
「やってみる」「苦戦する」「あと一歩で失敗する」「諦める」「最後には成功する」。英語では、挑戦の途中で起きる出来事を、射撃、坂道、ボクシング、船、帽子などのイメージにたとえたイディオムで表します。
このページでは、成功・失敗・努力を表す英語イディオムを、挑戦、努力、困難、失敗、再出発、成功の順に整理しました。まず一覧で意味をつかみ、詳しいニュアンスや例文はリンク先の個別解説で確認してください。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
成功・失敗・努力の英語イディオム一覧
| 段階 | イディオム | 意味 |
|---|---|---|
| 挑戦 | give it a shot | 試しにやってみる |
| 全力勝負 | go for broke | 一か八かで全力を尽くす |
| 努力 | go the extra mile | 期待以上に努力する |
| 猛努力 | work your fingers to the bone | 身を粉にして働く |
| 困難 | an uphill battle | 成功が難しい取り組み |
| 窮地 | grasp at straws | 苦境でわずかな望みにすがる |
| 惜敗 | close, but no cigar | 惜しいが成功ではない |
| ぎりぎり成功 | by the skin of your teeth | ほんのわずかな差で成功する |
| 機会損失 | miss the boat | 好機を逃す |
| 手抜き | cut corners | 必要な手順や品質を省く |
| 降参 | throw in the towel | 敗北を認めて諦める |
| 再出発 | go back to the drawing board | 計画を白紙から練り直す |
| 本番で発揮 | rise to the occasion | 重要な場面で力を発揮する |
| 実績 | a feather in your cap | 誇れる実績・功績 |
| 逆転成功 | have the last laugh | 最後に成功して優位に立つ |
挑戦を始めるイディオム
give it a shot:試しにやってみる
give it a shotは、成功する保証はなくても「まずやってみる」と気軽に挑戦する表現です。直訳は「それに一発の射撃を与える」。ここでの shot は試み・一回のチャンスです。
I’ve never made bread, but I’ll give it a shot.
パンを作ったことはないけれど、やってみます。
go for broke:一か八かで全力を尽くす
go for brokeは、失敗すれば何も残らないほど思い切って全力を注ぐことです。軽い試みの give it a shot より、賭けるものと覚悟が大きい表現。事業、試合、重要な交渉などで使われます。
努力と苦戦を表すイディオム
go the extra mile:期待以上に努力する
求められた距離より「もう1マイル」進むイメージから、義務の範囲を超えて一手間かけることを表します。単に長時間働くのではなく、相手や成果のために追加の努力をする肯定的な表現です。
an uphill battle:困難な取り組み
上り坂で戦う側は不利です。その直訳イメージから、障害が多く、成功まで長い苦労が予想される課題を指します。Convincing everyone will be an uphill battle. なら「全員を説得するのは困難な戦いになる」です。
しゅみすけ(大山俊輔)

失敗・惜敗・諦めを表すイディオム
close, but no cigar:惜しい、あと一歩
かなり正解や成功に近かったものの、結果として達成できなかった場面で使います。cigarは昔の景品のイメージ。努力を認めながらも「成功とは数えられない」という線を引く表現なので、相手への言い方には少し配慮が必要です。
miss the boat:好機を逃す
出航した船に乗り遅れる直訳から、申し込み、投資、就職、購入などの好機を逃す意味になります。単なる失敗ではなく、行動が遅かったため「もう間に合わない」というニュアンスが中心です。
throw in the towel:降参する
ボクシングでセコンドがリングへタオルを投げ、試合を止めることが由来です。努力を始める前にやめるのではなく、戦った末に敗北を認めて諦める響きがあります。
After three failed attempts, he refused to throw in the towel.
3回失敗しても、彼は諦めようとしませんでした。
立て直しと成功を表すイディオム
go back to the drawing board:計画を練り直す
設計図を描く台へ戻る直訳から、失敗した案を小さく修正するだけでなく、基本設計から考え直すことを表します。失敗を終点にせず、次の挑戦へつなぐイディオムです。
rise to the occasion:大事な場面で力を発揮する
プレッシャーのある本番で、状況が求める水準まで自分を高めるイメージです。普段から常に優秀というより、試験、発表、緊急事態など「ここぞ」という場面で期待に応えることを表します。
have the last laugh:最後に成功する
最初は笑われたり不利だったりしても、最終的に成功して「最後に笑う」ことです。単なる成功ではなく、周囲の予想を覆す逆転のニュアンスがあります。
しゅみすけ式:簡単な英語に言い換える
| イディオム | 簡単な英語 | 日本語 |
|---|---|---|
| give it a shot | try it | 試してみる |
| go the extra mile | do more than expected | 期待以上に努力する |
| an uphill battle | a very difficult task | とても難しい課題 |
| throw in the towel | give up after trying | 努力した後で諦める |
| have the last laugh | succeed in the end | 最後には成功する |
使い分けで迷わない3つの軸
挑戦の大きさ
軽く試すなら give it a shot、大きなリスクを取って勝負するなら go for brokeです。同じ「挑戦」でも、失敗したときに失うものの大きさが違います。
結果が出たか
close, but no cigarは惜しくても未達成。by the skin of your teethは余裕がなくても達成しています。「近かった」だけか、「ぎりぎり届いた」かを分けましょう。
撤退か再設計か
throw in the towelは戦いを終えること。go back to the drawing boardは今の案を終えて、新しい計画で再挑戦することです。日本語ではどちらも「仕切り直す」と訳せる場面がありますが、その後に続けるかどうかが異なります。
よくある質問
ビジネスで使いやすい表現は?
go the extra mile、an uphill battle、go back to the drawing board、rise to the occasionは、会議や職場の会話でも使いやすい表現です。強く砕けた響きが心配な場合は、一覧の簡単な英語へ言い換えれば安全です。
失敗した人に close, but no cigar と言ってよい?
友人同士の軽いクイズやゲームなら使えますが、真剣に努力した相手には突き放して聞こえることがあります。You were so close. や That was a great effort. のほうが温かく伝わる場面もあります。
しゅみすけ(大山俊輔)
段階別の短い会話例
挑戦を促すとき
A: I’ve never spoken in front of such a large group.
こんな大人数の前で話したことがありません。
B: You should give it a shot. I’ll help you prepare.
やってみたらいいですよ。準備を手伝います。
ここでは、相手に大きな賭けを迫るのではなく、まず一度試すよう優しく背中を押しているため give it a shot が自然です。
仕事の難しさを共有するとき
A: Can we finish the migration by Friday?
金曜日までに移行を終えられますか。
B: It’ll be an uphill battle, but we can prioritize the critical parts.
かなり厳しいですが、重要な部分を優先できます。
an uphill battle は「不可能」と断定する言葉ではありません。困難や不利な条件が多いことを共有しつつ、取り組みを続ける余地があります。
計画を立て直すとき
A: The client rejected our first proposal.
クライアントが最初の提案を却下しました。
B: Let’s go back to the drawing board and simplify the plan.
計画を一から練り直して、もっとシンプルにしましょう。
この表現には、失敗の責任を責めるより「次はどう設計するか」へ視線を移す働きがあります。チームの再出発を促す場面と相性がよいイディオムです。
学習するときの注意点
直訳だけで意味を決めない
cut cornersは「角を切る」ですが、近道を選んで効率化することを常に褒める表現ではありません。安全確認、材料、品質、必要な工程などを省く否定的な意味が基本です。一方、正当に効率を上げるなら work smarter や streamline the process が合います。
成功の種類を分ける
by the skin of your teethは、試験の合格点や締め切りなどにぎりぎり届いた成功です。rise to the occasionは、重要な場面で期待に応えた成功。have the last laughは、批判や不利な予想を覆した最終的な成功です。同じ「成功する」でも、焦点が余裕のなさ、本番での実力、逆転のどこにあるかが違います。
人を励ます言葉と状況説明を分ける
an uphill battleやclose, but no cigarは状況を端的に描写できますが、落ち込んでいる相手への励ましとしては冷たく聞こえる場合があります。励ましたいなら Don’t give up.、You were very close.、Let’s try again. のような簡単な英語を添えると、意図が伝わりやすくなります。
まとめ:挑戦の流れで覚えよう
成功と失敗のイディオムは、結果だけを暗記せず、挑戦の流れに並べると使いやすくなります。give it a shotで始め、an uphill battleに苦戦し、必要ならgo back to the drawing boardへ戻り、最後にhave the last laughへ至る、という物語にしてみましょう。
気になる表現は一覧の個別記事で例文と類似表現を確認してください。ほかのテーマも探したい方は、英語イディオムの総合一覧へどうぞ。
イディオム全体から表現を探す場合は、英熟語一覧1435選|A〜Z・目的別に検索もご覧ください。










