
仕事で「議決権を委任する」と言いたいとき、辞書の最初の訳だけでは、依頼なのか、完了報告なのか、正式な手続きなのかが伝わらないことがあります。
先に結論を言うと、権限そのものを移すなら delegate voting authority。特定の人に投票を許可するなら authorize someone to vote、代理人を正式に指定するなら appoint a proxy、委任状による投票なら vote by proxy が中心です。
この記事では、場面別の使い分け、目的語と前置詞、丁寧さ、自然な例文、間違いやすい点、難しい表現が出ないときの簡単な言い換えまで整理します。
Contents
「議決権を委任する」の英語を先に比較
| 英語表現 | 中心となる意味・場面 |
|---|---|
| delegate voting authority | 議決権限を別の人へ委ねる |
| authorize someone to vote | 人に投票する権限を与える |
| appoint a proxy | 代理人を正式に指定 |
| vote by proxy | 代理投票を行う |
同じ日本語でも、何を中心に伝えるかによって英語の動詞が変わります。まず主語が誰か、対象は何か、処理が予定・進行中・完了のどれかを決めると選びやすくなります。
しゅみすけ(大山俊輔)
主要表現の意味と使い分け
議決権限を別の人へ委ねるときに使います。日本語の「議決権を委任する」を一語で置き換えるのではなく、行為、結果、話し手の立場を確認して選びます。
The chair delegated voting authority to the vice-chair.
議長は副議長に議決権を委任しました。
人に投票する権限を与えるときに使います。日本語の「議決権を委任する」を一語で置き換えるのではなく、行為、結果、話し手の立場を確認して選びます。
The shareholder authorized her attorney to vote on her behalf.
株主は弁護士に代理投票する権限を与えました。

appoint a proxy:代理人を正式に指定
代理人を正式に指定ときに使います。日本語の「議決権を委任する」を一語で置き換えるのではなく、行為、結果、話し手の立場を確認して選びます。
You may appoint a proxy to attend and vote at the meeting.
会議に出席し投票する代理人を指定できます。
vote by proxy:代理投票を行う
代理投票を行うときに使います。日本語の「議決権を委任する」を一語で置き換えるのではなく、行為、結果、話し手の立場を確認して選びます。
Members who cannot attend may vote by proxy.
出席できない会員は代理投票できます。
仕事でそのまま使える例文
- The chair delegated voting authority to the vice-chair.
議長は副議長に議決権を委任しました。 - The shareholder authorized her attorney to vote on her behalf.
株主は弁護士に代理投票する権限を与えました。 - You may appoint a proxy to attend and vote at the meeting.
会議に出席し投票する代理人を指定できます。 - Members who cannot attend may vote by proxy.
出席できない会員は代理投票できます。
例文を使うときは、自社の金額、期限、担当者、案件名へ置き換えてください。仕事の英語では、難しい語彙よりも「対象」「期限」「次の行動」が明確であることが大切です。
依頼するとき
Could you please check this and let me know by Friday?
こちらを確認し、金曜日までにお知らせいただけますか。
進捗を報告するとき
We are working on it and will send you an update tomorrow.
現在対応中で、明日進捗をご連絡します。
完了を伝えるとき
We have completed the process. No further action is required.
処理は完了しました。追加対応は不要です。
文型・目的語・前置詞のポイント
delegate A to B で「AをBに委任」。authorize 人 to do で権限を与えます。proxy は代理人・委任状・代理投票を表すため、規約での定義確認が必要です。on behalf of 人 は「人を代表して」です。
日本語では目的語を省略できますが、英語の実務連絡では、it や this が何を指すのか分からなくなることがあります。最初の文では具体的な名詞を使い、次の文から代名詞にすると安全です。
期限を表す by Friday は「金曜日までに完了」、until Friday は「金曜日まで状態が続く」です。変更後の日付には to、変更幅には by が使われることも多いため、数字を伴う文は特に確認しましょう。
フォーマル度と場面による違い
社内チャット
事情を共有している同僚には短い表現が使えます。ただし、数字、日付、対象ファイルなど、行動に必要な条件は省きません。
取引先へのメール
依頼の背景、してほしいこと、期限、次の連絡を順に書きます。命令形だけでなく Could you please …? や Would it be possible to …? を使うと、相手の判断余地を残せます。
As I will be unable to attend the shareholders’ meeting, I would like to appoint Ms. Lee as my proxy and authorize her to vote on my behalf. Please let me know which form is required.
株主総会に出席できないため、リーさんを代理人に指定し、私を代表して投票する権限を与えたいと考えています。必要な書式をお知らせください。
契約・規程・正式通知
正式文書では口語的な句動詞を避け、責任主体と条件を明記します。必要に応じて法務・経理担当者の確認を取り、英語表現だけで権限や法的効果を判断しないようにします。
日本人が間違えやすいポイント
- delegate a person ではなく delegate authority / responsibility to a person
- 普通の会議の代理出席と法的な代理投票を混同しない
- 委任範囲、対象議案、期限、必要書類を確認する
動詞が文法的に正しくても、目的語との組み合わせや話し手の立場が合わないと不自然になります。また、依頼と決定、予定と完了を混同すると相手の行動が変わるため、時制も確認してください。
しゅみすけ式:難しい英語が出ないとき
専門的な表現を思い出せないときは、「議決権を委任する」を一文で訳そうとせず、現在の状態、必要な行動、その結果の3つに分けます。基本動詞の have, get, make, check, send, pay, tell などで十分に伝えられます。
- I cannot attend the meeting.
会議に出席できません。 - Ms. Lee can vote for me.
リーさんが私の代わりに投票できます。 - Please tell me which form to sign.
どの書類に署名すればよいか教えてください。
短い二文に分けると、主語と目的語が見えやすくなります。さらに具体的な日付、金額、担当者を足せば、中学英語でも仕事の指示や確認として機能します。
しゅみすけ(大山俊輔)
場面別チェックリスト
誰の立場で話しているか
依頼する側、承認する側、報告する側で動詞と主語が変わります。相手の権限が必要な場合、一方的な決定の形にしません。
どの段階か
検討中なら現在進行形、予定なら will、完了して現在の状態に関係するなら現在完了形が役立ちます。まだ確定していない内容を完了形で書かないようにします。
相手の次の行動は何か
確認、返信、承認、修正、送付などを明記し、必要なら期限を添えます。情報共有だけなら For your information、返答が必要なら Please confirm などで区別できます。
よくある質問
最初に覚える表現はどれですか?
権限そのものを移すなら delegate voting authority。特定の人に投票を許可するなら authorize someone to vote、代理人を正式に指定するなら appoint a proxy、委任状による投票なら vote by proxy が中心です。
カジュアルな表現を仕事で使ってもよいですか?
社内会話では問題ないことが多いですが、取引先への正式通知や契約関連では中立的で明確な表現を選びます。カジュアルさより、誤解なく条件が伝わるかを優先してください。
難しい単語を使わないと失礼ですか?
いいえ。基本語でも対象、理由、期限が明確なら丁寧で実用的です。please や could だけに頼らず、相手が判断するための情報をそろえることが大切です。
まとめ
「議決権を委任する」は場面によって表現を選びます。delegate voting authority は議決権限を別の人へ委ねる、authorize someone to vote は人に投票する権限を与える、appoint a proxy は代理人を正式に指定、vote by proxy は代理投票を行う。一語対応ではなく、主語の立場、目的語、業務段階を確認すると自然です。










