問題・困難・危機の英語イディオム一覧|トラブル・板挟み・限界・切り抜ける表現

問題・困難・危機を表す英語イディオムのイメージ

「困っている」「板挟みだ」「もう限界」「なんとか切り抜けた」。問題や危機について話す場面では、英語にも状況を一瞬で伝えるイディオムがたくさんあります。ただし、hot waterthin icestormのような単語を文字どおりに追うだけでは、本当の意味が見えにくい表現も少なくありません。

このページでは、問題の発生から、隠れた深刻さ、板挟みや限界、状況の悪化、そして持ちこたえて切り抜けるまでを流れに沿って整理します。まず一覧で全体像をつかみ、気になる表現はリンク先の個別記事でニュアンスや例文を確認してください。

しゅみすけ(大山俊輔)

困っているなら in trouble で十分じゃないの? イディオムを使うと何が変わるのかな。

in trouble は広く使える基本表現です。一方、in hot water なら「まずいことをして叱られそう」、on thin ice なら「次に失敗すると危ない」という、場面の温度や緊張感まで加えられます。

問題・困難・危機の英語イディオム一覧

段階 イディオム おもな意味
トラブル in hot water 困った状況にいる、叱られそうだ
危うい立場 on thin ice 危ない立場にいる
手いっぱい up to your neck in 問題や仕事にどっぷりつかっている
同じ苦境 in the same boat 同じ状況・同じ苦境にいる
隠れた深刻さ the tip of the iceberg 見えているのは問題のごく一部
厄介事を招く open a can of worms 複雑な問題を引き起こす
大げさ a storm in a teacup ささいなことで大騒ぎすること
大げさにする make a mountain out of a molehill 小さな問題を大きく扱う
板挟み between a rock and a hard place 二つの悪い選択肢の間で板挟みになる
追い詰められる with one’s back to the wall 逃げ場がなく追い詰められている
限界 the last straw 我慢の限界を超えさせる最後の出来事
悪化 out of the frying pan and into the fire 悪い状況からさらに悪い状況へ移る
悪循環 a vicious circle 原因と結果が繰り返す悪循環
持ちこたえる keep your head above water 苦しい中で何とか持ちこたえる
切り抜ける weather the storm 困難な時期を耐えて乗り切る
試練をくぐる run the gauntlet 厳しい批判や試練にさらされる
救われる saved by the bell 間一髪で窮地を免れる
助けてもらう save someone’s bacon 人を危機から救う
危機を脱する out of the woods 危険な時期を脱している
希望 light at the end of the tunnel 長い困難の先に見える希望

まず覚えたい「困っている」の表現

in hot water:困った状況にいる

in hot water は、失敗や規則違反などが原因で問題になり、叱責や罰を受けそうな状態です。単に忙しいのではなく、「自分のしたことが原因でまずい立場」という含みがよくあります。たとえば He’s in hot water with his boss. なら「彼は上司との間でまずいことになっている」です。誰との関係で問題なのかは with、何が原因かは overfor で続けられます。

on thin ice:危ない立場にいる

薄い氷の上を歩く絵から、「少しでも間違えると悪い結果になる危うい状態」を表します。すでに問題が表面化している in hot water に対し、on thin ice は警告や瀬戸際の感覚が強めです。You’re on thin ice. は、職場でも人間関係でも「これ以上は危ないよ」という厳しい注意になります。

up to your neck in:〜で首までいっぱい

仕事、借金、問題などに深く入り込み、身動きが取りにくい状態です。I’m up to my neck in paperwork. は「書類仕事で手いっぱいだ」。危機だけでなく、量が多すぎて余裕がない場面にも使えます。主語に合わせて my / your / his / her を変える点も押さえましょう。

問題の大きさ・見え方を表す

the tip of the iceberg:氷山の一角

水面上に見える氷山は全体の一部にすぎないことから、「今見えている問題の背後に、もっと大きな問題が隠れている」と伝えます。日本語の「氷山の一角」とほぼ同じ感覚なので覚えやすい表現です。These complaints are just the tip of the iceberg. のように just と一緒によく使います。

open a can of worms:厄介な問題を引き起こす

缶を開けたら虫が次々に出てくる不快なイメージです。一つの論点に触れたことで、予想以上に複雑な問題や議論を招く場面に向きます。日本語の「藪をつついて蛇を出す」に近いものの、必ずしも余計なことをした人を強く責めるとは限りません。

a storm in a teacup と make a mountain out of a molehill

どちらも「小さなことを大きく扱う」表現です。a storm in a teacup は「実際にはささいな騒動」という出来事の呼び名。make a mountain out of a molehill は「小さな問題を大げさにする」という人の行為を表します。アメリカ英語では前者に近い a tempest in a teapot もあります。

in hot water、between a rock and a hard place、the last straw、weather the stormの直訳と意味

板挟み・追い詰められた状態

between a rock and a hard place:板挟みになる

岩と硬い場所の間に挟まれ、どちらへ動いても楽ではないという比喩です。「悪い選択肢が二つあり、どちらも選びたくない」状況で使います。We’re caught between a rock and a hard place. のように caught を添えることもあります。日本語の「板挟み」より、選択肢そのものがどちらも不利というニュアンスが明確です。

with one’s back to the wall:背水の陣

背中が壁について後ろへ下がれないイメージから、「逃げ道がなく、行動せざるを得ない」状態を表します。With our backs to the wall, we had to cut costs. なら「追い詰められ、コストを削減せざるを得なかった」。複数主語なら our backs と一致させます。

the last straw:我慢の限界

重さに耐えていたラクダの背を、最後の一本のわらが折るという発想です。一つ一つは小さくても積み重なり、最後の出来事が限界を超えさせます。His being late again was the last straw. は「彼がまた遅刻したことで、ついに我慢の限界に達した」。怒りや退職、別れなど大きな決断のきっかけを語るときによく登場します。

しゅみすけ(大山俊輔)

the last straw は「最後のチャンス」ではなく、積み重なった不満を限界まで押す「最後の一件」なんやね。

悪化・悪循環を表す

out of the frying pan and into the fire:一難去ってまた一難

フライパンから逃げたと思ったら火の中へ落ちる、という極端な絵です。悪い状況を抜けようとして、さらに悪い状況へ入ることを表します。単なる連続した不運より、「前の問題を避ける選択が悪化につながった」流れに向いています。

a vicious circle:悪循環

問題Aが問題Bを生み、問題Bがまた問題Aを悪くする循環です。Stress causes poor sleep, and poor sleep causes more stress. It’s a vicious circle. のように、原因と結果を説明してから使うと自然です。反対の好循環は a virtuous circle と言います。

持ちこたえる・切り抜ける表現

keep your head above water:何とか持ちこたえる

水に沈まないよう頭だけを水面に出しているイメージです。収入と支出、仕事量、経営などが苦しいものの、破綻せず何とか続けている状態を表します。We’re earning just enough to keep our heads above water. なら「何とかやっていけるだけは稼いでいる」。余裕がある成功ではなく、ぎりぎり維持している点が重要です。

weather the storm:苦境を切り抜ける

weather を動詞で使い、嵐に耐えて生き残ることから「困難な時期を切り抜ける」という意味になります。会社の不況、家族の危機、長期的な問題など、すぐには解決できない苦境に向く表現です。The company managed to weather the storm. なら「その会社は何とか苦境を乗り切った」です。

out of the woods:危機を脱して

危険の多い森から出るイメージで、「最も危ない段階を脱した」ことを表します。否定文の We’re not out of the woods yet.(まだ安心はできない)が特によく使われます。完全解決を断言するより、回復途中の安全度を表す表現です。

light at the end of the tunnel:困難の先の希望

長いトンネルの出口に光が見えるように、長く続いた困難が終わりに近づき、希望が見え始めた状態です。We can finally see light at the end of the tunnel. と言えば、問題の最中でも前向きな見通しを共有できます。

簡単な英語に言い換えて理解する

イディオム 簡単な英語で言うと 中心イメージ
in hot water be in trouble すでに問題になっている
between a rock and a hard place face two bad choices どちらも選びにくい
the last straw the final problem I can accept 積み重なった末の限界
weather the storm survive a difficult period 長い苦境に耐える
out of the woods be safe from danger 危険な段階を脱する
light at the end of the tunnel hope after a long difficulty 終わりと希望が見える

使い分けのコツ:問題を「時系列」で選ぶ

問題が起きて叱られそうなら in hot water、次の一歩が危険なら on thin ice。二つの悪い選択肢で動けないなら between a rock and a hard place、不満の積み重ねが限界に達したなら the last straw が合います。

まだ苦境の最中でぎりぎり維持しているなら keep your head above water、時間をかけて耐え抜くなら weather the storm。最悪期を過ぎたと伝えるなら out of the woods、出口が見え始めた希望を強調するなら light at the end of the tunnel です。同じ「困難」でも、今どの段階にいるかを決めると表現を選びやすくなります。

しゅみすけ(大山俊輔)

問題の名前だけでなく、「起きた直後・限界・耐えている途中・脱出後」のどこにいるかで覚えると、会話で選びやすそう!

まとめ

問題・困難・危機のイディオムは、ばらばらに暗記するより、トラブルになる → 深刻さが見える → 板挟みや限界に達する → 悪化する → 持ちこたえる → 危機を脱するという物語で並べると定着します。まずは in hot waterbetween a rock and a hard placethe last strawweather the storm の4つから、自分の経験に重ねた例文を作ってみましょう。

イディオム全体を別の切り口から探したい方は、英語イディオムの総合案内もあわせてご覧ください。

イディオム全体から表現を探す場合は、英熟語一覧1435選|A〜Z・目的別に検索もご覧ください。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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