
cut corners は、時間・お金・労力を節約するために、本来必要な工程や基準まで省くことを表す英語イディオムです。
日本語では「手を抜く」「必要な手順を省く」「安上がりに済ませる」と訳せます。単に仕事を効率化するのではなく、品質・安全・正確さを犠牲にするという否定的なニュアンスが中心です。
この記事では、なぜcornersを「切る」と手抜きになるのか、自然な語順と例文、単数形cut a cornerとの違い、work smarter・skimp on・phone it inとの使い分けまで解説します。
Contents
cut cornersの意味は「必要な工程まで省く」
cut cornersの意味は、早く・安く・楽に済ませるため、守るべき手順や品質基準を省略することです。
The contractor cut corners to finish the building on time.
その請負業者は建物を期限内に完成させるため、必要な工程を省きました。
We can’t afford to cut corners on safety.
安全面で手を抜くわけにはいきません。
結果に問題が出ていなくても、「本来やるべきことを省いた」という判断自体を批判するときに使えます。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「角を切る」が「手を抜く」になる?
cornerは「角・曲がり角」、cutは「切る」です。角に沿ってきちんと進まず、斜めに横切れば距離や時間を短くできます。
この「正規の経路を最後までたどらず、近道をする」というイメージから、仕事や製造で必要な手順を飛ばす意味として理解できます。
ただし、日常のcut cornersは物理的に角を切る話ではなく、ほとんどの場合が比喩です。
- 正規の手順:時間はかかるが、品質を守る
- cut corners:時間や費用を優先し、必要な部分まで飛ばす

ネイティブが感じるニュアンス
cut cornersには、多くの場合「雑に済ませた」「基準を下げた」「後で問題になるかもしれない」という批判が含まれます。
They cut corners, and now the roof is leaking.
彼らが工事で手を抜いたため、今では屋根から雨漏りしています。
Don’t cut corners just because we’re behind schedule.
予定より遅れているからといって、必要な手順を省かないでください。
一方、明らかに不要な作業をなくして効率を上げるなら、cut cornersではなくstreamline the processやwork smarterなどが自然です。
語順と文法:基本はcut cornersのまま使う
cut cornersは、通常目的語を後ろに直接置かない自動詞的な定型表現として使います。
- We cut corners.:私たちは手を抜いた。
- They are cutting corners.:彼らは必要な工程を省いている。
- Never cut corners.:決して手を抜かないで。
何の面で手を抜くかを示すときは、on+名詞をよく使います。
cut corners on+品質・安全・材料・検査など
The company cut corners on quality control.
その会社は品質管理で必要な工程を省きました。
Never cut corners on food hygiene.
食品衛生では絶対に手を抜かないでください。
活用形
- 原形・現在形:cut corners
- 三単現:cuts corners
- 過去形:cut corners
- 進行形:cutting corners
cutは原形・過去形・過去分詞がすべて同じ形です。時制は文脈や周囲の語から判断します。
He often cuts corners when he’s busy.
彼は忙しいときによく手を抜きます。
We cut corners last year, and it cost us more in the end.
昨年、私たちは必要な工程を省き、結局は余計に費用がかかりました。
しゅみすけ(大山俊輔)
よく使われる形
cut corners to do
「~するために手を抜く」と、目的を示す形です。
They cut corners to reduce production costs.
彼らは製造コストを下げるために必要な工程を省きました。
cut corners on something
手を抜いた分野・項目を示します。
We must not cut corners on employee training.
従業員研修で手を抜いてはいけません。
be accused of cutting corners
ニュースやビジネスでよく使われる「手抜きをしたと非難される」という形です。
The manufacturer was accused of cutting corners during testing.
そのメーカーは試験工程で手を抜いたとして非難されました。
corner-cutting
corner-cuttingは「手抜き・工程削減」を表す名詞または形容詞です。
Corner-cutting led to several serious defects.
工程の不適切な省略が、いくつもの重大な欠陥につながりました。
We need to stop these corner-cutting practices.
こうした手抜きの慣行をやめる必要があります。
場面別の自然な例文
仕事・プロジェクト
I know the deadline is tight, but let’s not cut corners.
締め切りが厳しいのは分かりますが、必要な手順は省かないようにしましょう。
The report looks rushed. Did you cut corners?
この報告書は急いで作ったように見えます。手を抜きましたか。
製造・建設
Cheap materials suggest that the builder cut corners.
安い材料が使われていることから、その業者が手を抜いた可能性がうかがえます。
Cutting corners during inspection can put lives at risk.
検査で必要な工程を省くと、人命を危険にさらしかねません。
学校・学習
Don’t cut corners when checking your sources.
情報源を確認するときに手を抜かないでください。
She cut corners on her research and used unreliable data.
彼女は調査で手を抜き、信頼できないデータを使いました。
家庭・暮らし
I cut corners while painting the room, and it shows.
部屋の塗装で手を抜いたので、その雑さが見て分かります。
You can save money without cutting corners on nutrition.
栄養面で質を落とさずに節約することはできます。
cut cornersとcut a cornerの違い
イディオムは通常、複数形のcut cornersです。一方、cut a cornerは運転などで「曲がり角を内側に寄りすぎて曲がる」という文字どおりの意味になることがあります。
- He cuts corners at work.
彼は仕事で手を抜きます。 - The driver cut the corner too sharply.
運転手はその角を内側に寄りすぎて曲がりました。
「手を抜く」の意味で覚えるなら、複数形cornersをひとかたまりで覚えるのが安全です。
似た表現との違い
cut cornersとwork smarterの違い
work smarterは、工夫や仕組みで効率を上げる肯定的な表現です。cut cornersは、必要な品質や手順を犠牲にする否定的な表現です。
- We automated the task to work smarter.
効率よく働くため、その作業を自動化しました。 - We skipped the final check and cut corners.
最終確認を飛ばし、必要な工程を省きました。
cut cornersとskimp onの違い
skimp onは、材料・時間・お金などを「必要量より少なく使う」ことに焦点があります。cut cornersは、手順全体を省略することも含む、より広い表現です。
Don’t skimp on sleep before the exam.
試験前に睡眠を削らないでください。
They cut corners by skipping the safety test.
彼らは安全試験を飛ばして手を抜きました。
cut cornersとphone it inの違い
phone it inは、本人が能力や時間を持っているのに、やる気を出さず最低限の出来で済ませる「気持ちの入っていない仕事」に焦点があります。cut cornersは、時間や費用を省くために工程・基準を飛ばすことに焦点があります。
詳しい使い分けは、phone in・phone it inの意味と使い方でも確認できます。
cut cornersとtake a shortcutの違い
take a shortcutは「近道をする」で、中立または肯定的にも使えます。cut cornersは、必要な部分を省く否定的な評価を伴うのが普通です。
We took a shortcut through the park.
私たちは公園を通る近道を使いました。
They cut corners in the hiring process.
彼らは採用手続きで必要な工程を省きました。
日本人が間違えやすいポイント
単なる節約には使わない
クーポンを使ったり、無駄な支出を減らしたりする健全な節約はcut cornersではありません。品質や安全に悪影響が出るような省略があるかどうかがポイントです。
必ずしも「怠ける」だけではない
本人が忙しい、予算が不足している、経営側から急かされているなど、cut cornersには外的な理由がある場合もあります。それでも、必要な基準を省いたという否定的な意味は残ります。
cornersを単数にしない
「手を抜く」という定型表現では複数形が基本です。
- ○ Don’t cut corners.
- △ Don’t cut a corner.(通常は文字どおりの角の話に聞こえる)
簡単な英語で言い換えるなら
cut cornersが出てこなければ、何を省いたのかを基本語で説明できます。
- skip an important step:重要な工程を飛ばす
- do it too quickly:急ぎすぎて行う
- use cheaper materials:より安い材料を使う
- not check it carefully:丁寧に確認しない
- save time but lower the quality:時間を節約するが品質を下げる
They skipped an important safety check.
彼らは重要な安全確認を飛ばしました。
「手を抜いた」を一語で置き換えようとせず、何をしなかったのかを言えば、簡単な英語でも正確に伝わります。
まとめ
cut cornersは、時間・費用・労力を省くために、本来必要な工程や品質基準まで省く表現です。
- 基本のニュアンスは「手を抜く・必要な手順を省く」
- 語順はcut corners、分野はon+名詞
- イディオムでは複数形cornersが基本
- 健全な効率化work smarterとは違う
- 簡単な言い換えはskip an important step
ほかの英熟語・イディオムも意味の仕組みから学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめも活用してください。











