなものとして取り扱わなければなりません。
ここでは such が confidential という性質を受け、「機密書類として扱う」という意味になります。
しゅみすけ(大山俊輔)
「その立場として」を表すas such
人の職務・役割・資格を受ける使い方は、as suchの代表例です。
She is a doctor and is respected as such.
彼女は医師であり、医師として尊敬されています。
I’m only an adviser, and I can only speak as such.
私はあくまで助言者なので、その立場からしか話せません。
He was appointed manager and began acting as such immediately.
彼はマネージャーに任命され、すぐにその立場で行動し始めました。
同じ名詞を繰り返さずに、その役割に伴う扱い・責任・行動を述べられます。
物事の分類・性質を受けるas such
as suchが受けるのは人の役職だけではありません。商品、書類、規則、問題などの分類や性質にも使えます。
This is an informal agreement, and we should describe it as such.
これは非公式な合意なので、そのようなものとして説明すべきです。
The room is used as an office, but it wasn’t designed as such.
その部屋は事務所として使われていますが、もともと事務所として設計されたわけではありません。
The comment was meant as a joke, and I took it as such.
その発言は冗談のつもりだったので、私も冗談として受け取りました。
文頭のAs such, …はどう使う?
As such, … を文頭に置くと、前文の役割・分類を受けて「その立場なので」「そのようなものとして」という流れを作れます。
Maya is the most experienced member of the team. As such, she makes the final decision.
マヤはチームで最も経験豊富なメンバーです。その立場から、最終決定を下します。
日本語では自然に「そのため」「したがって」と訳せる場合があります。ただし、論理は単なる原因・結果ではありません。
- マヤ=最も経験豊富なメンバー
- そのような立場として=As such
- 最終決定を下す
このように、前文にsuchが受ける名詞・役割・性質があることが基本です。
単なるthereforeとして使わない
次のように、前文に受ける役割や分類がない場合、as suchを単なる「だから」の代わりにするのは避けたほうが安全です。
△ The train was delayed. As such, I arrived late.
ここでは列車の遅延が「役割・分類」ではなく、単なる原因です。一般的には次のほうが明確です。
The train was delayed, so I arrived late.
電車が遅れたので、私は遅刻しました。
The train was delayed. Therefore, I arrived late.
電車が遅れました。したがって、私は遅刻しました。
実際の英語ではas suchが結果をつなぐように使われる例もありますが、学習者は「前の役割・分類を受ける」という基本を守ると、不自然さを避けられます。

not … as suchの意味は「厳密には〜ではない」
not … as such は、ある分類に完全には当てはまらないことを示します。「まったくない」と全面否定するより、一般に想像する意味では違うと限定する表現です。
There isn’t a dress code as such.
厳密な意味での服装規定はありません。
服装について何らかの慣習や期待はあるかもしれませんが、正式な「ドレスコード」と呼べるものはない、という含みがあります。
It’s not a complaint as such; I’d just like to make a suggestion.
厳密には苦情ではなく、ただ提案をしたいだけです。
We don’t have a reception desk as such.
いわゆる受付カウンターはありません。
I’m not afraid as such, but I do feel nervous.
怖いというわけではありませんが、緊張はしています。
not as suchだけで答える使い方
会話では Not as such. と短く答えることもあります。「厳密にはそうではありません」「そういうわけではありません」という柔らかな部分否定です。
A: Is this a full-time job?
これはフルタイムの仕事ですか。
B: Not as such. It’s a six-month contract.
厳密には違います。6か月契約です。
単純に No. と切るよりも、「近い面はあるが、その分類ではない」と補足する余地を残します。
しゅみすけ(大山俊輔)
as suchとsuch asの違い
語順が逆になるだけで役割が大きく変わります。
| 表現 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| as such | そのようなものとして | treat her as such |
| such as | 〜のような、例えば〜 | cities such as London |
She is the owner, so treat her as such.
彼女はオーナーなので、その立場にふさわしく接してください。
We visited cities such as London and Paris.
私たちはロンドンやパリのような都市を訪れました。
as such のsuchは前の内容を受け、such as は後ろに具体例を出します。such全体の使い分けは、suchの意味・such as・such a・soとの違いで詳しく解説しています。
as suchとin itselfの違い
in itself は「それ自体は」という意味で、周囲の事情と切り離した対象そのものに注目します。
The idea isn’t bad in itself.
そのアイデア自体は悪くありません。
The idea isn’t a plan as such.
そのアイデアは、厳密には計画と呼べるものではありません。
前者はアイデアそのものの評価、後者は「計画」という分類に当てはまるかを問題にしています。
as suchとthereforeの違い
therefore は原因・根拠から結論を導く「したがって」です。as such は前の役割・分類を受けて「その立場として」。日本語訳が「したがって」になる場合があっても、英語の仕組みは異なります。
She is the department head. As such, she approves the budget.
彼女は部門長です。その立場から、予算を承認します。
The budget was reduced. Therefore, we changed the plan.
予算が削減されました。したがって、私たちは計画を変更しました。
日本人が間違えやすいポイント
suchが何を指すか曖昧にしない
文頭にAs suchを置くなら、直前の文に役割・種類・性質など、suchが明確に受けられる内容を置きます。読み手が「何として?」と迷う文は避けましょう。
as suchを「それ自体」と固定しない
文脈によって「そのようなものとして」「その立場として」「厳密な意味での〜」と訳し分けます。いつでも「それ自体」と訳すと、意味がずれることがあります。
not as suchは全面否定ではない
It’s not a problem as such. は「まったく問題ではない」とは限りません。「厳密にproblemと呼ぶものではないが、何か気になる点はある」という含みを持てます。
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
as suchが難しければ、役割や分類を基本語で繰り返せば十分伝わります。
- in that role(その役割で)
- as a manager(マネージャーとして)
- strictly speaking(厳密に言えば)
- not exactly(正確には違う)
- so / therefore(だから/したがって)
She’s the manager, and in that role, she makes the decision.
彼女はマネージャーで、その役割として決定を下します。
It’s not exactly a fee. It’s more like a deposit.
正確には料金ではなく、どちらかというと保証金です。
日常会話・仕事で使える例文
He’s the host, so please treat him as such.
彼が主催者なので、その立場にふさわしく接してください。
The email is an official notice and should be read as such.
そのメールは正式な通知なので、そのようなものとして読んでください。
There was no interview as such; we just had coffee and talked.
厳密な意味での面接はなく、コーヒーを飲みながら話しただけでした。
It wasn’t a date as such, but we had dinner together.
いわゆるデートではありませんでしたが、二人で夕食を食べました。
She’s the only bilingual member. As such, she often helps with overseas calls.
彼女は唯一のバイリンガルメンバーです。その立場から、海外との電話をよく手伝っています。
まとめ
as such の中心は「そのようなものとして」「その立場として」です。前に出た役割・分類・性質をsuchが受け、同じ言葉の繰り返しを避けます。
not … as such なら「厳密には〜ではない」。全面否定ではなく、分類の仕方を丁寧に修正する表現です。文頭のAs suchを見たら単純に「したがって」と置き換えず、suchの指す内容を探してみましょう。
ほかの定型表現は、英熟語・定型表現のまとめから確認できます。語順が似た構文は、such A as Bの意味とsuch asとの違いも参考にしてください。









