
ほんの小さなミスなのに、まるで重大事故のように扱う。まだ何も決まっていないのに、最悪の結果まで想像して大騒ぎする。そんな場面で使える英語イディオムが、make a mountain out of a molehillです。
直訳は「モグラ塚から山を作る」。小さな土の盛り上がりを巨大な山に変えてしまうイメージから、「些細な問題を必要以上に大きく扱う」という意味になります。
この記事では、意味とニュアンス、語順、自然な例文、似た表現との違い、簡単な英語での言い換えまで解説します。
Contents
make a mountain out of a molehillの意味
make a mountain out of a molehill は、次のような意味です。
- 小さな問題を必要以上に大きくする
- 些細なことを深刻に考えすぎる
- 大したことではないのに大騒ぎする
- 針小棒大に言う
単に「大げさに話す」だけでなく、本来は小さい問題を、重大な問題であるかのように扱うことがポイントです。
Don’t make a mountain out of a molehill.
そんな小さなことを大問題にしないで。
I think we’re making a mountain out of a molehill.
私たちは少し大げさに問題視しすぎていると思います。
しゅみすけ(大山俊輔)
直訳「モグラ塚から山を作る」から意味を理解する
mole は「モグラ」、molehill はモグラが土を掘ったときに地表へできる小さな土の山です。一方、mountain は巨大な山です。
この表現では、もともと小さかったmolehillを、わざわざmountainに作り替えています。
- molehill:実際の問題は小さい
- make … out of …:ある材料から別のものを作り出す
- mountain:頭の中や話の中で巨大化した問題
つまり、直訳の構造そのものが、小さな問題→大問題というニュアンスを視覚的に表しています。

語順とよく使われる形
基本の形は次のとおりです。
make + a mountain + out of + a molehill
モグラ塚から山を作る
冠詞を含めたa mountain / a molehillが定型です。日本語の感覚で冠詞を省かないようにしましょう。
Don’t make a mountain out of a molehill.
相手へ「大げさにしないで」と伝える定番の形です。
It was just one late reply. Don’t make a mountain out of a molehill.
返信が一度遅れただけだよ。そんなに大ごとにしないで。
ただし、強く聞こえる可能性があります。やわらげるなら、MaybeやI thinkを使えます。
Maybe we’re making a mountain out of a molehill.
もしかすると、私たちは少し大げさに考えすぎているかもしれません。
make mountains out of molehills
「いつも小さなことを大問題にする」のように一般的な傾向を言う場合、複数形も使われます。
He tends to make mountains out of molehills.
彼は小さなことを大問題にしがちです。
turn a molehill into a mountain
turn A into Bを使って、同じイメージを表すこともあります。
One careless comment turned a molehill into a mountain.
不用意な一言が、小さな問題を大ごとにしてしまいました。
定型イディオムとしてはmake a mountain out of a molehillのほうが一般的で、覚えておく価値があります。
日常会話での自然な例文
恋愛・人間関係
She didn’t use an emoji this time, but you may be making a mountain out of a molehill.
今回は絵文字がなかったけれど、少し気にしすぎかもしれないよ。
We had a small disagreement. I don’t want to make a mountain out of a molehill.
ちょっと意見が合わなかっただけです。大ごとにはしたくありません。
家庭・暮らし
The scratch is barely visible. Let’s not make a mountain out of a molehill.
傷はほとんど見えません。必要以上に大ごとにするのはやめましょう。
Mom made a mountain out of a molehill when I came home ten minutes late.
私が10分遅く帰っただけなのに、母は大騒ぎしました。
仕事・会議
It’s a minor formatting issue, not a system failure. We’re making a mountain out of a molehill.
これは軽い書式上の問題で、システム障害ではありません。少し大げさに扱いすぎています。
Before we make a mountain out of a molehill, let’s check the actual numbers.
問題を大きく考える前に、実際の数字を確認しましょう。
学校・学習
One bad quiz score doesn’t mean you’ll fail the course. Don’t make a mountain out of a molehill.
小テストが一度悪かったからといって、単位を落とすわけではありません。深刻に考えすぎないで。
どんなニュアンス?使うときの注意点
このイディオムには、「あなたが考えているほど問題は大きくない」という評価が含まれます。そのため、相手の感じ方を否定するように聞こえることがあります。
たとえば、相手が本当に困っているときに、いきなり次のように言うのは避けたほうがよいでしょう。
You’re making a mountain out of a molehill.
あなたは些細なことを大ごとにしています。
内容は正しくても、「考えすぎ」「騒ぎすぎ」と相手を責める響きがあります。仕事や丁寧な会話では、次のようにweを使うと対立を弱められます。
Are we making a mountain out of a molehill here?
私たちは、この問題を少し大きく捉えすぎていないでしょうか。
また、先に共感を示す方法もあります。
I understand why you’re worried, but this may be easier to fix than it seems.
心配する理由は分かりますが、思っているより簡単に直せるかもしれません。
似た表現との違い
a storm in a teacupとの違い
a storm in a teacupも「些細なことで大騒ぎ」という意味です。
- make a mountain out of a molehill:小さな問題を大きな問題へ膨らませる行為に焦点
- a storm in a teacup:狭い範囲で起きている不必要な騒動という状況に焦点
They’re making a mountain out of a molehill.
彼らは小さな問題を大げさに扱っています。
The whole argument is just a storm in a teacup.
その口論全体が、些細なことでの大騒ぎにすぎません。
詳しくはa storm in a teacupの意味・使い方をご覧ください。
blow something out of proportionとの違い
blow something out of proportionは、出来事の重要性・深刻さ・規模を実際以上に膨らませることです。イディオムの意味は非常に近いですが、対象をsomethingとして具体的に置きやすい表現です。
The media blew the comment out of proportion.
メディアはその発言を実際以上に大きく扱いました。
overreactとの違い
overreactは「過剰反応する」。問題を頭や言葉の中で大きくすることだけでなく、怒る・泣く・慌てるなど、反応そのものが強すぎることを表します。
I may have overreacted when I saw the bill.
請求書を見たとき、私は少し過剰反応したかもしれません。
exaggerateとの違い
exaggerateは「誇張する」という広い意味の動詞です。大きさ、数、実績、面白さなど、問題以外のものも誇張できます。
日本人が間違えやすいポイント
molehillをmole holeにしない
molehillは一語で、「モグラ塚」です。moleの穴そのものではなく、掘った土が地表へ盛り上がった部分を指します。
out ofの後ろを入れ替えない
小さいものを材料にして大きいものを作るので、語順は次のとおりです。
mountain out of a molehill
小さなモグラ塚から大きな山
逆にすると比喩の方向が変わってしまいます。
小さなミスを指す表現ではない
この表現が指すのは、ミスそのものではなく、小さな問題を大きく扱う行為です。「些細なミスをする」ならmake a small mistakeなどを使います。
しゅみすけ式:簡単な英語で言い換える
長いイディオムがすぐ出てこなくても、基本語で十分伝えられます。
- It’s not a big problem.
大きな問題ではありません。 - It’s a small issue.
小さな問題です。 - We’re making this too big.
私たちはこれを大きく考えすぎています。 - You may be worrying too much.
少し心配しすぎかもしれません。 - Let’s not make this a big deal.
これを大ごとにするのはやめましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
関連表現
- a storm in a teacupの意味・使い方:些細なことでの大騒ぎ
- cry wolfの意味・使い方:嘘の警告を繰り返し、信用を失う
- Calm down.の意味・使い方:落ち着いてと伝える
より多くの表現は、英熟語・定型表現の一覧から確認できます。
まとめ
make a mountain out of a molehillは、「小さな問題を必要以上に大きくする」「些細なことで大騒ぎする」という意味です。
- molehill:実際には小さな問題
- mountain:大げさに膨らませた大問題
- make A out of B:BからAを作る
相手へ直接使うと批判的に聞こえることがあるため、Maybe we’re making a mountain out of a molehill.のように、maybeやweでやわらげるのがおすすめです。
出てこないときは、まずIt’s not a big problem.と簡単に伝えてみましょう。











