
きらびやかな衣装、懐かしいディスコミュージック、オーストラリアの広大な砂漠。映画『プリシラ』は、3人のパフォーマーが一台のバスで旅をするロードムービーです。
明るく華やかな場面の一方で、偏見、家族、自分らしく生きることも描かれます。今回は長い原題の意味とあらすじを整理し、honor、get overなど、日常会話に役立つ英語を紹介します。
- 原題The Adventures of Priscilla, Queen of the Desertの意味
- 「プリシラ」が誰を指すのか
- 3人の登場人物と作品の見どころ
- honor、get over、used toの使い方
- 初心者でも言える簡単な英語
Contents
映画『プリシラ』とは?
『プリシラ』は1994年に公開されたオーストラリア映画です。原題はThe Adventures of Priscilla, Queen of the Desert。ドラァグクイーンのミッチとフェリシア、トランスジェンダー女性のバーナデットが、ショーへ出演するためシドニーからアリス・スプリングスへ向かいます。
3人が乗るのは、中古の大型バス。彼らはそのバスを「プリシラ」と名づけ、派手な衣装と大量の荷物を積んでオーストラリア内陸部を進みます。

道中では親切な人々との出会いがある一方、性的指向やジェンダー表現への偏見にも直面します。笑いと音楽を楽しめるだけでなく、3人の友情や、それぞれが家族と自分自身に向き合う姿が心に残る作品です。
ドラァグクイーンとトランスジェンダーの違い
作品を理解するために、登場人物の背景を混同しないことが大切です。
- ドラァグクイーン:衣装、メイク、歌やダンスなどを通して、誇張された女性性を表現するパフォーマー
- トランスジェンダー女性:出生時に割り当てられた性別とは異なり、女性として生きる人
ドラァグはパフォーマンスの形であり、その人の性自認とは別のものです。本作ではミッチとフェリシアがドラァグクイーン、バーナデットがトランスジェンダー女性として描かれています。
原題The Adventures of Priscilla, Queen of the Desertの意味
原題を直訳すると「砂漠の女王プリシラの冒険」です。
- adventure:冒険
- queen:女王/ドラァグクイーン
- desert:砂漠
「プリシラ」は人の名前のようですが、実際には3人が乗るバスの愛称です。Queen of the Desertには、砂漠を進む華やかなバスという意味と、ドラァグクイーンたちの旅という二重のユーモアがあります。
desertとdessertの違い
desertは「砂漠」、dessertは「デザート・食後の甘い物」です。dessertにはsが2つあります。
『プリシラ』の登場人物
ミッチ/ミッツィ
旅を計画するドラァグクイーン。アリス・スプリングスでの仕事には、仲間へすぐに話せない個人的な理由があります。旅を通して、パフォーマーとしての自分と父親としての自分を結び直していきます。
バーナデット
落ち着きと気品を持つトランスジェンダー女性。大切な人を亡くした悲しみを抱えながら旅に加わり、道中で出会ったボブと少しずつ心を通わせます。
フェリシア/アダム
若く、自由奔放で挑発的なドラァグクイーン。騒動を起こすこともありますが、旅のエネルギーを生み出す人物です。

映画から学ぶhonorの意味と使い方
honorは名詞で「名誉」「光栄」、動詞で「敬意を示す」「称える」という意味です。アメリカ英語ではhonor、イギリス・オーストラリア英語ではhonourとつづることがあります。
It is an honor to …|〜できて光栄です
It is an honor to meet you.
お会いできて光栄です。
It was an honor to work with you.
あなたと働けて光栄でした。
be honored to …|〜できて光栄に思う
I’m honored to be invited.
ご招待いただき光栄です。
丁寧で改まった表現です。日常的な集まりなら、I’m happy to be here.のほうが自然なこともあります。
get overの意味|乗り越える・立ち直る
get overの中心イメージは、困難や感情という壁を「越えて向こう側へ行く」ことです。
失恋から立ち直る
It took her a long time to get over him.
彼女が彼を吹っ切るまで長い時間がかかりました。
病気から回復する
I’m getting over a cold.
風邪から回復しているところです。
ショックや困難を乗り越える
We will get over this problem.
私たちはこの問題を乗り越えます。
人が後ろに来ると「その人への未練を断つ」、病気なら「回復する」、問題なら「克服する」と日本語訳が変わります。しかし「障害を越える」という感覚は共通しています。
get overの意味と使い方を詳しく解説した記事では、失恋・病気・困難での違いをさらに確認できます。
used to|以前は〜だった
used to+動詞の原形は、「以前は〜していたが、今はそうではない」という過去の習慣や状態を表します。
- She used to live in Sydney.
彼女は以前シドニーに住んでいました。 - I used to perform every weekend.
以前は毎週末パフォーマンスをしていました。 - They used to be close.
彼らは以前、親しい関係でした。
be used to+名詞・動名詞の「〜に慣れている」とは形も意味も異なります。
Neither does …|〜もそうではない
否定文に同意して「〜もそうではない」と言うとき、Neither+助動詞・be動詞+主語の語順を使えます。
He doesn’t have a partner. Neither does she.
彼にはパートナーがいません。彼女にもいません。
I’m not tired. Neither is he.
私は疲れていません。彼も疲れていません。
会話では、より簡単にShe doesn’t either.やMe neither.と答えることもできます。
at the moment|今のところ・現在
Does he have a partner at the moment?
彼には今、パートナーがいますか?
at the momentは「今この瞬間」「現在のところ」。nowより少しまとまりのある表現で、一時的な現在の状況を尋ねるときに便利です。
- I’m busy at the moment.(今は忙しいです)
- We don’t have any openings at the moment.(現在、空きはありません)
初心者でも言える簡単な英語
映画で出てくる表現がすぐに浮かばないときは、次のように短く言えます。
- I’m very happy to meet you.
お会いできてとてもうれしいです。 - She feels better now.
彼女は今、元気になっています。 - She lived in Sydney before.
彼女は以前シドニーに住んでいました。 - She doesn’t have one, either.
彼女にもいません。 - Is he seeing anyone now?
彼は今、誰かと付き合っていますか? - We can solve this problem.
私たちはこの問題を解決できます。
I’m honoredが大げさに感じるならI’m very happy、get overが出てこなければfeel better。知っている単語で先に伝えることが、実際の会話では大切です。
『プリシラ』が英語学習に向いている理由
- 友情・恋愛・家族についての会話が多い
- 感情を表すくだけた英語に触れられる
- アメリカ英語とは異なるオーストラリア英語の音を聞ける
- 歌と映像が記憶の手がかりになる
ただし会話は速く、スラングや強い言葉も登場します。最初から全部を理解しようとせず、at the momentやget overのような短い表現を一つ選んで聞き取ってみましょう。
まとめ|プリシラ号と一緒に、自分らしさを探す旅へ
『プリシラ』は、華やかな音楽コメディでありながら、偏見、家族、友情、自分らしく生きることを描いたロードムービーです。
原題の「プリシラ」は3人を運ぶバスの名前。Queen of the Desertには、砂漠を進む華やかなバスとドラァグクイーンたちを重ねた遊び心があります。
まずはI’m honored to meet you.とI’m getting over it.を声に出し、作品の旅と一緒に英語の表現も楽しんでみてください。











