世界では何人が英語を話しているのでしょうか。
近年よく使われる推計では、英語を話す人は世界で約15億人です。2025年のEthnologueをもとにした推計では、合計約15.3億人。そのうち、英語を母語・第一言語とする人は約3.9億人、第二言語として使う人は約11.4億人とされます。
つまり、英語話者の約4人に3人は、英語を母語としない人です。英語は「英米の人が使う言葉」というより、異なる母語を持つ世界の人々が共通語として使う言葉になっています。
ただし、英語話者数には世界共通の数え方がありません。日常会話ができる人、仕事で使える人、学校で学習中の人をどこまで含めるかによって、数字は大きく変わります。この記事では、約15億人という数字の内訳と、なぜ正確には数えられないのかを整理します。
先に結論:英語話者は世界で約15億人。内訳の目安は母語話者約4億人、第二言語話者約11億人です。ただし、これは一定の基準で集計した推計であり、「英語を話せる」の定義次第で約15億~20億人程度まで幅があります。
Contents
世界の英語話者数は約15億人
言語情報データベースEthnologueの近年データでは、英語の総話者数はおよそ15億人規模とされ、母語話者と第二言語話者を合わせた総数では世界最大です。
British Councilも、英語は世界で15億人を超える人に使われていると紹介しています。国連の「世界人口予測2024年版」では2024年の世界人口が約82億人とされているため、単純計算すると世界人口の約18~19%、すなわち5人に1人弱が何らかの形で英語を使う計算です。

図では分かりやすく約4億人と約11億人に丸めています。推計値は調査年や集計基準によって変わるため、「15億人ちょうど」と理解するのではなく、15億人規模と捉えるのが適切です。
英語話者約15億人の内訳
| 区分 | 人数の目安 | 英語話者全体に占める割合 | どんな人? |
|---|---|---|---|
| 母語・第一言語話者 | 約3.9億人 | 約25% | 幼少期から家庭や地域で英語を身につけた人 |
| 第二言語話者 | 約11.4億人 | 約75% | 母語以外に、教育・仕事・行政・共通語として英語を使う人 |
| 合計 | 約15.3億人 | 100% | 一定水準以上で英語を使うと推計される人 |
母語話者は約4億人
英語を母語・第一言語とする人は、約3.9億人と推計されています。主にアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドなどに暮らしています。
ただし、これらの国の住民が全員英語母語話者というわけではありません。移民の言語、先住民諸語、フランス語、ウェールズ語など、多様な言語が家庭や地域で使われています。
詳しい国別事情は、英語を母語とする人が多い国一覧で整理しています。
第二言語話者は約11億人
英語を第二言語として使う人は、母語話者の約3倍にあたる約11億人規模です。
インド、シンガポール、フィリピン、マレーシア、パキスタン、ナイジェリア、ガーナ、ケニア、南アフリカなどでは、家庭では地域の言語を話し、学校、役所、大学、職場、異なる母語の人との会話では英語を使う人が多くいます。
さらに、ヨーロッパ、中東、東アジア、中南米などでも、英語は国際的な仕事、研究、旅行、インターネット上の交流に使われています。
英語を第二言語として使う国を見ると、英語が行政・教育・仕事・共通語として果たす役割が分かります。
しゅみすけ(大山俊輔)
「世界で15億人」と「15億人が英語を学習中」は違う
英語人口を調べると、「15億人が英語を話す」という情報と、「15億人が英語を学んでいる」という情報が混在しています。この二つは同じではありません。
| 数字 | 意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 英語話者数 | 英語を母語または第二言語として一定水準で使う人 | どの水準から話者とするかは資料ごとに異なる |
| 英語学習者数 | 学校、語学講座、アプリなどで英語を学んでいる人 | 初心者から高度な話者まで含まれ、話者数と重複する |
| 潜在的な英語利用者 | 簡単な単語を知る人、読むだけの人などを広く含む場合がある | 定義を広げるほど20億人以上という推計も可能になる |
英語学習者の中には、すでに仕事で英語を使える人もいれば、学び始めたばかりの人もいます。そのため、話者数と学習者数を足すことはできません。同じ人が両方に含まれているからです。
なぜ英語話者の人数は正確に分からない?
1.「英語を話せる」の基準が決まっていない
旅行で簡単な買い物ができれば英語話者でしょうか。それとも、仕事の交渉や大学の講義が理解できる必要があるでしょうか。
CEFRでいえばA1程度の人からC2程度の人まで、英語力には大きな幅があります。どこからを「話者」と数えるかで、総数は何億人も変わり得ます。
2.国勢調査の質問が国ごとに違う
ある国では母語を尋ね、別の国では家庭で使う言語、主な言語、会話能力を尋ねます。「英語を話せるか」を国勢調査で質問しない国もあります。
たとえば、家庭では英語を使わなくても職場では毎日英語を使う人がいます。反対に、英語圏で暮らしていても英語をほとんど使わない人もいます。同じ物差しで全世界を調べることは簡単ではありません。
3.複数の言語を使う人が多い
世界の多くの地域では、二言語以上を使うことが珍しくありません。家庭の言語、地域の共通語、国の公用語、国際交流の英語を場面ごとに使い分ける人もいます。
この人を母語話者、第二言語話者、外国語学習者のどれか一つだけに分類すると、現実の言語生活を十分に表せません。
4.自己申告と実際の能力に差がある
国勢調査やアンケートでは、「英語を話せる」と本人が答える方式がよく使われます。しかし、自信を持って「話せる」と答える基準には個人差や文化差があります。
英語を日常的に使っていても「少ししか話せない」と答える人もいれば、簡単な会話ができるだけで「話せる」と答える人もいます。
5.人口と英語教育が変化し続ける
人口増加、移住、都市化、学校教育、インターネット、オンライン会議、動画配信によって、英語を使う人の数は常に変わっています。数年前の推計を現在の正確な人数として扱うことはできません。
英語は世界で最も話されている言語?
これは「何を基準にするか」で答えが変わります。
| 基準 | 世界最大とされる言語 | 英語の位置 |
|---|---|---|
| 母語話者だけ | 中国語(標準中国語・マンダリン) | スペイン語などに次ぐ上位。最大ではない |
| 母語+第二言語の総話者数 | 英語 | 約15億人で世界最大規模 |
| 国際的な使用範囲 | 英語 | ビジネス、科学、航空、外交、インターネットなどで非常に広い |
英語は母語人口だけで世界一になったのではありません。第二言語として使う人が世界中に増えたため、総話者数で最大になりました。
この広がりには、大英帝国の歴史、産業革命、アメリカの経済・文化的影響力、科学技術、航空、インターネットなどが関係しています。詳しくは、なぜ英語が世界共通語になったのかをご覧ください。
英語話者は世界のどこにいる?
英語話者は、英語を母語とする国だけに集中しているわけではありません。
北アメリカ・ヨーロッパ・オセアニア
アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドでは、英語を母語・第一言語とする人が多く暮らしています。北欧やオランダなど、英語が公用語ではなくても第二言語として高い水準で使われる地域もあります。
南アジア・東南アジア
インド、パキスタン、フィリピン、シンガポール、マレーシアなどでは、人口規模の大きさと教育・行政・ビジネスでの使用によって、多数の英語話者がいます。特にインドは、英語母語国ではありませんが、英語を使う人の絶対数が非常に大きい国です。
アフリカ
ナイジェリア、ガーナ、ケニア、ウガンダ、南アフリカなどでは、多数の地域言語と並んで、英語が行政、教育、メディア、都市部の仕事、民族間の共通語に使われています。
中東・中南米・東アジア
英語が公用語でない国でも、観光、大学、国際企業、科学技術、オンライン上の交流で英語を使う人が増えています。都市部や若い世代、国際的な職種で英語使用が多い傾向があります。
国ごとの制度と使用状況を俯瞰するなら、英語圏とは?英語が話されている国一覧、英語を公用語とする国一覧も参考になります。
英語母語話者より第二言語話者が多いことの意味
「ネイティブらしさ」だけを目標にしなくてよい
世界の英語話者の多数派は、英語を母語としない人です。国際的な場面では、日本人とフランス人、インド人とブラジル人など、母語の違う人同士が英語で話すことがよくあります。
その場で大切なのは、特定地域のアクセントを完全に再現することより、要点を明確に伝え、分からなければ確認し、相手に合わせて言い換えられることです。
さまざまな英語に触れる必要がある
アメリカ英語やイギリス英語だけでなく、インド英語、シンガポール英語、フィリピン英語、ナイジェリア英語など、世界には多様な英語があります。
発音や語彙が少し違っても、それぞれの社会で使われ、発展してきた英語です。英語学習では、一つの正解アクセントを探すより、さまざまな話者を理解する柔軟性が役立ちます。
簡単で明確な英語が強い
英語を第二言語として使う人同士の会話では、難しいイディオムや文化依存の冗談より、短く具体的な表現が伝わりやすいことがあります。
- 一文を短くする
- 重要な数字や固有名詞を確認する
- 分からないときは言い換える
- 相手が理解したか尋ねる
- 必要なら文字や図を使う
しゅみすけ(大山俊輔)
よくある質問
世界人口の何パーセントが英語を話しますか?
英語話者を約15.3億人、世界人口を約82億人として単純計算すると、約18~19%です。ただし、話者の定義と推計年が異なるため、あくまで目安です。
英語ネイティブは世界に何人いますか?
近年の推計では約3.9億人、分かりやすく丸めると約4億人です。英語話者全体の約4分の1にあたります。
英語を第二言語として話す人は何人いますか?
約11億人規模と推計されています。英語母語話者のおよそ3倍で、英語話者全体の約4分の3を占めます。
英語を話す人は今後20億人になりますか?
定義を広く取れば、すでに20億人前後とする資料もあります。ただし、人口増加だけでなく、学校教育、翻訳AI、地域言語政策、英語力の基準によって推計は変わります。将来の正確な人数を断定することはできません。
中国語より英語を話す人のほうが多いですか?
母語話者だけなら、標準中国語のほうが多いとされます。第二言語話者まで合わせた総数では、英語が世界最大規模です。
まとめ:英語を話す約15億人の多数派は非母語話者
世界で英語を話す人は、およそ15億人と推計されています。内訳の目安は、母語・第一言語話者が約4億人、第二言語話者が約11億人です。
正確な人数は「どの程度なら英語を話せるとするか」によって変わります。そのため、数字を一点で断定するより、15億人規模であり、約4分の3が英語を母語としない人だという構造を見ることが重要です。
世界の英語は、ネイティブだけのものではありません。異なる言語と文化を持つ人たちが、互いにつながるために使い続けることで成り立っています。
主な参考資料
- Ethnologue: What is the most spoken language?
- British Council: Why English still comes first
- United Nations: World Population Prospects 2024
- Cambridge University Press: The Nature of English as a Lingua Franca
英語そのものをもっと知りたい方へ:語族・起源・歴史・特徴・語彙・世界への広がりを一つの地図にまとめた「英語とは?」総合ガイドもあわせてご覧ください。









